※この作品はR-18です。

裸の少女とポケモンだけが住む世界   作:Momyaka

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Chapter22 ~無獣島 後編~

 『無獣島』に来たのはいいが、再び幻覚に囚われた上にフラージェスの攻撃で崖からジャングルへと落とされた私。

 

「んぎゃっ、あうっ、ひんっ!?」

 葉や枝にぶつかりながら私は地面へと墜落。身体の丈夫さ故に傷はないが全身が痛くて動けない。

「う、ううっ……♡」

 更に媚薬効果を持つ『かふんだんご』の影響で身体が快感を求めている。起き上がる事すら出来ないまま私は腰を動かし、太腿で股間を擦りだした。

 

「ん、あっ……?」

 しかしどれだけ擦っても、それによる快感は私の元へ訪れない。

「ぐっ……あああっ♡」

 膣内で微振動するバイブによる快楽はビリビリと全身を駆け巡るものの、これだけで絶頂に辿り着くことは不可能だ。

 

「い……くひぃ♡ あ、がっ……」

 涙が止まらない程に身体が痛いが私は必死に体を起こし、他に誰の気配も無いジャングルの中を進む。私の視線の先には立派に育ったジャングルの樹木。

「うああっ♡」

 私は喘ぎ声を上げながら地面に張られた太い根へ腰を下ろし始める。快楽欲しさに出て来た膣液がスクール水着の股間部をグッショリと濡らしており、液が根へと滴り落ちていた。

 そして快感を得る為、割れ目をスク水越しに太い根へと当てる!

 

「ん……♡ んん……?」

 

 甘美な快感が私を襲う……ことを期待していたが、やってくるのは弱々しい刺激ばかり。必死に腰を前後に動かし割れ目を根に擦らせるが思ったような快感が得られない。

「な、なんでぇ……♡?」

 あまりにも刺激が弱く、これなら膣内の微振動バイブの方が快感を得られるぐらいだ。今まで角オナをすれば絶頂まで辿り着けたのにどういうことなのだろうか。

 涙でぼやける視界の中、私は自分自身の股間を見つめる。

 

 しかし割れ目を直接見る事は叶わず、そこにあるのはスクール水着の股間部分。

 

(……まさかスク水が貞操帯みたいに……!?)

 

 普通のスクール水着にそんな機能がある筈はないが、『追放の遺跡』で手に入れたランドセルだって念じるだけで道具の出し入れが出来たのだ。こちらにも妙な機能が追加されていてもおかしくはない。

「や……やだぁ……♡ ぬ、脱がしてぇ……!」

 私は身体を包むスク水を脱ごうとするが手錠を掛けた状態では肩紐をずらす事すら出来なかった。

「んんんっ♡ くうううっ♡」

 そして膣内のバイブが私を発情させ、絶頂を諦める事すら許さない。高温多湿なジャングル内でただでさえ暑いのに、欲情で更に体が火照り全身から噴き出す汗がスクール水着とサイハイソックスをビッショリ濡らす。

「やだぁぁぁ! イキたいよぉぉ♡! インテレオン助けて! レイプして♡♡!!」

 変態的な姿で腰をヘコヘコさせながら泣き叫ぶが、これは幻覚。

 

 幻覚の中で幾ら助けを求めても、誰も現れない。

 そして『追放の遺跡』の時とは異なり絶頂出来ない為……幻覚からも逃げられないのだ……。

 

 

 

「…………♡」

 全身をビクビク震わせ、ジャングルの中で横たわる私。

 自由を奪う手錠、角オナすら許さない貞操帯スク水、常時発情を強いるバイブの三つに蹂躙され完全に限界を迎えていた。

 

「ご、ごめん、なさい……♡ 許して、下さい……♡ 絶頂させて下さい……♡」

 ただの道具に対し、私は泣きながら謝罪と懇願をするが当然聞き入られる訳がない。

 

 このままずっと幻覚が解けなかったらどうなるのだろうか。

(……どうにも、ならないのかな)

 

 私が帰ってこないことでインテレオン達は悲しみこそするかもしれないが、きっとその悲しみなど乗り越えて自分達で凶暴化を解く手段を見つけ救助活動を進めていくのだろう。

 どれだけ私が助けてと願いながら腰を振り続けても、彼らは世界を救うために足を止めないのだろう。

「……あう、ううっ♡」

 身体を縮み込ませて私は嗚咽を漏らした。

 

 

「フフフ」

 

 

 そんな私の元へ、赤い花を持つフラエッテがフラベベ達を連れて現れる。

「う……あ…♡」

 解消できない性欲に雁字搦めにされ動けない私は周囲を飛び回る彼女らを力無く見上げていた。

「フフー」

「フッフー」

「ああっ……♡」

 フラベベ達は力を合わせて『つるのムチ』で私の身体を持ち上げる。いつもなら暴れて抵抗するのだが、今の私にはそのような気力さえ残っていない。

 

「フフフフ」

 そしてフラエッテもまた『つるのムチ』を繰り出し、私の身体へ伸ばしてきた。

「く、ううっ」

 再び乳首や股間をピシピシ叩かれるが、スク水越しであるため花畑の時のような鮮烈な快感がやってこない。鈍い快楽が発情した私を嬲り、より身体が欲しがってしまう。

 

 

「フフフ~」

 だがその時、蔓が私のスク水の腋や脚部分から中へ入り込んできた!

 

 

「んぎぃぃぃぃ♡♡!?」

 そのまま蔓は胸や股間にまで潜り込み器用に弄り始める。

「あっあっああああっ♡♡!! いいっ!! 気持ちいいっっ♡♡!!」

 待ち望んでいた快感を享受し、先程まで動けなかったのが嘘のように私は涎を垂らしながら大喜びして身を捩り始めた。

 

「フフッ」

「フーフー」

「あうっ♡!?」

 だがフラエッテ達は『つるのムチ』を戻してしまい、私は地面に尻もちをつく。そのまま彼女らは再び私の元を離れ、ジャングルの奥へ移動し出した。

 

「そ、そんなっ、待って♡! お願い待っ……んぎゃっ!」

 もっと快楽を与えて欲しい私は急いで立ち上がり、彼女らの後を追い始めた。しかし足元に再び設置されていた『くさむすび』にまたもや引っ掛かってしまい勢いよく転倒。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……待ってよ……! 待ってぇ……♡」

 身体中が痛むが、私は身体を震わせながら立ち上がる。そして既に見失ってしまったフラエッテ達を探しヨロヨロと歩き出した。

「ああっ……♡」

 そんな時でも膣内で震え続けるバイブ。出来るだけ快感を味わいたいとばかりに脚が止まってしまい、私は悔しさで涙をボロボロと零す。

 

(私……! フラエッテ達に弄ばれてる……虐められてる……嬲られてる……! 自力じゃオナニーできない状態にされて、思いっきり発情状態にされて……!)

 

 

 

「フゥゥゥゥ……」

「っ!?」

 

 その時、どこからか聞こえてくるフラージェスの声。私は慌てて茂みに隠れ息を殺す。

「……フフゥゥ」

 おそらく私を探しているのであろう彼女は周囲を探りながらジャングルを進んでいた。見つかったらまた『ソーラービーム』で攻撃してくるだろう。

 

「……っ」

 蹲った体勢となり恐怖で全身をガタガタ震わせる私。

(お願い……早く行って……!)

「んっ……♡」

 バイブの振動に必死に耐えながら、私はただただ心の中で祈り続ける。

 

「フフゥゥゥゥ」

 フラージェスはそのまま私に気付くことなくジャングルの先へと進んでいった。どうにかやり過ごす事が出来たようだ。

(……だけど、ジャングルの中にまで私を探しに来てるなんて……!)

 私は快楽を与えて貰うためにフラエッテ達を探さなくてはならないが、フラージェスもテリトリーを荒らした私を探している。

 

 いわばこの島全体でのかくれんぼだ。

 

 しかし私は探す側と隠れる側……両方を同時にやらなくてはならない。おまけに常時性欲に囚われた状態のまま……最悪なレベルで私が不利だが味方は誰もいない。たった一人でフラエッテ達を追わなければ永遠にこの幻覚からは逃れられないだろう。

 

「はぁ、はぁ……♡」

 何度も肩を跳ねらせ、腰を揺らし、私は再びジャングルの中を歩き出した。

 

 

 

 

 

 しかし、ここは隠れる所など幾らでもある広大なジャングル。その上相手は宙に浮かべて体も小さい……元から私の方が圧倒的に不利なのに、更にそんな強烈なハンデが掛かっているのだ。

 

「お願い……降りて来てぇ……♡!」

「フフフッ」

 ようやく見つけても木の上に陣取られ手も足も出ず。

 

「フフフ~」

「あううっ♡!」

 茂みに隠れたフラエッテを追うが枝が身体に引っ掛かり動けず。

 

「フフフ~」

「フゥゥゥ」

「……っ」

 フラージェスと一緒に行動されてしまっては動くことが出来ず。

 

 

 

 

 

「もう……だめぇ……♡!」

 ジャングルの中に建つボロ小屋にて、汗まみれとなった私は倒れ伏す。酷暑の中、一体何時間歩き回ったのだろうか。幻覚の中であるためか外は今も明るいままであり蒸し暑くてたまらない。

「暑い……水……」

 掠れた声で呻くが、打ち捨てられた小屋にそのようなものは……。

 

「フッフフフ」

 私を追う様に現れたフラベベ達が、運んできた何かを私の傍に落とす。これは……。

「み、水……?」

「フフー」

 ペットボトルには透明の液体が詰められており、ラベルには『おいしいみず』の商品ロゴが載せられていた。フラベベ達は蔓で容器の蓋を開け、私に笑顔を向けてくる。

 

「う……ううっ!」

 媚薬が混ぜられているかもという警戒をする余裕すら残っていない私はたまらず口をつけ、冷えた水をゴクリゴクリと飲み始めた。乾ききっていた口と喉が潤い、上がり切っていた体温が冷却されていく。

「フフフー」

「?」

 続けて私の前に何かを落とすフラベベ達。

 

 それは『きゅうりスライス』や『なまハム』、『トーフ』といった食料品であった。

「えっ……どうして……」

 私は疑問を口にするがフラベベ達はクスクス笑うと小屋から出て行ってしまう。

「……」

 彼女らは私を弄ぶだけの存在ではないのだろうか? 彼女らの目的は不明ではあるが、私は『無獣島』に向けて出発した時から何も食べていないことを思い出し、大人しく食事をすることに。

「……むぐ、もぐ…」

 きのみ以外の物を食べるのは久し振りだと自覚すると同時に、私は『追放の遺跡』でイヴが食パンを食べていたことを思い出した。

(そっか、ここもポケモンが入れない人間の場所…。『追放の遺跡』が私の学校だったみたいに、この島も私の世界のどこか…?)

 少なくとも私はこのような島は知らない筈だが、どういうことなのだろう。私の学校がこの世界に現れたのはあくまで偶然であるのかもしれないし…。

(…もしかしたら、イヴと関係のある場所という可能性も…?)

 

ブブブブ…。

 

「むぐぐっ♡ ううっ♡」

 しかしバイブの振動で思考が中断され、私は腰を振りながら必死に食事を続ける。フラベベ達が何を企んでいるのかは分からないが、どうにかこの幻覚の中から脱出しなければならない。

 

 

 

 食事で気力を回復させて早々、私は茂みの中に潜みつつ足を進める。

「フフ~、フフ~」

「フッフッー」

 その先では赤い花を持つフラエッテとフラベベ達が楽しそうに舞っていた。

「ん……くっ…♡!」

 膣内で微振動するバイブに苦しみながらも、私は必死に気配を殺して彼女らとの距離を縮めていく。私とフラエッテ達では運動能力に差があり過ぎ、闇雲に追いかけても絶対に捕まえられない。

 

 ならば…。

 

「フッ!?」

「うわああああっ!」

 勢いよく茂みから飛び出し彼女らに向けて突進!

 驚いて空に逃げるのが遅れたフラエッテに向けて私は全力で飛び掛かる。

「フ…」

「あっ」

 しかし両手が使えない私では彼女を捕まえることなど出来ず、額が触れただけで終わってしまい地面へ倒れ込んだ。不意打ちしても駄目だった…。

 

 

「……」

 

 

「……あれ?」

 しかしフラエッテは称賛するような笑顔を浮かべ青い光に包まれ出す。そのまま光と共に姿を薄くしていき、最終的にはフラエッテも赤い花も完全に消え去ってしまった。いつの間にか近くにいたフラベベ達もいなくなっており、周囲から彼女らの声も物音も無くなっている。

 

 青い光に包まれて消えたという事はフラエッテ達の正体はやはりポケモンではなく、『追放の遺跡』を満たしていた闇と同じものだろう。

 

「……っ」

 しかしまだ『無獣島』は元に戻っておらず、ジャングルが生い茂ったまま。私は幻覚から出られていないままであるし、本当は捕まえたご褒美で性感帯を弄って欲しかった。

「あんっ……♡ 気持ちよく、なりたいよぉ……っ♡」

 情けなく喘ぎ声を上げる私は、快楽欲しさに下半身をクネクネと動かす。

 

 

「フフフッ」

「えっ」

 声につられて振り向くと、背後に忍び寄っていた黄色い花のフラエッテと目が合う。

 

 

 私が動く前に、彼女は『つるのムチ』を伸ばし私の首輪に絡みつかせた!

「っ♡!?」

 そのままフラエッテは移動を始め、私はリードを繋がれたペットポケモンのように無理矢理歩かされてしまう。

「けほっ! ど、どこへ……っ♡」

 

 

 

 ジャングル内の道なき道を暫く進まされ、辿り着いた先は小さな岬。眼下で波が音を立て水飛沫を立てており、もし落ちてしまえばひとたまりもないだろう。

 黄色い花を持つフラエッテは岬に生える一本の木へ近づくと、私を引っ張った蔓の片端を幹に縛り付ける。

「う……げほっ!」

 これでは移動しようにも木から離れる事が出来ない。もしこの状態でフラージェスに襲われれば終わりだ。

 

「フッフフッ」

「ひいっ♡!」

 フラエッテはまた別の蔓を伸ばし、私の股間を触りだす。スク水越しに割れ目をなぞり、そして隙間から直接触り私へと快楽を与えて来た。その度に身体が跳ね、垂れた膣液が蔓を濡らす。

 

 股間から離れた蔓の先端は私の眼前に移動し、まるで私のいやらしい愛液を見せびらかすかのようにユラユラ揺れだした。

「フフフフ~」

「うぶっ!?」

 

 そしてフラエッテは膣液に塗れた蔓を私の口へと突っ込ませる!

 

 青臭さ、そしてヌルヌルした愛液が口に纏わりつき、激しい吐き気に襲われ始めた。

「んううっ! んぐおっ!」

 イヤイヤと首を振るものの、そんな抵抗で蔓から逃れる事は出来ない。

「フフ~」

 フラエッテは私の口を封じたまま、新たな蔓を伸ばすとまた私の膣を弄り出す。

「んんんっ♡! むううっ♡!」

 上と下の両方の口を虐められ、私は涙を流しながら全身を痙攣させていた。暫くそんな蹂躙を受け続けていた所でようやく二本の蔓が抜かれる。

 

「ぷはっ……はぁ、はぁ……ぐむっ!?」

 しかし、それは蹂躙の終わりではなかった。

 

 口に入っていた蔓が股間へ、股間を弄っていた蔓が口へ移動し交代するだけであったのだ。

「んんんんっ♡!! んぎぃぃぃっ♡!」

 それは当然、膣内が涎塗れ、口内が愛液塗れになることを意味する。

(私の口とマンコがおつゆとヨダレで滅茶苦茶になっちゃうぅぅ!!)

 私が絶頂する寸前で双方の蔓が移動を始める為、激しい性欲から解放されない。それにより発情状態を維持する私の身体は大量の涎と膣液を出してしまい蔓はビショビショに。

 

「んきゅうっ♡! んにゅうっ♡!」

 そうなれば当然蔓が役割を交代する度に大量の涎と膣液がそれぞれ膣内と口内に運ばれる。

(マンコが口になって、口がマンコになって……私、おかしくなっちゃうよぉぉ!)

 

 逃げ出そうにも首輪が木と連結されていて少しでも離れようとすると首が絞まってしまう。

(ぐるじいっ! 首絞めぐるじいっ!)

 息苦しさに呼応して膣がキュッと締まり、中の蔓が膣壁に密着。

「んぶううっ♡!」

 性感帯が刺激され、私は自分で自分を余計に気持ちよくさせてしまう。狂ったように身を捩る私であるが、フラエッテは私が絶頂する前に素早く蔓を股間から引き抜いた。

「お願いぃ♡! 絶頂させんぐっ♡!?」

 必死の懇願も封じ込められ、もはや打つ手なしだろうかと思ったその時。

 

ブチブチ……。

 

「……っ!」

 私と木を繋ぐ蔓が千切れかかっている。フラエッテの制御下から離れたことで強度が落ち、私が暴れたことで限界を迎えつつあるのだ。

「んぐぐぐぅ……っ!!」

 私は苦しさを我慢して前方へ進もうとする。木の幹に繋がった蔓はそれを妨害しようとするが引っ張られることでどんどん繊維が千切れていき……。

 

「んぐおおおおっ!!」

 ついに完全に蔓が千切れ、私は前へ飛び出した。そして油断していたフラエッテに身体が接触。

 

「フ~ッ……」

 すると黄色い花を持っていたフラエッテは笑顔を浮かべながら青い光に包まれ消えてしまう。それと同時に彼女が操っていた蔓も消え失せた。

 

「ぜぇ…はぁ…っ」

 荒く息をしつつ、私は身を震わせる。

(子宮と膣が疼いてる……)

 この『無獣島』に来てから何度も寸止めされ、一度も絶頂出来ていないことが苦しくてたまらない。手錠さえなければ今すぐスクール水着を脱いで思い切りオナニーしている筈なのに…。

「ああっ♡ ひんっ♡」

 私は喘ぎ声を上げながら、岬からジャングルに戻り始めるのであった。

 

 

 

 それから何時間も経過した後。

「はぁ、はぁ、はぁ♡」

 私はようやく次のフラエッテを発見する。

 青い花を持った彼女はフラベベ達と共に海岸を飛び回っており、上手く飛び出せば捕まえられるかもしれない。私は茂みの中から様子を窺い、移動する彼女らを追い続ける。

 

 

ガサッ。

 

 

「フフッ?」

「あっ……!」

 その途中で音を立ててしまい、フラエッテ達が私の存在に気付く。

 

「う、ううっ!」

 仕方なく私は茂みから飛び出し、フラエッテ達へ向かって走り出した。

「フフ~」

「フッフー」

「フフ」

 しかしフラエッテ達は笑いながら私から離れる様に海岸を飛んで移動。

 

「待って! 待ってぇ♡!」

 勿論、逃げられる訳にいかない私は必死に彼女らの後を追う。

 海岸で追いかけっこをするなど一昔前のカップルのようであるが、楽しそうなのはフラエッテ達だけで私は抑えられない性欲でおかしくなりそうな状態だ。

 

「あっ♡ ああっ♡」

 走る度に乳首と股間に密着するスク水で擦れ、喘ぎ声が漏れてしまう。

「フフフー」

「ひゃうっ♡!」

 そこへ更にフラベベ達が『ようせいのかぜ』を起こして私の身体のあちこちをくすぐり始めた。

「あ゛ーっ♡! ああーっ♡!」

 嬌声を上げながら私は一心不乱にフラエッテ達を追うが、どんどんその距離は離されるばかり。あちらのスピードが上がっている訳ではなく、どうしてか私の足が遅く…。それに熱かった身体も冷え始め…。

 

「……えっ!?」

 

 そこで私はようやく自分が海に入り始めていることに気付いた。既に腰の辺りまで浸かってしまっておりこれでは歩みが遅くなるのも当然だろう。

 このままフラエッテ達を追いかけると沈んでしまうのではと危惧し引き返そうと考えたが、陸側を見て私は背筋を凍らせる。

 

「フゥゥゥ……」

 なんとフラージェスがこんな所にまでやって来ていた。幸いまだ私には気付いていないようだが、もし海側に視線を向けてこようものなら一瞬でバレてしまうだろう。

「ひいっ!」

 私は恐怖のあまり身を屈めて全身を海水の中へ隠す。

 冷えた海水で暑さが解消されるが喜んではいられない。どうにかフラージェスをやり過ごさなければならないが息が続く保証もない。

「……ぐ、ごぽ」

 慌てて水の中に入ったためまともに息を吸い込めておらず、すぐに限界が訪れてしまう。痛い目にあうのと溺れてしまうのでは前者の方がマシだと私は立ち上がろうとし…。

 

 

「うぎゃあ!?」

 砂に足を取られ立ち上がるどころが転倒してしまった! 泳ぐことも浮かぶことも出来ないまま、私は苦しさに耐え切れず息を吐き出し、必死に深呼吸。

 

 

「……あれ?」

 そこで私は水中であるのに呼吸が出来ていることに気付く。昨日『おたからサルベージ』でスターミーが使用した『ダイビング』の効果を受けた時と同じ状態だ。しかしここには幻覚が生み出したフラエッテ達以外のポケモンはいない筈だ。

(……もしかしてこのスクール水着が?)

 嘘みたいな話だが、今私が身にまとっているスク水も水中で活動を可能にする力を持っているようだ。

 

(……だけど貞操帯の機能もあるし、やっぱり早く脱ぎたい…)

 私は微妙な気分になりながら水底を移動。水面が太陽の光で輝いており水上の様子を窺えない為、出来るだけフラージェスがいない場所へ移っておきたい。

 

ブブブブ…。

 

「あ、あう♡」

 透き通った青い海の中、バイブで発情しながら歩く私。

 スク水はともかく、手錠や首輪、靴下やブーツを身に着けていて異常だと一目で分かる格好だ。元の世界の人間達に見られたらどうなってしまうのだろう。

 新種のポケモンだと間違われるのか、海底を歩く変態だとニュースで報道されてしまうのか。

「ん、んふっ…♡」

 そんな妄想でますます感度が上がってしまい、私は腰を揺らして進むのであった。

 

 

 

「フフー、フフー」

「フッフ」

「フフフフーフー」

 海岸で飛び回る青い花のフラエッテとフラベベ達へゆっくりと近づく水影。

「だあああっ!」

 水面下から忍び寄った私は勢いよく姿を現すと、彼女らへと突撃する! 私に触れられたフラエッテはやはりこちらを認めるような顔をして青い光と共に消えてしまった。

 

「……はぁ、はぁ…これで三匹」

 結局誰も私を絶頂させてくれないまま消えてしまい、私は視線を落とす。『追放の遺跡』を満たしていた闇はこれでもかという勢いで絶頂させて来たのに、この『無獣島』ではこのまま一切私を絶頂させないつもりだろうか。

「…闇を全部失くして、貞操帯スク水を脱げる様になったら…目一杯オナニーしたいな…♡」

 そんな淫乱なことを呟きながら私は陸へと上がる。

 

「……ん」

 日光浴で濡れた身体を乾かしていると、見覚えのある物がジャングル内に無造作に置かれているのを見つけた。水色をしたあれは……。

(私のランドセル!)

 フラベベ達に持っていかれてしまったランドセルを発見した私は急いで駆け寄る。

 

「フフフッ」

「わっ!?」

 

 しかしフラエッテの声が聞こえると同時に私へぶつかったタネが爆発した。吹っ飛ばされ砂浜を転がりながら私は目を白黒させる。一体何が起きたのかと思い視線を向けるとランドセルの上に白い花を持つフラエッテが浮かんでいるのが見えた。

 

「フフ~」

 フラエッテは『タネばくだん』を周囲にばらまき、ランドセルの周りに地雷を仕掛け始める。先程の爆発も『タネばくだん』によるものらしい。

「……っ」

 私は接近するのを躊躇わざるを得なくなるが、ランドセルを取り戻さないとエネルギーが足りる足りないどころの騒ぎではなくなってしまう。『タネばくだん』を踏まなければ大丈夫だと、私は足元をよく観察しながら一歩ずつ進む。

 

(うう、バイブが気持ちいい……バランス崩す前に早く進まないと…)

 

 必死に性欲を抑えながらランドセルへ近づいていく…が。

「ぎゃっ!?」

 転がっているタネに触れていないにもかかわらず爆発が起き、再び吹っ飛ばされてしまう。一体どういうことかと困惑しながら立ち上がる私。そして股からポトリポトリと垂れ落ちる膣液…。

(ま、まさか垂れ落ちたおつゆがタネに当たって……)

 自分の性欲が自らの首を絞める結果になっていることに歯軋り。どうにか性欲を抑え付けようにも何度も寸止めされた身体では対処が全く出来ない。

 

「くっ……」

 私は性欲を抑える事を諦め、両脚の太腿を密着させた状態で歩き始める。これなら膣液が垂れようとも脚を伝ってサイハイソックスに吸い取られる筈だ。

 歩幅はどうしても小さくなってしまうがそれでも確実に前へ進むことができ、フラエッテとランドセルもかなり近づいて…。

 

「フフッフ~」

「っ♡!?」

 しかしそこでフラエッテは『つるのムチ』を使い私の乳首を弄ってくる!

 

 スク水越しとはいえ突然の快楽に襲われ、私はバランスを崩してしまいタネを蹴ってしまった。

「あううっ♡!」

 タネの爆発に巻き込まれ再び地面を転がる私。体中が痛くて涙が止まらない。

「く、うううっ……♡」

 いくら慎重に進んでもフラエッテに敏感な急所を虐められては対処のしようがなく、私は相手の賢さとそれに対応できない自分に嘆くばかり。

 

 

 

「てええいっ……ぎゃっ!」

 走り幅跳びの要領でジャンプを行い一気に地雷原を飛び越えようとするが、私は引きこもりの運動音痴であるため失敗。

 

「む、む……うう」

 近くの木に登って高所からランドセルの元へ飛び降りようにも両手が使えないどころか、そもそも木登りなど経験はなくこれも失敗。

 

「ちょっ……♡ やめっ……♡ あぎゃっ!」

 蔓で胸を弄られないようにしゃがみ込み膝で胸をガードした体勢で進むが、今度はがら空きの股間を蔓で責められ失敗。

 

「ぜぇ、ぜぇ……うぅ」

 肩で息をする私の前で、フラエッテが再び『タネばくだん』を撒く。少し減って来たと思ったタネがまた増えてしまった……これではいつになってもランドセルを取り返すなど不可能だ。

 

ボン!

 

「えっ!?」

 フラエッテがばら撒いた『タネばくだん』の幾つかが勝手に爆発する。爆風に巻き込まれない位置だったため良かったが何が起きたのだろうか?

 最初にばらまいた時はこのようなことは起きなかった筈である。

 

(最初と今回で違うのは……『タネばくだん』が地面に残ってたか否か…)

 

 私はハッとなり、ブーツの先端で地面を掘り始める。作物やお宝を探している訳ではない。

 

 目的は土そのものだ。

 

「うりゃあっ!」

 私は掘り起こした土を何度も蹴飛ばし、地面に転がるタネへとぶつけていく!

「フフフッ!?」

 水滴が落ちたぐらいに弱い衝撃でも起爆するタネが次々に破裂していき、フラエッテは驚き戸惑う。その隙に私はダッシュで地雷の無くなった道を進みフラエッテへ体当たりをした!

「……フフ~」

 白い花を持つフラエッテは笑顔を受かべて青い光と共に消えゆく。

 

 そして…。

 

「……やっと、取り返せた…」

 私は水色のランドセルに触れると、その機能でもって背中に身に着けた。

 試しに揺らしてみるがエネルギーは回復していないらしく、道具を出す事は出来ない。

 それでもこれを取り戻せたことで少し安堵出来たのは確かだ。

 

 

 

「……」

 

「え?」

 後方から気配。

 

 私はフラージェスに気付かれたかと慌てて振り返るがそこにいたのは彼女ではなく……。

 

 

「……」

 

 

 橙色の花を持つフラエッテだ。幻覚の世界に入りすぐに出会ったフラエッテ達の中にはいなかった筈。

 彼女は何も言わず、まるで私を案内するかのようにジャングルの中を進み始める。

 

「……?」

 フラージェスに襲わせるための罠という可能性も考えたが、何故だか彼女を放っておけない気持ちになった私は後を追ってみる事にする。

 

 

 

 彼女が向かった先は、私が休憩に使用した小屋だ。

 複数のフラベベ達が橙色の花を持つフラエッテを出迎える。もしや彼女らは私に水や食料を渡してくれた個体だろうか。

 

「ああっ、メーくん♡! 気持ちいい! そこ気持ちいいよっ♡!」

「っ!?」

 耳に届く女の子の嬌声。勝手に口走ってしまったのかと思ったが今のは私の声ではない。

 

 声が聞こえてくるのは小屋の中からだ。

 フラエッテが中に入って行くのを見て、私も少し躊躇いながらも入り込む。

 休憩に使った時には気付かなかったが奥にも部屋があったらしく、フラエッテは更に先へ。

 

「あたし幸せだよっ♡ メーくん大好きぃ♡」

「……っ」

 女の子が誰であるかも、"メーくん"が何者かであるかも分からないが。

 

 

 何故だか物凄く、胸が痛くなる。

 

 

 私は意を決して奥の部屋へと足を踏み込んだ。

 

 ムワッと充満した女の子の匂い。

 あちこちに散乱する丸まったティッシュ。

 私の物とは異なる大人の玩具。

「……」

 こちらに背を向けた青色の小さなポケモン……メッソン。

 

「メーくんっ♡ 思いっきり気持ちよくしてぇぇぇっ♡♡!!」

 ベッドの上で顔を真っ赤にして大喜びする……金髪をした謎の少女。

 

 

 

「へ?」

 

 私が呟いている間に、メッソンと謎の少女は青い光に包まれて消えてしまう。

 今のも幻覚であるようだが……。

 

(どうして、こんなに苦しいんだろ?)

 見たくなかったものを見せられたような、そんな気持ち。

 

「……」

 フラエッテは主がいなくなった部屋の中を移動し、一つの壺の傍に浮かぶ。

 

 それはギルドで見覚えのある……『エネルギー変換の壺』だ。

 何故ここに……と疑問に思ったが、この『無獣島』もダンジョンだ。ギルドにある壺もダンジョンから出土した道具なのだから、ここにあってもおかしい訳でもないのだ。

「……もしかして」

 ギルドでランドセルにエネルギーを注入しても殆ど溜まらなかったが、もしかして『追放の遺跡』と同じくポケモンの入れないダンジョンであるここでなら……?

 

 私は背負っていたランドセルを壺の隣に置くと近くに落ちている丸まったティッシュに目を止めた。それらを咥えて壺の中へ次々に放り込んでいく。

 そして十個ほど入れたあたりで中に入れたティッシュが飛び出してきた……エネルギーが最大まで充填された合図だ。

 

「…………っ!」

 私は急いでランドセルを背負い直し、勢いよく揺すりだす!

 

 するとランドセルの中からスマホが飛び出し、私の前で浮かびあがった。

 

「や、やった……」

 ずっとエネルギー切れだったランドセルがようやく使えるようになったのだ。私は嬉しさでその場にへたり込み、再びランドセルを揺すった。

 

 すると身に纏わされた貞操帯スク水が光となってランドセルの中へ飛び込んでいく。

 

 ようやく解放された乳首とクリトリスを見ると完全に勃起してしまっており、刺激を与えられるのを今か今かと待ち望んでいた。

「え、えへ……えへへ♡」

 私は久し振りに乳首用バイブを胸に当て、ローターも股間へあてがう。

 

「うにゃあああっ♡♡!!」

 

 そして二つの玩具を一斉に起動して激しい快感を一身に浴びた!

 

 ずっと寸止めされていた身体には非常に刺激が強く、全身がガクガク痙攣し出す。

「すっ、凄い! 気持ちいい! おかしくなっちゃいそう♡♡!!」

 脳から快楽物質が分泌され子宮もキュンキュンし、もう頭も体も快楽を受け入れる態勢だ。

 知らない少女の匂いが染みついた部屋を自分自身の匂いで上書きしながら私は膣液を撒き散らす。

 我慢の反動によるものか限界は間もなく訪れ、私はローターを強く股間に押し付けた!

 

「イックぅぅぅぅぅぅ♡♡♡!!!」

 

 激しい潮噴き。力を失い倒れ行く身体。橙色の花を持つフラエッテが消えていく。

 

 プツン、と私の意識が途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ゆらゆらと、ゆらゆらと漂う私の身体。

 水中なのか、空中なのか、それとも宇宙なのかすら分からない。

 どこを見ても不思議な青い光ばかりだが、前方に藍色の何かがいる。

 その体色はまるで夜で、湾曲した角や翼の装飾はまるで三日月のよう。

 『ああ、私達のせいで……』

 その何かは、酷く悲しそうに嘆いていた。

 

(…どう、したの?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 冷えた空気が身体を突き刺し、私はブルリと震えながら目を開く。小屋の中は酷く暗く、小屋は雨漏りしていてあちこちから水滴が落ちて来ていた。

 どうやら何度も寸止めした後の絶頂があまりにも強烈過ぎて眠ってしまったらしい。私は頭痛を堪えながら窓から外の様子を窺ってみる。

「……」

 鬱蒼と生い茂っていたジャングルは消え去っており、あるのは殺風景な島の景色……『無獣島』。

 やはりあのジャングルやフラエッテ達は全て幻覚だったのだろう。

 

(そしてあのメッソンと女の子も……)

 

 最初はてっきりイヴと関係がある島かと思ったが、髪も肌も目の色もすべて違ったし顔つきや性格だって異なっていた。

(メッソンって確か…ジメレオン、そしてインテレオンの進化前……)

 私は咄嗟に首を振り嫌な予感を否定。別にメッソンは世界に一匹しかいないポケモンではない、私のよく知るインテレオンとは別の個体に違いない。

 

「……?」

 そんなことを考えながら窓から様子を窺っていると奇妙なものが目に付く。

 

 紫をした光。雨降る夜の中ではその光は良く目立つ。

 

 この島にはポケモン達が入ってこれない筈……まさか幽霊の類なのだろうか?

「……っ」

 嫌な汗が背中を伝うのを感じながらその光を見つめるが、動き出す気配は全くない。

 しかし光は消える事も無く、輝き続けている……。

 

 

 

 雨の中、スマホで周囲を照らしながら進む私。どうしても気になって眠る事すら出来ず、こうして島の中を進んで来たのだ。

 前方にある紫色の光はまるでゲートのような形状となっており、潜り抜けてみる事も出来そうではあるが……。

 

(……まさか、元の世界に帰るゲートだったり…?)

 

 そう思うと、中々足を進める勇気が湧かない。この世界を去るという事はインテレオン達と別れ、二度と会えないという事だ。

 

 何より元の世界に帰った所で居場所なんて……。

 

 

 

 そう思っていた時、目の前のゲートから何者かが姿を現す!

 

「うわああああっ!!??」

 突然の事に私は絶叫を上げて腰を抜かした。

 ポケモンか、人間か? それともまさか幽霊……!?

 

 

「……ルーア?」

 

 しかし目の前の存在は私の名前を呼びながら首を傾げた。

「……え?」

 私はポカンとして顔を上げる。

 紫色の光に照らされるのは灰色の肌を持つ少女…。

 

 イヴであった。

 

 

 

「ビックリした。屋上にいきなり変なゲートが現れて……まさかその先にルーアがいるなんて」

「驚いたのは私だよ……急に出て来るから心臓が飛び出るかと…」

 『追放の遺跡』の保健室にて、私はイヴと話す。

 どうやらあのゲートは『追放の遺跡』と『無獣島』を繋ぐ役割を持っていたようだ。雨漏りしている『無獣島』の小屋に戻るのもなんなので、朽ちているとはいえ造りがしっかりしているこちらに泊めて貰うことにしたのだ。

 

「……さっきの場所って、どこ?」

「えっと……ここから結構南西に向かった所にある島だよ。『無獣島』って言ってあそこもポケモンが入ってこれない場所なんだ」

「なら良かった。あのゲートからあいつらが出て来るんじゃないかってヒヤヒヤして……」

「……」

 胸を撫で下ろすイヴを見て私は沈黙。

 

「……ねえイヴ。やっぱりポケモン達に会うのって嫌?」

「無理……怖い。また襲われる」

 表情を曇らせて首を振る少女。

 どうにかイヴに対するインテレオン達の誤解を解きたいのだが、イヴ自身が嫌がっている状態では無理に事を荒立てない方が良いのだろうか。

(ここまでポケモンの事が苦手って事は……やっぱり幻覚で見たあの女の子はイヴとは無関係なんだよね。メッソンの事が大好きって言ってたし)

「……ルーアは怖くないの? あいつらの事」

 この遺跡で見つけたのであろうポケモンのぬいぐるみを抱きしめながらイヴは尋ねてくる。

「……怖かったよ、この世界に来るまでは」

 

 私の自業自得とはいえ……『あんな事』があったのだから。

 

「でも、助けてくれるポケモンがいて、ちゃんと話せば分かってくれるポケモンもいて……今ではこの世界で暮らす事が私の幸せなんだと思う」

「……そっか、ルーアは凄いね。私には……出来ない」

 イヴは切なそうな笑顔を浮かべ、襲って来る事の無いぬいぐるみをまた強く抱きしめる。

 私と違いこの世界に来て味方と言えるポケモンに出会えなかった少女にとって、やはりポケモンは恐怖を抱く対象なのだろう。

 

 それが彼女の価値観で……私の価値観とは異なるのだから。

 

 

 

 

 

 翌日、日光が降り注ぎ潮風が吹く『無獣島』。

「……」

 砂浜に立つ私は呆然と海を見つめていた。

 『サマーリゾート』へ戻ろうと考えていたのだが、肝心のイカダが無いのだ。

(そうだ…途中で私だけこの島に引き寄せられちゃって……誰も乗ってないイカダが波にさらわれちゃったんだ……)

 ランドセルの中にある『あなぬけのたま』は『スプリングタウン』用のものであるため、『サマーリゾート』に飛ぶ事は出来ないのだ。『スプリングタウン』から『サマーリゾート』へ移動しようにも距離は長いし『鬼火草原』が途中にあるしでこちらも難しい。

 

「こっちにも色々落ちてるね」

 ガックリと項垂れる私に対し、『無獣島』を見に来たイヴが食料品などを抱えながら言う。どうやらこのダンジョンも『追放の遺跡』と同様に道具を生成するようだ。

「道具……あっ!」

 私はイヴが拾ってきた道具を見せて貰い、何か役に立ちそうなものが無いか探してみる。

 

 食べ物、食べ物、ぬいぐるみ、食べ物、飲み物、食べ物……。

 

「そういえばなんか大きなものが向こうの海岸に打ち上げられてたよ」

 やはり期待したのが間違いだったのだろうかと思っていると、イヴがそんな情報をくれた。

 大きなものというだけでは分からないが、今は藁にも縋りたい状況。

 

 

 

 イヴの案内に従って進むと、確かに黒ずんだ物体が岩陰にあった。

「これは……ボート?」

 見覚えが無い小さなボートは汚れてこそいるが、見た所壊れてはいない……ようにも見える。海の乗り物に対する造詣は全くないため自信は無い……。とはいえ試してみない事にはどうしようもないだろう。

 

「うぐぐ……」

「これで海渡るの?」

 陸に打ち上げられたボートを海に戻そうとするのに悪戦苦闘していると、イヴが手伝ってくれた。非力な私に比べ力持ちなのか、容易くボートは海へと着水。

 私は恐る恐るそのボートの上に乗るが、幸い沈むことなく浮力を維持していた。更に足元を見てみるとこのボートは足漕ぎ式らしく手錠を掛けたままの私でも動かせそうだ。

 

 妙に都合が良いとは思いつつも、私は左右のペダルを交互に踏んで海を進み始める。

「ルーア! また来てよ!?」

「うん、ありがとうイヴ!またね!」

 手を振ってくるイヴに対し、私は顔を向けて礼を述べた。

「えっと……最初に到着した砂浜があそこだから…『サマーリゾート』はこの方角かな」

 方向を調整し、私は何度もペダルを踏む。陸を歩くよりも体力を使うものの、イカダの海上爆走よりはかなりマシだ。

 振り返ると、随分と小さくなった『無獣島』が水平線に浮かんでいる。

「……」

 

 『追憶の遺跡』では、学校の教師やクラスメート達……元の世界で実際に存在する者たちが幻覚として現れていた。ならば『無獣島』で出会ったフラエッテ達や、メッソンと謎の女の子も元の世界に実在していたのだろうか。

 

(……インテレオンは、違う世界からやって来た……)

 ふと視線を落とすと、一枚のボロ紙が座席の隙間に挟まっているのが見えた。そこには文字ではなく、お世辞にも上手とは言えない絵が描かれている。

 

 青色の小さな何かと、金髪に薄橙の何か……。

 

(このボートって、もしかして……)

 私はそこまで思案するが、ボートの操作に集中しなければと首を横に振った。

 

 

 

 太陽からの日差しが弱りつつある昼下がり頃。

「ふひぃ……」

 ようやく『サマーリゾート』の砂浜に到着した私は荒く息をしながらボートから降りる。

「おや?」

 そこへ声をかけてくるのはラプラスだ。私はレンタルしたイカダが海に流されたことを思い出し冷や汗を垂らす。

「無事だったんですね! 心配しましたよ、イカダだけ浮かんでいたのでまさか海で溺れてしまったのかと…」

「えっ?」

 しかし彼は怒っている様子も無く笑顔になった。桟橋の方を見てみると私がレンタルしたイカダが戻ってきている。どうやらラプラスが見つけて回収したようだ。

 

「ところでその乗り物は……」

「あ、えっと……私の、私物……?」

「なるほど、ここに停泊させるのでしたら流されないようロックしておきますね」

「ありがとね、助かるよ」

 親切なラプラスに甘えつつ、私はまずコテージのある海岸まで移動を始める。一応置手紙は残してきたものの、もしかしたらインテレオン達が心配しているかもしれない。

 

 

 

 しかし、それは杞憂。

 

 コテージには誰もおらず、置手紙にも返事が書かれていた。チコリータ達は今日もダンジョンに行ったのだろうと、私は返事の内容を見てみる。

 

**********************************************************

 勝手に単独行動取るんじゃないわよ!

 『無獣島』ならあたし達じゃ追えないじゃない!

 帰ってきたら小一時間説教だからね!

 

 チコリータより

**********************************************************

 

「……っ」

 冷や汗を流す私。どうやら物凄く怒らせてしまっているらしい。

 必死に言い訳を考えるが、まだ返事に続きがある事に気付く。

 

 

 否、筆跡が違う為チコリータとは別のポケモンからの返事だ。

 

 

 

 

 

**********************************************************

 緊急事態ですわ。

 『蒼海晶洞穴』にてダンジョン巨大化が発生しましたの。

 暫く『ナイトスター』はそちらへ向かいますわ。

 

 マホイップより

**********************************************************

 

「……え」

 私はポカンと口を開けた。

 

 

 

 ダンジョン巨大化……!?

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