※この作品はR-18です。

裸の少女とポケモンだけが住む世界   作:Momyaka

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Chapter18 ~熱き町、冷たき信念~

 

 青くどこまでも続く海。潮風吹く白い砂浜。

 そんな海岸に寄り添うように多くの建物が立ち並ぶ。

 その中心には巨大なヤシの木が屹立しており町を見下ろしていた。

 

「さあさあ、『鬼かき氷』でも如何かな? オレンシロップ、パイルシロップ色々あるよ!」

「今夜のポケモンコンテスト、楽しみだね!」

「今日はかわいさ部門! 待ちきれないー!」

「しゅばっ! おたからサルベージ、やってます!」

「トレーニングがてら、ひと泳ぎ行くか!」

 

 そして強い日差しと高温に包まれる中でも、ポケモン達は活発に町の中を行き来している。

 

 

 私達は遂に四大都市のひとつ、『サマーリゾート』へ到着したのだ。

 

 

「皆さん、長旅お疲れさまでした。ようこそ『サマーリゾート』へ」

「まずは『カプ・コケコのギルド』ですの?」

「いやぁ、もうお日様も落ちるし皆はんお疲れやろ。それは明日にして今日はもう宿に行きましょ!」

 私たちは『ロイヤルズ』の案内に従い、早速海岸を目指し町の通りを進んでいく。

 

「おっ、『ロイヤルズ』さんだ」

「見知らぬポケモン達もいる……」

「もしかして『スプリングタウン』から?」

 町のポケモン達は私達に気付くと興味深げに視線を向けて来た。

 

(注目されているのは私独りじゃないけど……やっぱり恥ずかしいな…)

 私の裸体にも視線が注がれていると思うと、どうしても顔が赤くなってしまう。羞恥心に耐えながら通りを暫く歩いていると先頭の『ロイヤルズ』が立ち止まった。

 

「えー、ここが『コテージレンタル・ネッコアラ』ですわ、どないです?」

「うん、素晴らしいよ」

 砂浜から伸びる橋の先には海上に建てられた木造のコテージが幾つもある。あれが『サマーリゾート』に滞在する間寝泊まりする場所らしい。

 

「むにゃむにゃ……幾つ借りる……?」

「七棟です。請求は『カプ・コケコのギルド』にお願いします」

(『ナイトスター』が三棟、『ゆけゆけズ』が二棟、インテレオンと私で一棟ずつ……全員別!?)

 てっきり私とインテレオンが同じところで寝泊まりすると思っていたのだが、そうはならなかったらしい。こうなったら彼に夜這いをかけるしかなさそうだ。

 

「飯は出ぇへんけど町で好きに食うて下さい。この町特産のきのみ『パイルのみ』や『ナナのみ』がおすすめですわ!」

「おほほほ、それとポケモンコンテストという娯楽がこの町にはあります。もしご興味あれば夜になったら行ってみてください。明日のため、夜更かしだけにはご注意を」

 そう言い残して『ロイヤルズ』は一足先に町へと戻っていく。

 

「さて……どこのコテージにしようかな」

「わ、私インテレオンの隣で!」

「……うふふ、では私はインテレオンさんの真向かいにしましょうか」

 思案するインテレオンに対しがっつき気味に言うと、マホイップが不気味な笑顔を向けてきた。

 

「やっほーヒバニーくん、それに皆!」

 冷や汗を垂らして後退りしていた時、砂浜側から声が響いてくる。視線を向けるとそこではアシマリが前肢を振ってピョンピョン飛び跳ねていた。

 

「あれアシマリ、もう報告済んだのか?」

「そうそう! それでさ今日の夜、もし良かったらポケモンコンテスト見に行こうよ!」

「ちょっと、あたし達は遊びに来たんじゃないって何度言えば……」

「町でもなんか耳に挟んだな。なんだそれ?」

「えっとねえっとね……」

 ヒバニーに尋ねられたアシマリは目を輝かせながら説明を始める。

 

 

 ポケモンコンテストはポケモン達が己の魅力を審査員と観客に披露する場らしい。部門はかっこよさ、うつくしさ、かわいさ、かしこさ、たくましさの五つに分かれているとのこと。コンテストに出場するポケモンは自らの望む魅力を手にする為、日夜己を磨き上げているのだという。

 

 

「アシマリはアイドル目指してるんだったか?」

「うん! 勉強のためトレンドは確認しとかなきゃね!」

「なら一匹で行けばいいじゃないの、あたし達は救助隊だからそんなのとは関係ない……」

 

「……いいえ、コンテストに出る救助隊も少なくないわよ」

 話し込む二匹に対しチコリータが苛立ち気味に割り込むが、それを止めるのはドラミドロだった。

 

「例えばこの町のゴールドランク『エキサイト』のイルカマン、オオタチ、ランクルス。彼らはコンテストの常連で、特にリーダーのイルカマンはかっこよさ、うつくしさ、たくましさの三部門で優勝経験があるわ」

「ゴールドランク、三部門制覇……手強い……!」

「救助隊だからってコンテストに触れてはいけないなんて理由も無いし、むしろコンテストを通じて救助活動のために得られることだってあるんじゃなくて?」

「ドラミドロ……」

 説明をする仲間をマホイップが意味深な表情で見つめる。

 

「ゴールドランクのコンテストが見れるかもしれねえのか! 行くぜ!」

「わーい! ありがとうヒバニーくん」

「あっ……あたしも……!」

 それを聞いたヒバニーが即座に提案に乗り、チコリータもついて行くようだ。

 

 

「なるほど……そう言われると僕も興味が湧いて来たな」

「インテレオン、今日はかわいさ部門だよ」

 コンテストに行くことを考え始めるインテレオンに対し、私は確認を取る。

 

「え?」

「私を放ってかわいいポケモン達を見に行くの?」

 どういう意味かと首を傾げる彼の前で、私は再度確認。そして上目遣いで彼を見つめたり、お尻をフリフリしたり、ぴょんぴょんジャンプしたりとアピール。

 

 

 

「あざとさ部門」

「っ!?」

 ボソリとアノホラグサに言われ、私は目を丸くして振り返った。

 

「私達も行きましょうインテレオンさん。ルーアはコテージであざとさの練習をしてていいですわよ」

「わ、私も行くーっ!!」

 

 

 

 

 

 夜だというのに町の中心部……繁華街はたくさんのポケモン達が行き交っている。その多くの目的地はドーム状の建物、『ポケモンコンテスト会場』だ。

 

「随分後ろなんだな」

「前の席は予約チケットが必要なんだよー」

 最前列と比べればかなり迫力は落ちるが、観客席は段々になっているため前のポケモンで見えないということなさそうだ。それに職員のランターンが光を灯す事で夜であってもステージはしっかりと明るい。

 

「……アシマリは参加した経験はあるのかしら」

「あはは……何回かあるけど、全部予選落ちなんだー」

 ドラミドロに尋ねられたアシマリは苦笑しながら答えた。

 

「……そう、応援しているわ」

 それに対し、どこか遠い目をしながらドラミドロは返す。

 

「おや、始まるみたいだ」

 トロピカルな装飾で彩られたステージを見ると、一匹のポケモンが立っていた。

 

 

 

「皆さん、本日もお越し頂きありがとうございます! 司会進行を務めますアママイコです! ポケモンコンテストかわいさ部門、始まります!」

 ポケモンコンテスト……私の世界でもホウエン地方やシンオウ地方で開かれているらしいが、実際に見るのは初めてだ。私も周りの熱気にあてられて少しドキドキしている。

 

「まずは一次審査、参加ポケモンの入場です!」

 続けて歓声と共にステージへ現れるコンテスト参加者たち。

 

「エントリーナンバー一番、オオタチだよーっ」

 

 可愛らしい装飾品に身を包み、小さな両手を振る救助隊『エキサイト』のオオタチの姿に観客たちのボルテージが上がって行く。私も思わずそのサラサラの毛並みを撫でてみたくなってしまう。オオタチの他にも着飾った三匹のポケモンが続けて現れ、予選を突破した四匹のポケモンがこのコンテストに出られるようだ。

 

 

「一次審査は終了です。審査員のイエッサンが集計します!」

 

 

「え、もう一次審査終わりか?」

「イエッサンの能力で、観客から出たポジティブ感情の大きさを調べるんだ。勿論大きければ大きい程高得点だよ!」

「なるほど、テキパキしてる」

「確かにこれなら贔屓も効かないし、公平性も保証されるだろうね」

 これだけの観客がいるのに大変なのではと思うが、審査員のイエッサンは慣れた様子で結果をまとめておりそれは杞憂のようだ。

 

「それでは二次審査、アピールタイムです!」

 アママイコの合図と共にオオタチ達が早速前に出る。

 

「『あまえる』っ!」

「『チャームボイス』!」

「『なかまづくり』」

 次々と得意技を放って自らのかわいさをアピールしていくポケモン達。

 

 

「『このゆびとまれ』!」

 

 

 そしてオオタチは技で観客の視線を一身に集め、すかさずクルクル回ったりダンスを踊ったりと次々アピールを繰り出していく。しかし周りのポケモン達も予選を突破した猛者であり、より注目を集める技を繰り出して観客の興味を奪い返していく。

 

「すげえ! お互い一歩も譲らないぞ!」

「だよね! これがポケモンコンテストの醍醐味!」

「こ、こんなのが救助とどう関係するのよ!?」

 

 

 

 そんな攻防を繰り広げていく内に二次審査も終了が近づいてくる。かわいさに特化した大技を披露し観客たちを魅了していく他の参加者達に対し、オオタチはと言うと……。

 

「すう、すう……」

(ね、寝てる!?)

 どういう訳かまだ二次審査が終わっていないというのに眠ってしまっていた。こんな失態を犯していてはアピールできないのではと思っていたが……。

 

(寝姿……かわいいかも…)

 幸せそうなその寝顔を見ていると、私は思わず顔がにやけてしまうのであった。

 

「二次審査終了! それでは集計を行いますのでしばしお待ちください!」

 

 

 

 結果発表までの待ち時間になった途端チコリータが怒り出す。

 

「ちょっとドラミドロ! あんなのから救助活動で得られることって何よ!?」

「……」

 そんな彼女に対し、ドラミドロは何も答えようとしない。まさかチコリータをからかったのだろうか?

 

「凄い盛り上がりだったなー」

「うん! 私も本選に出たいな」

 ヒバニーとアシマリは笑顔で語り合っており、満足している様子。そして他の観客ポケモン達も目いっぱい楽しんだようで幸せそうにしている。

 

(『歪みの穴』現象はこの町の周りでも起きてるのに……)

 土地柄故にこの町のポケモンは皆、難しい事はあまり考えない気楽な思考をしているのだろうか。それもまた生き方の一つではあるかもしれない。

 

 

 

「今回のポケモンコンテストかわいさ部門…優勝はオオタチさんです!」

 大歓声の中、笑顔でパタパタと小さな両手を振るオオタチ。更にファンサービスとばかりにダンスを踊りますます観客席を湧き上がらせる。

 

「オオタチさん、一言コメントをどうぞ!」

「皆、素敵な応援ありがとうーっ! 私や他の参加者ちゃん達で皆を幸せに出来たみたいで嬉しいよ!」

 拍手や歓声が広がる中、ポケモンコンテストは終わりを告げるのであった。

 

 

 

 

 

 砂浜に打ち付ける波の音。コテージの束柱にぶつかり跳ねる水の音。コテージ同士を繋ぐ橋を歩くたびにブーツの底面とぶつかりコツンコツンと音が鳴る。

 

「……」

 なるべく音を立てる訳にはいかず、私は忍び足で進むことにする。既に深夜であるのでマホイップ達も眠っているであろうが、あまり音を立てていては起こしてしまうだろう。

目的地はもちろんすぐ隣のコテージだ。

 

「……インテレオン」

「ぐぅぐぅ……ん?」

 小声で呼びかけながら侵入すると、眠っていた彼も目を覚ます。

 

「……んん、ルーア。何かあったの…?」

「し、しーっ」

 寝ぼけ眼で尋ねてくるインテレオンに対し、私は慌てて声を抑えるよう指示。このコテージの真向かいにはマホイップがいるのだ。

 

「……何だい、どうしたの?」

「約束♡」

 困惑した様子で小声になった彼の前で腰を下ろし、顔を赤くした私は言った。

 

「この『サマーリゾート』に着くまで我慢したよ、やろうよ♡」

「……」

 続けて言うが彼は寝起きで頭がハッキリしていないのかまともに応対してくれない。もっと彼の気分を高揚させ私をレイプしたいと思わせないといけないようだ。それなら私がエッチであることを沢山アピールしなければなるまい。

 

 

 

「ポケモンコンテスト………じゃない、『変態コンテスト』♡」

 私は立ち上がると彼を見下ろしたまま深呼吸した。

 

 

 

「エントリーは私一人……変態な人間のルーアでーす…♡」

 そして先程見たコンテストの真似事をした後、アピールとしてオナニーを始める。勿論両手も玩具も使えない状態…私は腰を前後左右に動かし、脚で股間を擦り出した。

 

「んんっ……♡」

 微弱な刺激が走り、私は熱い吐息を漏らす。同時に膣内のバイブにも意識が集まり、快楽が全身に広がりだした。夜かつ冷えた潮風が入ってくるにも拘らず身体が火照り出し汗まで噴き出てくる。

 

「わ、私、ルーアは両手でのオナニーを禁止されても、それでもこうやってオナニーしちゃう変態だよぉ♡」

 口から涎が垂れると共に、股間からも愛液が滴り始めた。

 

「脚でお股スリスリ……気持ちいけど、足りないよぉ……もどかしいよぉ……♡」

 しかしやはり脚だけでのオナニーでは欲しい快感には全然届かない。マホイップが起きる危険があるのに勝手に腕が手錠の音を鳴らしてしまう。

 

「そ、それじゃあ、発情ダンス踊るね……♡」

 私はそう宣言するとインテレオンの目の前で身を捩り始めた。未成熟な胸を見せびらかすように上半身を動かし、脚を大きく開いて膣液に塗れたパイパンおマンコを晒す。手が使えないままではまともにダンスを踊れないが、それでも脚を上げたりお尻を振ったりと必死に踊り続けた。

 性欲が極限まで高まったまま、汗と膣液を撒き散らしほぼ全裸で踊り狂う私の姿は非常に情けなくみじめで、そして変態的だった。

 

「おおーっ……♡ もうだめぇ……チンポ、欲しいぃ……♡」

 私は踊りながら性欲の限界を迎える。

 

「下さいぃ♡ 変態で性奴隷のルーアに、チンポ挿入して下さいぃぃ♡」

 もう気持ちよくなることしか考えられなくなり、私はインテレオンに懇願した。

 

 

 

「『変態コンテスト』優勝はルーア……商品をあげる……よっ!」

 

 

 

「んぎぃぃぃっ♡♡!?」

 ようやく立ち上がったインテレオンに性器を挿入され、私は愉悦の泣き声を上げる。

 

「来たあっ! やっと来たあっ!! ずっと欲しかったのぉ♡♡」

「静かにしなよ、性奴隷なら言う事を聞くんだ」

「ふひぃっ……♡」

 騒ぐ私をお仕置きするかのように勃起した乳首を摘むインテレオン。性器が挿抜される度に感度が上がった私の膣壁が蹂躙され海流の如く快感が暴れ回る。

 

「ところで『変態コンテスト』ってのはどんな部門があるんだい?」

「はひぃっ♡ いやらしさ、はずかしさ、きもちよさ、みじめさ、スケベさ…沢山あるよぉ♡ んああっ♡」

「ルーアは全部門制覇か、あまりの変態ぶりに恐ろしさすら感じるね」

「あああっ♡ 私、この世界で一番変態だよぉ♡♡」

 レイプされながら私はもっと性欲を解消するため腰を動かす。快楽に浸っている状態なのにもっと快感を欲しがる、私はとんでもなく変態な女の子だ。

 

「欲しいよぉ♡♡ もっともっと気持ちいいの欲しいのぉぉ♡♡」

「しまった……誘われて本能のままに挿入したせいで瞬膜での確認が漏れてた……! くっ、そろそろ出そう……」

 欲情が収まらない私を見てインテレオンの顔から余裕が失われるが、私はひたすらに腰を動かして快楽を取り込んでいく。

 

 

 

「出る……っ!」

「中出しぃぃ♡♡ インテレオンの精子全部搾り取るよぉぉ♡♡」

 

 

 

 射精した彼の性器を膣で咥えたまま私はますます腰の動きをエスカレートさせた。

 

(わ、私も絶頂したい! 絶頂したい絶頂したいぃぃぃ!!)

 私は無茶苦茶に腰を動かし、彼の尿道に残った精子を奪い取りながら膣へと刺激を与える。脳も子宮も膣も身体も全部快楽が欲しくてたまらない状態。

 

「ぐぐ、うわっ!?」

「はううううんっっ♡♡」

 射精で疲労したインテレオンがバランスを崩し、立ちバックの体勢から座った状態に変化。その勢いで性器が勢いよく私の膣内を刺激し嬌声を上げてしまう。

 

「んんんっ♡ 気持ちいいっ♡」

「いててっ! ルーアの手錠が僕のお腹に!」

 腰を上下させる度に私の中に快感がいっぱい広がり、ビクンビクンと身体が痙攣し出す。

 

「くっ……早く絶頂してくれルーア……」

「うにゅうううっ♡♡!?」

 インテレオンが後ろから私の乳首とクリトリスを触り出し、更なる快感が襲い掛かって来た。

 

(レイプされたまま性感帯を弄り回されるの気持ちいいぃぃぃぃ!!)

 

 一気に迫って来る絶頂の大波。私は逃げるどころかラストスパートをかけて迎え入れる!

 

 

 

「イグぅぅぅぅぅぅ♡♡♡!!!」

 

 

 

 絶叫を上げ、私はついに達した。性器が膣から引き抜かれ私は床に倒れ込む。

 

「ふぅ、ふぅ……満足したかいルーア」

「うん……あ、ありがとう……♡」

 膣から精液を溢れさせながら絶頂の余韻を楽しむ私は幸せいっぱいの顔でお礼を言った。

 

 

 

 

 

 翌日、『サマーリゾート』の中心にそびえる巨大ヤシの木の前に集まる一同。

 

「なかなか来ない」

「そうだね、もう予定の時間になっちゃったし……」

 しかしその場にいるのは『スプリングタウン』から来た一行のみで、待ち合わせていた筈の『ロイヤルズ』は未だに姿を見せなかった。

 

「『カプ・コケコのギルド』……間違いない筈よね?」

「ええ、ギルド長と顔を合わせることになっていますわ。困りましたわね」

「もしかして俺達、忘れられてるとか?」

 

 

「……おそらくアクシデントよ」

 面々が困っているとドラミドロが口を開く。

「あ、アクシデント!?」

 まさか私達への応対を後回しにしないといけない事が起きているのだろうか。例えばこの地でもダンジョン巨大化が確認されたとか……。

 

 

「ここのギルド長はファイヤーと比べてかなり気難しいの」

 

 

 刹那、雷鳴が響く。

 

 

「っ!?」

 驚いて視線を向けると巨大ヤシの木の根元にある木の実型の建物から悲鳴と煙が上がっていた。

 

「何事!?」

「急ぎますわよ!」

 只事ではないと判断した一行は急ぎギルド敷地内の建物へと向かう。救助隊ポケモン同士の喧嘩が起きたのか、それとも凶暴化ポケモンがこんな所にまで現れたのか。

 

 煙が上がる建物はすぐ目の前、という所で再びの雷鳴。

 

「長! どうか気を静めるのだ!」

「うるさーいっ、今朝はブリーのみが食べたかったのに!」

 そんな叫び声が聞こえる中、私はインテレオン達に続いて建物の入口をくぐる。そこには大きなテーブルと並べられたきのみ……食堂だろうか。あちこちには南国の植物が植えられた鉢があるものの、騒ぎの余波で幾つか倒れてしまっている。

 食堂の奥では食事をしていた救助隊ポケモンが狼狽えつつ、中心で暴れるポケモンを抑えようと四苦八苦している。

 

 

 

 雷電を纏い怒りに荒ぶる、いわば雷神。

 黒と橙の身体、黄色の殻を持つ土地神ポケモン、カプ・コケコ。

 

 

 

「今朝の献立はセシナのみで了承してたやん……ぐええっ!」

「ああっキングラーが!」

 伝説のポケモンであるカプ・コケコの暴れぶりはシルバーランクの筈のキングラーを吹っ飛ばすほど。

 

「一体何事ですの?」

「あっ! ごめんなさい……よりによってギルド長の気まぐれが起きてしまって……」

 マホイップの問いにアマージョが申し訳なさそうに答える。食事の献立が気に入らず暴れているという事だろうか。ドラミドロが言っていた気難しいというのはこの事だったようだ。

 

「えーいっ、ボクの邪魔をするな……ん?」

 帯電しながら暴れていたカプ・コケコは食堂に入り込んだ私達の存在に気付くと突然動きを止めた。まさか怒りの矛先を向けられたのだろうかと私は冷や汗を垂らす。

 

 

 

「おやおやっ、初めましてだね? ボクはこのギルドで長をやってるカプ・コケコさ!」

 

 しかしギルド長は怒るどころか突然笑顔になって小躍りしながら自己紹介をして来た。虚を突かれた私達はポカンとしていた。

 

「……あ、『スプリングタウン』から参りました『ナイトスター』マホイップと申しますわ!」

「エンペルトから聞いてるよっ。ようこそ『サマーリゾート』へ!」

 慌ててマホイップは畏まりながら名乗ると、カプ・コケコは嬉しそうに歓迎の意を示す。

 

「ど、どういうことだよ? さっきまでブチ切れてたのに…」

「カプ・コケコは非常に怒りっぽいですが、同時に好奇心旺盛でもあります。なので怒ってても興味を持つものがあれば機嫌が良くなりますし、笑っていても少しでも気分を害すると暴れ出すのです」

「な、何よそれ……」

 ヒソヒソ話をするアマージョ達に気付かないまま、カプ・コケコは自分の席に戻りセシナのみを食べ始める。

 

「ガツガツ……ちょっと待っててよ、ガツガツ……朝食の途中だったからね」

「ブリーのみがいいとか言ってなかったっけ……?」

「なしてムカついてたのかもすーぐ忘れるねん…。だけどあんさんらのお陰で助かったわ」

 困惑するインテレオンに対し、ようやく起き上がって来たキングラーが頭を掻きながら小声で答えた。

 

「約束の時間過ぎてる、ギリギリまで朝ご飯?」

「堪忍してや……ギルド長を起こしたらごっつうご機嫌ナナメでな……メシの時間も遅れに遅れて出迎えに行く余裕も出来んかったんや」

「連絡ぐらい欲しい……」

「ごちそうさま、それじゃお話しようか!」

 小声で話している間に朝食を終えたカプ・コケコが素早い動きで食堂から出て行ってしまう。

 

「ギルド長室です! 待たせたらまた怒るかもしれません、急ぎましょう!」

「ええっ!?」

 そんな事を言って走り出すアマージョを慌てて追いかける私達。ファイヤーは威圧感がありつつも色々助言をしてくれ頼りになったのだが、こちらのギルド長はとことん周りを振り回すタイプらしい。今後が心配になりながら私は必死に走ったのであった。

 

 

 

 質素とも言えたファイヤーのギルド長室とは異なり、沢山の木々や装飾で彩られたカプ・コケコの部屋。それはまるで神を崇める為の祭壇のようにも見える。

 

「ようこそボクの部屋へ、好きに寛いでよ!」

 そう言って部屋の主はリラックスし切った様子を見せた。

 

 

「この『サマーリゾート』へ足を運んでくれた事、感謝しよう。『ロイヤルズ』リーダー兼、当ギルドのギルド長補佐を務めるエンペルトだ」

「えっ、そうだったの?」

「あ、ゴメン。ルーアには伝え忘れてたね」

 のんびりしているカプ・コケコとは対照的に一切の隙を見せないエンペルトが私達の前へ出る。

 

「よろしく。早速だけど質問していいかな」

「構わない」

「『スプリングタウン』では詳しく話さなかったけれど……『リライブ』で凶暴化から解放して欲しいというポケモンについて教えて欲しい。救助隊だったりするのかい?」

 

 

 

「……それに限らない。町のポケモン含め三百強だ」

 

 

 

 …………。

 

 

「へ?」

 

 

 それしか言えなかった。

 

 

「三百!? 桁間違ってないか!?」

「どういうことよ!? 何が起きてる訳!?」

 呆然とする私の代わりにヒバニー達が更に質問を投げかけた。

 

「キングラー、依頼書を」

「……はいよ」

 エンペルトに指示されたキングラーは嫌々とした様子で山積みにされた書類をインテレオンの傍に置く。

 

「……」

 すぐさまインテレオンは一番上の書類を手に取り、私も覗き込んでみる。

 

******************************************************

 救助依頼 依頼者ネオラント

 私の妻と娘が出掛けたまま戻って来ません。

 同日にダンジョン『巨大珊瑚礁』が発生したと聞いていて心配です。

 凶暴化ポケモンに襲われる前にどうか救助をお願いします。

 

 結果報告

 救助対象のネオラント及びケイコウオの凶暴化確認。

 救助不能。

******************************************************

 

 インテレオンと私は顔を青くして次々に依頼書を見て行くがどれも同様に救助対象が凶暴化してしまったという結果となっていた。

 

「この町が海に面しているのは知っているだろう。遊泳が得意なポケモンがダンジョン化に巻き込まれる件、近隣の島々に上陸した際にダンジョン化に巻き込まれる件……この町の気風故に『スプリングタウン』よりもこういった事態が頻繁に発生して来た」

「こ、これを全員元に戻せって言うのか!?」

「そうだ。家族や友をダンジョンに奪われ苦しむポケモンを放っておくことなど出来ない。今日から各救助隊と共にダンジョンへ赴き、全て『リライブ』して貰おう」

 

 

 

 三百強……例え一日に一匹元に戻せたとしても三百日以上……。『スプリングタウン』で活動していた時も依頼対象がすぐに見つかるなんて都合のいい事は少なかったし実際にはもっと……。

 

 

「ううっ……」

 あまりの数に気が遠くなり私は頭がフラつき出した。

 

「大丈夫かルーアっ……、『元に戻したいポケモンがいるから協力して欲しい』って話だから一匹だとばかり思っていたのに!」

 

「……これだけの数と伝えれば来ないだろうと思っていた。町でルーアの姿を確認したがどうにも甘えが抜けていないように見受けられたのでな」

 立ち眩みを起こす私を支えたインテレオンに対し、エンペルトは淡々と語る。ガンガン痛み出す頭の中で思い浮かぶのは『スプリングタウン』に来た彼女が私を一瞬だけ見てくる姿。

 

 あの時の鋭い眼光で、私の表情や立ち振る舞いから読み取ったのだろう。

 

 

「黙って聞いていれば勝手なことばかり仰いますわね。確かに凶暴化したポケモンが戻るのは喜ばしい事ですけども、それを行うかどうかはルーアの自由ですわ」

「否。苦しむポケモンを救うのは力を持つ者の責務だ。力を持つニンゲンが別の世界から現れるなど、使命以外に何がある?」

「別の方法、並行して探すべき」

「何年経っても見つからなかっただろう。手の届かぬ希望に縋っていても更なる絶望に潰されるだけだ。現実を見ろ」

 『ナイトスター』も怒りを含ませながら言うがエンペルトは表情を変えず答えた。

 

 

(し、使命……)

 やっぱり私……ポケモン達を全員救わないといけないの?

 自分の限界を超えてでも……。

 

 

「……キングラー、アマージョ! あんたらもルーアや俺達を騙してたのか!?」

「……」

 歯軋りしていたヒバニーが尋ね、問われた二匹は視線を落とす。

 

「……エンペルト、やっぱこういうやり方はアカンと違うんか。ワテら救助隊やぞ」

「正直に言いますとあたし達もルーアに『リライブ』して貰う凶暴化ポケモンは一匹だと聞いていました。それが昨日ギルドに戻った時には三百匹以上という話になっていて……」

「何!? 自分のメンバーまで騙してた訳!?」

 辛そうに白状する二匹の言葉を受け、チコリータがエンペルトを問い詰めた。

 

「嘘も方便。口を滑らせる可能性の高い者達に真実を伝えるのはリスクがあるだろう」

 彼女は全く意に介した様子も無く言うとインテレオンに支えられた状態の私に視線を向ける。

 

 

 

「異世界より来たりしニンゲン、ルーア。凶暴化ポケモンを救うのはお前に与えられた責務ではないのか? まさか苦しむポケモン達を見て見ぬ振りし甘え続けるのが正しい事だと思っていないだろうな?」

 

 

 

(わ、私は……)

 

 

 

 

 

「困っている者をレスキュー! それがヒーローの役目!!」

 

 声がしたのは上方から。

 涙でぼやける視界を動かすと、逆光で陰になった何者かが窓枠に立っていた。

 

「はっ!!」

 何者かはジャンプすると私達とエンペルト達の間に着地。

 

「な、何だ!? 誰だ!?」

「……っ!」

 警戒するインテレオンと目を見開くドラミドロ。彼らに対し振り返るのは筋骨隆々としたポケモン。

 

 

 

「私はイルカマン!! 弱きをレスキュー・強きをブレイク!! 正義のヒーローだ!!」

 

 イルカマン……『サマーリゾート』で活動するゴールドランク救助隊『エキサイト』のリーダーだ。

 

(そうか……同じギルドの仲間のエンペルトを助けに……)

 

 

 

「正義の『ジェットパンチ』!!」

「ぐうっ!?」

 しかしイルカマンは水泡で出来たグローブをロケットパンチの如く発射し、エンペルトへ命中させた。

 

「ええっ!?」

 チコリータが狼狽する前でエンペルトが空を舞い壁にぶつかる。

 

「ぐっ……いきなり何をするイルカマン!」

「困っている者をレスキュー! それが私の役目!! それはポケモンだろうとニンゲンだろうとイコール!!」

 流石に怒りの感情を露わにしたエンペルトがイルカマンと睨み合った。

 

「彼は僕達……いや、ルーアを助けに来たのか」

「えっ……」

「攻撃する相手を間違えているぞ! そこのルーアは凶暴化ポケモンを救う力を持つというのに自らを甘やかすばかりで苦しむポケモンを無視しているのだぞ!」

「間違えているのはお前だエンペルト! 困っている者を真にレスキューするのはパワーではない!」

 イルカマンはそこまで言うと筋肉を見せびらかすかのように決めポーズを取った!

 

 

「……ハートだ!!」

 

 

「お、おおー」

 アノホラグサが微妙なリアクションを取る中、イルカマンはゆっくり決めポーズを解く。

 

「何がハートだ。お前こそ救助は力に頼っているだろう」

「パワーは困っている者をレスキューするための手段の一つでしかない。レスキューするためのきっかけは……」

 エンペルトの問いに対し、イルカマンは先程とは別の決めポーズを取った!

 

 

「……ハートだ!!」

 

 

「は、はい」

 マホイップが微妙なリアクションを取る中、イルカマンはゆっくり決めポーズを解く。

 

「だから私はルーアの身勝手な思考が誤っていると言っているのだ」

「パワーがあるならレスキューしなければならない、か。お前はパワーがあるという理由でレスキューしているのか?」

「当然だ。力ある者の責務だからな」

 イルカマンの問いに対し、エンペルトは自らの信念を元にまっすぐ答える。

 

「そうか、それがお前の価値観なら否定はしない。しかし私は逆だ、レスキューするためという理由でパワーを手に入れた。そしてレスキューしたいという考えを生んだのは……」

「ハートでしょ!」

「……」

 再び決めポーズを決めようとした所でチコリータが苛立ち気味に割って入り妨害。

 

「そういう訳だ、お前と私では真逆の価値観を持っている。そしてルーアもインテレオンも『ゆけゆけズ』も『ナイトスター』も、私やお前とは違う価値観を持っているのだ」

「誤った価値観なら正すべきだ」

「誰かにクライシスを加えるような価値観ならばな。ただ単に他者より自分を優先してしまう価値観はルーアだけでなく多くの者が持っているだろう。それを自分達の都合がいい様に捻じ曲げるのは、それこそクライシスな行為だ」

 

 

 価値観は誰しも異なる。自分の考えを捨てるな。ファイヤーの言っていた言葉だ。

 

 

「……ルーアだって見て見ぬ振りをしている訳じゃない。『スプリングタウン』でもルーアのやれる範囲でポケモン達を『リライブ』して来たんだ。本当は普段の暮らしだって思うようにいかない身体なのに、僕達のために何度もダンジョンに向かってたんだよ」

 これまで一緒に暮らしてきて、私の事をたくさん知っているインテレオンも言う。

 

「……お前達は何だ。多くの苦しむポケモン達よりもそのニンゲンを甘やかす事を選ぶのか?」

「いえ、私自身はルーアを甘やかしているつもりは毛頭ありませんわ。一度彼女は身勝手にインテレオンさんを酷い目に遭わせましたが、その時はしっかり指導致しましたわよ」

 マホイップもまたエンペルトに屈することなく前に出た。

 

「……お前達、三百もの苦しむポケモンを放置すると言うか! 救助隊の面汚しめ!」

「放置するなんて言ってないさ、ルーア自身が自分のペースで『リライブ』して行く。彼女の意思を無視して『リライブ』の道具のように扱うのは僕が許さない」

(インテレオン……みんな……っ)

 

 

 

「それに。もしかしたらルーア以外でも『リライブ』出来る方法が見つかるかもだし!」

 

 窓から何者かがイルカマンの隣に落下して来る。緑色のスライム状をしたポケモン……ではない。中にいる子供のようなものが本体だ。

 

「初めまして『スプリングタウン』から来たみんな。私はポケモンコンテストかしこさ部門で何度も優勝するぐらい賢いランクルス。イルカマンの仲間だよ!!」

「エンペルトよ、お前は "『リライブ』以外の凶暴化を解く手段が何年経っても見つからなかった" と言ったな。しかし『リライブ』を使えるルーアの協力があれば案外容易く見つかるかもしれないぞ」

「そういう事! 私は『サマーリゾート』での凶暴化研究担当でもあるのだ! 確かに進展は全くなかったけれど、もしルーアが協力してくれるなら大きく進むかもしれないよ! 勿論強制はしないから安心して」

 

 ランクルスの言葉を受け私はハッとなる。そうだ、『リライブ』の仕組みが分かれば私の"自分が人間ではなくなったのでは"という不安も拭えるかもしれないし、私以外でも『リライブ』が出来るようになればダンジョン化した土地に住んでいる全てのポケモンを戻せる日も一気に近付くだろう。

 

「……それまでの間、家族や友が凶暴化し残された者達が苦しみ続けるのを眺めていろと言うつもりか」

 

 

「眺めてはいないよ?」

 またもポケモンが窓から飛び降りてくる。昨夜コンテストに参加していたオオタチだ。

 

「救助隊の役目はダンジョンに向かって救助対象を町へ連れ帰るだけじゃないっ! 辛い思いや不安な気持ちを抱えるポケモン達の沈んだ心をコンテストで盛り上げるのも救助の一つ!」

 オオタチの言葉と共にイルカマンは頷いて再び決めポーズを取る!

 

 

 

「ハートをレスキュー! それが我々『エキサイト』の信念!!」

 

 

 

「……救助隊の役目はダンジョンに向かうだけじゃない…そういうことなのね」

「……フフ」

 呟くチコリータを見つめ、ドラミドロが僅かに笑みを浮かべた。

 

 

「……エンペルト。あなたが『エキサイト』達の信念を理解出来ない気持ちも分かります。目に見える形での結果を最重要視するあなたの考えも決して間違いではないのですから。ひとまず私達は私達のやり方、ルーア達はルーア達のやり方で協力し合いながらポケモン達を救って行きませんか?」

「……っ」

 アマージョに諭されたエンペルトは俯きつつも反論をすることは無かった。

 

「……ルーアはん、皆はん。嫌な思いさせてゴメンな」

 謝りながら私達の元へ近寄って来るのはキングラーだ。

 

「あんな、エンペルトも決して意地悪とかするつもりは無かったねん。確かにめっちゃ厳しいし言い方もキツ過ぎやし、嫌うなとまでは言わんわ。ワテらのギルドにもあいつ苦手な奴少なくないしな」

 溜息をつきながら彼は小声で言う。

 

「せやけど……あいつは苦しむポケモンを救うために必死なだけの不器用なやっちゃねん。虫が良すぎるのは承知しとるけど、せめてワルモンだとまでは思わんで欲しいねんや」

 彼の懇願を聞きながら、私は再度エンペルトに視線を向ける。いまだに俯いている彼女の表情から少し……辛そうな感情が見て取れた。

 

「キングラー、とりあえずこの依頼書はギルドで持っていて貰ってもいいかい? ルーアの傍に置いていたら彼女を焦らせてしまいそうだ」

「せやな。ギルドに話通しとくさかい、救出に行こ思うてくれたなら窓口に言うてや」

「……うん」

 運ばれていく依頼書の山を見ながら私は俯く。

 

(あんなに沢山のポケモンが苦しんでて……私は自分にもインテレオン達にも甘えてて……)

 

 

「この話は終わりでいいかな? じゃあ次の議題へ行こうか!」

 その時、ずっと黙っていたカプ・コケコが面々に向けて声を上げる。

 

「ダンジョン巨大化や灰色のニンゲン、そして私達が『鬼火草原』で出会った黒いポケモンの件ですわ」

「それでは我々は失礼しよう」

 マホイップが切りだすのに対し、『エキサイト』はギルド長室から出て行き始める。

 

「ヒバニーとチコリータ。悪いけれどルーアと一緒に町へ戻ってくれないかな」

「えっ! また俺達抜きの会談か!?」

「しょうがないわね……行きましょルーア」

「……私いなくていいの?」

「キミから貰った情報は僕も『ナイトスター』も把握しているからね、任せて欲しい」

 そして私と『ゆけゆけズ』もまたギルド長室を後にすることに。

 

 

 

 自分勝手で、迷惑ばかりかけてて今回も助けられるだけで……私、本当にこのままでいいのかな……?

 このままじゃいつか、皆から厄介者だって思われないかな……?

 

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