※この作品はR-18です。

裸の少女とポケモンだけが住む世界   作:Momyaka

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Chapter57 ~悲しい平穏 前編~

 『銀杏山脈』での一件の後、しばらくの間の事はよく覚えていない。

 

 

 

 意識がはっきりした頃には私は既にインテレオンの家に戻っていた。

「……」

 太陽の光が差し込む自室のベッドで横になったまま、私は虚ろな瞳を動かし耳を澄ませる。しかし私以外の存在の気配は感じられない。

「……んん」

 何もやる気が起きず、私は誰かを探しに行く事もなく布団の中で身を捩る。

 

 ブブブ……。

 

「……んっ♡」

 私は膣内で震えるバイブの刺激を敏感にキャッチすると脚を動かして股間を擦り始めた。しかし思う様に刺激が得られず、私は自分がまだ貞操帯機能付きのスクール水着を纏っていることに気付く。

(えっと……ランドセルは……あそこだ)

 身体と頭が重く、億劫な気分になりながらも私は壁際に置かれた水色のランドセルの下までノロノロと歩き、足先で触れた。

 

「……んっ」

 

 纏っていたスクール水着が光と化すと同時に胴体への圧迫感が無くなり、たちまち光はランドセルの中に吸い込まていく。残されたのは乳首や股間、お尻といった人間として隠すべき場所を露出させた変態の私だ。

 解放された股間からは愛液が滴り落ち、快楽欲しさにヒクヒクと震えている。

 

(……オナニー……ううん)

 

 私は一瞬ベッドに足先を向けるが、すぐに思い直して自室の扉へと歩み始めた。クリトリスリングが擦れて性欲が強まってしまい、さらに愛液が床に落ちていく。

 

(インテレオンに……犯して欲しい……)

 

 あのとっても気持ちいい、甘美な快感を思い切り味わいたい。切なくてキュンキュンしている子宮に濃厚な精液をいっぱい注ぎ込んで欲しい。

 全身に汗を滲ませながら私は階段を降り、リビングへ入る……しかしそこに彼の姿はなく静かな部屋だけが私を出迎えた。どこに行ったのだろうと思いながら足を進めると一枚の置手紙を発見。

 

(……昼頃に戻るから家から出ないで……か。そんな事言われても……)

 私はびしょ濡れになった自分の股間に視線を落とす。オナニーでは解消できそうもないぐらい疼いており、今すぐにでも気持ちいいのが欲しいのだ。

 

(……でも、外にも出たくない)

 股間や乳首などの性感帯は刺激を欲しがっているが、頭や身体が重いのは事実。

 

(それに……この世界の皆を期待させて、失望させたし)

 私が扱う『リライブ』。凶暴化ポケモンを元に戻すその術は、彼らの体内にある悪いダンジョンエネルギーを消すのではなく、私の中に取り込むだけだった。そしてそのエネルギーが溜まり過ぎると今度は私が暴走してしまい、黒い靄を撒いたりなどの災厄を起こしてしまうのだ。

 正直今だって身体の中の違和感は非常に強く、『銀杏山脈』でインテレオンが決死の思いで私を幸せな気分にしてくれたお陰で暴走こそ収まっているものの、もし凶暴化ポケモンを一匹でもリライブしたらまた限界を迎えてしまいそうだ。

 

(私……もうリライブ出来ないんだ。もう、何も恩返し出来ないし、誰からも必要とされないんだ……)

 先程降りたばかりの階段をまた昇り、自分の部屋に戻った私はランドセルを背負ってから布団の中へ這いずるように潜り込んだ。

(私の身体の中に今もたっぷり詰まってる悪いダンジョンエネルギー……インテレオン達はどう考えてるんだろ。放ってたら勝手に暴走するかもって、私を町から追い出すつもりなのかな……)

 枕を涙で、布団を汗と愛液で濡らしながら私は悶々と考えてしまう。言ってしまえば今の私は危険極まりない爆弾みたいなものだ。そんな私をどうやって処分するのか『ファイヤーのギルド』で今まさに会談しているのかもしれない。

 

 

 

(……どうしたらいいのか、分かんない。これ以上嫌な事、考えたくない)

 現実逃避に走る私はディルドやローター、バイブで性感帯を一気に弄り始める。

「んあっ♡ ああっあっ♡!」

 更にタブレット端末をランドセルから出すと保存した動画を再生し始めた。それは『つめとぎ山』で撮影した私の自慰動画だ。淫乱な言葉を口走りながら顔を紅潮させ腰を動かすその少女の姿は変態としか形容出来ない。

 

「あう、あうう♡」

 画面の中の私はこんなに幸せそうなのに、どうして今の私はこんなに苦しいのだろう。大人の玩具を目一杯使っているのは同じなのに……。

 

(あの時は『ファイヤーのギルド』のポケモン達に、私の気持ちを理解して貰ったばかりで安心できてた……。けど今は……)

 そんな事を考えていたせいで思考が乱れディルドがベッドに落ち、他の道具も動きを止めてしまう。

「う、う……っ」

 激しい脱力感でランドセルすら重く感じた私はそれをベッドの脇に落とし、崩れる様に横になった。

 

 

 

(ダメ……私、もう一人じゃ何も出来ない……)

 ポケモン達の役に立つどころか、まともに生活することも、高まるばかりの性欲を自力で解消することも……。

 

 本当に……何も出来なくなってしまっていた。

 

 

 

 

 

 それから何時間が経過しただろうか。

 

 下の階から聞こえてくる扉の開閉音。

「ありがとうオーマ。昨日の事と言い、キミには感謝ばかりだよ」

「どういたしまして。ルーアのためですから」

 

「……」

 インテレオンとオーマの声。一体どこに行っていたのだろう、それに私のためというのは……?

 私はインテレオンにレイプして貰うためにすぐさまベッドから出ようとしたが、今も重い頭を枕から上げることが出来ない。

 

「メーくん、ガスコンロはそこのツマミを掴んで押し込みながら回すんだよ」

「なるほど……うわっ!?」

「おー、火が点きましたね」

 続けてスールの声も下から聞こえてくる。ガスコンロはこの世界に存在するとは思えないが『追放の遺跡』あたりから持ってきたのだろうか……何のために?

 

「水とライスを入れて……」

「どれぐらいかかります?」

「えっと……暫く」

(料理、してる……?)

 彼らの会話を聞きながら私はぼんやりと思考する。先程オーマが"私のため"みたいな事を言っていたが、もしかして私に食事を用意しようとしているのだろうか。

 

「……っ」

 邪魔者扱いで町から追い出そうとしている訳ではないと知った安堵で私の目元に思わず涙が浮かぶ。けれど食事の事まで迷惑をかける状態になっている事に私は申し訳ない気分にもなった。

 

 

 

「ルーア、入ってもいいかい?」

 また数十分経過した後、私の部屋の扉がノックされインテレオンが確認してくる。

 

「……っ、……ん」

 ドキンと心臓が跳ねる感覚で言葉に詰まるが辛うじてごく短い返事だけ返すとインテレオンが入ってくる。

「良かった、起きたんだね」

 彼は笑みを浮かべると私がいるベッドの傍に腰を下ろした。それと同時に私の鼻腔を食べ物の香りがくすぐる。これは、この世界に来てからいつも食べる羽目になっていた果実やグミのような甘い香りではなく……。

 

「ゾースイ……っていう料理を作ったんだ。食欲あるかな?」

 彼が運んできたお椀では良い香りを漂わせる雑炊が湯気を立てており、私の視線は釘付けになってしまう。同時に私は自らの空腹感にも気付く。『銀杏山脈』で気を失ってから何も食べていない筈であるし、それに世界を越えて二度と口に出来ないと思っていた料理を前に私は我慢できずコクコクと頷いた。

 

「よし、それじゃ熱いから気を付けてね」

 インテレオンは匙で雑炊をひと掬いすると、私の口の前に差し出す。

「……」

 フーフーと念入りに息を吹きかけて熱をある程度冷ましてから私はその料理を口に含んだ。

 

 お米、卵、ネギ、加えて感じる旨味……。いずれもこの世界では得られる筈の無い物……おそらくオーマ達が『追放の遺跡』で食材や調味料を集めて来たのだろう。そして雑炊の調理法をスールが教えて、ドリンク作りにさえ四苦八苦するインテレオンが一生懸命に作ってくれたのだ……私のために。

「どうかな、食べられそう?」

「……っ」

 インテレオンの問いにゆっくり頷くと、彼はまた匙に雑炊を掬う。

 

 正直に言うと少し焦げていたり味付けが濃過ぎたりと、料理の完成度としては人間が作る物と比べて劣っているかもしれない。

 

 けれど私はしっかりと頬張る。私にとっては、とても美味しく感じるから。

 

「……っ、うぐっ……もぐ……」

「大丈夫、ゆっくりでいいよ」

 涙が止まらずなかなか咀嚼できない私に対し、インテレオンは優しく言ってくれるのであった。

 

 

 

 そうして料理を完食する頃には頭と身体の重さもだいぶ晴れ気分も多少楽になっていた。

「全部食べてくれたね、ありがとうルーア」

「ん……」

 インテレオンは嬉しそうに言うと食器を片付けるため立ち上がろうとする。

 

「ま……待って」

「? 何か欲しいものがあるのかい」

 

 私は声を絞り出して呼び止めると身を起こす。身体から布団が落ち、汗ばんだ裸体を露わにした私は発情した顔を彼に向けた。

 

「うん……♡ 気持ちいいの欲しい……お願いインテレオン、おチンチン頂戴……♡」

「!」

 開脚して割れ目を晒しながら媚びる私を前に彼は冷や汗をかいて動きを止めた。

 

 

「ダメ!」

 しかしその直後、扉を開け放って現れるのはスールであった。

「このド変態……油断も隙もない……!」

「まさかずっと聞いてたのかいスール……?」

 彼女は狼狽えるインテレオンを守るように私の前に立って睨み付けてくる。彼のトレーナーだから独り占めしたいのかもしれないが、けれど私だって簡単には引き下がりたくない。

 

「うぅ……もうおマンコグチャグチャだよぉ♡ 犯して貰えないとおかしくなっちゃうぅ……♡」

「……苦しいのかい?」

 いやらしく身体を揺らして私が欲しがり続けているとインテレオンは静かに尋ねてくる。必死に何度も頷くと彼は覚悟を決めたように一歩踏み込んだ。

 

「メーくん駄目! また酷い目に遭わされちゃう!」

「心配してくれてありがとうスール。けれど、今一番辛いのはルーアなんだ」

 止めようとする自らのトレーナーに笑みを向けると、インテレオンは私がいるベッドに上がってくる。

 まずは悪戯から始めるらしく、彼の細長い指が私の秘部へ触れ……。

 

 

 

「ダメだってばーっ!!」

「うわっ!?」

「んぎゅ♡!?」

 

 それと同時にスールが怒鳴り声を上げ、インテレオンが勢い余って私の奥へ深く指を突っ込んだ。

「す、スール……これはルーアの苦しみを和らげるためで……」

「そうだとしてもダメ! あたし以外とエッチなんてダメーっ!」

 スールは喧しく喚きながらベッドに上がり込んでくると、私を蹴落としてから大股を開く。

 

「こんな奴には玩具でも突っ込んでさ、あたしとエッチしようよ……♡ トレーナーのあたしがおマンコのモンスターホールでメーくんをしまってあげるね……♡」

 ボールではなくホールをインテレオンに見せつけるスールの口端からは涎が垂れている。

 

「いい所だったのに邪魔しないでよっ!」

「うえっ!?」

 そんな腹立たしい相手に体当たりして私は諸共ベッドに倒れ込んだ。以前喧嘩した時のように、私達はお互いマウントを取ろうと暴れ回るが結局乳首や股間が相手の肌で擦れて発情してしまう始末。

 

「め、メーくん……♡ あたしに挿入してぇ……♡」

「お願いインテレオン……♡ 私をレイプしてよぉ……♡」

「…………っ」

 汗ばみ火照った身体を密着させたまま、私とスールは愛的に塗れた変態マンコを晒す。気圧されていたインテレオンだったが意を決したかのように深呼吸すると股間から立派な陰茎を勃たせた。

 

(お願い……私に……っ!)

 

 

 

「あああっ♡♡!!」

「……っ」

 そして、目を見開いて歓喜の悲鳴を上げるのはスールであった。

 

(この世界に来てから出会った私よりも……元の世界からの付き合いのスールの方が……いいの?)

 心を満たしていく絶望。

 

 

 

「んあああっ♡♡!!?」

 その絶望は激しい快楽で一気にはじけ飛んだ!

 硬くて大きいインテレオンの陰茎が私の膣内に勢いよく挿入されたのだ。私は喜びのあまり腰を振ろうとするがそれより先に彼の棒が私の割れ目から抜けて行ってしまった。

 

「んんんっ♡!」

 私を満たしていた快楽が逃げて行った直後、今度はスールが嬉しそうに声を上げる。

「きゅううんっ♡!」

 それを羨ましく思っていると再び私の膣内に挿入される快感が襲って来た!

 

 なんと彼は素早く腰を動かして私たち二人に対して交互に挿抜を繰り返しているのだ。

「あああっ♡!!」

「ひんっ♡!」

 勢いよく子宮口まで突っ込まれ、素早く引き抜かれることで膣壁が激しく擦られ私もスールも蕩けた喘ぎ声を発していた。

「はぁ、はぁ……い、イキそうだ」

「ま、待ってメーくんっ♡ あたしまだだよっ♡♡」

「私もぉぉ♡ もっと気持ちよくしてぇぇぇ♡♡」

 しかし一匹で二人の相手をするのは負担なのか彼は早々に射精しそうになっており、逆に私達はまだまだ欲求不満状態だ。

 

「くっ……それならこれで」

「ふあああっ♡♡!!」

「くりとりしゅぅぅ♡♡!!」

 ならばとインテレオンは私とスールの陰核を抓みしごき始める! 性感帯が集まったお豆をシコシコされて私達は抵抗も出来ずだらしない笑顔を浮かべて絶叫。その間にも彼は私とスールへ交互に挿入し、二人の愛液を混ぜ合わせて二人の膣内に塗りたくる。

 

「気持ちいいよぉぉっ♡♡ メーくんの気持ちいいよぉぉっ♡♡!!」

「幸せぇぇぇ♡♡ わたひ、レイプされて犯されて幸せぇぇぇ♡♡」

 涙目になってそう叫ぶ私達は全身を痙攣させており、絶頂に近付いていた。

「で、出る……」

「ああっ♡ あたしに中出ししてメーくん♡♡!」

「んっんっ♡ インテレオンの濃厚精子、私に頂戴ぃぃ♡♡」

 

 

 そして。

 

「来たぁぁぁ♡♡♡!!」

「熱いよぉぉ♡♡♡!!」

 インテレオンは射精しながらも私達への挿抜を繰り返し、双方の子宮へと精子を注ぎ込んだ。

 

「ぜぇ、ぜぇ……」

「あ……あっ♡」

「えへ、えへへ♡」

 息を切らせて床に腰を落とすインテレオンの前では、私とスールが重なり合ったままビクンビクンと絶頂の余韻を楽しんでいた。

 

(スールに邪魔されたけど……それでもやっぱりインテレオンにレイプされるの……幸せぇ……)

 

 

 

「……騒がしいと思ったら何をしているんですか」

「うわっ!?」

 ジト目で扉の隙間から様子を覗き込んでいたオーマに気付き、インテレオンが肩を跳ねらせる。

「そ、それじゃあ食器を片付けないとね! じゃあルーア、ゆっくり休むんだよ!」

「あっ♡ 待ってメーくん♡」

 逃げるように去って行くインテレオンを追い股を精液で汚したままのスールも部屋から出て行き、私はまた部屋に一人残された。けれどインテレオンが私を守ってくれることが分かり、朝と比べて気持ちはかなり落ち着いている。

 

(……私を見捨てないでくれてありがとう、インテレオン)

 

 

 

 

 

 それから数日が経過したある日の事。

「こんにちは!」

「……こんにちは」

 自室のベッドで横になっているとアシマリの元気な声とそれに応対するスールの声が下の階から聞こえてくる。

「スール……だったわよね? こうやって落ち着いて話すのは初めてよね、あたしはチコリータ。こっちがヒバニーとアシマリよ」

「救助隊『ゆけゆけズ』だ、よろしくな。今日ようやく『ナイトスター』と一緒に『スプリングタウン』に戻って来たんだ」

 続けてチコリータとヒバニーの声も聞こえてくる。私はオーマの手で『未踏摩天楼』のゲートから『追放の遺跡』まで運ばれ、短い時間でこの町に戻ってきたが彼女らはそれを利用できないため徒歩で戻って来たのだ。

 

「メーくんなら会談でいないよ。あとオーマも今日は『追放の遺跡』にいるし」

「ええ、ルーアの様子を聞きたくて」

「どうかな、私達と会っても平気そう?」

「難しけりゃお見舞いだけ置いて出直すぜ」

「……ちょっと待ってて」

 そんな会話が聞こえた後、階段を上がる足音が響いて私の部屋の扉が開かれる。

 

「『ゆけゆけズ』ってポケモン達が来てるけど会えるの?」

「……」

 スールに問われ私は布団に包まったまま逡巡。

 

 ポケモン達を期待させておいて本当は役立たずで騙していただけの私では、いつも努力を続ける眩しい彼らに合わせる顔が無い。それに惨めな気持ちになって余計に苦しくなるだけではないのだろうか。

(……だけど、アシマリ達は私を友達って言ってくれた。『夢想の湖』で絶望に打ちひしがれてた私を救って……救助してくれた)

 

「……少しだけなら」

 『ゆけゆけズ』を信じたい私は自然とそう答えていた。

 

 

 

「よっ、ルーア! リンゴ持ってきたぜ」

「へぇ~、ここがルーアの部屋なんだね」

「ありがと、急に押しかけたのに会ってくれて」

 やって来た『ゆけゆけズ』により、静かだった私の部屋は明るい雰囲気に包まれる。

 

「ゲートっていうの使ってすぐにここまで来たんだよね」

「どうかしら、ゆっくり休めてる?」

「……うん」

 休む……とは言ってもベッドで横になったままボーッとしていたり、ダラダラ過ごしているだけだ。元の世界で引きこもっていた時と似たような生活を数日続けており健康的とはあまり言えない。

 ただ、あの時は一人ぼっちだったのに対して今はインテレオンが一緒にいてくれる分、寂しさや辛さは和らいでいるように感じるのも事実だ。

 

「なるほど、インテレオンがいるなら大丈夫だとは思うけど何かあれば俺たちを頼ってくれてもいいぜ」

 その旨を伝えるとヒバニーは満面の笑みで自らの胸をドンと叩く。

「あたし達もまた『スプリングタウン』で活動しようと思ってるのよ、ギルドにいるから遠慮なく来てね」

「アシマリちゃんもいるよ〜、私にとっては新天地! 友達同士、町の素敵なものを見つけて色々お話したいね!」

 チコリータ達も和気藹々といった様子で話し、それを眺めていた私も思わず口端が緩んだ。

 

 ……だから。

 

「ちょっと元気になったかも。ありがとね三匹とも」

 自分が心から感じた感謝の気持ちを伝える。

 

 テラキオンを道具に変えてしまったと告白した時も『ゆけゆけズ』達は嫌ったりせずに手を差し伸べてくれた優しい子達だ。そんな彼らだからこそ、私が今も大量のダンジョンエネルギーを身に宿していると知っても友達として力を貸そうとしてくれている。

 

 私には勿体ないぐらい……とても素敵な友達だ。

 

 

 

 

 

 その日の夕方。

「ただいま」

「お邪魔しますわ」

 下の階から聞こえてくるのはインテレオン……そして『ナイトスター』のリーダー、マホイップの声だ。会談からの帰りで一緒に来たのだろうか?

「何か用事?」

「ええ、インテレオンさんからの直々のお願いですもの」

 スールの問いに対してマホイップはそんな回答を返す。一体何を頼まれたのだろうかと疑問を抱くが二階に閉じ籠もっている私では様子を伺えない。

 

「きゃー!? リンゴの切り方はそうではありませんわよ!?」

「む、難しいな……」

「メーくん、種と芯が残ってるよ……」

「……?」

 下から騒ぎ声が届き、何が起きているのか非常に気になるがここで顔を出したら迷惑かもしれないと考え私は我慢することに。

 

 

 

 そして暫くの後、扉をノックして入ってくるのはインテレオンとマホイップであった。

「ごめんあそばせ〜」

「ただいまルーア。今日は落ち着いた気分で休めたかい?」

「えっと、うん。ヒバニー達が来てくれて……」

 そう答える私の前にインテレオンは一つの皿を差し出す。ドデカバシのお店で買ったと思われるマラサダと一口サイズで乱雑に切られたリンゴに色とりどりの粒グミ……そしてそれらを彩るのは青白いミントクリームだ。

 

「とっても頑張ったルーアへのご褒美スペシャルですわ!」

 マホイップはモモンドリンクを抱えながら私に笑顔を向けてくる。

(頑張った……ご褒美?)

 彼女に言われ、私は豪勢な料理……というかスイーツを前に目を見開いた。

 

 

 私は……私を信じてくれるポケモン達に応えたくて……助けてくれることへの恩返しがしたくて……失望されたくなくて『オータムビレッジ』の問題に対処しようと活動を続けていた。けれど私が頑張ったからと言って、こうしてご褒美を用意してくれたという事は……。

(みんなは私が働くのを『やって当然のこと』じゃなくて……『頑張ってくれたこと』って思ってるのかな……。今みたいに家に閉じこもってても、仲間だって思ってくれてるのかな……)

 

「……うん、あり……がとう」

 目頭が熱くなるのを感じながら私はお礼の言葉を述べる。

「うふふ、どういたしまして。でもありがとうを言いたいのはこちらも同じですわ。だからルーア、今は目一杯休んで美味しい物を食べて、気持ちをリフレッシュして下さいまし」

 マホイップは柔らかい笑みを浮かべると私にスイーツを勧めて来た。

 

 少し量は多かったものの、インテレオンとマホイップが協力して作ってくれたスイーツはとても美味で私を幸せな気分にしてくれたのであった。

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