『崩れ谷』にてインテレオンと再会したものの、そのダンジョンにはかつて彼のトレーナーであったスールがいた。紆余曲折の末、『スプリングタウン』へと帰還した私達であったが……。
「これは……酷く体力を消費していますね。熱も出ていますし暫くは休ませるべきでしょう」
「そうなのですね……」
『スプリングタウン』にある『ママンボウ医療所』にて、インテレオンの容態検査を終えたママンボウが険しい顔で言い、それを受けたマホイップは表情を暗くする。
「しかしこの体力の浪費の仕方……一体何があったのですか?」
「黒い靄が……」
「しっ」
問いかけてくるママンボウに答えようとしたアノホラグサだが、何故かマホイップが口止めする。
「色々ですわ、新しいダンジョンだった故に探索も大変でしたもの」
「そうですか……ですが彼は『サマーリゾート』へ向かう前も疲れ気味だったでしょう。夜遊びをしていた……という話だったでしょうか」
「え、そうなの?」
「私達のマッサージもよく利用してたよ!」
心配げに首を傾げるチルタリスに対し、この医療所でマッサージ店を営むマイナン達が補足した。
「……」
彼女らの話を聞き、私は沈黙しながら過去の事を思い返す。夜遊びというのは……おそらく私とのセックスをした話だろう。記憶が正しければインテレオンがママンボウから注意をされたために、その頃は毎日やっていた性交を数日おきに減らした筈だ。
「……?」
インテレオンの傍にしゃがみ込んだまま、困惑した表情を浮かべるのはスールだ。彼女はこの『スプリングタウン』に来てからも人間がおらずポケモンしかいない町の光景を見て不安そうであり、しきりに自らの胸や股間を隠そうと身動ぎしていた。まるで私がこの世界に迷い込んだばかりのような反応だ。
「ああっ! ルーア、元に戻ったの!?」
その時、入り口の方から驚愕と安堵が入り混じったような声が上がる。振り向くとそこにはギルド長補佐のチェリムがいた。マホイップからの伝言が届き、急いでここへやって来たらしく息切れした様子を隠せていない。
「元に戻ったって……ギルドも把握されてますの?」
「ええと……出来れば長の部屋で話したいんだけど」
マホイップの問いに対し、チェリムは周りに治療待ちのポケモンがいるこの空間を見渡しながら申し訳なさそうに提案してくる。
「ルーア、スール、来れる?」
「……メーくんと一緒がいい」
アノホラグサに尋ねられ、スールが不安そうなまま答える。人間がいないこの世界の事を知らないため仕方ないとも言えるが、インテレオンは動けないため彼女もファイヤーの所に行かないつもりだろうか。
「ルーアと同じで違う世界から来たニンゲンだものね……。色々混乱しているでしょうし無理強いは出来ないわね……それじゃあルーア、悪いけれど来てくれるかしら」
スールを気遣ったドラミドロは私に確認してくる。
「……」
私がこの場を離れるというのはつまり。
インテレオンとスールが一緒にいるということ。
「……私もインテレオンの傍にいる」
「へっ?」
そう宣言して彼の傍に座り込む私を驚いた顔で見てくるのはスールだ。
「なっ、何様!? メーくんのトレーナーはあたしだよ!」
「知らないもん! この世界でインテレオンと一緒にいたのは私!」
「メーくんに馴れ馴れしくしないでよ、変態の癖に!」
「変態はそっちでしょ!? 突然湧いてきて理解者面しないで!」
「ちょ、ちょっと!?」
互いに睨み合い喧嘩を始めた私達を見てチルタリスが目を丸くした。
「ウフフフフ。それならどちらもギルドに来て頂きますわ」
「……へ?」
すると薄ら寒いオーラを放ちながらマホイップが傍までやって来る。彼女は表情こそ笑顔だが、逆らったらとんでもない目に遭わされそうな雰囲気を纏っており背筋が凍りそうだ。
「騒がれるとインテレオンだけではなく他の利用者の迷惑にもなります。一旦行って来て貰えませんか?」
「……っ」
更にママンボウからも厳しい口調で言われた上に、周囲のポケモン達の困惑した視線が集まり私もスールも拒否できなくなるのであった。
『スプリングタウン』の中心にそびえる巨大な桜の木。その幹にツリーハウスの如く建てられた幾つかの建物が『ファイヤーのギルド』の施設だ。その一番上部にあるのがそこのギルド長ファイヤーの部屋である。
「さて……話したいことが山積みですね」
部屋の主であり、『スプリングタウン』の救助隊ポケモンをまとめるファイヤーが『ナイトスター』および私とスールを見渡した。
「まずルーア……今は落ち着いているようですが何があったのですか?」
「……」
ファイヤーに問いかけられるが私は黙って視線を逸らす。
「来る途中でチェリムから聞いたわ。ルーアは一旦『スプリングタウン』に来ていたのよね?」
「はい。その時彼女は黒い靄を身体から放っていたほか、闇に塗れた道具を使っていたのです」
「ボク達も『崩れ谷』でルーアと会った時に、靄を放ってる所や以前ボクを取り込んだのとそっくりな闇を出してたのを見たよ」
そんな話をされて、私は責められているようで今すぐこの場から逃げ出したい気分になる。
「ルーア、何かあった? 凄く、苦しそうだった」
そう言って心配してくるアノホラグサ。けれど私は俯いたまま首を振る。
「分かんない。ただ……凄く苦しくて、溜まってたのを出したくて……でも出せなくて……」
どうして闇を撒き散らし続けていたのか。何故あんなに気が狂ってしまいそうだったのか。一体私の身に何が起きていたのか。何もかも分からないのだ。
「だけどルーアがスールとじゃれ合っていたら元に戻りましたわ。スールが戻してくれましたの?」
「ええっ、し、知らないよ!?」
マホイップに不思議そうな顔で尋ねられたスールは顔を赤くして首を振った。確かに彼女は私とただ喧嘩していただけなので、そんな技術があるようには……。
「ああ、スールについても情報が欲しいのです。ルーアと同じ、こことは違う世界から来たニンゲンなのですよね」
「……違う、世界?」
ファイヤーの言葉にスールが何度も瞬きする。
「……この世界、人間は私達だけだよ」
現実を理解できていなさそうなため、私が小声で伝えると彼女はますます狼狽した様子で身体を震わせ始めた。
「……あ、あはは?」
顔を真っ青にさせた少女は歪んだ笑顔を浮かべると、何もない壁に近付き突然頭をぶつける!
「い、痛い……」
「うわわ!? な、何してるの!?」
蹲るスールを慌てて介抱しようとするチルタリス。
「夢じゃない……」
そのまま少女は蹲ったまますすり泣き始め、更にチルタリスを困惑させていた。
「話を進めますけれど、彼女はどういう訳かインテレオンさんと面識があるようですわ。インテレオンさんも彼女を知っているようでしたし、詳しくは彼に尋ねてもいいかもしれません」
「ふむ、違う世界から来たニンゲンを何故知っているのか……確かに気になりますね」
(……インテレオン、自分も違う世界から来た存在だって事はこの世界のポケモンには言ってないんだ)
本当は異世界のポケモンなのにその事実も心の寂寥もひた隠しにして、ずっとこの世界にいたという事だろうか。そんなに心の傷を放置していたのならスールに再会できたということは彼にとって相当喜ばしいものだったのかもしれない。
「それと、スール、リライブ、使える」
「へっ!?」
考え込んでいた私だったが、アノホラグサが放った言葉で意識が引き戻される。
「ええ。インテレオンとルーアが走り去っていった後、気を失っていたガケガニを"赤い光"で包み込んで凶暴化を解いて見せたのよ。それだけじゃなくて黒い闇の塊も消してくれたお陰で無事に戻って来れたわ」
「なるほど……スールもニンゲンだからという可能性もありそうですが。ルーアのリライブについてもまだ私達は無知ですしもっと複雑な理由も潜んでいるかもしれませんね」
私だけではなくスールもリライブを使える……。思い出すのはカプ・コケコが語っていた、"この世界へ渡る間に何かが起きたから"かもしれないという言葉。
それに…私やスールは誰かの意思によって、何か使命を与えられてこの世界に呼び出されたという可能性もマホイップ達が以前語っていた。
「ルーアのリライブと比べて時間は掛かっていましたが……これはまだ慣れていないからかもしれませんわ」
(慣れてない……?)
続けてマホイップが語るが、私は引っ掛かりを感じた。
私がこの世界に来て間もなく、『清流森林』でマンキーやエネコロロをリライブしたが今と比べて時間が掛かったような事はなかった筈である。
「た、助けてメーくん……っ」
「ああっ、待って待ってー!」
その時、スールが泣きながら勝手にギルド長室から出ていってしまう。チルタリスも後を追って慌ただしく去っていった。
(身勝手だなぁ……)
「やっぱり違う世界に来てしまったというのは心へのダメージが大きいのね」
「そうだね、こういう時こそみんなでフォローフォロー!」
溜息をつく私とは対象的にドラミドロ達はスールへ理解を示したような様子を見せる。
「ですね、インテレオンは今でもルーアの守護を請け負っていますし、更にスールも彼の庇護下にいる事を望むなら負担が増えるでしょう。彼だけではなく皆が自分事と捉えて当たらなければなりません」
(スールが、インテレオンの所に?)
ファイヤーの言葉を聞いた私は心の底に焦りと怒りが滲み出すのを感じた。インテレオンはどうするつもりなのだろう……まさか襲って来た私を見限ってスールと共に暮らすなんて事を言い出さないだろうか。
「ルーアの暴走やスールの謎については、インテレオンが活動出来る様になった時にまた話し合いましょう。それで『崩れ谷』についてはどうでしたか?」
「はい、他のダンジョンとほぼ同じ状況ですわ。ダンジョン巨大化、黒装モンスター出現などの異常は見られませんでしたわ」
「なるほど、お疲れ様でした『ナイトスター』。窓口で報酬を受け取って下さい」
「わーい」
報告が終わり、入口へ向かい始めるマホイップ達を私も追おうとするが……。
「……ルーア、少しお話ししたい事が」
「……えっ?」
いつかの時のようにファイヤーに呼び止められる。
「内密な話かしら」
「そうだね、邪魔しないように行こう行こう!」
一度立ち止まった『ナイトスター』をチェリムが連れ出し、ギルド長の前には私だけが取り残されることとなる。
「…………」
以前と変わらず鋭い目つきをしているファイヤーを前にして私は顔を強張らせる。何度か話はしているものの、やはりどうしても緊張してしまう。
「ルーア……教えて欲しいことがあります」
少し辛そうな口調で切り出すファイヤーは、手元にある紙に視線を落とし一度呼吸を整えた。
「『オータムビレッジ』から手紙が届いています。その中には……『テラキオンのギルド』のギルド長、テラキオンが道具に変わってしまったとありました。そしてその原因がルーアだと記載されていたのです」
(あ……)
「私としてはルーアがそんな事をする筈がないと信じたいのですが、この町に戻って来たあなたが黒い靄を纏っていた姿を見たのもまた事実……。実際、どうなのでしょうか?」
ファイヤーに尋ねられ、私は沈黙。そうだ、『オータムビレッジ』のオーロット達からすれば私はポケモンを道具に変えてしまう危険な存在。さらなる被害を抑える為にも彼らが他の町へ警告するのは必然とも言える。
「……っ」
私が即座に否定しないのを見ると、ファイヤーは辛そうに視線を落とす。
「……先程言いましたね、暴走してしまった理由すら分からず、とても苦しかったと。あなた自身が一番辛いのは重々承知しています、ですが…どうかスールから離れないようにして下さいますか」
「えっ……な、なんで?」
ファイヤーはそう気遣ってくれるが、何故スールの名が出て来るか分からず私は顔を顰めた。
「『ナイトスター』が語っていた……あなたがスールと密着していたら黒い靄が発生しなくなったという報告があったでしょう。勿論ルーアが再び暴走してしまわないよう私達も手を尽くしますが、万が一のことを考え暴走してもすぐに元に戻れる体勢でいて欲しいのです」
「……っ」
正直に言うとスールと一緒にいるのは嫌だ。しかしファイヤー達の見識では私の暴走を止められるのはスールただ一人であり、なるべく被害が広がらないようにしたいのだろう。
そして私も……また暴走して『スプリングタウン』のポケモン達に危害は加えてしまうなんて嫌だし、次はいつ暴走してしまうのか怖くてたまらない。
「私から今伝えたい事柄は以上です。『オータムビレッジ』まで行ったのが本当であれば大変だったでしょう……今はゆっくり心身をお休め下さい」
「……うん」
私は力無く頷くとギルド長室を後にする。
……何かファイヤーに至急伝えないといけないことがあった筈だが、思い出す為に記憶を掘り返す気力も無かった。
「……」
「……?」
インテレオンに会うために『ママンボウ医療所』に戻った私だが、何故か中に入らず建物前で立っていたスールと目が合う。
変態だから大通りのポケモン達に裸を見せびらかしているのか…と予想しながらも私は無視して医療所の中へ……。
「だから安静にさせなさいと……!」
「うえっ!?」
しかし苛立った様子のママンボウに突然叱られ私は悲鳴を上げた。
「……失礼、スールじゃなくてルーアでしたか」
だが彼女は私の銀髪を見てすぐに謝罪する。
「ですがあなたもインテレオンに会いに来たのでは?」
「そうだけど……」
「彼は極度の疲労状態です。明日にして貰えますか」
「……っ」
医療を生業とする者として、患者に負担をかける訳にはいかないのだろう……ママンボウは毅然とした態度で私を医療所から摘み出した。
「ルーア、放り出されてる」
医療所前でペタンと座り込んだ私を脇に移動させながらアノホラグサが呟く。
「さて、それでは両名共どうしますの? お疲れでしょうし『ナイトスター拠点』に来て休んで行かれませんこと?」
「……っ」
マホイップはそう提案してくるがスールはしきりに医療所の方を向くばかりで答えようとしない。
「……帰る」
そして私はそれだけ口にして慣れ親しんだ家に向かい出す。インテレオンに会えないのであれば、せめて彼との思い出に浸っていたい。
「あら、インテレオンの家?」
「メーくんの家!?」
何気なしに尋ねてくるドラミドロだが、即座に反応を返したのはスールである。
「……ま、まさか来るつもりじゃ……!」
「トレーナーだもん、当然だよ!」
私は顔を顰めて確認するが、相手はそんな事を言うどころか私を邪魔者だと言いたそうな視線を向けてきた。
「あのですね、いい加減に……」
「まあ待ちなさいマホイップ、きっとニンゲン同士難しい事情があるんだわ」
「『崩れ谷』の時、じゃれ合ってた、気持ちよさそうに」
「つまり……照れ隠しってやつかな?」
堪忍袋の緒が切れそうなマホイップだが、『ナイトスター』のメンバー達が宥める。
「ち、ちがっ……!」
私は彼女らの認識を否定しようとするが、下手な事を言うとインテレオンの家にまで出入り禁止にされるのではと想像してしまい声が途切れてしまった。
「うーん、あまり仲良しには見えませんが……」
なおも疑いの視線を向けてくるマホイップ。私は冷や汗が背筋を伝う感覚にブルリと身を震わせる。
「じゃ、じゃあまた明日……!」
「ちょ、ちょっと!」
そう言い残して足早にその場を立ち去るが、案の定というかスールも後を追ってくる。振り切ろうにも歩く度にクリトリスリングが擦れてしまう現状ではどうしても歩みが遅くなってしまう。
「……ついて、来ないでぇ……♡」
「嫌だ!」
裏通りに入ってもなお追ってくるスールを引き離せないまま、私はインテレオンの家の前に到着。
「ここがメーくんのお家……」
「……」
本当は帰って欲しいのだが、言っても帰らないだろうしファイヤーからは彼女と一緒にいてくれと言われた以上、もう腹をくくるしかないのだろうか。
「……でもいつの間にこんな立派な家を…?」
「?」
スールはよく分からない独り言を呟きながら飛び石を渡って家の中へ入っていく。仕方無く私も後を追い玄関へ。
「……なんで入ってくる訳?」
「なっ! 私、ここで暮らしてるんだけど!」
そして早々そんな発言をして来るスールに対し声を荒げた。
「大体、あなたはメーくんの何なの!?」
だが怒りを露わにしたスールは怒鳴るように問いかけてくる。
「それは勿論……!」
私もそれに対して答え……。
(私……インテレオンの何だっけ?)
恋人? それとも護るべき存在?
あるいは……スールの代わり?
「……っ」
言葉に詰まる。答えたいのに、答えられない。
「この厄介者! メーくんの事、酷い目に遭わせて……!」
インテレオンのトレーナーはそう言い放つとローファーの踵で私の足を踏み付けてきた!
「……っ」
ブーツに阻まれて痛みは走らないものの、それよりもスールに対する怒りが湧き上がって来て抑えられない。
「このっ!」
「ぎゃっ!?」
私は仕返しとして反対の足でスールの脛を蹴りつける。痛みでスールのバランスを崩させる…が。
「あうっ!」
あろうことか彼女は前方に倒れ込み私を巻き込んできた。片足立ちの状態では支えられる訳も無く私はあえなくスールと共に床に倒れ込むこととなる。
「うぐ……最悪……!」
「あいたたた……先に攻撃して来たのはそっちでしょ!」
お互い身体を密着させて私達はいがみ合う。どちらもまともな服を着ていないために汗ばんだ柔らかい肌が密着して変な気分になってしまう……!
「はあ、はぁ♡」
「な、何発情してんの、変態!」
スールが罵って来るが、私のクリトリスにはリングが嵌められているし膣内でバイブが振動しているのだ。少しでもいやらしい気分になるとどうしても股間に意識が集中してしまう身である。
「うぅ……♡」
私は本能のままに硬くなった乳首をスールの身体に押し付け、甘美な刺激を自らに与える。彼女の柔らかい肌に勃起した乳首がめり込み、身体を揺らす度に上下左右へコリコリと動かされた。
「へ、変態……♡!」
相変わらず罵倒してくるスールだが、私の発情顔を至近距離で見たためか彼女も感化されたらしく腰をいやらしく動かしていた。
「変態はそっちでしょ…♡ 涎まで垂らしてぇ……♡」
「あ、汗びっしょりの癖にぃ…♡」
喧嘩しながら私達は更に身を寄せ合い、性感帯を相手の身体に擦り付ける。お互い性欲が非常に強いのに手錠でオナニーが出来ない為、なんとか快感を得ようと身体が勝手に動いてしまうのだ。
「あぁぁ♡ もっと強い刺激欲しいのにぃ♡」
「無理だよぉ♡ 私達もう手錠も首輪も外せないよぉ♡」
カチャカチャと手錠の金属音を鳴らすスールへ、私は先にこの世界で暮らしていた先輩として教えてやった。
「そんなっ! そんなぁ!」
「あ、あはは……犯罪者みたいに拘束されたまま、ずっとこの世界で暮らすんだよ……♡ 沢山のポケモン達におマンコもおっぱいも晒すんだよ……♡」
顔を紅潮させて泣き出す彼女へ更に伝えると、私もまた自分自身の事を見つめる。
犯罪者……。
私、これからどうなるんだろう。暴走してテラキオンを道具に変えたりインテレオンをまた疲労で倒れさせたり……。もしポケモン達から脅威と見做されたらお尋ね者として手配されてしまうのだろうか。
けれど『追放の遺跡』などに逃げ込もうにもイヴ達を罠に嵌めてしまった身故に彼女達にも嫌われているかも。
それに……凶暴化ポケモンをリライブ出来るという立ち位置だって、暴走していないスールに奪われる可能性だって大いにある……。
「ううっ……♡」
激しい性欲の中、沈殿しているかのように溜まってゆく恐怖。
今目の前にいるスールに全てを奪われてしまうかも。
今の居場所も、友達と言ってくれたアシマリ達も、私を認めてくれたエンペルト達も、心を許してくれるイヴ達も。
そしてインテレオンも。
全部奪われて……私は犯罪者として一人ぼっちになり、この世界で逃げ続ける毎日になるのかも。
(やだ……やだぁ……!)
どうして私は暴走してしまったのだろう。
インテレオンと逸れたせい?
『オータムビレッジ』で酷い目にあったせい?
スールとインテレオンの絆を知ったせい?
分からない、分からない……!
だけど……もう暴走はしたくない。あの違和感と苦しみに喘いだまま、余計に私自身の立場を悪くしたくない。
だけどその為には……。
「あぁ……メーくん……♡」
恍惚とした表情で身をくねらせる少女スール。
嫌いで嫌いで仕方無い彼女と共にいなければいけない?
「……っ」
本能が嫌だと叫ぶ。スールは自分がインテレオンのトレーナーだと言い張って、私から彼を奪おうとする自縛露出狂の変態なのだ。本当なら今すぐこの家から追い出したいぐらいなのだ。
しかし理性が本能を抑え付ける。ファイヤーやマホイップ達の言う通りならば、いくら嫌でも彼女と一緒にいなければいつかまた暴走してしまうかもしれない。そうなったらポケモン達に見限られて、インテレオンと会えないどころか全ての町から追い出されてしまうだろう。
(嫌でも、一緒に居なきゃ! 無理矢理にでもこいつと私を繋ぎ止めなくちゃ! 暴走するの、もうやだ!!)
そう私が脳内で叫ぶと同時に、背負っていたランドセルから一つの道具が飛び出した。
それは……『あかいいと』だ。
「あぎゅっ!?」
「うぐっ……っ」
糸は密着していた私とスールに巻き付いて締め付けてくる!
「何これ、何これ!?」
混乱した様子でスールは暴れようとするが、元々後ろ手に手錠を掛けられている所へ更に糸で拘束されたためにまともに動けていない。
そしてそれは私も同じ。いくら身を捩ってもスールと密着したまま離れられず、糸を解くことも不可能だ。肩から腰まで糸に縛られ、顔も股間も彼女に近付いてしまう。
「気持ち悪いぃ……っ、顔近付けないでぇ、息がかかる!」
「暴れ、ないでっ……あうっ♡ 脚が私の股間に……んうっ♡」
本気で嫌がっている様子のスールが脚をバタつかせる度に太腿が私の股間を擦りまくり、喘ぎ声が抑えられなくなった。
「い、いやあ……♡」
「んーっ、んーっ♡ 乳首がぁ♡」
真正面から密着した状態では必然的に胸合わせする形になり、お互いの貧相な胸がくっつくだけではなく勃起した乳首同士で突き合ってしまう。性感帯を性感帯で触られ、私達はシンクロした悲鳴を上げ始めた。
更に『あかいいと』の効果でスールが快感を感じると私にまで快感が走り、私が気持ち良くなるとスールにもそれが伝わる。単純計算で二倍の快楽が襲い掛かって来る事になり私達はすぐに限界が訪れる。
「ほどいてっ! ほどいてぇ♡」
「う、ううっ♡」
スールの叫びに私の本能も同意する。何が楽しくてこんな奴と密着イチャイチャしなければならないのだと、すぐにランドセルに念じて『あかいいと』をしまいたい気分に。
(こいつと離れたら、私の居場所が全部無くなるの!)
しかし、それを理性が許さない。
ランドセルが私の身体から離れ、その勢いで階段の上まで飛んで行った。
「い、いやぁぁ♡!」
本能のままに私は叫ぶがもう遅い。ランドセルが離れた以上、『あかいいと』を動かす事はもう出来ないしスールと一緒に縛られた状態では階段を上がるなんて不可能だろう。
(これで……暴走してもすぐに戻れる……)
「あっ♡ ああっ♡」
「はあんっ♡」
私もスールも必死に身を捩るが糸から解放されることはなくただ身体が擦れて快感が増していくばかりだ。
「うああっ……♡!」
しかし絶頂には届かず、私は自分から股間をスールの太腿に擦り付ける!
「ふぎゅう……♡」
スールもまた欲情を抑えられないようで、同じように私の太腿へ股間を押し付けてきた。
年端もいかない少女達が首輪や手錠、糸で拘束されて淫乱な喘ぎ声を上げて百合エッチに耽るなど、もし元の世界の人々に見られたらどうなってしまうのだろうか。
写真や動画を撮られてネット上に痴態を拡散されるかもしれないし、見知らぬ男達に捕まって輪姦されてしまうかも。
「メーくん助けてぇ……♡」
「あ゛ー…♡」
サイハイソックスに包まれた脚を絡み合わせ、ひたすら股間を擦り付け快楽を貪る私達。股間周りは愛液でグショグショになっており、床に水溜まりが出来上がっていた。
すぐ前にあるスールの顔は赤く染まり涙と汗と涎塗れで情けない表情を晒している。しかしそれは私も同じなのだろう。
「んっんっんっ♡」
「イクぅ、イッちゃうぅ♡」
私達は腰の動きを早め出し、快楽の頂点を目指してラストスパートをかける!
「来たぁぁぁ♡♡♡!!!」
「んっ……はぅぅぅん♡♡♡!!!」
絶頂すると同時に、『あかいいと』の効果でスールの絶頂による快感にまで襲われ私はビクンビクン身体を痙攣させた。
そのまま私達は糸に拘束されたまま力尽き、熱い吐息をかけ合うのであった。