ジャラランガ達と別れた私は、『双獄の嶽』の中をイヴ、アノホラグサと共に進んで行く。かなり地下深くまで降りたと思うが、『世界の狭間』と繋がるゲートはまだだろうか。
「……そっか、トワは『サマーリゾート』のポケモン達と一緒に戦ってるんだ」
「うん」
「トワにルーアの事を託されたと思って頑張るね」
アノホラグサが先導する後ろで私はイヴにこれまでの事を説明する。イヴはトワの事を心配するような表情をしながらも、自分に出来る事をやろうと拳を握っていた。
「……こっち」
そして先頭を進むアノホラグサは通路の分岐点で少々立ち止まった後、何かに導かれるように次の道を選んで進んで行く。
「ダンジョンの構造が分かるの?」
「分からない。けどマホイップ、残した香り、分かる」
私は不安になって尋ねるものの、アノホラグサの返答を聞いてハッとなる。そういえば『蒼海晶洞穴』でもドラミドロが言っていた。『ナイトスター』はもしダンジョン内で逸れても、マホイップが散らした微かなミントの香りを頼りに動いて合流する技術を持っているのだ。
「アノホラグサ達が来れるように香りを残してるって事は、マホイップは閉じ込められてる訳じゃないのかな」
「多分。ダンジョンの構造変化による影響なし、つまりこの香り、残したの最近」
ゴールドランク救助隊のリーダーは伊達ではないと安堵しつつも、もしかしたら彼女は今もパラドックスに追われて逃げているのだろうかと心配にもなる。
アノホラグサの後を追いながら通路を抜け、広間を通り、階段を降り……ということを幾度も繰り返していると私たちの前に思いがけないものが姿を現した。
「……遺跡?」
目を細めて言うアノホラグサの前には、確かに石造りの遺跡群がマグマが流れる洞窟を侵食するかの如く存在していた。
「パラドックス達が作った住処?」
「うーん」
不思議そうに尋ねるイヴだが、アノホラグサにも分からないようだ。
しかし私はその遺跡群に既視感を覚えていた。この建築様式はこの世界で何度か見たことがある。
「……そうだ。ライコ達が拠点として使ってた場所とか、そこに繋がる祭壇と近いかも」
「それはこの遺跡、太古に築かれた、意味?」
「予想だけど」
考古学者ではないので断定は出来ないが、絶対に無関係とも思えない。とは言え、こんな不便な場所に建築したのは何故かと聞かれても分からない……。
「とにかく、入る。 ミントの香り、この先、続いてる」
不明な事は多いがアノホラグサの言う通り、ここで悩んでいても仕方ないだろう。それにこの遺跡が『世界の狭間』と繋がるゲートを擁している可能性だってあるのだ。
「レロロロ……!」
「……ッ!」
しかし遺跡の陰から現れた者達が私達の前に立ち塞がる!
「……『ちゃんこ』!」
アノホラグサは戦闘態勢へ移行し、立ち塞がったポケモン……ベロリンガとマリルを見つめた。ハリテヤマを探す為に、先んじてこのダンジョンへ突入して行方不明になった彼女達だったが、今は黒装に体のあちこちを蝕まれ苦しそうに掻きむしっている。
……おそらくパラドックスに捕まり、大量の瘴気を流し込まれてしまったのだろう。
「ジュル……レロロロォッ!」
「……!!」
ベロリンガ達は突如、自分達の腹部をリズミカルに叩き始める。しかし瘴気による影響か酷い音が鳴り響き、私は思わず顔を顰めた。
「『はらだいこ』……まずい!」
アノホラグサが慄くのを見て私はベロリンガ達の様子を伺うが、いつの間にか彼女らが激しくパワーアップしており、まるでオーラが揺らめくかのようだ。今のお腹を使った演奏は不快な音を放って意識を逸らせる事が目的では無く、自己強化の技だったのだ。
「ジュレレロロォ!」
「!!」
ベロリンガは『したでなめる』を繰り出し、アノホラグサはそれを必死の表情で回避。鞭のごとく振るわれた舌は地面に当たると、なんと固い筈の石畳の床を砕いてしまう。『はらだいこ』で極限まで力が上がったことで、非常に危険な威力になっているのか。
「……ッ!」
「うぐぐっ……!」
続けて猛スピードで襲い来るのは『アクアジェット』で突撃するマリル。アノホラグサは咄嗟に『こうそくスピン』を使用して、回転力を活かし突撃の破壊力をいなしてみせる。しかし彼女は超危険な攻撃を続けざまに向けられてかなり余裕がない様子だ。
「このっ……」
私はアノホラグサを救うためにランドセルに念じて『まどわしのタネ』を飛ばす。タネはベロリンガの舌にくっつくと、そのまま彼女の口内へと運ばれていき……。
「レロレロロッ!!??」
変なモノが見えるようになってしまうタネを食したベロリンガはあらぬ方向に『たたきつける』を繰り出し始めた!
「よしっ……」
危険が多少なりとも減ったことで飛び出したのはイヴだ。彼女はマリルと相対するアノホラグサに触れ、黒色の防御膜を纏わせた。
「……!!」
「うん……ありがと!」
直後に超威力の『アクアジェット』がアノホラグサに命中するが、彼女は全く動じていない。灰色のニンゲンに取り込まれた状態のポケモンは攻撃をほぼ受け付けなくなるのだ。
「てーっ!!」
反撃としてアノホラグサが乱射するのは黒色の『タネマシンガン』だ。普段より大きさも速度も弾数も増した種の弾丸はマリルの全身にヒットし、黒装もあっという間に剥がれ落ちた。
「まだまだ、てーっ!!」
「ッ、レロロロ!!」
マリルを撃破したアノホラグサはその勢いのまま『タネマシンガン』をベロリンガに向けるが、『まどわしのタネ』の効果が切れたベロリンガは咄嗟に舌を棍のように振るって全ての種を叩き落とす。
それでもゴールドランク救助隊のメンバーであるアノホラグサを灰色のニンゲンのイヴが強化していれば勝てる筈……そう思った矢先である。
「レルァルァラララァ!!!」
突如ベロリンガの周囲から宝石の柱が突き出し始め彼女をあっと言う間に包み込んでしまう。そして宝石の柱が砕け散ると同時に現れたのは、体を宝石の如く輝かせるベロリンガの姿であった。
「テラスタル……!?」
ベロリンガの頭部にはまるで幽霊のような形をした宝石が鎮座しており、多少の差異はあれどテツノツツミやテツノドクガが見せたものと同一の現象で間違いなさそうだ。
「レロロ!!」
「ぎゃっ!?」
ベロリンガは『したでなめる』で攻撃を放ち、アノホラグサは悲鳴を上げて宙を舞った。それだけではなく……。
「痛いっ!?」
アノホラグサを取り込んでいたイヴも悲鳴を上げ、触手のように変化させていた自らの腕を元に戻すと苦しそうに手を押さえ始める。まさかテラスタル中の攻撃は灰色のニンゲンによる強化を貫通する力があるというのだろうか。
「レロロロロ!!」
「うわっ!?」
当然ながらベロリンガは続けて私を狙い出し、テラスタルと『はらだいこ』で強化された攻撃を放ってくる。私は屈みこんで振るわれた舌をなんとか回避するが、一人でテラスタルしたベロリンガを止めるのは至難の業だろう。
しかし吹っ飛んで行ったアノホラグサの姿は見えないし、イヴも手を押さえながら呻いている……どうするべきかと思っているとベロリンガの追撃が迫って私は慌てて退避。しかし何かを踏んづけてしまい、危うく転びかける私。一体何を踏んだのかと思って視線を落とすと……。
私に踏まれた黒装の欠片が青い光を放ち、消えていくのが見えた。
「っっ!!」
そして私の体内に再び蓄積される瘴気。吐き気に襲われながらつんのめる私は、ぼやける視界で目の前に何か青く丸いモノがあるのに気付く……これは……。
目を回して倒れているマリル。
つんのめった事で彼女に接近してしまっていた私は咄嗟に下がろうとするがもう遅い。凶暴化していたマリルの体が青い光で包まれ、更に私の体内へ瘴気が流れ込んでくる。
「うぐええっ……えげっ!?」
「ジュレロロォ……」
瘴気が溜まっていく苦しみに喘いでいた私の背中に強烈な一撃が振るわれる。足を止めた私を叩きのめすためにベロリンガが『たたきつける』を放ったのだ。身体の内外からダメージを受けて、固い床に倒れ伏した私は意識を朦朧とさせビクビク身を震わせる。
このまま攻撃を受け続けて、しまいには暴走してしまうのか……。
そんな絶望が心の奥底に生まれた直後。
「……!!」
「レルォ!?」
激しい水飛沫を上げながらベロリンガに突撃する一匹のポケモン、マリル……!
彼女は着地すると私を守るかのように身構える。私がリライブを行った事で凶暴化から解き放たれたマリルは、たとえ仲間であろうとも凶暴化したベロリンガを止めようとしているのだ。
「レッロロロォォ!」
濁った瞳を怒りで細めたベロリンガは舌を鞭の如く振るうが、マリルはなんとそれを正面から受け止めた。小さな体だが、その身にはかなりのパワーが秘められている……特性『ちからもち』の効果だ!
「……!!」
マリルは逆にベロリンガの舌を掴むと、なんと彼女を振り回して上へと放り投げた! 回転しながら宙に放り出されたベロリンガに向かってジャンプしたマリルは尻尾を使った『はたきおとす』を食らわしてベロリンガを遺跡の壁へとめり込ませる!
その痛烈な攻撃を浴びてベロリンガの体から宝石が散っていくが、それでもまだ相手は倒れないようで壁から抜け出るや否やこちらへゆっくり歩み寄って来た。
(むしろ、もう限界なのに黒装のせいで倒れられないんじゃ……)
彼女のその苦痛に満ちた顔を見て、私は汗まみれになりながら心の中で身を案じる。正直の所私も他の者を心配していられる状態ではないのだが、このまま戦い続けていたらベロリンガが大変なことになってしまうのでは。
「だいぶ!!」
「ロッ……!?」
しかし、ベロリンガの背後……影から現れたのはアノホラグサ。ようやく復帰して来た彼女は『ゴーストダイブ』をベロリンガの頭部の宝石にヒットさせると、それを完全に粉砕してみせた。するとテラスタルも解除されベロリンガは床に手をついて苦しそうに呼吸し出す。
その隙を見逃さずマリルは『アクアジェット』で突撃し、ベロリンガの黒装に走るラインを攻撃!
「オーウ!」
「……終わりみたい」
黒装が剥がれ落ちたベロリンガに『タネマシンガン』を撃とうとしたアノホラグサだが、相手が目を回して倒れるのを見て安心したように中断。『はらだいこ』によるパワーアップは自らの体力を消費して行うもの……どうやらテラスタルが解除された時点で体力は殆ど残っていなかったようだ。
「……ルーア、平気?」
「……」
そして今も起き上がれない私の下へ駆け寄って来るアノホラグサ達。マリルは自分の凶暴化を解除したために苦しんでいるのかと、申し訳なさそうな表情をしている。
「う、ううっ……」
瘦せ我慢する余裕すら残っていない私は苦悶の声を上げるだけしか出来ない。体内に溜まって外に出せない瘴気があまりにも苦しくてたまらない……どうにかして中和して減らさないと……。
「エヴォォォォ!」
しかし、脅威は終わらない……!
なんと皆とはぐれた後に遭遇し、一人でなんとか凌いだイーブイが再びやって来たのだ! 彼女は黒装に覆われた部位を掻き毟りながらも遺跡群を飛び移りながら迫って来る。
「ッ!」
「ヴォッ!?」
しかし黒装でパワーアップしているとはいえ、相手はブロンズランクの救助隊ポケモン。ゴールドランクのアノホラグサは冷静に『こうそくスピン』でイーブイを弾き飛ばす。ついでに彼女は黒装のラインを的確に傷付けていたらしく、無事に黒装の欠片がイーブイの体から剥離し……。
「……あっ!?」
回転しながら宙を舞う黒装の欠片はなんと私達のいる場所目掛けて落下して来ていた。咄嗟にマリルが『はたきおとす』で遠くに飛ばそうとするが……。
「……っ!!」
それより先に青い光に包まれて消えていく黒装……固形化した瘴気。リライブという名の瘴気吸収をした私は声にならない悲鳴を上げ、ガクガク身体を痙攣させた。
―――く、苦しい……吐き出したい! でも、ダメッ……!!
「ごめんルーア! しっかりして!」
アノホラグサの謝る声がとても遠く感じる。
―――もう、我慢できない……!
私はランドセルに念じ、ある道具を取り出した。
それは先端を私の股間に押し付けると激しい振動を始める。
「ん……くうぅぅん♡!!」
私は快楽に塗れた悲鳴を上げ、腰を上下させた。股間に当たっているのは電マ……私は瘴気の中和をする為に、快楽を自分自身に与えて幸せを得ようとしているのだ。
「だ、大丈夫?」
「へ……へい、き……っ♡」
辛うじて暴走を免れた私を見てアノホラグサが心配して来るが、私は電マを股間に当てたまま震える脚を動かして立ち上がった。膣液が器具を伝って床に落ちていくが、それに意識を向ける余裕はない。
「そ、それよりぃ……っ♡ ここにいたら、また襲われるかも♡ だからぁ、奥っ♡」
「確かに遺跡の入口だから目立つね……隠れられる場所があるといいけど」
いやらしく身を捩りながら言う私に同意するイヴ。この辺りにも建物は幾つかあるが、瓦礫などがあって中に入れないものばかりらしい。
「……っ」
「スール、いないから仕方ない」
奥を目指し歩き出そうとした所でマリルが気絶したベロリンガやイーブイを申し訳なさそうに見つめる。事故でマリルをリライブする事になったが、彼女達までリライブしようとしたら私の身が持たないだろう……。
「ん……ああっ♡」
遺跡の小道を通り、段差を上がり、石橋を渡る。その間もずっと私は電マをおマンコに押し当てており、みっともない喘ぎ声を上げてヨロヨロ歩いていた。自縛野外露出したまま、大人の玩具でオナニーしながら歩くなんてあまりにも変態過ぎて恥ずかしい。
「それにしても、どうしてベロリンガはテラスタルしたの?」
「不明、そもそもテラスタル、よく分からない」
イヴが質問をするが、アノホラグサもため息をつく。
「お……んっ♡」
電マがおマンコの入口を苛めて、バイブが膣の奥を苛めて、更に歩けば歩くほどクリトリスリングが陰核を苛める。私は性感帯を滅茶苦茶にされている快感で蕩けた表情を浮かべながら何度も達していた。だけどもっと沢山気持ち良くなりたくてたまらない……。
「でもベロリンガのテラスタル、パラドックスのテラスタル、厳密には違うかも」
「そうなの?」
「タイプが変化したり、頭部の宝石で攻撃したり、謎がいっぱい……ん?」
アノホラグサは持論を語りながら先頭を転がっていたが、何かに気付いた様子で動きを止めて塀の陰から先の様子を窺い始める。まさかパラドックスが待ち伏せしているのだろうか、と思いながらも私はオナニーを止められず少しでも刺激を強めようと腰を前後に動かしていた。
「気配に気付いたでござるか」
「うわっ!?」
だが、突如遺跡の壁が倒れたかと思うと奥から一匹のポケモンが現れる。それは『L・G・P』のゲッコウガだったが、あまりにも突然の事にイヴも私も肩を跳ね上がらせた。
「……遊んでた?」
「滅相もござらん。拙者は敵が来ないか見張っていた所である」
ゲッコウガはアノホラグサに答えながら、自分が隠れていた建物の中を指さす。何だろうと思い、私は愛液を滴らせながらぼやける視界で中を覗いてみた。
「……あっ、アノホラグサ!」
「それにルーアとイヴも。それとマリルだったかしら」
「わー! ドラミドロ、チルタリスー!」
そこにいたのは『ナイトスター』の二匹。アノホラグサは心底嬉しそうにぴょんぴょん跳ねて彼女達の下へ向かう。まさかここに彼女達がいたとは……と私も安堵したが、何故か嬉しそうだったアノホラグサが途中で動きを止め静かになった。
一体どうしたのだろう、と思ったがよく見ると薄暗い遺跡の中にはドラミドロ達だけではなく、もう一匹ポケモンが横になっていた。
「……驚かせてすまないな」
そう言うのは『L・G・P』のリーダー、ルカリオだ。なんと彼女は酷い火傷を負って辛そうに倒れていたのだ。
「何、あったの……?」
「テツノカイナの『はらいのけだま』でバラバラに飛ばされたでしょう? その時どうやらルカリオはマグマの中に落とされてしまったようなのよ」
「ボク達が協力してどうにか引き上げたけど、はがねタイプのルカリオには大ダメージになっちゃったみたいで」
声を震わせて質問するアノホラグサに、ドラミドロ達は項垂れながら説明する。いくらダイヤランクの救助隊といえど、流石にマグマに落とされて大自然の力で焼かれてはひとたまりもなかったのか。
「そこでなのだが『チーゴのみ』を持ってはござらんか。拙者たちの持っていた分は全て使ったのだが、それでも足りぬのでござる。ここにはブリムオン達のような医療に精通したポケモンもおらぬし……」
「……」
「私もない……」
「あ、う……♡」
ゲッコウガが手を合わせて火傷を治す道具を所望するが、マリルが首を横に振りアノホラグサも申し訳なさそうに目を逸らす。私はどうだっただろうかと考えようにも、こんな状況であっても股間に刺激を与えるのを優先してしまい、依然として電マを押し付けていた。
「……『なんでもなおし』」
「?」
そこで口を開いたのはイヴ。聞き慣れない言葉に首を傾げるチルタリスをよそに、彼女はポシェットから金色のスプレー缶のようなものを取り出した。イヴはそれを持ってルカリオの傍に腰を下ろすと火傷した部位に薬剤を噴きつけ始める。
「うぐっ」
「染みるけど我慢して」
呻き声を上げるルカリオを励ましつつ、イヴは何度も『なんでもなおし』のスプレーを噴く。そしてそれを見てるだけの私は潮を噴いて……。
「……見て、火傷が治ってるわ!」
「おおっ、痕もないでござる!」
ドラミドロ達はルカリオの火傷が消えていくのを見て嬉しそうに声を上げる。辛そうな表情をしていたルカリオも次第に安らかな表情になっていた。
「こんな凄い道具、どこに!? 金色の道具って事はもしかして噂に聞く『黄金の間』!?」
「え、いや……『未踏摩天楼』に落ちてて」
目を輝かせて尋ねるチルタリスに圧されながらもイヴは説明する。本来この世界には存在しない道具だが、私やスールがいた世界では普通に大量生産されており、その世界を再現したダンジョンだからこそ生成する事が可能なのだろう。
「……これで大丈夫?」
「ああ、お前には感謝しかないなイヴ」
『なんでもなおし』が切れた所で尋ねるイヴに対し、ルカリオは半身を起こして笑顔で頷く。見た所あんなに酷かった火傷はきれいさっぱり無くなっていた。お礼を言われたイヴは少し恥ずかしそうにして俯く。
「感謝しかない? もしかして、前から知り合い?」
「ああ、暫く前に『追放の遺跡』へ行った時に彼女と出会ってね。その時に『くろいカギ』などの道具を譲って貰ったんだ。実はあの『まどわずフラッグ』も、そのカギで開く『カギ部屋』で手に入れた道具なのさ」
不思議そうにするアノホラグサに、ルカリオは壁に立てかけてある旗を眺めながら答えた。どうやら私が知らない内にイヴはポケモンと親交を深めていたようだ。
「ともあれ、これで本格的にピカチュウやマホイップ殿達を探せるでござるな」
「ああ。ドラミドロ達の足を引っ張ってしまった分、『L・G・P』の力を見せないとな」
ゲッコウガに応じながら、治ったばかりだと言うのに勢い良く立ち上がるルカリオ。
「そういえばアノホラグサ達は途中で他の仲間達を見かけたりした?」
「ジャラランガ達と『テクスチャズ』、出会ったけどテツノワダチを引き付けてる。ルーアも『エキサイト』や『ロイヤルズ』、トワと出会ったって聞いてる」
「なるほどね、ではあたくし達は彼らの想いを背負っているという訳かしら」
『ナイトスター』も改めて『歪みの穴』現象を食い止めるという意志を強め出発の準備を始める。
「んう……っ、インテレオンは……♡?」
「見てないね。スールや『ゆけゆけズ』、あとドータクンも無事だといいんだけど」
私は性的欲求に逆らえないまま、小刻みに腰を振って質問するが思うような回答は得られない。もしインテレオンが近くにいればオナニーなんか目じゃないぐらいに気持ちよくして貰えたのに……。
「ルーア、大丈夫……?」
「んっ……くうっ♡」
そんな私を見かねてイヴが小声で確認して来るが、私は喘ぎ声しか返せない。苦しくて苦しくて……切なくて切なくて……とても大丈夫なんて答えられる状況では……。
「辛いなら……任せて」
「っ……♡!!」
突然の強い快楽に、私は膝を突きそうになるがガクガク脚を震わせながら必死に耐える。なんとイヴが指を私の秘部に突っ込んでいるのだ!
「何してるでござるか?」
「心配しないで。行こう」
私の反応を鋭敏に察知したゲッコウガが尋ねてくるが、イヴが勝手に回答したことでこの状態のまま出発する事になる。
「んんっ……くふぅ……♡」
後ろを歩くイヴに敏感な所を弄られる度に身体が反応してしまい、快楽に呑まれながらヨロヨロ歩く私。クチュクチュとエッチな音を鳴らす股間から膣液がどんどん垂れるが、発情しきった私には止める手立てがない。
「ルーア。瘴気の中和出来てる?」
「あひゅうっ……♡ んはあっ♡」
小声でイヴに尋ねられるものの、気持ち良過ぎてまともに言葉を紡げない。けれど、少しずつ苦しいのが収まっているのは自分でも感じる。
ただそのペースは遅く、余裕がない状態からは抜け出せていない……。
「……む」
「どうしたの?」
そんな時、先頭にいたルカリオが立ち止まりチルタリスが首を傾げる。
「目を凝らすでござる」
「……あ、黒い靄!?」
ゲッコウガに言われ、ルカリオが立ち止まった理由に気付くアノホラグサ達。しかし私は涙で視界がぼやけて、黒い靄を察知出来ない。
「この奥に『世界の狭間』に繋がるゲートがありそうね」
「ああ。この遺跡群が『双獄の嶽』の最深部に当たると予想していたが正解だったようだ」
「……?」
ドラミドロ達は遺跡の更に奥を見ていたが、横にいたマリルが大きな耳を震わせて辺りを見渡し始める。
「敵?」
「……」
アノホラグサに確認されるがマリルはかぶりを振り、ジェスチャーで"助けを求める声が聞こえる"と伝えて来た。彼女が指さす方向はルカリオ達が奥だと言っていた方とは異なっている。
「まさかマホイップかな」
「ピカチュウやスール殿達という可能性もあり得るでござる」
「『世界の狭間』にルーアだけ向かわせても意味が無いんだったな。ならばマリルの言う方向へ行ってみようか」
素早く次の行動を決定したルカリオは『まどわずフラッグ』を持ったまま歩みを進める。それを追うドラミドロ達に続けて私もイヴにおマンコに指を突っ込まれたまま歩き始めた。
(みんなが真面目に頑張ってるのに……私だけこんな、淫乱な気分でぇっ……)
瘴気が蓄積して危険な状態なのは分かっているが、それでも秘部を好き放題されながら大喜びで歩くのは変態過ぎる。イヴは人差し指と中指を動かし、勃起したクリトリスをつまんだり膣内に侵入させて掻き回したりと容赦無く責め続け、私は抵抗する事も許されないまま何度も潮を噴いてしまう。
「誰かぁ……」
「ん、あぅ……♡?」
絶頂し過ぎて頭がぼんやりして来た私の耳に声が届いて来る。幻聴だろうか……。
「聞こえた?」
「うん! 誰かが助けを求めてるよ!」
しかしドラミドロ達が辺りを見渡し始め、私は今の声が幻聴ではない事を悟った。
「ここから気配がするでござるよ」
「誰かいるのか、私達は救助隊だ!」
立ち並ぶ遺跡の一つを指差して伝えて来るゲッコウガの隣でルカリオが要救助者と思われる存在に確認を取る。
「救助隊!? 私は『ウィンターキャッスル』のウルガモス……お願い助けてちょうだい! 」
「ウルガモスって……前に『ゆけゆけズ』、言ってた、行方不明のポケモン!」
返ってきた声に反応するアノホラグサ。一般のポケモンがまさかダンジョンのこんな奥深くにいるなんて。
ルカリオとゲッコウガが頷き合い、あちこちが崩れた遺跡の中へ飛び込んで行く。私は腰を揺らしながら『ナイトスター』やイヴと共に待機し、しばらく経つとルカリオ達が数匹のポケモンを連れて出てくるのであった。
「その、ありがとう……」
そう感謝を述べるのはデリバードだ。体が小さく、まだ幼いポケモンだがおとなしい雰囲気をしている。
「前はやんちゃだった……雰囲気、違う?」
「あの時会ったデリバードはゾロアークが化けてたって話じゃなかった?」
「そうよ! あのゾロアークってポケモン!」
アノホラグサ達が顔を見合わせて話していると、ウルガモスが憤った様子で激しく羽ばたき始める。
「私もこのデリバード君も、アイツに襲われてこんな所に閉じ込められたのよ……!」
「予想通り、『ウィンターキャッスル』のポケモンが行方不明になってたのはゾロアークの仕業だったのね。彼はどうしてパラドックスに味方するような真似を……」
ウルガモスの話を聞いたドラミドロは訝しげな表情で俯いた。
「……ごめん。『レジアイスのギルド』で活動してた僕達が気付かないといけなかったのに……」
その時、ウルガモス達と共に建物から出て来たポケモンが口を開く。見るとそこには背中を黒色の装甲で防御し、強靭な四肢で体を支える長い鼻のポケモンがいた。視界がぼやける私は一瞬テツノワダチかと思ったが、よく見れば差異は多い。
「ドンファン殿、で良いでござるか? 救助隊と言うことはどこかのチームの所属しておられるのか?」
「……『ミラクルズ』だよ」
「えっ……?」
ゲッコウガの質問に力無く答えたドンファンに、チルタリスが驚いたような顔になる。
「あのチームって、チラッとしか見てないけどイーブイとゴマゾウのペアだったんじゃ……?」
「……! ……!」
チルタリスの言葉にマリルもウンウンと頷く。マリルが所属する『ちゃんこ』は『ミラクルズ』と共に、先んじてこのダンジョンに来ていたのだからチルタリスの認識で間違いないのだろう。
「……黒い奴らに捕まった後、イーブイや『ちゃんこ』さんと引き剥がされた僕は無理矢理『しあわせのタネ』を食べさせられてこの姿に……」
「『しあわせのタネ』?」
「食べると強くなれる道具……と言えば早いか。しかし強制的にゴマゾウを進化させるとは何が目的だろう?」
項垂れるドンファンの言葉にオウム返しするイヴへ説明するルカリオであるが、わざわざそんな事をするパラドックスの意図を測りかねている様子だ。
「んうぅ……っ♡ テツノワダチはぁ……ドンファンと似ててぇ……♡」
「テツノカイナやテツノイワオみたく、体奪おうとした?」
「デリバードはテツノツツミ、ウルガモスはテツノドクガの為に連れてきたんだろうし、ゴマゾウをドンファンに進化させたのもそれが理由なんだね。体を奪える対象じゃないマリルやイーブイとかは瘴気を流し込んで捨てた……って感じかも」
私が快感を隠し切れていない声で伝えると『ナイトスター』は合点がいった様子で言う。
「それならマホイップは……」
ドラミドロがそう口にした直後。
「クルルルル……ッ!!」
聞き覚えのある声……しかし、明らかに正常ではない声が耳に届いた。
「っ、『たたみがえし』!!」
ゲッコウガが畳で防壁を作ると同時に黒色の光が炸裂し、畳を木っ端微塵に粉砕した。
「あれはっ……!」
イヴは私の股間からチュポンと指を抜いて戦闘態勢に入る。前にいるのは青白いクリーム状の体を星形の飴細工で飾った小柄なポケモン。
しかし、可愛らしかった顔の半分は黒装に覆われて苦痛に歪んでいる。下半身も同様に黒装で蝕まれ、己では剥がすことが出来ない様子だ。あれは間違いない……!
マホイップだ。