※この作品はR-18です。

ある少女たちの記録   作:beatrice

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保澄雫編

固有魔法で行きたいところに行けるようになった影響か、または『ふーにい』の影響か、社会人になった私は大型バイクや車の運転免許を取って1人でツーリングをしたり、一人旅をする事を趣味としていた。

こんな話をすると『恋人と一緒に行ったりしないの?』とか『彼氏がいなくて寂しくないの?』などと同僚や友達は言うけれど、私にとっては個人行動が出来る独り身の方が気が楽なのだ。

大学生の時には何人かと付き合ってみた事もあったけれど、連絡が頻繁にくるのが嫌で自然消滅というのが常だった。

今回の旅の目的は山奥にあるという野温泉とその後の1人キャンプだ。

あやかの紹介で知り合ったこころさんからテントの設営や場所選びを教わったので1人でも出来るようになっていたのだ。

そして当日。愛車に荷物を積んで目的地を目指して5時間。

「ふー、やっと着いたぁ」

途中のサービスエリアで食事をしながらのドライブ。

平日なので渋滞も無く順調に到着する事が出来た。

「さて、それじゃあ行きますか」

登山用の靴に履き替えて野温泉を目指す。

ルートはネットですぐに出てきたので愛好家の中では有名のようだった。

散策道ほど整備されてはいないけれども充分の装備があれば危ない道のりではなく、1時間程歩いたところで湯気が立ち上っている河原を見つける事が出来た。

リュックを降ろして湯温を確かめてみる。

「うん、ちょっと熱いぐらいだけど入れそう」

脱衣所なんてないけれど他に浸かりに来ている人もいないので服を脱いでお湯に浸かると疲れが溶け出していくようだ。

「あ〜最高」

無色透明のお湯だから素肌を隠す事は出来ないけれど、こんな開けた場所だから見られてしまっても仕方ないとそこは割り切っている。

適当な岩に肘をついて顎を乗せて身体を浮かせていると人の声が聞こえてきた。

どうやら私と同じ物好きがいるようだ。

「あー、やっと着いた…」

相手は私とそう歳が変わらなそうな男の人が1人いたが、私に気付いて気まずそうにしている。

「あ、すいません。あとでまた来ます」

その人が気を利かせて去ろうとしたところを私は呼び止めた。

「気にしなくていいですよ。私、長風呂するタイプですし、こんな場所だから見られてしまうのもお互い様ですから」

相手は一瞬悩んだようだけれど、思い直したのかこちらに向かってきた。

「それじゃあすみません。お言葉に甘えて…」

その人が脱ぎ始めたので私は反対方向を向いて見ないようにしているとお湯に浸かる音がして「あ〜」と私と同じような声を上げている。

「ここ広いから穴場ですよね」

相手の方は見ないまま話しかける。

「そうですね。こういうところはよく行くんですか?」

「今回が初めてです。1人キャンプのついでに寄ってみようと思いまして。ええと、私、保澄って言います。貴方は?」

「自分は原です」

「原さんは野温泉、お好きなんですか?」

「はい。今まで10ヶ所ぐらいは行きましたよ」

「え、凄い。どんなところがありました?」

気が付いたら向かい合って話していたけれどお互いに恥ずかしさや気まずさは無く話に花が咲く。

「そうですね…一番凄かったのは海の近くに湧き出す温泉なんですけど、波がバシャバシャ入ってきてえらい目に遭いましたよ」

「へー、面白い。脱衣所なんて当然無いんですよね?」

「そういうところが殆どですね。あったとしても男女共用とか…。まあ、入りに来るのは大体男の人ですけどね」

「やっぱりそうですよね。女にはハードル高いですから」

「混浴温泉だとワニがいるって言いますしね」

「あ〜、女の裸目当てで居座る人の事ですよね。そういう人がいるからこういう野温泉の方が良いかなって思ったんです」

「自分もです。風情が台無しですからね」

仕事以外で男の人と話すのは久しぶりだった。

原さんも旅行が好きであっちこっち行っているというのを聞いて『ふーにい』を思い出す。

「保澄さんはこのあとどうするんですか?」

「1人キャンプをする予定で○○キャンプ場に行きます」

「あっ、自分もそこに行くつもりです!」

「そうなんですか?じゃあ一緒に行きませんか。ここで知り合ったのも何かの縁でしょうし」

お湯越しとはいえ互いの裸を見てしまっているが不思議と嫌悪感はなく、もう少し話してみたいと思った。

「良いですよ。保澄さんとはもっと話したいですし」

「じゃあ、決まりですね。どうせなら下山も一緒にどうですか?」

「そうですね。じゃあ、自分が先に上がるのであそこの岩場で待ってます」

「分かりました」

原さんが身体を拭いたり服を着込んでいく音が背後からする。

何故だか少しだけドキドキしてきた。

「じゃあ着替え終わったんで行ってますね」

「あっ、はいっ」

私も元の装備を身に付けて原さんのいる場所へと早足で向かった。

「へー、カッコいい車乗ってますね」

いろいろと話しながら共に下山をしてお互いの車を見せ合う。

「高かったけど一目惚れして買っちゃいました」

「私も同じです。近場ならバイクだけど遠出するなら車の方が楽ですしね」

「分かります。でも女性なのにマニュアル車は珍しいですね」

「最初はオートマ限定だったんですけど、バイクに乗ってたから物足りなくて通い直したんです」

「確かにマニュアル車の方が運転している感じがあるので自分もマニュアル一択です。それじゃあそろそろ行きますか?」

「そうですね。どちらが先に行きます?」

「じゃあ自分が。この辺は土地勘もあるので」

「お願いします」

滑らかに進んでいく車を追っていると久方ぶりに心がドキドキしているのに気付いた。

「広いキャンプ場ですね」

なだらかな平地が広がり、風に乗って金木犀の香りが微かに漂ってくる。

管理人さんもいて利用客ならシャワーを使う事が出来るのは有り難かった。

「それじゃ、テント立てますか」

「はい」

原さんも設営は慣れているようで殆ど同じ時間で2人とも終わってしまった。

「これでのんびり出来ますね」

折りたたみ式のチェアに座って茜色に染まり始めた空を眺める。

「珈琲お好きだったら一緒にどうですか?」

「良いですね。保澄さんは珈琲、好きなんですか?」

「両親が喫茶店をしているので気付いたら好きになってました。手伝いもしていたので看板娘だったんですよ」

「それは楽しみです」

カセットコンロにやかん、フィルター、ミルなど必要な道具を用意する。

「手際良いですね」

「キャンプ場で飲むのが好きなので慣れちゃいました」

話しながらも挽いた豆をフィルターに入れてお湯を注いでいく。

「はい、どうぞ」

2人分出来たのでカップを手渡す。

「いただきます」

原さんは一口飲みこんだ。

「うん、美味しい」

「ふふっ、良かった」

安堵して私も口に含んで香りを楽しむ。

それからはいろいろな事を話し合った学生の時の事、会社の事、それから「ふーにい」の事も。

付き合った相手に「ふーにい」の事を話した事はなかったけれど、この人には話しても良いかなと思えた。

夕日が沈んで空が紫色になった頃に原さんが言った。

「そろそろ夕食にしない?珈琲、ご馳走になったから俺が作るよ」

「じゃあ、お願いしようかな」

言葉を交わしているうちにいつの間にか敬語からタメ口へと変わっていた。

「何を作るの?」

「キャンプ飯と言えば肉だからね。ソーセージとか焼鳥だよ」

炭で熾した火に鉄板を乗せて串を通した肉や野菜を並べていく。

「お酒飲める?」

「うん、大好き」

焼き上がるのを待ちながら缶ビールで乾杯する。

隣り合って肉に火が通るのを無言で見つめるけど沈黙が気まずいとは思わなかった。

「わっ、これ美味しい」

焼鳥を一口頬張るとスパイスの効いた味がする。

「良かった。タレは俺のオリジナルなんだ」

「中々無い味付けだけど自分のお店を開こうとかはないの?」

「自分の店かぁ。旅に満足したらそれも良いかもなぁ」

「その時は食べに行くよ」

美味しい食事にお酒がどんどん進んでいって話も盛り上がる。

〆の焼きそばを食べ終える頃には私達はすっかり出来上がっていた。

「鉄板とか洗わないと行けないけど面倒だなあ」

「えー?明日の朝やる方が面倒じゃない?私も手伝うからちゃちゃっとやってお酒飲もうよ」

「それもそうか。よし、やるかぁ」

「おー!」

こんなにテンションが上がったのはいつ以来だったろうか?

仕事中心の生活になってあやかたちと会う機会もずいぶんと少なくなってしまった気がする。

「よし、終わった!次は何を飲む?」

「何があるの?」

クーラーボックスの中を覗こうと近付くと目が合った。

数秒の沈黙の後にどちらからともなく顔を寄せて唇を重ねる。

そこからはもう歯止めが効かなかった。

テントに入って深い口付けを交わしながら服を脱がせ合う。

互いに胸を曝け出してキツく抱きしめ合うと彼の厚い胸板に胸が押し潰される。

口の中に舌が入ってくる。

熱を帯びた舌。私からも絡め合い互いの唾液を交換する。

息苦しさも忘れて夢中で貪り合う。

「ふふっ、まだ焼鳥のタレの味がする」

彼の首に手を絡ませて至近距離で見つめ合う。

今度は唇を啄むような浅いキスを交わす。

胸に手が伸びてきたがそれに身を委ねて体温を受け入れる。

「酔ってるからかな?手、暖かいね」

「少し熱ってるから。寒くはない?」

「うん、大丈夫。胸もドキドキして暑いくらい」

掌に胸が包まれて優しく揉まれる。

それだけで幸福感に満たされていく。

「ねえ…」

「ん、なに?」

「胸はもう一つあるんだけど。そっちも触ってほしい」

左手が伸びてきて右の胸を同じように揉んでくる。

「気持ちいい?」

「うん、気持ちいい…。胸は大きい方が好きとかあるの?」

「このぐらいの大きさが好きかなぁ。手に収まるぐらいが丁度いいかと」

「私は小さい訳じゃないからね?友達よりは大きいし」

再び濃厚なキスを交わす。

乳房を包んでいた掌は徐々に先端に向かって動き出し乳首を摘まれると

そこから感じる甘い快楽に身が震える。

重ねていた唇が首筋へと移り、鎖骨を通って唾液の跡を残しながら胸へと辿り着き、乳首を口内に収める。

乳輪をなぞるような単調な動きだけど、それだけで充分だった。

彼の頭を抱きしめて更なる愛撫を求める。

舌で弾く、吸う、舐める。

様々な刺激をランダムに与えられるけれど、そのどれもが気持ち良かった。

「…こっちもいい?」

デニムの生地越しに性器をなぞられる。

「うん、いいよ」

下着と一緒にジーンズを脱ぐ。

性器は既に潤っている。

「さっきの温泉でも裸だったのに今の方がドキドキしてる」

「あの時はお尻しか見てないよ」

「まあ、うつ伏せになってたしね。私がいてびっくりした?」

「そりゃあね。野温泉に行く人自体が少ないし」

「そうなんだ。でも出会ってその日のうちにこうなるなんて思わなかったよ」

「俺もだよ。こっちは指を入れるのと舐めるのとどっちが良い?」

「舐められる方が好きかなぁ。1人でする時も指入れはしないし」

「分かった」

舐めやすいように脚を開くと顔を寄せてくる。

「あはは、やっぱり恥ずかしいね…」

照れ隠しの為にそばに置いておいたお酒を一口呑む。

濡れた性器にキスをして感触を愉しむように唇で挟んだり、舌を這わせてくる。

もっとも敏感な場所に向かって徐々に舌が近付いてくるので期待が高まる。

「ん…そこ、気持ちいいよ」

舌先がクリトリスを捉えた。

乳首を舐めてもらった時の比ではないぐらいに強い快感が身体を奔る。

舌で円を描くように舐められるとマッサージを受けた時みたいに身体から力が抜けていく。

こんなにリラックスした状態で身体を委ねられるのは相性が良いのかもしれない。

「指、入れてみてもいい?」

「うん、いいよ」

普段自分ではしない事でもこの人とならもしかしてと期待をしてしまう。

そしてそれは予想以上の快楽だった。

クリトリスを舐められながら膣内をゆっくりと往復する指にますます脱力させられていく。

そして私は絶頂へと導かれて身体を震わせた。

「あれ?もしかしてイッた?」

「うん。気持ち良かったよ」

心地良い倦怠感に浸っていたが私ばかりが気持ち良くなったのでは申し訳がない。

「今度は私がしてあげる」

彼の服を脱がして半勃ちとなっているペニスにキスをする。

「何か凄いね…オスって匂いがする」

夢中になって先端から根元までキスの雨を降らせる。

「フェラするの好きなの?」

「うん、好き。余計な事、考えなくて良いから」

唾液を垂らして全体に塗りたくる。

「やば、それ凄いエロい」

興奮している事が分かり、安堵しながら亀頭を口に含む。

硬く、そして大きくする為に亀頭を舐めながら右手で肉の幹をしごく。

「まだイッちゃ駄目だよ。挿れるための準備なんだから」

彼がイかないように様子を見ながら余す事なく口淫奉仕を行う。

最も先走りの液を飲むのが好きだから敢えて焦らしたりしているのだけれど。

「ごめん、そろそろ出そうなんだけど…」

「このまま口に出すのと、中に挿れてイくのとどっちがいい?」

「挿れたいとは思うんだけどゴム、持ってきてないんだよね。こうなるとは思ってなかったし」

「…常備してるなんて言ったら醒めちゃうよ。今日は大丈夫だから、生で良いよ」

避妊具を使わないで交わるのは初めてだけど、一晩の恋と考えるなら悪くはないと思えた。

彼に跨って腰を沈めていく。

「ゴム着けてる時との違いは感じないなぁ。貴方はどう?」

「直接締められているのは着けた時より気持ちいいかな。それよりも体温を直に感じるよ」

「そうなんだ。ねえ、またキスしよ?」

彼が起き上がったので首に腕を回して舌を絡め合う。

(今までの人はフェラした後はキスしてくれなかったな…)

「痛かったりしない?」

「うん、大丈夫。むしろ気持ちいいよ。動いても大丈夫だと思う」

私が腰を動かすのに合わせて彼が抜き差しを始める。

特に示し合わせなくてもリズムが合い、濡れた音がテント内に響く。

他に利用者もいないから喘ぎ声も我慢する必要がない。

互いに快楽を求めて激しく貪り合う。

気がつけば正常位になってより深い、だけど最も快楽を感じる速度での抽送が行われる。

「ごめん、そろそろ出そうなんだけど外にだそうか?」

余裕も無いはずなのに気遣ってくれるのが嬉しい。

「ありがとう。でも私もまたイキそうだし、このまま続けて」

両足で彼の背中を固める。

彼も覚悟を決めたのかあっという間に果ててしまった。

「出る!」

「うん、中に出していいんだよ」

直接精液を注がれていると事に精神的な満足感を得て私は2度目の絶頂に達して、2人して大きく身体を震わせている。

射精が終わり、私の中から引き抜いた頃には2人とも息も絶え絶えで仰向けになる。

「ねえ、気持ち良かった?」

彼の左手を握りながら話しかける。

その手を握り返しながら彼が答える。

「凄く良かった。相性が良いのかもね」

「そうだね。中に出されたのも心が気持ち良かった」

「そっか…」

「責任とか気にしなくて良いからね?本当に安全な日だから」

「…うん」

彼の身体に重なってキスをする。

「ねえ、してみたい事があったんだけど…」

「ん、何?」

「お掃除フェラって言うんだっけ?それ、してみたいんだけど良いかな?」

「えっ…あ〜、じゃあお願いしていい?」

「うん」

2人の体液で濡れたペニスに舌を這わせて清めていくけれど、再び硬くなってしまった。

「本当に元気なんだから…。また、する?」

テントの中に漂う淫靡な空気に当てられて私は口で一回、中でもう一回精液を受け入れ、絶頂の甘い余韻に浸りながら眠りに就いた。

翌朝に起きた時は2人とも裸のままだったけど、何もなかったように服を着て朝食を食べ、ギリギリまで2人で過ごした。

「それじゃあ、これでバイバイだね」

「うん、店を持つ事も考えておく」

「楽しみ。その時は呼んでね」

「もちろんだよ。それじゃあ、また」

「うん、またね」

2人同時に車に乗り込んでいく。

分かれ道で別々の道を行く。

…………

………

……

この時から数年後、彼が開いたお店で私は接客をしている。

新卒で入った会社を辞めて正式にこのお店の一員となった。

そして変わった事といえばもう一つ。

苗字が『保澄』から『原』に変わった。

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