『レジアイスのギルド』でポリゴンZ達に研究の協力を続けるスールやインテレオン達を残し、私はマホイップ達と共に『ウィンターキャッスル』へ戻ることに。
ギルド宿舎に寝泊まりしている救助隊ポケモンのために料理を作るというゾロアークとも一旦別れた私達は『ワープゾーン』を用いて再び城の中へと戻って来ていた……が。
「あっ、やっと見つけた!」
「探したぜ、どこ行ってたんだ?」
宿へ向かおうとしていた時、なんと行方が分からなくなっていた『ゆけゆけズ』と合流することになる。
「こっちの台詞ですわ! 初めての都市でフラフラ出歩かないで下さいまし!」
「えっ、ごめん!?」
当然の如くカンカンに怒り出すマホイップを前にアシマリが慌てて謝罪。
「こちらはギルドから戻って来た所よ。あなた達は?」
「ああ、実は古本屋を見つけてな。閉店まで時間ギリギリっぽかったから慌てて向かったんだよ」
「メラルバってポケモンがやっててね、『スプリングタウン』では見かけない本を色々売ってたの」
「……遊んでたんですの~??」
「……」
ドラミドロに問われ笑顔で答えていたヒバニー達だったがマホイップに再度詰められて冷や汗をかきだす。
「……あ、えーっと! 気になる話をしてたわね!?」
「そうそう、なんでも半月ぐらい前から母親のウルガモスがいなくなったって!」
チコリータ達は露骨に話を変えるが、確かにポケモンの行方不明は救助隊として気になる話だろう。
「ダンジョン、向かって、帰ってこない?」
「俺もそうだと思ったんだけど、ウルガモスってポケモンは『ウィンターキャッスル』の中だけで商売してんだってよ。いなくなった直前に"城の外へ行く"みたいな事は言ってなかったらしいし、『レジアイスのギルド』の救助隊たちも未だにウルガモスを見てないらしいんだ」
城から出ていない筈のウルガモスがいなくなってしまった……この城に住んでいるのなら迷う事は無いであろうし不思議で不気味な話だ。
「こっちも色々あって、少なくとももう数日はこの『ウィンターキャッスル』にいなきゃいけなさそうなんだ。あなた達への確認が出来ないまま決めちゃったけどいいかな?」
「そうなの? よく見たらインテレオンも『エキサイト』もスールもいないし……」
そして私達は『ゆけゆけズ』に事情を説明しながら宿へ向かうのであった。
『ウィンターキャッスル』の端にひっそりと位置する『リングマ冬眠宿』。しかしあまり大きい宿ではないようでチルタリスは一部屋しか空いてなかったと言っており……。
「すやすや……」
「ぐかー、ぐかー」
「……」
私達はその一つしかない客室に詰め込まれていた。
ウールーの毛で作られた寝床も二つしかなく、片方は『ナイトスター』が、もう片方を私と『ゆけゆけズ』が使っているのだが……。
「ん~やわらか~」
「んっ……♡」
随分と寝相が悪いアシマリが私の太腿を抱き枕代わりにしており、私は脚を触られまくっている現状に興奮してしまう。
こんな状態では中々寝付くことが出来ず、どうしようと困っていると今度はチコリータの頭の葉がユラユラ揺れて私の乳首に当たる。
「ひぎっ♡」
勃起して敏感になった部位に葉がぶつかっては離れ、ぶつかっては離れを繰り返し、いつの間にか私は口端から涎が垂れるぐらいに発情していた。
「あっ♡ はっ♡」
喘ぎ声を押し殺せないまま私は本能に従いもっと強い刺激を得ようと腰をゆっくり前後させる。
「むぐ」
「あ……♡」
しかしその拍子で私は自分のお尻をヒバニーの顔に被せてしまった。
「ぐむっ、ぐむむむむむ」
「あう、あう♡」
彼の顔ぐらいある私のお尻により口と鼻を封じられ苦しみだすヒバニー。彼が身動ぎする度にお尻が撫で回され淫乱な気分がみるみる強まり……。
「何やってますの?」
「わっ♡!?」
「ぶはぁ!?」
「ほぎゃっ」
突然マホイップに話しかけられ私は驚きのあまり身体を大きく捩らせる。それによりヒバニー達も起こしてしまった。
「ん〜、どうしたのよ……」
「いや……いきなりドデカいモモンのみに潰される夢を見て窒息するかと……」
寝ぼけ眼のチコリータに問われ、ヒバニーは辺りを見渡し私のお尻に目を留めた。
「うげっ、ドデカモモン……じゃなくてルーアか」
「ヒバニーくん、悪夢見るなんて疲れてるの? 私はでっかくてモチモチなデラックスグミに抱きついて夜空を飛ぶ夢を見たよ〜」
冷や汗を垂らすヒバニーと対照的に、一度私の脚から落ちたアシマリは再び私の太腿を撫で回しながら言う。
「それでルーアは? 妙な声を上げていたでしょう」
「ふえっ♡!? な、何でもない……♡」
続けてマホイップに問われ、私は慌てて誤魔化そうとするが勝手に腰が揺れてしまい股間もみっともなく濡れていた。
「……さてはまた回復が必要なんじゃないの? 隠してたってバレバレよ」
「ふきゃっ♡!?」
そんな私の乳首を前足で弄り始めるチコリータ。突然襲い掛かって来た鮮烈な快楽に私はたまらず大きな悲鳴を上げてしまう。
「ん、朝?」
「どうかしたぁ?」
大声を上げたことでアノホラグサ達も目を覚まし、悶えている私に視線を向けた。
「なぁ、もしかしてこうやって回復すればルーアの中にある瘴気が減ったりしねえかな?」
「おお、ヒバニーくんナイスアイデア!」
「ひゃんっ♡」
当然の如く『ゆけゆけズ』の残り二匹も参戦し、両乳首と太腿が弄られ始める事態に。逃げようにも身体が喜んでしまっていていやらしく身を捩らせるぐらいしか出来ない。
「ルーア、もしかして『ゆけゆけズ』にも回復を頼んでいたんですの?」
「それだけ疲労が溜まっていたのね」
「はぎゃあっ♡♡!」
それだけではなく、なんと『ナイトスター』まで私のいる寝床にやって来てお尻や股間を弄って来る!
(あああっ!! ポケモン達が何も知らないまま、私のエッチな所触って来てるよぉ!)
「うぐっ、ちょっと狭いぞ……」
「文句言わないの」
ヒバニーとチコリータが私の勃起した乳首を摘んだり押し込んだりを繰り返し。
「チルタリス、私と近い所揉んでるね? でもルーアの友達として負けないよ!」
「ボクだってどんどん揉んじゃうよ、どんどん回復だ!」
アシマリとチルタリスが発育が良い私の太腿とお尻をプヨプヨプルンプルンと撫で回し。
「私はこの突起を弄りますわ、ドラミドロはこの穴の周りを」
「了解よ、アノホラグサは奥に突っ込んじゃって」
「任せて、穴をゴリゴリ、奥にゴリゴリ」
マホイップ、ドラミドロ、アノホラグサが陰核や膣唇、膣壁を刺激する。
「ああああーっ♡♡!! ぎもぢいっ♡♡!! ぎもぢいよぉぉぉ♡♡!!」
ビクンビクン身体を痙攣させ、私は激しい喘ぎ声を上げながら絶頂を迎えた。
「あっ、この液体は!」
「回復した合図ね!」
「よっし、いい感じだ」
エッチな愛液を噴き出す様を見てポケモン達が笑顔を浮かべる。
「何事でしょうか?」
「あ。なんでもない、大丈夫」
私の叫びを聞き、宿の前にいたゾロアークが扉越しに尋ねて来るが、アノホラグサが応対。こんな痴態を大勢に見られた上に、外まで響くような嬌声を上げてしまったなんて恥ずかしくてたまらない。
(それなのに……)
「も、もっと……もっと欲しいよぉ……♡♡」
あろうことか私は更なる快感をおねだりしてしまう。絶頂で体内の違和感が少しだけ晴れたが、もっと気持ち良くなって、幸せになりたい。
負の感情から生まれた瘴気を中和するために、限界まで快楽に包まれたい。
本当ならインテレオンが一番だけど……今は彼はここにはいないから。
私が仲間だと思える『ゆけゆけズ』と『ナイトスター』に、気持ち良くして貰いたい。
「……お任せくださいまし」
要求に応えてくれたマホイップが私のクリトリスを強く握る。
「っっっ♡♡♡」
私は歓喜の涙を零しながら、大きく仰け反った。
「瘴気周りであたし達が出来る事は少ないけど……」
「これでルーアが楽になるんなら、やらせてくれよ!」
嫌な顔一つせず、私を救う為に尽力してくれるポケモン達。それは今だけじゃない、私がこの世界にやって来てからずっと……気にかけてくれていたのだ。
「……ありがとう、みんな♡♡」
蕩けた笑みを浮かべた私だが、すぐに快楽に飲み込まれ意識が飛びそうになる。
「もっと強い刺激を与えるなら……これでどうだ!」
「うーん、ならあたしはこうよ!」
「ひゃあああんんっっ♡♡」
乳首を踏みつけられ、尖った葉の先端で突かれ私は目にハートを浮かべた。
「よし、役割分担しよう! 私は脚とお尻とお腹と……」
「じゃあボクは背中と肩と首元をスリスリ……」
「ふにゃあああっっ♡♡」
裸体を執拗に撫で回され、私は全裸に靴下とブーツだけ履いて首輪と手錠を掛けた変態なのだと改めて突き付けられて脳内がピンクに染まる。
「ルーア、一番奥、震えてる部位、引っ張る、大喜び」
「浅い部分にも反応が良い場所があるわよ」
「いいっ♡ いいっ♡ いいよぉぉぉっっ♡♡」
膣内のバイブを引っ張られ、Gスポット周りを刺激され、私は歓喜の絶叫を上げた。
「あっ♡♡ ああっ♡♡ しゅきっ♡♡ めちゃくちゃにされるの♡ だいしゅきぃぃ♡♡」
頭がフワフワする……もう何度絶頂したのだろう。私は舌をダランと出してまだ足りないと言わんばかりに腰をヘコヘコ振っていた。
「……ルーア。この世界は、元の世界より好きでして?」
そんな私に質問して来るマホイップ。彼女は私のクリトリスを握ったまま、少し不安そうな表情で振り向いて来ていた。
この世界が好きかどうか。
確かにこの世界に来たばかりの頃はパニックになっていたし、逃げたいと思う事がままあった。それに私を敵視するポケモンもいてしんどく感じる事もあった。
だけど……元の世界では全く得られなかった、私を仲間と認めてくれるポケモン達がいる。それはとても嬉しい事で、手放したくない事で、失いたくない事。
だから、私はこの世界が……。
「……好き、だよ」
そう答えるとマホイップは少し救われたような微笑みを浮かべる。
そして思い切りクリトリスをしごかれた事で私は絶叫しながら潮噴きし、ついに気を失うのであった。
「おー、雪がふってるぜ!」
「ポケモンコンテストで『ゆきげしき』を使うポケモンは時々見たけど、自然の雪は初めてだよ〜」
「こうやって降って積もった雪がこの地域の雪原を形成してるのね」
「……むにゃ」
『ゆけゆけズ』の声で目を覚ます私。視線を動かすと窓の向こうが明るくなっており、どうやら朝を迎えたようだ。
「あ、ルーアおはよう!」
「んん……おはよう……」
向こうは元気に挨拶してくるが、私は寒くてたまらずウールー布団の中で身を縮める。
「……あら、朝から元気ね」
「ふあ~」
「……ん?」
同じように『ゆけゆけズ』の声で目を覚ましたドラミドロ達。しかしアノホラグサは起きて早々部屋を見渡し、布団をめくり始める。
「失礼」
「ふぎゃあっ!?」
彼女は私が使っていた布団まで豪快にひっくり返し、私は低温の部屋に裸体を晒す羽目に。
「マホイップ、どこ?」
「……いないね、先に起きて何処かに行ったのかな」
身体を震わせる私を尻目に不思議そうに話し出すアノホラグサとチルタリス。
「……」
それに対しドラミドロは何かを察したかのような表情で黙っていた。
朝食を終え、私達はインテレオン達の様子を見に『レジアイスのギルド』へ向かう事にする。
「ねえルーア、昨晩宿の前で護衛してた黒いポケモンってもしかしてゾロアーク?」
「え、チコリータ達、あのポケモンと知り合い?」
「いや、初対面だけどさ。俺達『怪盗探偵ゾロアーク』っていう本読んだことあってな。物語の中で凄まじい変装能力を披露してたから、同じ種族のポケモンなら同じこと出来んのかなーって」
「えっ、私知らない! 帰ったら私にも読ませて!」
「……あら?」
私は『ゆけゆけズ』と雑談をしながら歩いていたが、その前にいたドラミドロ達が立ち止まる。
「おやおや、おはようさん」
「ギルドへ向かうのかの?」
出会ったのはアマルルガとマンムーのペア、救助隊『グランアイス』だった。これから救助に向かうのか、『あずかりボックス』で道具の補充を行っているようだ。
「わあ、昨日のルーアだ!」
続けて無邪気な声が耳に届いて来る。よく見るとマンムーの背中に一匹のポケモンが乗っていた……あれは昨日私が城の通路で痴態を晒した時に目の前にいたポケモンの一匹、デリバードだ。
「昨日のって?」
「ルーア、道の真ん中で……」
「わーっ! わーっ!」
首を傾げるチコリータにチルタリスが答えようとするが慌てて私はそれを妨害。
「この子達、『ゆけゆけズ』。私達の仲間」
「よろしくな!」
「ワシらは『グランアイス』。そしてこっちがデリバードくんじゃ」
「わーい」
「うわっ?」
お互い自己紹介し合う中、デリバードがマンムーの背から降りて私のランドセルを揺すり始めた。
「昨日のキレイなの、また見せてー」
「これこれ。そんな事したらルーアちゃんが可哀想じゃないか」
「わわっ、見せるからっ!」
たまらず私はランドセルに念じて『あかいビードロ』を出す。
「わーいわーい!」
「すまんのう」
赤くて透明なビードロに目を輝かせながら走り回り出すデリバードを横目にマンムーが申し訳なさそうにするが、私は気にしないで欲しいと返す。
「あの子も『グランアイス』のメンバーなのかしら?」
「いいや、あの子は数年前に故郷がダンジョン化してしまってね。丁度遊びに出かけていたものだから、あの子だけが凶暴化にならずに済んだけど逆に帰れなくなってしまったみたいなのさ」
「そっか……それで面倒見てあげてるんだね」
アマルルガの説明にアシマリは少し悲し気にしつつも優しい表情でデリバードを見つめた。
「この城に来たばかりの頃は毎日相手しておったのじゃが、最近はワシらに顔を見せる事も少なくなったんじゃ。おそらく友達でも増えたのかのう……良い事じゃが、少し寂しい気もするわい」
「……」
その気持ちは私にも身に覚えがある。この世界に来てしばらくはインテレオンが私だけの面倒を見てくれていたのだが、スールがこの世界に現れてからは彼女の相手もするようになっていた。彼にとってスールはたった一人のトレーナーというのは理解しているのだが、やはり寂しい気持ちは強い。
「わーいわーい」
「……あれ、デリバード行っちゃうぞ?」
「えっ!?」
ヒバニーに言われて我に返った私は慌てて視線を向けるがデリバードは城の通路を走って行ってしまっていた。
「待った、それルーアの!」
即座に動き出したアノホラグサが『こうそくスピン』で彼を追跡していく。
「本当にすまんのう……ワシらからも注意しとくぞ」
「それがいいわね。今回はルーアだから良かったけど、もし間違えてカクレオンのお店で似たようなことをやったら物凄くオソロシイ目に遭わされるって噂を聞いたわ……」
「しかし、あんなやんちゃな子だったかねえ……? もう少し落ち着きがあったような記憶もあるけれど」
チコリータが顔を青ざめさせる横でアマルルガは訝しげな表情でデリバードが走って行った通路を見る。そして間もなく通路の奥から意気消沈したように戻って来たのはアノホラグサだった。
「あら、もしかして見失ったの?」
「おかしい、追った先、行き止まり、なのにデリバード消えた……」
ドラミドロに問われ、アノホラグサは納得がいってなさそうな表情で答える。
「むしろ速過ぎてうっかり追い越しちまったとか?」
「マヌケ扱い! 失礼! 憤慨!」
「仕方ないねえ、ごめんねルーアちゃん。次会ったら返すように言っておくよ」
「……うん」
アマルルガの謝罪に私は頷くしかないが、『あかいビードロ』を持っていかれてしまっという事はすなわち。
「はぁぁぁ……♡」
エッチな気分を落ち着かせることが出来なくなるという事。
結果、『レジアイスのギルド』に到着する頃には私の性欲はかなり蓄積してしまっていた。歩きながら脚を擦り合わせてどうにか刺激を得ようとするが思うように気持ち良くなれずもどかしい。
「おはようございます、皆様。今朝はとても冷え込んでいますね、昨夜は遅くまで起きてられたようですが休めましたでしょうか?」
「うん。マホイップ、来てない?」
箒で掃除をしていたゾロアークに対しアノホラグサが挨拶も程々に質問する。
「ええ、明け方に『研究所』へ向かわれましたよ」
「ありがとね、ボク達も行こう!」
情報を貰うと再び進み出すチルタリス達を必死に追いかける私。ゾロアークが掃除している最中なのに愛液をポトポト落としてしまい、罪悪感と背徳感で余計に興奮する。
「へぇ〜、『レジアイスのギルド』って結構オシャレなんだな。この壁、赤と白と緑のペンキで綺麗に塗られてるぞ」
「天井からも色んな飾りが吊るされてるよ、お祭りみたい!」
「レジアイスってどんなポケモンなのかしら。カプ・コケコみたいに明るい性格なのかもしれないわね」
その一方、初めてこのギルドに訪れたヒバニー達が忙しなく辺りを見渡していた。やはり彼らがいるといないでは賑やかさに大きな差が出る。
「お、なんだお前ら? さては新入りの救助隊だな?」
「ちょっとイーブイ、失礼だよ〜」
そんな彼らの賑やかさに誘われたのか、二匹のポケモンがやって来た。ハツラツと話し掛けるイーブイの後ろではゴマゾウがオドオドしている。
「私達は『スプリングタウン』から来た『ゆけゆけズ』だよ」
「ほーん、アタシ達は『ミラクルズ』。こう見えてもブロンズランクの救助隊なんだ、聞きたいことがあるなら教えてやるよ!」
自己紹介するアシマリに対しイーブイは誇らしげに名乗る。
「そっか、俺達つい最近カッパーランクに上がったんだけどまだ近いランクだし、教えて貰うこともあるかもな。その時は頼らせてくれよ」
「んなっ!?」
しかしヒバニーが笑顔で答えると彼女は得意気だった表情を崩した。
「カッパーランク!? どういう事だ!」
「どういう事だ、ってどういう意味だ!?」
「ルーア、長話になりそうだし先に行きましょ」
「う、うん……」
ドラミドロに言われ、私はイーブイに突っかかられているヒバニー達を残して『研究所』へ向かう事にする。
「ポッポォォォ!」
「!?」
しかし、研究所の前に到着したと同時に扉が勢いよく開け放たれ、中から出て来たポリゴンZが通路を駆けていった。
「ポッポ、探してる?」
アノホラグサがポカンとした様子でポリゴンZが去っていった方向を見ていると、続けて『エキサイト』が出て来る。
「あ、皆! ポリゴンZは……」
「あっち行ったよ。何があったの?」
ランクルスの問いにチルタリスが答えるとイルカマンとオオタチがポリゴンZを追いかけて行く。
「興奮のあまり暴走したのかな。それより大ニュース!」
私達の顔を見て続けるランクルス。徹夜したのか少し眠そうだが、それ以上に彼女自身もテンションが上がっている。
「瘴気を消す手段が出来たかもしれない!!」
ランクルスに案内され、私達は昨日よりも散らかった研究所の奥へ足を進める。
そこには、大きな謎の装置が鎮座していた。中心に大きな台座があり、その周囲を取り囲むように複数の台座が連なっている。
「あれ、インテレオン?」
「マホイップも何やっているのよ」
更にどういう訳か外周の台座にインテレオンとマホイップが立っており、台座同士を繋ぐ接合部に緑色に光るラインが走っている。
「やあ、おはようルーア」
「試運転ですわ」
彼らは私達に気付くと笑みを浮かべて答えるが、事情が分からない私達は頭に疑問符を浮かべた。
「なにこれ?」
「名付けて『リライブホール』。凶暴化したポケモンの体内に溜まった瘴気を中和させる装置だよ」
ランクルスはその大規模な装置を見つめて語り始める。
「ライコが言ってたでしょ? 私達が『悪いダンジョンエネルギー』って呼んでた瘴気は悲しみとか怒りとかの負の感情が凝り固まったものだって。そして、喜びとかのプラスの感情……つまり『良いダンジョンエネルギー』をいっぱい凶暴化ポケモンに与えれば、体内の瘴気が中和できるんじゃないかって考えたんだ」
良いダンジョンエネルギー……確か道具を生成したりする力だっただろうか。確かに悪い物に良い物をぶつければ何か変化が生じるのかもしれない。
「ちょっとやそっとじゃ打ち消せないってライコは言っていたわよね?」
「うん、だから良いダンジョンエネルギーを増幅できないかって考えたんだ。それでスールの事を調査させて貰ったら、なんと彼女は『悪いダンジョンエネルギー』を取り込むと同時に『良いダンジョンエネルギー』を体内で増幅させて、即座に打ち消し合ってたんだよ。前調べた時は前者にしか注目して無かったから見落としてたけど、これを装置に落とし込めばうまく行くと思うんだ」
インテレオンを黙って見上げていたスールは説明するランクルスへ視線を向ける。どうやら彼女の協力がランクルス達の研究が実を結ぶ後押しになったらしい。
「中心の台座に凶暴化したポケモンを乗せて、インテレオン達が試してるみたいに周囲の台座に通常のポケモン達が乗るんだ。それで凶暴化ポケモンとお話をして瘴気に蝕まれた心をほぐしていくの」
「それが正の感情を与えるってことなんだね。でも途中で襲って来ない?」
「うん……そこについては後で話したいな。それで充分に凶暴化ポケモンの心がほぐれたら、そのポケモンが喜びそうな道具が詰まった『ギフト』を送るんだよ。中身はダンジョンが生成した道具……良いダンジョンエネルギーで生まれたモノ。そうすれば完全に瘴気が浄化されてポケモンも凶暴化から解放される筈だよ」
チルタリスに問われたランクルスは少し表情を曇らせながらも台座と台座を繋ぐ器具に走る緑色のラインを見つめる。
「黒装モンスターの体表にある紫色のラインに似てるけど……」
「うん、この装置自体にも良いダンジョンエネルギーを沢山注入しててね。それを循環させながら周りの台座に乗ったポケモン達の心で増幅させて、凶暴化ポケモンに与える正の感情を強くなるんだ」
小難しい事ばかり言うランクルスであるが、それだけ今度の装置には自信があるということだろう。
「だけどこの装置はまだ完成してないんだよ。さっきチルタリスに言われた通り、中心の台座に凶暴化ポケモンを押し留めないといけないけど『しばりのえだ』とか使って無理矢理動きを止めたら余計に反発されるだけ」
「だから台座を居心地の良い物にしようと思ってるんだけど、その材料を探さないといけないんだよね」
「『にじのしずく』、『わかくさのベール』、『きんピカきんぞく』、『こはくのなみだ』が不足しています」
ランクルスに続けてポリゴン2とポリゴンが説明する。
「『こはくのなみだ』!?」
しかしそれを聞いて素っ頓狂な声を上げるのはアノホラグサだ。
「えっ、ど、どうしたの?」
「噂にしか聞かない、幻の道具! そう簡単に、手に入らない!」
「うん。前者三つは僕も見たことあるけれど、『こはくのなみだ』まで必要なんて流石に驚いたよ」
困惑する私に対して彼女は騒ぐように言い、台座から降りて来たインテレオンもため息をつく。
「だからリーダーは急いで出て行ったんだよ。『こはくのなみだ』を探す依頼を出しに」
「依頼とはいっても、救助隊はトレジャーハンターでも探検家でもないのよ……プラチナランクの『メロエッタ劇団』だってお手上げじゃないのかしら」
ポリゴン2は言うが、ドラミドロも落ち込んだ表情で苦言を呈した。
「それもそうですが、とりあえずやれる事をやりませんこと? 前者の三つが採れる場所は幸い『ウィンターキャッスル』周辺のダンジョンにも存在しているようですわ」
「そうだね、悩んでるより行動した方が良い方向に転がるかもだし」
「……」
マホイップの言葉にチルタリス達も同意するが私は黙って俯く。
「ルーア、どうしたんだい?」
「……ソルガレオとルナアーラを凶暴化から解くために、この近くにあるポケモンが立ち入れないダンジョンの瘴気を晴らさないといけないみたいだけど、こんな事してていいのかな。確かに凶暴化を解く手段も大事だけど、『歪みの穴』の発生が止まらないと……」
尋ねてくるインテレオンに対し、私は悩みを話した。『世界の狭間』には今も大量の瘴気が漂っており、ソルガレオ達がそれによって苦しんでいる限りダンジョンは増え、巨大化ダンジョンも次々発生する一方なのだ。
「長い目で見ればそうだね。だけど、そのポケモンが立ち入れないダンジョンの瘴気を晴らすのは現状難しい筈だよ。ルーアは体内に瘴気が溜まっているんだろう、無理をさせる訳にはいかない」
「う、うん。でもアイツは暴走しないんだし……」
「キミの話によれば『追放の遺跡』とかの瘴気……闇は物凄く濃密だったんだろう。キミに比べて闇を消すのにかなり時間を要するスールがやろうとしたら数年単位かかってしまうかもしれない……」
しかしインテレオンは、今すぐにライコ達がいる『世界の狭間』へ行くのは困難であることを伝えてくる。私は反論が出来ず口を噤んだ。
「ルーア達に頼らずに凶暴化を解く手段も確立しそうなんだ。そこから繋がって、今は僕達が入れないダンジョンを満たす闇だって晴らす手段も見つかるかもしれない。たとえ遠回りでも、キミ達を危険を晒さないために僕はこの道を進もうと思う」
「……インテレオン」
優しい彼は私とスール双方を護るつもりなのだ。
「では決まりですわね。『きんピカきんぞく』は『テクスチャズ』、『わかくさのベール』は『エキサイト』と『ゆけゆけズ』、そして『にじのしずく』は私達『ナイトスター』とインテレオンさんで探してくる、と」
インテレオンと会話している内に話が進んでいたのか、マホイップが確認の復唱をしていた。
「いいかしらインテレオン?」
「ああ、構わないよ」
「ルーアとスールにも同行して貰うわ。彼女達だけを『ウィンターキャッスル』に待機させるよりかは、一緒にダンジョンに連れて行った方が貴方も安心するでしょう」
「……うん、分かったよ」
ドラミドロに確認されインテレオンは一度目はすぐに、二度目は少し躊躇いながら承諾。
久し振りにインテレオンと一緒にダンジョンへ出発するということに少し懐かしく高揚するような気分を感じる反面、また暴走してしまったらどうしようという不安も感じる。
「ルーア、リライブはスールに任せるようにね」
「……うん」
当然インテレオン達も考慮してくれているようだが、私も自分が不安定な状態である事を強く自覚する必要があるだろう。
「……?」
その時、インテレオンが素早く視線を動かす。なんだろうと思い私もその方向を向くがガラクタが散乱した空間があるだけで何もいない。
「気のせいか……?」
彼は訝しむように言うのであった。