※この作品はR-18です。

裸の少女とポケモンだけが住む世界   作:Momyaka

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Chapter68 ~決戦の地へ~

 

 私とスールは無事『忘れられた都』を瘴気から解放し、これにより『世界の狭間』と繋がるゲートが使えるようになっただろう。しかし、気掛かりなのは黒装モンスターと戦っていたインテレオン達。私達はイヴ達に同行して貰い『悠久氷穴』へ戻ったが……。

 

「……誰もいないぞ」

 トワが辺りを見渡しながら呟く。彼女の言う通りインテレオンや『ゆけゆけズ』の姿は無く、セビエやドータクンもいない。戦闘の形跡すら残っていないが、こちらは定期的に起こるダンジョンの構造変化によるものだろう。

「やっぱり、黒装モンスターに捕まって……」

 イヴに支えられたまま、私はダンジョンの先を見つめる。ただでさえ強力な相手だったのに、インテレオンは本調子では無かったのだ……負けてしまってもおかしくは……。

 

 

 

「……メーくん、あたしは戻るって約束守ったよ! 待っててくれた……!?」

 

 その時、スールが呼び掛ける。静寂に包まれた氷穴の中を彼女の声が反響して広がっていく。

「待った、そんな大声上げたら……っ」

 イヴが注意するも、続けて聞こえてくるのは何者かの足音。

 

「私達の住処に侵入したのね、そんな事されると困るのね」

 通路から現れたのは所々に宝石のような部位を持つポケモン、メレシーである。凶暴化しているメレシーは早速敵意を膨らませて、宙を漂いながら『パワージェム』の発射準備を始める。オーマが咄嗟にポシェットに手を伸ばすがそれより早くメレシーが体の輝きを最大まで強め……。

 

「う!?」

 しかし『パワージェム』の光弾はあらぬ方向へ飛んでいく。メレシーが背後から攻撃を受け、狙いが狂ったのだ。

 ずぶ濡れになって地面に落ちるメレシー……そしてその向こうには誰もいない、と思いきや洞窟の風景に擬態していた一匹のポケモンがその姿を露わにする。

 

 

 指から水を滴り落としている姿は……間違いなく、彼だ。

 

 

「あぁ、覚えているさ。お帰りスール、ルーア」

 

「……インテレオン!」

「……ッ!」

 私は思わず駆け出そうとするが、スールが黙って制してくる。どうしてかと思ったが、彼女はメレシーに近付くと赤い光で包み込みリライブを始めるのだった。

「……良かったよ、二人共無事だったんだね……」

 インテレオンは安堵した表情で歩み寄って来る。先程聞こえた足音は宙を浮くメレシーではなく、彼のものだったのだ。

 

「それでキミ達は灰色のニンゲンか。ルーア達を手助けしてくれる……と考えて良いのかな」

「……まーな」

「……っ」

 続けて彼に確認されたトワとイヴは表情を固くして頷く。一度争ったことがあるインテレオンとこうして再び出会い、また攻撃されないか警戒しているのだろう。

 

「あたし達は『忘れられた都』の瘴気を払えたけど……メーくん達はどういう状態なの? 『ゆけゆけズ』達は?」

「『ゆけゆけズ』達も無事だよ、ただ状況は良くない」

 メレシーのリライブを終えたスールに尋ねられ、インテレオンはダンジョンの中を歩き始めながら答える。

 

「ルーアから聞いてるかな。スールが『忘れられた都』に入った後、僕達は黒装モンスターのテツノツツミに襲われたんだ」

「うん。だけど撃退出来たって事だよね?」

「いや、ルーアを狙っているテツノツツミは、自分が『忘れられた都』に入れないと分かるとワープで去って行ったんだよ」

 インテレオンは黒装モンスターが自分から撤退していった事を語る。それ故に彼らは九死に一生を得たのだろう。

 

「状況は良くない……というのはどういう事でしょうか?」

「ああ。それはこの先で話したい」

 オーマに質問されたインテレオンは入り組んだ通路を抜け、一つの大きな広間に向かう。

「えっ!?」

 私達も後に続くとその広間にはなんと木造の一軒家が建っていた。ダンジョンの中に家がある事に困惑を隠せないが、これもダンジョンの力による物なのだろうか?

 

「『ミステリーハウス』……という場所らしい。僕も初めて知ったばかりだけどね」

 彼はそう言うと何の躊躇いもなく扉を開いて中に入って行く。私もイヴに支えて貰いながら足を踏み入れる……。

 

「わあっ、無事だったんだねルーア、スール! 良かったよ!」

 そしてすぐに出迎えて来たのはアシマリだった。インテレオンの語っていた通り、『ゆけゆけズ』も無事らしいのを確認出来て私は安堵する。

 

「おおっ、元気そうだなオーマ!」

「お久しぶりです」

 続けてヒバニーもオーマの姿を見るなり嬉しそうに跳ねる。

「あなた達がルーア達と一緒にいるって事は……味方してくれるって事よね? あたしはチコリータ、よろしくね」

「え、えっと」

「……」

 イヴ達を見てチコリータが朗らかに挨拶するが、かつてポケモン達と敵対した灰色のニンゲン達は少し気後れしている様子だ。

 

 

「玄関でいつまで話してるんでちゅ? 遠慮せず入って下ちゃい」

「?」

 そんな時、『ミステリーハウス』の奥から明るい声が聞こえて来た。もしかしてこの建物の主だろうか。

「彼女の言う通りだな、行こう皆」

 可愛らしいカーペットや色とりどりの花が賑やかな雰囲気を醸し出している家の中をインテレオンは進み始め、私達も後を追う。

 

 そして奥の部屋に入るとそこには笑顔で椅子に腰掛けた黄色のポケモンがいた。頬にある赤い電気袋、カクカクした尻尾……それは私達の世界でおそらく最も有名な種族のポケモンだ。

 

「はじめましてでちゅ! ピカチュウはピカチュウでちゅよ! あなた達の事はインテレオンちゃん達から聞いてまちゅ」

 満面の笑みでポーズを取りながら、ピカチュウは自己紹介する。先端が黒い尻尾を振るその姿はキュートとも言えるかもしれない。

「彼女はテツノツツミが去って行った後、取り残された僕達を保護してくれた救助隊『L・G・P』の一員なんだよ」

「えるじーぴー?」

 ピカチュウを紹介するインテレオンに対し首を傾げるイヴ達。

 

「おう! この大陸で一番だって名高い救助隊なんだ! 救助隊連盟が取り決めたランクの最高位、ダイヤランクに唯一到達してるんだぜ!」

「褒めても何も出ないでちゅよ、ヒバニーちゃん」

 興奮した様子で追加説明をするヒバニーの後ろでは誇らしげにピカチュウが笑みを浮かべていた。

 

「それで今ここにはもう一匹いて……」

「拙者の事でござるか」

「!?」

 続けてチコリータが言おうとすると突如壁の一部がぐるりと回転し、裏から青色の肌を持ち長い舌をスカーフの如く首に巻き付かせたポケモンが姿を現す。私達は突然の事に目を見開くが、相手はリラックスしているような表情をしており何か事を起こすつもりは無いようだ。

 

「拙者はゲッコウガ。ピカチュウと同じく救助隊『L・G・P』の一員でござる。ルーア殿、スール殿、それに『灰色のニンゲン』の方々。以後お見知りおきを」

 丁寧に一人ずつに向かって頭を下げた後、彼はピカチュウの隣に立ち腕組みする。

 

「そして今この場にはおらぬが、拙者たちの"りぃだぁ"であるのがルカリオ。三匹で"ちぃむ"を組み、一つの都市に留まらず流浪の旅を続けているのでござる」

「ピカチュウ達はダンジョンで時々生成される『ミステリーハウス』を宿代わりに使ってまちゅ。こうしてピカチュウ達と会えたからには、大船に乗った気持ちでいるといいでちゅよ」

「都市に行かずに凶暴化ポケモンが沢山いるダンジョンを渡り歩いて救助を続けてるの? なんて無茶な……」

「無茶だと思える事を平然とやってのけるからこそのダイヤランク、ということだね」

 ゲッコウガ達の言葉にポカンとするスールに対し、インテレオンは感嘆した様子で応えた。

 

 

「それで、オーマ達がいるって事は『忘れられた都』の瘴気は取り除けたんだよね? これで『世界の狭間』に繋がるゲートが開いたって認識でいいの?」

「うん、遠隔で話をしてくれたソルガレオも言ってた。だけどゲートの場所はここから離れてるみたいなんだ」

「そういやライコはどこにゲートが現れるかって言ってなかったな。どこなんだ?」

 お互いの紹介を終え、本題に入るアシマリに対し答えるスール。ヒバニーもライコ達のかつての拠点で聞いた話を思い起こして首を傾げる。

 

「『双獄の嶽』。ソルガレオの話だとそこに世界の狭間との通り道があるらしいんだ」

「そこって確かベロリンガ達が向かった場所よね。ネイティオの予言でハリテヤマが『凍てつく焔』にいるって聞いて向かったけど、『ミラクルズ』と一緒に消息を絶ったって……」

「……当のハリテヤマはテツノカイナに身体を奪われている。つまりそのダンジョン『双獄の嶽』は黒装モンスター……『パラドックス』達の根城である可能性が高い。そして『世界の狭間』とのゲートがそこに……」

 スールの話を聞き、チコリータとインテレオンが表情を険しくする。よりにもよってそんな危険な場所にゲートが開くとは思っていなかったのだろう。

 

「瘴気に満ちた地を解放したことで私達でもゲートが使えるようになったけど、これまでパラドックス達はそれに関係なくそのゲートを使えてたみたい」

「つまり、それを使う為にはパラドックス達の蔓延る地に乗り込まないといけねえんだな……オーマ、どうか力を貸してくれねえか」

「分かりました。この大陸全てが瘴気に呑まれたら私達も危険かもしれませんし、手伝います」

 ならばパラドックス達との激しい戦闘は避けられない筈。ヒバニーはかつて自分達を強化してくれた灰色のニンゲンに助力を求め、オーマも頷く。

 

 

 

「『双獄の嶽』でござるか。ルーア殿達はインテレオン殿達から聞いているでござるか? パラドックス達が各地にワープし、無作為にポケモンを攫っていると」

 

「え!?」

 その時、不意にゲッコウガが驚くべき事を口にして私達は驚愕する。

 

「さっき言った"状況は良くない"っていうのはこの事なんだ。ゲッコウガ達の話によると、ここしばらくも旅のポケモンや一匹で暮らすポケモンが姿を消す事もあったらしいけど、昨日から見境が無くなって四大都市だろうがダンジョンだろうが関係なく黒装モンスターが暴れているって話だよ」

「そんな……!?」

「パラドックス達は体内の瘴気を押し付けようとしてるんでちゅよね? 力を持っていてそれなりの瘴気を注入できる幻のポケモンだけじゃいつまで経っても終わらないと考えて、普通のポケモンを大量に集めて注入しようとしてるんじゃないかっていうのがルカリオの予測でちゅ」

 ピカチュウも笑みを消し、真面目な表情で見解を述べる。

 

 

 それは……瘴気を流し込もうとした私を捕まえられず、ポケモンが入る事の出来ない『忘れられた都』に逃げ込まれたから……?

 

 

「ソルガレオとルナアーラを凶暴化から解放して暴れるパラドックス達の対処をして貰うってルーア達から聞いてるけど……ゲートが『双獄の嶽』って場所にある事も含めて、決戦しないといけないの?」

「……ああ、そうなる。パラドックス達をどうにかしないとポケモン達が次々と被害にあうし、『世界の狭間』へも行くことが出来ない。激突は免れないだろうね」

 イヴの質問に対してインテレオンは頷き答える。

「でも……一匹でも強いパラドックスが沢山いる場所に、たったこれだけで行くなんて……」

 私は『ミステリーハウス』の部屋を見渡して零す。インテレオンに『ゆけゆけズ』、後はピカチュウとゲッコウガ……まともな勝負になるとはとても思えない。

 

 

 

「ルーアちゃん、ルカリオは何のためにここを離れてると思ってまちゅ?」

 

 しかし、それに返事をするのはピカチュウであった。彼女は耳をピクピク動かすと椅子から降りて部屋の外へ向かっていく。ゲッコウガも私達に一礼してから仲間の後を追って行った。

「……沢山の足音が聞こえるぞ。まさか……」

 続いてヒバニーもそう言い、チコリータ達と共に駆け出ていく。

 

「まさか、本当に……?」

「メーくん、どういう事? 待って!」

 インテレオンも信じられないと言いたそうな表情で外へ向かいスールも慌てて後を追う。私もまたイヴ達と共に『ミステリーハウス』の玄関へ向かい……。

 

 

 

 

 

「待たせたな、ゲッコウガ! ピカチュウ!」

 目にしたのは大きな旗を持ち威勢よく声を張り上げる青と黒のポケモン、ルカリオだった。

 

「おやおや、あなた達も無事だったのかい。良かったよ」

「不幸中の幸い、という奴じゃな」

 その後ろには救助隊『グランアイス』のアマルルガとマンムーの姿もあり、その後ろには……。

 

 

 

「ルーア、久しぶりね」

 黒と白の身体、緑色の髪、青い瞳を持つポケモン……メロエッタがいた。彼女を守るようにラウドボーンやデンチュラなどの『メロエッタ劇団』のポケモン達も一緒にいる。

「え、ルカリオは『ウィンターキャッスル』の様子を見に行ったのよね? どうして『メロエッタ劇団』が一緒に戻ってきてるのよ!?」

「俺らのとこのギルド長が黒装モンスターに攫われてなぁ。それで『オータムビレッジ』の救助隊たちがあちこちに探しに出掛けて、俺達は『ウィンターキャッスル』に向かってたんだよ」

「ラララ~、しかし城から火の手が上がり~、我らは救援に入った~」

 驚くチコリータに対してデンチュラ達は説明をする。そう言えばベロリンガがそんな事を言っていた気がする。

 

「救援って……『銀杏山脈』の時みたいにメロエッタを狙って来たりしなかったの?」

「あまり無茶をしないように立ち回ったわ。撃破は狙わずに、眠らせるとかで動きを封じて出来るだけポケモン達を避難させたのよ」

 メロエッタ達はプラチナランクの救助隊。過去の失敗はすぐ次に活かすと言うことらしい。

 

「避難とは言っても、黒装モンスター達は暫くしたら撤退しちまったからポケモン達は城に戻ってるぜ。そんな時にルカリオがやって来たって訳だ……この非常事態を止めるために力を貸してくれってな」

 デンチュラが言うとルカリオは旗を持ったまま頷く。強大なパラドックス達に挑むために、こうしてポケモン達に助力を求めて来たらしい。

 

 

「私達もいるよーっ」

「パワーを貸さない訳には行かないからな」

 更に遅れてやって来たのはオオタチにイルカマン、そしてランクルス……『ウィンターキャッスル』でギルドに向かって以降会えなかった『エキサイト』も無事だったらしい。

「オオタチ……今度は本物だよな?」

「ん? どしたのヒバニーくんっ」

 ヒバニーが目を細めて確認を取るが、彼女はどういう事なのかと不思議そうにしながら可愛らしく首を傾げるだけだ。

 

「パラドックス達と手を組んでたゾロアークがオオタチに化けて、ルーアを攫おうとしたんだよ」

「えっ、何てこと! とりあえず私達は本物だから安心してよ」

 スールの補足にランクルスは驚きつつも、ゲル状の腕でイルカマンとオオタチの頭をポコポコ軽く叩きながら証明してみせる。特性『イリュージョン』は攻撃を受けると解除されるため、確かに彼女らは本物のようだ。

 

 

「……なるほど、マホイップはそれを懸念してあの時あたくし達にギルドへ行かせたのね」

 そう言って前に出てくるのはドラミドロであった。隣にアノホラグサとチルタリスもおり、『ナイトスター』もパラドックス達にやられずに済んだ……?

 

「ドラミドロ……マホイップはどこだい? 彼女は僕達を逃がす為にテツノイワオっていう黒装モンスターに挑んだんだ」

 彼女らを見て即座に尋ねるのはインテレオンだ。彼の言う通り、『ナイトスター』のリーダーのマホイップの姿が見えないのは妙である。

 

 

 

「……行方不明よ。でも今の話で確信が持てたわ」

 

 それはつまり……マホイップがテツノイワオ達に連れ去られたと言うことでは。

「……っ」

 私はあの時の事を心の中で嘆きながらも、今はそれを後悔している場合ではない事も心に刻む。マホイップを助ける為にやるべき事は……。

 

「私達、『双獄の嶽』、向かう」

「うん、リーダーを助けないと」

 真面目な表情でアノホラグサとチルタリスも言う。狼狽えもせずすぐに言う辺り、この『ミステリーハウス』へ来る前から予想はしていたのだろう。

 

 

 

「焦るのは禁物なのだよ、『ナイトスター』殿達」

 そんな彼女らの傍まで歩み寄り声を掛けるのは、氷のような無機質な体を持つポケモン。顔らしきものが見当たらず、代わりに十字に点を並べたような模様がある不思議な姿の存在だ。その後ろにはギルド長補佐であるウオチルドンも控えている。

 

「あ、あれもポケモンなのか?」

「イエス、『ウィンターキャッスル』で活動する救助隊達を纏め上げているギルド長、レジアイスだ」

 その異質とも言える姿に恐れ慄いているトワに説明するイルカマン。ファイヤー、カプ・コケコ、テラキオンに並ぶ立場である救助隊連盟の管理者はピカチュウ達の後ろに立つ私達へ顔……というより模様を向けて来た。

 

「ルーア殿達だね、ご紹介にあずかったレジアイスなのだよ。けれどまず諸君には謝らないといけないことがあるのだよ……ゾロアークの事さ」

「初対面のあたし達だってアイツの事信用しちゃってたのよ、ギルド職員として働いて前々から信頼を稼がれてたんじゃ違和感に気付くのは難しいじゃないの……」

「それもそうなのだけどね、やはりギルド長としてとんでもない失態であるのに変わりはないのだよ」

 顔がないためレジアイスの感情を表情から窺う事は不可能だが、おそらくかなり落ち込んでいるのだろう。

 

「ゾロアークが働かせて欲しいとギルドへやって来たのはそんなに前じゃないのだよ。思い返してみれば、『サマーリゾート』から黒装モンスターに関しての手紙が届いた時より数週間ぐらい前に彼は来たのだよ」

「もしかして奴はあたい達より先に黒装モンスター達と遭遇してたのかねぇ……? どうしてあいつらの味方なんかを……」

 レジアイスに続いて、ウオチルドンも難しい顔をして呟く。

「僕が理由を聞いた時、ゾロアークは一瞬だけ躊躇うような顔を見せた。何か事情があったのかもしれない……テツノイワオ達に逆らえないような……」

 インテレオンは視線を落として、レジアイス達に答えるように述べる。

 

 

「……けれど、はいそうですかとルーアを引き渡すつもりもない。相手に事情があろうとも、僕は彼女を脅威から守り抜く!」

「インテレオン……」

 そして続けられた言葉に私は彼の名を小さく零すのであった。

 

 

「『ナイトスター』諸君から瘴気や暴走についても聞いているのだよ。インテレオン殿、彼女の事は任せてもいいのかね?」

「待てよ! 俺達だってルーアを守るぜ!」

「そうだよ、友達だもん!」

「インテレオンに任せきりにはしないわ!」

「……そうかね、頼もしい若き救助隊なのだね」

 『ゆけゆけズ』が声を張り上げて誓うと、レジアイスは嬉しそうな声音で返答する。私もまた、彼らが変わらず友達でいてくれている事を嬉しく感じた。

 

 

「じゃあ、インテレオン達残って、私達だけで出発?」

「ううん。『世界の狭間』と繋がるゲートは『双獄の嶽』にあるの。だからあたしも連れて行って欲しいんだ」

 インテレオン達の言葉を聞いてアノホラグサが確認を取るが、口を出すのはスールだった。彼女はソルガレオ達を救うため危険を承知で同行するつもりなのだ。

 

 

 しかし……彼女だけで『世界の狭間』に充満する瘴気をリライブ出来るのだろうか?

 仮にリライブ出来たとしても……終わるまでの間に、パラドックス達はどれだけこの世界で暴れるのだろうか?

 

 

「……待って。スールだけ『世界の狭間』に行っても、いつまで経ってもソルガレオ達のリライブが終わらないと思うんだ……だから二人で、力を合わせないと」

「っ……!」

 私が荒く呼吸をしながら伝えると、スールは目を見開いて振り返って来た。しかし反論が出来ないのか口は閉じたままである。

 

「でもルーアちゃんは限界って……」

「『忘れられた都』でスールと協力してリライブしたら、一気に瘴気を浄化出来たんだよ。体内に取り込んだりせずに」

「……あなたも連れて行くって事? 何かあったらまた苦しい思いしてしまうかもしれないのに……」

 そんな彼女を慌てて止めようとするオオタチ達。確かに『双獄の嶽』はパラドックス達の根城……そこに私自身が行く事は墓穴を掘るようなものかもしれない。それに誰にも言っていないが、リングが耐えられず瘴気が暴発してしまえば暴走どころでは済まず、私は終わりだ。

 

 でも。

 

「……ここにいても、いつかパラドックス達に見つかると思う。だったら、むしろドラミドロ達やイルカマン達と一緒にいた方が安全だから……」

 

 私は隣に立つインテレオンの顔を見上げる。とても頼もしくて優しい彼と目を合わせる。

 

 

 

「インテレオン……私からもお願いさせて。『双獄の嶽』でパラドックス達から私の事、守って欲しいんだ」

 

 この世界で彼と幸せに暮らすため。私は迷いなく望みを告げた。

 

 

 

「……ああ、勿論だ。キミが望むなら」

 

 そして彼も迷いなく、答えてくれた。

 

 

 

「あたくし達もルーアを守る為尽力するわ。全て終わったら一緒に『スプリングタウン』へ帰りましょう」

「ルーア、私達の事も頼りにしてくれる事……サンキューだ。そしてどうかソルガレオ達のレスキューに関しては頼らせてくれ」

 『ナイトスター』と『エキサイト』の面々も力を合わせて共に行くことを了承してくれる。

 

「……っ」

 その脇でスールは、自らの無力さを呪うようなとても重い表情をしていた。

 

 

「じゃあ決まりね。黒装モンスター達に攫われたポケモン達を救助する為……そして瘴気に脅かされる私達の世界を守る為……『双獄の嶽』へ出発しましょう!」

「四大都市、そしてポケモンとニンゲンの垣根を越えて、皆で協力して平和を掴むのだよ!」

「おおーーーっ!」

 メロエッタとレジアイスが一同を鼓舞するが如く声を張り上げ、ポケモン達も力強く応じるのであった。

 

 

 

 

 

 その後、『悠久氷穴』を出た私達は『双獄の嶽』がある北西へと向かう。進めば進むほど寒気が強まり雪も深くなり一筋縄ではいかない。

 しかし今は多くのポケモン達が同行しており、互いに協力し合うことで困難を乗り越えて行ける。

 

 私たちを信じて尽力してくれる彼らの為にも、私はルナアーラ達を救いたい……。

 

 

 

 そして黒き夜空に満月が浮かぶ下。

 

 私達の先には雪に覆われた一際大きな霊峰が聳えていた。頂上からは噴煙が上がっており、あの山が活火山である事も分かる。

 

 遂に一同はダンジョン『双獄の嶽』のすぐそばまで到達したのだ。

 

 

「お疲れ様なのだよ皆。けれど明日が正念場……今日はしっかりと休息を取ってほしいのだよね」

 ギルド長レジアイスはここまで来た仲間達を労う様に見渡しながら指示を出す。ダイヤランクやプラチナランクの救助隊が同行しているとはいえ相手も強大な存在……休める内に休んでおくべきなのは確かだろう。

 

「でもここ、パラドックス達の住処の目と鼻の先だぜ。誰かが起きて見張ってねえと」

「そこは俺達に任せて下さい」

 心配そうに『双獄の嶽』を見つめるヒバニーに言うのは『ウィンターキャッスル』で宿を営んでいたリングマだ。後ろには『悠久氷穴』で出会ったセビエとメレシーもおり彼女らが夜の見張りを受け持つらしい。

「流石に私達じゃ『双獄の嶽』に入っても足を引っ張るだけだからさ」

「これぐらいはやらせて欲しいのね、凶暴化から救ってくれたしね」

「じゃあお言葉に甘えさせて貰おうかしら。けど少しでも異変があったら躊躇わずに知らせてね」

 休息のため、『レジアイスのギルド』から持ち出し設営された幾つもの青色のテントに入っていく救助隊ポケモン達。

 

「レジアイス、共に明日の作戦を練ってくれないか」

「承知なのだよ」

「ルカリオ、任せたでちゅ」

「お主もなるべく早く床につくでござるよ」

 ダイヤランク『L・G・P』のリーダーであるルカリオはレジアイスと頷き合うと地図を取り出して小声で話し始める。以心伝心とばかりにピカチュウとゲッコウガは作戦会議をリーダーに任せ、自分達は体力回復を優先させるために足早にテントへ入っていく。

 

 

「さあ、あたくし達も回復に専念しましょう」

「『ナイトスター』、ここ使う。インテレオン達、ここ空いてる」

 アノホラグサ達は幾つかのテントの前に立ち、誰も使っていない物があることを教えてくれる。テントの一つ一つはそこまで大きい訳ではなく、成人の人間が2,3人入れる程度のサイズ。

「私達はこれを使いましょう」

「それじゃおやすみ皆!」

 オーマ達、アシマリ達がそれぞれテントに入っていくのを見届け、私はインテレオンに視線を向ける。

 

「スール、ルーア。ここのテントを使わせて貰おうか」

「……」

 彼はアノホラグサ達に礼を述べた後、テントを覗き込みながら言って来る。しかしスールは何か思案するかのような表情で黙り込んでいた。

 

「……あたし、ちょっとお手洗い行ってくるね。メーくん達は先に休んでて」

「うん、分かったよ。あまり遠くに行かないようにね」

 インテレオンは去って行くスールに返事をすると私を支えながらテントに入り込む。中は外に比べると寒さが落ち着いており、熱を外に逃がしにくい素材や構造になっているらしい。

 

「あ、ウールー布団があるね。お店では売り切れてたって話だけどギルドには予備があったんだ。これでルーア達も暖かくして……」

「……」

 腰を下ろして布団の手触りを確認するインテレオン。そんな彼の背中に私は擦り寄る。

 

「……ルーア?」

 もしかして体調が悪いのか、と言いたそうな心配げな表情でインテレオンが振り返って来る。

 確かに体調は優れない……溜まった瘴気で苦しいし、身体が重いし……。

 

 

 何より、股間の疼きが収まらない。癒やしが欲しくて我慢出来ない……!

 

 

「……インテレオン、助けて……気持ちいいの頂戴……♡ 私、苦しいのがパンクしちゃいそう……♡」

「……!」

 腰を揺らしながらおねだりする私。他に誰もいない状況になれるまで必死に我慢していた分、もう自分の性欲を抑えられそうにない。

 

「ほら見てぇ……♡ 私のおマンコ、こんなにトロトロになっちゃってる……子宮もヒクヒクキュンキュンしてるよぉ……♡」

 その場に座り込みM字開脚の体勢になった私は発情した顔で淫乱な事を口にする。股を開いたことで私の大事な部分が露わとなり、勃起したクリトリスが割れ目から先端を覗かせていた。

「うぅん♡ はぁん♡」

 バイブとクリトリスリングの刺激に耐えられず私は涎を垂らしながら身を捩る。しかし欲しいのはインテレオンの性器……こんなのでは満足出来ない!

 

 

「お願いぃ、変態性奴隷のルーアのエッチなおマンコに……インテレオンのおチンチンくだしゃいぃ……♡」

 

 

 私がそう必死に媚びていると、インテレオンは覚悟を決めたかのように私をまっすぐ見つめた。

 

「……分かった」

「んんっ♡!」

 

 彼は姿勢を低くすると私の股間を指で優しくなぞり始める!

 

 その快感に私は喘ぎ声を漏らしてビクンと身を跳ねらせた。彼の指が動くたびにクチュクチュといやらしい音が股間から聞こえてくる。私は彼の指をもっと奥に入れて貰おうと腰をクネクネ動かし、甘美な刺激を楽しんだ。

 

「気持ちいいかい? ルーア」

「うんっ♡ もっと、もっとぉ♡」

 更にインテレオンは私の勃起した乳首も抓んでコリコリ弄り始める。私は乳首から神経を通って脳まで届く快楽に、顔を紅潮させてガクガク身体を震わせた。興奮で身体が熱くなり、いつの間にか汗まで全身から噴き出ている。

 

「ああっ、気持ちいいよっ、いいよぉっ♡♡」

 今度は敏感になったクリトリスも刺激され、私は快感のあまりバタバタ足を動かした。まだ前戯なのに身体はもう達してしまいそうだがむしろ達したい私は性感帯に全意識を集中させ、気持ち良くなることだけを考える……!

 

 

「んあああっ♡♡♡!! イッた……イッたぁぁぁ……♡♡!」

 潮を噴いて大きく仰け反りながら絶頂を迎えた私はその勢いのまま仰向けに倒れてしまいそうになるが、インテレオンが素早く手を伸ばして支えてくれた。その優しさに私の発情は収まるどころかさらに強まってしてしまう。

 

 

「はぁ、はぁ♡ 私、もっと欲しいの……はぁ、はぁ……お願い、インテレオン……♡」

「ああ、任せて欲しい」

 一回絶頂しただけでは物足りない私は彼を誘うように、膣液塗れの腰を振る。それによりテントの床に液が滴り落ちてしまい、『レジアイスのギルド』に対して申し訳なさを感じると共に、背徳感で私の興奮が更に強まっていくのも感じ取っていた。

 

「……っ♡」

 そんな中、私の目の前に伸びてくるのはインテレオンの立派な陰茎。性奴隷の私は唾液の糸を引かせながら口を開くと、舌で彼の陰茎を舐め回す。固く勃つ棒を根元から先端に向け必死に舌を沿わせ、存分に味わった後は小さな口で亀頭を咥えた。

 

「うっ……効く……!」

「んむむっ♡♡ んーっ、んんーっ♡♡」

 彼は私の後頭部に手を添えると前後に動かさせ、私をオナホのように扱う。口内に性器が詰まって苦しくなるが、性奴隷の私はそんな扱いに大喜びしてしまい口だけではなく腰も動かしてクリトリスリングの刺激に自分から身を浸していく。

 

 オスのポケモンの陰茎を咥えながら、自ら腰を振って愛液を滝の如く溢れさせる私は性欲に狂う発情期のメスの如く。

 『世界の狭間』で七年気を失っていたとはいえ私の身体は少女のまま成長しておらず、そんな未成熟とも言える体は汗に塗れ素肌もほぼ露出している。それだけでも変態なのに、この世界に来る直前からずっと身に着けているサイハイソックスとロングブーツ、手錠と首輪が更に私を淫乱な存在に堕とし興奮してしまう。

 頭を前後させる度に長い銀髪が揺れ、逆に平坦な胸は揺れないが代わりにぷるんぷるんとお尻が揺れて私は自らのいやらしさに恍惚とする。

 

 

「……出るっ!」

「んぐぐぐ♡♡♡!!」

 そしてインテレオンが力強く私の後頭部を引き寄せると共に尿道から熱い精子をたっぷり解放! 彼は私が逃げられないように後頭部を押さえ続けるが、元より逃げるつもりが無い私は口内から喉を通っていく精子の味わいと熱に歓喜の悲鳴を上げ、全部搾り取ろうと口を動かした。

 

「……ごくん、ぷはっ♡ えへぇ、インテレオンの精液しゅきぃ♡♡」

 口内射精された精液を飲み干し、解放された私はずっと膝立ちだったこともあり疲労でぺたんと座り込む。そのまま上目遣いでインテレオンを見つめて涙や涎、汗に精液で汚れた顔で笑みを浮かべた。

 

 

 

 だけど……これじゃ足りないよぉ……。

 

 

 

「インテレオン……♡ 今日はこれで最後でいいから、変態でドスケベなルーアを思いっきり犯してください……♡♡」

 私はそう言い、自ら仰向けに倒れると股を開いて欲しがる。後ろ手に拘束された両腕に体重がかかって痛くなるが、そんなこと考えられなくなるぐらいに滅茶苦茶にして欲しい……!

 

「最後……か」

 それを聞いてインテレオンは私に覆い被さるように密着してくる。ひんやりした体だが、それでも大好きな彼と触れ合っていることに私はとろんとした表情を浮かべた。

 

「んっ♡ 早く、早くっ……♡」

 続けて彼の亀頭が私の割れ目に当たり、早くも私は喘ぎ声を漏らす。子宮と膣は待ちきれない様子でキュンキュン疼き、膣口から愛液がどんどん垂れ落ちていった。

 

 

 

「ルーア、行くよっ!」

「ああああああああっっっ♡♡♡!!!」

 そして勢いよく彼の性器が膣内に突き込まれ、快楽の蹂躙に私は歓喜の絶叫を上げる!

 

「ああっ♡ んっ♡ あうっ、あひゅっ♡♡」

 先端が子宮口を叩き、側面が膣壁を擦り、私は玩具や前戯とは比べ物にならない激しい刺激と快楽に喘ぎ声を何度も上げる。インテレオンの体重がかかる正常位の体位となり、こちらが押し潰されそうな程の勢いでピストン運動されて私は苦しさと共に強烈な快感で視界が明滅。

 

「はぁ、はぁ……ルーア、キミは幸せかい……?」

「ひゃううっ、幸せぇぇ♡♡ あうっ、インテレオンだいしゅきぃ♡♡!!」

 先程射精したばかりで性交する事に疲労しながらも尋ねてくるインテレオンに、私は瞳にハートを浮かべながら即答。更に両腕で抱きつけない代わりに自由な両脚を彼の腰の後ろに回してホールドし、今の私はとても幸福であることをアピールする。

 

「だから、だかりゃっ……これからも……っ♡ この世界で……っ、一緒にいたいよぉ……♡♡!」

「……っ、ああ……僕もだ……!」

 快楽に身をゆだねながらも私が心のままに叫ぶと、彼も目を閉じて頷く。

 

 

 

「―――っっ♡♡」

 一緒にいてくれる。その回答を耳にして私は喜びで涙を零した。

 

 

 

「きゅうんっっ♡♡」

 それに呼応して膣が締まり、彼の陰茎が更に膣壁と密接に触れ合う。強く擦れる事で更に快感が強まり、私は一気に絶頂へと近付いて行く。気持ち良くなっているのはインテレオンも同じようで、射精へのラストスパートを目指して腰の動きを早めた!

 

「ああああっ♡♡!! ああっ、イクイクぅ♡♡ 私、イクよぉぉ♡! 出して、私の子宮に精子いっぱい出してぇぇぇ♡♡!!」

 脳天から足先まで走る快楽で私は嬌声を上げ、インテレオンに全てをゆだねる!

 

 

 

「ふああああああっっっ♡♡♡♡♡!!!」

 

 一際大きく陰茎が突き込まれると同時に私は絶頂に辿り着き、同時に私の中に精子が注ぎ込まれる感覚がやって来る。小さな子宮には収まらないほどたっぷり中出しされた精液が膣内も満たし、私の心も充足感でたっぷり癒された。

「はぁー……♡♡ はぁー……♡♡」

 インテレオンから陰茎を引き抜かれた後も、私は倒れたままピクピク身体を痙攣させる。傍から見たら強姦に襲われたレイプ被害者のようだが、それとは真逆で私はこれ以上ない幸せで嬉しくてたまらないのだ。

 

 それに、身体の中の違和感がまた落ち着いた……。やっぱりこれが私にとって、瘴気を中和する一番の幸せ……。

 

 

 

「ありがと……インテレオン……♡」

「……ああ、こちらこそありがとう」

 意識が薄れていく中、インテレオンにお礼を言うと彼もそう返してくるのであった。

 

 

 

 どこか、遠い目をしながら。

 

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