『崩れ谷』の奥底。
インテレオンとスールが抱き合うのを見て、私の怒りは遂に限界を迎えていた。
「っ!?」
目を回して倒れていたガケガニが『ふきとばしのえだ』により高速で飛んでいくのを見てマホイップ達がすぐさま視線を向けてくる。
「……」
インテレオン達を睨みつけて歩む私。その身体からは夥しい量の黒い靄がまき散らされていた。
「ルーア……!?」
「無事だったのですか……って、それより一体どうしましたの!?」
『ナイトスター』の面々は一瞬だけ安堵した顔を私に向けるが、すぐにその表情を強張らせて距離を取り始める。
「……!?」
そしてインテレオンも私に気付くとスールを抱え上げて飛び退いてしまう。
―――酷い、酷いよ……! 私の事、騙してたの……!?
「何が起こってるの!?」
「分からないわ……! けれどあの瞳の色……まるで黒装モンスターや暴走したマナフィのようだわ……」
警戒した様子で私を見つめてくるドラミドロ達。
「暴走……もしかしてルーアもマナフィのように黒装モンスターに襲われたのではありませんの!?」
「ルーア、しっかりして、ダンジョンエネルギーに、負けたら駄目……!」
アノホラグサ達も必死に呼びかけて来る。
―――もう、やだ! こんなに苦しいのに……! もう癒して貰えないなんて……!
「ウアァァァァ!!!」
私が泣き叫ぶと共に濃密な闇が出現し、元々暗い谷底を更に昏くしていく。
「ま、まずい! アレ、『蒼海晶洞穴』でボクを取り込んだ闇とそっくり!」
「それは……アレに捕まったらあたくし達も黒装モンスターと化してしまうということ……!?」
黒い触手を伸ばす闇から必死に離れるチルタリス達。
「非常に危険……マホイップ、どうする?」
「撤退が定石ではありますけれど……この状態のルーアを放っておく訳には……」
「マホイップ、スールを連れて『あなぬけのたま』で脱出してくれるかい」
―――…………。
「えっ、メーくん!?」
「待ちなさい、インテレオン。 何をするつもり?」
黒い靄が目と鼻の先に迫っているにも拘らず下がろうとしないインテレオンに対しスール達が表情を固くする。
「ルーアの気持ちに向き合う」
「何を仰って……あっ!?」
「壁……!」
マホイップ達は問い質そうとするが、迫りくる黒い触手に追い詰められていた。
「……っ、『みわくのボイス』!」
窮地の仲間を助けるためにチルタリスが音波を放つと、攻撃を浴びた触手は呆気なく四散した。
「助かりましたわ! 一旦ドラミドロ達と合流しましょう」
「待った、危ない!」
包囲網の穴へ向かおうとするマホイップをアノホラグサが呼び止める。地面に散らばった闇の破片はウゾウゾと不気味に蠢いていたのだ。
「マホイップ、もう危ないわ! あなた達だけで『あなぬけのたま』を使うのよ!」
「それではドラミドロ達が……!」
そして『ナイトスター』が険しい顔で問答している横で、散らばっていた闇の破片が高速で飛び始める!
……私に向かって。
―――や、やだ! やめて来ないで……!
「えっ……!?」
インテレオン達が驚いて視線を向ける中、闇は私の目前まで迫ると青い光に包まれて消滅する。そして……。
「あっ……! うああっ…!」
体内に再び苦しみが蓄積され、たまらず前のめりになり苦悶の声を上げる私。激しい吐き気に襲われ、体内で苦痛が渦巻く。
「ルーア……!」
「闇を攻撃したらルーアに反動が行っちゃうの!?」
身を震わせるだけで動くことが出来ない私へ追撃する事もせず、彼女らは悲痛そうな顔を向けてきた。
―――やめて……苦しいの、吐き出させて……。もう取り込ませないで……!
「ッ!!」
その時、インテレオンが高く跳躍する!
彼は私の頭上を飛び越えて広間の入り口に着地し、すぐさま『ねらいうち』で私目掛けて水弾を撃つ。
「!?」
周囲の地面に着弾し水飛沫が舞い、私は否応無くインテレオンへと視線を向けることになった。
私と目が合っても彼は怯むことなく、それどころか手招きまでして更に引き付けてくる。
―――なんなの……! スールを私から守ろうって……!?
「マホイップ! スールの事、頼む!!」
インテレオンはそう告げると通路の先へと走ってゆく。私は苦痛と性欲に翻弄され歯軋りしながらも、湧き出る苛立ちに従うままに彼の後を追い始めるのだった。
「こっちだよルーア」
「う……ううっ……!」
足の速さには絶対的な差がある筈なのに、彼は私のスピードに合わせるかのようにダンジョンの中を進み続ける。
―――馬鹿にされてる……! 撒こうと思えば透明化とかで簡単に撒ける癖に……! やっぱり性格、悪い……!!
「はあっ、はあっ……♡」
インテレオンを睨み付けて必死に歩く私だが胸の奥が苦しいし、身体は重いし、股間は疼くしで最悪のコンディションだ。
「……ウアアッ!!」
「!!」
私は声を上げて彼の足元に『どんそくのワナ』を生成するが、彼はその直前に飛び上がってワナを回避してしまう! 発動しなかったワナは消滅し……。
「あぐっ……ぐ……うう……っ」
ワナを生み出した私自身へと苦しみとなって返り、私は立ち止まって呻き声を漏らした。インテレオンを止めたいのに私が勝手に自滅している形である。
「ルーア……苦しいのなら何もせずただついて来てくれ、僕は逃げるつもりはない。マホイップ達を巻き込まないために場所を移動したいだけだ」
「……っ」
荒く息をする私に対して彼は言う。無表情な上に瞬膜が目を覆い隠していて全く感情が読み取れない。騙しているのか、スール達を守るために囮になっているのかも分からない。
分かるのは……!
―――インテレオンは……私よりスールの方が大事なんだ……!
彼はメッソンだった頃にスールの母、ティオの指示でスールを改心させるという役目を負って彼女と出会った。しかし彼はスールと心を通わせ、彼女の家から脱出する手助けをし共に外の世界へ飛び出したのだ。
『無獣島』の基となった島を始めとした様々な場所をスールと一緒に旅したり、快楽を求めるスールの相手をしたりと……長らく愛し合っていたのだろう。
そしてある日この世界に飛ばされてスールと離れ離れとなり……彼は非常に苦しんだ筈だ。私が『無獣島』から持ち出した足漕ぎボートを見た時の様子からして明白。
『そんな時にルーア…キミが現れたんだ。夢かと思った、運命かと思った。ずっと望んでいた人間が目の前にいたのだから。そして僕は…本来のトレーナーの代わりとして君を利用していたんだよ…自分の寂しさを紛らわせるために』
記憶の底から浮き上がってくる、インテレオンの言葉。
―――私、本当に代わりだったの? スールと再会できた以上、もう私はいらないの……?
「うっ……ぐすっ……ううっ!」
涙が溢れてくる。心が苦しくて痛くて、潰れてしまいそうだ。
私を本当に癒してくれるのはインテレオンただ一匹だけなのに、その彼を失ってしまったら私はもう……一生苦しいまま。
―――そんなの嫌だ……嫌だよ……!
「……」
周辺のダンジョンの壁とは異なる、銀色の壁の前でインテレオンが立ち止まる。そしてレスキューバッグから一つの道具を取り出した。
それは目の前の壁と同じ銀色をしたカギ。
彼がそれを目の前の壁に差し込むと、轟音を立てて銀色の壁が地面の中へと沈み込んでいく。その先には……小さな部屋があった。
「ここはカギが無いと開かない『カギ部屋』、ダンジョンが生み出す不思議な地形の一つさ」
そう言いながら部屋の中へ進んでいくインテレオン。しかし中には布のような道具が一つ置かれているだけであり、ワナや抜け道もなさそうだ。私が更に進めばたちまち黒い靄が充満し彼は逃げる事が出来なくなるだろう。
「この道具は『はいいろシフォン』。珍しい道具ではあるけど、これがあったとしてキミに危害を加えられるなんて事は無いから安心してくれ」
「……何が、目的?」
自分からその場に座り込むインテレオンに対して、私は警戒を止めずに尋ねた。
彼はどうして抵抗しようとしない? どうして自分からわざわざこんな狭く、マホイップ達にも分からないような場所へ入り込んだ?
「キミには僕を憎む権利がある。どうとでもしてくれ」
―――え?
「……僕はキミを守らないといけなかったのに、あの祭壇でどこかへ飛ばされそうなキミを救い出す事が出来なかった。あの後、必死に探し回ったけれど見つけられなくて、『スプリングタウン』に戻って情報を集めようとしたけど手掛かりを得られなくてキミの力になれなかった」
俯いて語るインテレオン。その拳は己の非力さを悔やんでいるのか小刻みに震えている。
「そんな時にまた『歪みの穴』が発生し、この地域がダンジョン『崩れ谷』に変貌した。もしかしたらここにキミがいるんじゃないかと思って、調査の任を受けた『ナイトスター』に同行させて貰ったんだ。けれど最深部で倒れていたのは……かつての僕のトレーナーだったんだ」
金髪赤眼の少女、スール。彼がメッソンだった頃から共にいた……彼にとってかけがえのない存在。
「散々キミを守るだの、一緒にいるだの言っていたのに……僕はスールのことを諦めきれていなかったんだ。キミからしてみればとてつもなく酷い奴だろう」
「……」
「キミが怒って僕を憎むのは当然だ。だから滅多打ちにするなり、ゴミみたいになるまで蹂躙するなり好きにしてくれ。僕はそれぐらいの事をされなければいけないんだ」
彼はそう言うとレスキューバッグまで部屋の隅に放り投げ、完全に服従する状態になる。
―――……。
「ごめんよルーア。こんなになるまで、キミを傷付けてしまって」
―――……。
彼に向けて歩き出す私。黒い靄が部屋の中を漂い始め、インテレオンは苦しそうな表情を浮かべた。
―――……それなら。
更に私は密着する程の距離まで近づく。黒い靄により苦痛に苛まされる彼の荒い息がよく聞こえ、熱の籠った吐息が肌にかかった。
―――……望み通りに。
「ぐっ!?」
私の『攻撃』を受け、彼が目を見開き苦悶の声を上げる。
「じゅる……れろ……♡」
舌を巧みに動かして私は彼の股間を責めていた。涎の糸を引かせながらピンク色の舌で舐め回していると程なくして彼の勃起した性器が伸びてくる。
「……えへへぇ♡」
今すぐにでも膣に入れたいけれど、私はそれを後の楽しみにして立派な陰茎を舐め始めた。
「ルーア……何を……!」
「じゅぱ、じゅるる……♡」
悶絶する彼の言葉を無視して、私は根元から先端まで丁寧に舐め回す。カリ首に舌をなぞらせ、尿道口に舌を当てて、インテレオンの性器を弄り回した。それにより既に勃起していた彼の陰茎はビクビク痙攣し始めており、限界が近い様子である。
「じゃあ……♡ いただきまーす……♡」
「ぐうっ!?」
そして私は口で彼の性器を咥えこんだ! 歯が当たってしまわないように注意しながら頭を前後させ、フェラでご奉仕する。
「んぶっ♡ んぐうっ♡」
「うあっ……! で、出る……」
幸せな気分になりながら口を動かしていると彼がそう言ったため、私は躊躇わず動きを早めてインテレオンの射精を促した!
ビュルルルル!
「んぐぐっ♡!!」
私の口の中に大量の精液が出され、口内を生温かさと妙な味わい、そして粘つきが支配する。
「んー♡ んんー♡」
そのまま私は口を動かして彼の尿道に残った精液を絞り出した。彼の性器を解放すると、私はたっぷりと口に出して貰った精液を存分に味わいながら大事に大事に、ゆっくりと飲みこんでいく。
精液が喉に絡みつき、食道をゆっくり垂れ落ちながら胃の中へ。飲めば飲むほど膣が反応し、膣口から愛液が何度も噴き出てしまう。
「え、えへ……♡ 私、上の口も犯されちゃった……♡」
「はぁ、はぁ……ぜぇ、ぜぇ……」
精液で汚れた顔で笑みを浮かべる私に対し、インテレオンは脂汗をかいて必死に呼吸をしていた。
―――少しだけ……楽になった……。 けど、まだ苦しい……もっと…!
「も、もう挿れるね……♡」
「……くっ、好きに…するんだ」
ゆっくり彼の性器へ腰を下ろしていく私に対し、彼は苦しそうにしながらも拒もうとしない。
そしてインテレオンの亀頭が私の股間に触れる!
「んあああんっ♡♡!!」
快楽のあまり私は身を激しく捩らせる。それにより陰茎の先端が割れ目をなぞり、さらなる快感が私に襲いかかった。
(やっぱり気持ちいいよぉ……まだ挿れてすらないのに子宮が大喜びしてる……)
私は続けて勃起したクリトリスをインテレオンの性器に触れさせ、互いの先端を何度も突き合わせた。
「あひっ♡ うひひぃ……♡」
精液が出てきたばかりの尿道口に陰核を嵌め込み、私は涎が首輪や胸まで垂れ落ちていくのを気にも止めず身体を震わせる。
性感帯が刺激された事で私の性欲が更に肥大化し、膣もインテレオンの性器を欲しがって激しく締まったり緩んだりを繰り返していた。
―――もう我慢出来ない!!
「がっ……!」
「ひゃふぅぅん♡!」
私は股間を彼の陰茎に押し当てると、まず亀頭を膣内に招き入れる。甘美な刺激が膣の浅い部分に走り、私は天を仰いで熱い吐息を何度も出した。
「ん、ん、ん、んんんっっ♡♡!!」
私は更に腰を落とし、己のGスポットに硬い陰茎を当てる。そのまま腰をいやらしく動かし、Gスポットを擦らせて鮮烈な刺激を楽しんだ。
「ぐ……うっ!!」
するとインテレオンがうめき声を上げ、私の膣内に精液が中出しされる感覚が届く。
「えへへぇ♡ またイッちゃったの? でもやめない……♡ 好きにしていいって、言ってくれたもん♡」
しかし先程出したばかりなためか精子濃度が薄くて粘度も低いらしく、折角の精液が彼の陰茎を伝って外へ垂れ落ちてしまう。
「ああっ、勿体無いよおっ! 出てっちゃ駄目ぇ♡!!」
「ぐええ!」
私は勢い良く腰を下ろし、垂れ落ちた精液をインテレオンの性器ごと膣内にしまい込んだ!
「来たぁ、インテレオンのチンコが私のマンコに入ったぁ♡ 私の中にあったかいのが詰まってるぅ、子宮の入り口まで届いてるぅ♡」
―――これ! これが欲しかったの!
気持ちよさで勝手に腰が動き回り、膣壁全体が硬い陰茎で擦られる。それだけでは足らず、私は彼の腰の上でピョンピョン跳ねて挿抜される快感を自分自身に与えた。私の丸々したお尻がインテレオンにぶつかる度にペチンペチンとエッチな音を鳴らす。
―――気持ちよくて幸せ……! インテレオン、誰にも渡したくない……! ずっとずっと独り占めしたい!!
私は背負っているランドセルを揺すると、中から乳首用のバイブを出してコリコリに勃起した自らの乳首にくっつけ、振動させる!
「あああっ♡!! レイプされながら玩具使うの、気持ちいいよぉぉぉ♡!!」
更にローターも出してクリトリスに押し当ててどんどん自らへの刺激を強めていく私。ずっと私を虐めていたバイブやクリトリスリングも、セックスしている今では快感を強めてくれるエッセンスだ。
「あ……かはっ……!」
「ああんっ、また中出しされちゃったぁ♡ せーしいっぱい出して貰えて最高だよぉ♡」
元々青い顔を更に青ざめさせ、白目をむいたインテレオンが痙攣しながら再び射精。何度もレイプしてくれている現実に大喜びの私は更に性欲を高め、顔を紅潮させて腰の動きをエスカレートさせる。
「あんっ、インテレオンっ♡ んうっ、トレーナーのスールなんか捨てて、性奴隷の私の事これからもいっぱいいっぱい犯してレイプしてねっ♡ あひっ、毎日毎日私の事、滅茶苦茶にしてねっ♡」
どんどん絶頂が近付く中、私は目にハートを浮かべて嬌声を上げる。闇のように暗かった筈の脳内も今やピンク一色に染まっており、エッチな事しか考えられない。幸せ過ぎて涙が止まらない、汗も涎も膣液も止まらない!
「ああああああっっっ♡♡♡!!!」
遂に私は絶頂を迎え、歓喜の叫びを上げた。頭のてっぺんから足の先っぽまで快楽が流れてビクビク身体が震える。
―――苦しいの……減った……♡ でも、まだまだ沢山残ってる……もっといっぱい、幸せで減らし……。
一回の絶頂では満足できなかった私は、まともに動かなくなった彼の上で再び腰を動かし始めた。
「…………よくもぉぉぉ!!!」
「っ!?」
顔面に膝蹴りを入れられ、私は地面に叩きつけられる。身体が丈夫になっていなかったら鼻血が出ていたに違いなく、私は咄嗟に攻撃して来た相手を睨みつけた。
「メーくん! メーくんっ! お願いしっかりして!」
それはスールだった。
彼女は仰向けに倒れたまま動かないインテレオンに必死に呼びかけている。私と同じ人間であるスールには黒い靄の影響が無いのだ。
「ス、スール……どう、して……?」
そしてインテレオンも苦しそうながらも己のトレーナーの呼び掛けで意識を取り戻して尋ねた。
「あたしはメーくんと一蓮托生だもん! メーくんを残して逃げるなんて出来ない!!」
―――……こいつ、許せない。
「うああっ!!」
「あうっ!?」
私はインテレオンを誑かすスールに飛び掛かり、自分諸共転倒させる。マウントポジションを取ると、相手の腹部で何度も跳ねてのしかかり攻撃を放つ!
「このっ、このぉ!」
「う、げほっ……!」
腕が使えないためにこの程度の攻撃しか出来ないが、スールも同じく手錠を掛けているため抵抗出来ない筈だ。
「ルーア、やめて、くれ……!」
「!!」
しかし、インテレオンが懇願してくる。自身が苦しんでいた時には一切"やめろ"なんて言わなかったのに……スールが危険になった途端に……。
「……えいっ!」
「わっ!?」
隙だらけになった私に対し、スールが暴れ出す。対処出来なかった私は地面に転がってしまい、今度は彼女が上に乗っかって来た。
「許さない……よくもメーくんを酷い目に!」
「あぎゅっ…!」
スールは頭を振りかぶり、勢い良く私の額に頭突きして来る! まるで星が飛び散るような衝撃に私は目が回りそうになった。しかもランドセルを背負った状態で仰向けにされているため腰にも激痛が走る。
「スールも……喧嘩は、しないでくれ……!」
「へっ、メーくん……?」
だがインテレオンはそれも呼び止める。虚を突かれた顔でスールが振り返った。
「ぐぬぬぅ!」
「くううっ!」
その隙に私はランドセルを外して身軽になると再びマウントを取り戻そうと暴れる。しかしスールも激しく抵抗し二人揃って倒れ込み、お互い揉みくちゃに絡み合いながらカギ部屋の中を転がり回った。
ただ、私もスールも手錠と首輪で拘束された姿であるためまともな戦闘は不可能だ。私と同じくスールも身体が丈夫になっているらしく、頭突きや蹴りを入れてもロクにダメージを与えられずこのままではいつまで経っても終わらないだろう。
「いた!」
「こんな所に部屋があったなんて……」
「大変、インテレオンさんが倒れていますわ!」
「どうやって助け出そう……」
そんな時、カギ部屋にやって来たのは『ナイトスター』の面々だ。スールを追って来たようだが、黒い靄が充満している部屋に突入できず右往左往していた。
「ルーアとスール、戦って……る?」
「どちらかというと……じゃれ合ってるようにも見えるわね」
(なっ!?)
私達の激闘を見た彼女らはあろうことかそんな事を呟く。こっちは必死なのに何を呑気に言っているのかと怒りたくなるが、密着したままのスールを倒すために私は激しく身を捩らせた。
そして、スールの肌に触れた私の乳首が擦れる。
「うぎゅっ……♡!?」
不意打ちのような快感を浴び、私はビクンと身体を跳ねらせた。動きが止まってしまい、スールへ隙を見せてしまったが何故か攻撃は飛んでこない。
「は……あうう……♡」
見るとスール自身も恍惚とした表情で身体をピクピク震わせていた。ほぼ全裸の格好でお互い密着して転がり回っていたせいで気付かぬ間に快感が蓄積されてしまっていたのだ。
「う、ううっ♡」
「くうんっ♡」
しかしインテレオンのためにここで引くわけにはいかず、スールも私との戦闘を止めようとしない。身を捩る度にお互いの身体がこすれ合い、彼女の柔らかい肌が汗でじっとりと湿っている感覚が嫌でも私の肌に伝わってくる。それを意識すると段々いやらしい気分になってしまい動きが鈍ってしまう……どうにかしなければと思ったその時だった。
「ふぎゃあっ♡♡!?」
私の股間が何かに擦られる。慌てて視線を落とすと、なんとスールが太腿で私の股間を擦り上げていたのだ。
「変態には……これが効く……♡!」
「あっあっ、あっ……♡」
そう言って彼女が脚を動かす度に私は喘ぎ声を上げて怯んでしまう。
「……変態は、そっちでしょ♡!」
「うああっ♡!?」
しかし私も負けじと脚を上げてスールの股間に刺激を与えた! 彼女が悲鳴を上げると共に、自らを変態だと証明するかの如く股間から膣液を噴き出す。スールの体液で脚やサイハイソックスが汚れて不快な気分になるが、だからと言って動きを止める訳には行かない。
「ね、ねえ。ルーア達、何やってるの?」
「お互い脚を動かしているわね……あれってまさか」
「うん。ニンゲン、回復行動」
(違うぅぅ……!)
私達の様子を観察していた『ナイトスター』達が言うが、私は心の中で否定する。私はスールを止めたいだけで気持ち良くなりたい訳ではないのだ。
「なるほど……ニンゲンは自力では自らの股間を触れずに回復できないとのことでしたけども、ああやって仲間がいれば回復し合うことができるのですわね」
(仲間じゃないぃ……!)
合点がいったような様子で言うマホイップに対しても私は反論したくなるが、変態のスールは脚を巧みに動かしてきていて快感に耐えるのが辛い上に私も反撃に必死でそんな暇はない。
「はあっ、はあっ♡ 早くイッちゃえ……!」
「嫌だ……あんっ♡ そっちが先に……!」
スールより先に絶頂してしまったら疲労で動けない間にインテレオンを奪われてしまう。それを防ぐためには早く彼女をイカせないとならないのだが、普段からオナニーばかりしていたスールは中々絶頂する気配を見せない。だがかなり発情して来ているようで、頬は赤く染まり表情も蕩けているのが分かる。
「あーっ♡ んんっ♡ こんなのでっ♡ 感じる淫乱なんて、インテレオンの傍にぃ♡ いたら駄目なんだからぁ♡」
「こっちの台詞だもん……♡! メーくんをレイプしたこと、絶対に許さないからぁ♡ 反省させて、二度とあんなこと出来ないようにしてやるぅ♡」
互いの顔を至近距離に向かい合わせながら言い合う私達。その口には涎がいやらしく糸を引いており、激しい快感で涙も止まらない。熱の籠った裸の胴体を密着させ、サイハイソックスに包まれた互いの脚が絡み合う。
「おおっ♡ ああっ、あっ♡」
「ひぎぃ……♡ い、いぃよぉ……♡」
そしていつの間にか私達は相手の股間に刺激を与えるだけでなく、相手の腿に自分から股間を擦りつけ始めていた。私もスールも本質が性欲が強い変態であるため、気持ち良くなることを優先せざるを得ないのだ。
(女の子の身体、柔らかくてあったかいぃ……)
全身から噴き出す汗を相手に拭いつけるように身体を擦らせる私達。自分と相手の汗が混ざった液体で完全にびしょ濡れ状態であり、更に股間周りは膣液までもが混ざってより酷い有様になっている。
「あっあっ……♡ もう、らめぇ……♡」
そんなことを暫く続けることで私の限界が近付いてくる。
「ううっ……♡」
だがスールも追い詰められているとはいえ、私程絶頂が近いようには見えない。何故かと思案したがすぐに原因に思い当たる。今の私の膣内ではバイブが振動しているしクリトリスの根元にもリングが嵌められているのだ。
(このままじゃ、負けちゃうぅぅ! インテレオンを守れないよぉぉ!)
心の中で叫ぶが本能は絶頂したくて堪らない状態で、より激しくスールの腿へ秘部を擦り付けてしまう。
「ふあああああっ♡♡♡!!!」
そして私は全身をビクビク跳ねらせて絶頂を迎えた。脳から大量の快楽物質が分泌されて幸せな気分になるが、スールに負けてしまった事実に胸の内に恐怖が芽生える。
(インテレオンが……スールに奪われちゃう……)
「んっ、んっ♡」
だが当のスールは依然として私の腿に股間を擦り付けて来ていた。その顔は完全に発情した雌そのもので、イクこと以外何も考えられていないようだ。
「んうううっ♡♡♡!!!」
間もなくスールも絶頂を迎え、私と身体を密着させたままぐったりとする。
「はあっ、はあっ♡」
「ぜえ、ぜえ♡」
双方ともに荒く呼吸を続けるばかりで中々起き上がれない。スールよりも早く起き上がってインテレオンを逃がさなくては、と理性が言うが疲労で身体が言う事を聞かないのだ。
「靄、無くなった!」
「良かった、ルーアも普段の様子に戻ってるわね」
「インテレオンさん、無事ですの!?」
その時、『カギ部屋』になだれ込んでくるのは『ナイトスター』だ。ただでさえ狭い部屋の中にポケモン達が入って来る事で更に圧迫される。
「ぐ……うう……」
「かなり疲弊している状態だわ、『ママンボウ医療所』に連れて行きましょう」
「それじゃあ『あなぬけのたま』だね」
「何があったのか話は後で聞くとして……ルーアとスールも一緒に戻りますわよ!」
「えっ……?」
あっという間に話が進ませるマホイップ達についていけないまま、私達は『あなぬけのたま』が発生させた光に包み込まれるのであった。
……そして、私の胸の内にあった違和感や苦しい気分も落ち着いていた。