sideエノルミータ
「━━━揃ったようだね、新生エノルミータの面々が」
こんにちは、素敵なローブことヴァーステキンです。本日はロードおばはんを撃破してから改めて一同が集合する会合になります。役職名は、何故か右腕兼彼女兼その他諸々を授かってるデカパイ火力女がつけてくれました。ふざけんなよマジで。
「わざわざ呼び出して何の用だよ」
こちらは役職名『コソコソ潜伏工作員』ことルベルブルーメ。影になる魔法なのでまぁその通りですね。問題は直接戦闘であんまりこの魔法使うことないらしいけど。
「てかさぁ…真珠達の役職名おかしくない?」
こちらは役職名『アイドル志望宣伝部員』ことロコムジカ。文字通りだけどエノルミータにいるか?宣伝部員…部長は誰なんだよもはや。いねぇよ。
「ハァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜???????アタシが折角つけてやったってのに気に入らね〜っての〜??」
こちらは役職名『ベーゼちゃん親衛隊長』レオパルト。お前1番手前に来る役職名それでいいのか?いやもうそもそもこの組織事実上幹部が1番下なのに、親衛隊長もクソもないだろ。
「とりあえず今度から私ら巻き込む時の分はお前抜きで考えるわ」
そして私は役職名『ふわふわ変態魔人』ヴァーステキンです。お前ほんとふざけんなよマジでさ。変態魔人は否定しないよ?ふわふわもローブから来てるんだろうし……くっそ、なんかちょっと理にかなってるのが腹立つ。
「…………」
そしてこちらすやすや眠っておられるのが『おねむ本部長』ネロアリスです。可愛いねほんと、睡姦したいくらいだわまじで。え?変態魔人超えてるって?黙らっしゃい。で…メインの1人。
「……………」
「覇気が無いわね!!!!!」
『エノルミータ総帥』マジアベーゼ。何かもう弱り果てた何かになってる。ギリ意識あるけど、なんか痙攣してない?何で?
「うてなちゃん大丈夫!?おっぱいならあるけど!!!」
「やる気出せよ総帥!!!」
「……………~~~~~」
「声ちっせえ!!!」
いやぁ、やばい。こんなに弱ってるうてなちゃん初めて見た。何が原因だろうか。最近活動してないからトレスマジアに会えてないことかな。普通に原因だなそれ。
……とまぁ騒がしくしてるんだが……実はもう一人いる。私はちらりとそちらの方に顔を見せると、その当人はケラケラと笑っていた。
「あははは、ほんとにマジアベーゼなの?なんか全然印象違くない?姉妹?」
役職名『キチガイ』アコニティウム。何で私が初めてを奪ったやつがここにいるのかと言うと……これ回想入る必要すら無くてですね…おばはん撃破した後、解散する直前に『あ!軍門に降りまーす!』ってだけ。ほんとにこれだけ。私に復讐しに来たのかと思ったけど、そんな様子一切なし。怖いよこいつ。
「いや…ちょっと……脳が、疲れてて……」
「の、脳が…?」
「この前…ロードさんを、脳内変換したの……アレが、かなり……来て、まして……」
「あれそんな負担がかかるものだったのかよ……」
「意味不明すぎて面白いねぇ、何かの比喩?」
「いや彼女はロードの姿が受け入れなさすぎてさ、頭の中で幼女化してシバキ回してた」
「……?」
仲良さそうに話し…てるんだけど、本気で理解してない顔してる。いやこれはしゃーない。私も何言ってんのかさっぱりわからん。脳内変換で幼女にして勝ちました、ってのは事実だけど現象の説明が出来なさすぎる。
「勝つ為には…仕方無かったんです……けど、ロードさんを倒しても狩られた魔法少女は帰ってこない……復讐は、虚しい…」
「お前ほんとに悪の総帥?」
「素質は一番だけど性格があまりにも向いてねぇなこの女…」
世の中はなんと不条理なのだろう。本人が1番したくないことが、1番向いている仕事だなんて…いやごめん多分1番したくないどころか率先してやれるな。じゃあほんとになんなんだこの女。
「てか総帥って…ヴェナさんだったのでは…?」
「いやほら僕はマスコットだから」
「この総帥の組織のマスコットって多分淫獣って言うと思うよ私」
いやまぁ総帥の立場もロードを見る感じ、今仮に与えてるだけの椅子なんだろうけどさ。何がしたいのかはわかんないし、私は様子見かね。
「フム…今日は今後の戦いについて話そうかと思っていたのだけれど、うてながこの調子では難しいね」
「私ら何で呼ばれたん?」
いやまぁそもそも私ナハトベース住みで、偶にうてなちゃんの鞄に入ってたりこりすのアクセサリー係してるけどさ。呼ばれて行くわけじゃないんだよね。
そして当の本人ことこりすは、うてなちゃんの膝の上に移動して眠りこけていた。そこが寝心地良かったのかな?可愛いね。私に膝があればよかったけど、魔物の体しか生やせないからぬちゃ着いてんだよね。
「あ〜、トレスマジアとの?」
「あぁ」
「そういや最近見てねぇなぁ」
「そもそも私ら出向かないと出番ないでしょあいつら」
悪が行動しなかったら、基本的にアイドル活動しかしてないグループだぞあいつら。いやそれは普通に襲撃理由になるか……いやでもずっとそれに向けて活動してる訳じゃないでしょ流石に…
「推しを摂取できていない…辛い……悲しい………しかもアズールに至っては…どうしよう…どうしよう…折れてたら……」
「魔法少女が推しなの?」
「全体的に魔法少女推しだよウチの総帥」
「ははっ、何で総帥やってんの?」
キチガイが何一つ間違ったこと言ってない。いやマジで全部が悪の総帥に向いてんのに『何をやっても折れずに戦って悪を討ち滅ぼす魔法少女』が性癖なせいで向いてるのに向いてないという矛盾なんだよなこの女。
「まぁ今のアタシらなら、あんな奴ら余裕の、ぷっぷーだろ!」
「ぷっぷー…?」
「━━━いや、それはどうかしら…アイツらには気をつけておいた方がいいわよ」
「なして?」
急になんか言い出したぞアイドル女。そういやこいつ…というかこりすも含めてあん時変身解除しちゃってたな。その割にロードの魔物が全然いないような気がしたけど……なんかあったのか。
「━━━どういう事ですか?」
「アタシら見たんだよ!トレスマジア!」
「え」
「声でっか」
うてなちゃん急に元気になるじゃん。そういやあん時いたなぁ、トレスマジア。そりゃ街守るためにいるだろうと思って気にしてなかったけど……あいつらがロードの魔物を?あの数倒せる持久力も全体火力もなかった気がするけどな、あいつら。
「どどどどどどこで…!?どこで見たんですか!?」
「アンタと合流する前よ!4人全員居たわ!」
「よかった…トレスマジア…!この世に居てくれるだけでいい……!!」
「そんなに」
「確かに私も見たなぁ、あん時はそんな気にしてなかったけど……え、何?アイツら4人だけであの数の魔物倒したの?」
私が吸収したのも相当いるが、それ以上に魔物の数はいたはず…それを全部倒せたとなると、知らない間に相当強くなってんのか?
「あのアズールって奴…1番危険に感じたわ…!」
「おっぱい大きいもんな」
「真珠も負けてな………じゃなくて!!」
こいつノリいいな。でもそういうことじゃないらしい。でもまぁたしかにあの開発されちゃったデカチチマゾが、自分のことをきちんと受け入れたらだいぶやばい気がする……別方向に。
「全部あいつが倒したのよ…!見たこともない姿に変」
「ああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
うわびっくりした。さっきとは売って変わってうてなちゃんバカでかい声しか出ないじゃん。ヤバすぎ。
「ひっ!?何よ急に!!」
「ネタバレ」
「やめてもらえますか」
「ネタバレじゃなくて報連相でしょうが!!」
それか〜〜〜〜〜…うてなちゃんそういうの嫌いそうだもんね、でも割り切ってくれ貴方総帥なんだから。とは言うものの、魔法少女関係で聞き分けのいいうてなちゃんはうてなちゃんじゃないから仕方ないね。
「嫌ですダメです私は自分の目で見ます」
「総帥としてどーなのよ!!」
「やめとけ、アイツ聞かねぇって分かってんだろ」
「ッ〜〜〜〜〜〜!!!分かってるわよ!!!」
「あはは、私も相当だと思ってたけどこっちも中々戦闘狂いだよね」
「いや、あれそんなんじゃないよ」
「じゃあ何さ」
「『好敵手兼推しの新たな力に敗れたい』って欲求」
「あはは………えぇ……?」
本気で引き始めてるな。こいつ結構まとも…いや絶対違う。いや今はキチガイの話をしたい訳じゃないんだ。
「うぅ…会いたい……見たい……新鮮な情報に欲求が……」
「今日情緒不安定どころじゃないねうてなちゃん」
「………そう言えば、だけど…トレスマジアは今君らが壊した街の修復に出てるみたいだよ」
「なんでそれを早く言わないんですかね!?すいません私用事出来ました」
「今の精神状態を回復させるのにいいかもしれないしね、いいよ」
「うてなちゃんが行くならアタシもいく!!」
「君は怪我人だからダメだよ」
「あと変身アイテムはバレないよう置いていってね」
「ハイそれでは皆さんお疲れ様です!!」
「なんだったのよこの時間……」
すっごい勢いですっごいハイテンションのままうてなちゃん爆速で帰っちゃった。いやほんとになんの時間だったんだこれ。まぁ、別にいいけど…
「…………まぁ、うてなちゃんは兎も角としてさ。結局アズール何したわけ?」
「まぁあんたらには言ってもいいかもね……」
「待った」
キチガイが何故かデカパイオタクの意見を止める。なんだよこいつ、お前まで報連相の邪魔をするのか?
「ヴェナリータ」
「なんだい?」
「
「…………いいよ、問題ないだろうし」
何言ってんだこいつ、とは思ったがいつもの変わらない営業スマイルなゼットンはちょっと悩んだようだ。こいつが悩むってことは、なんか計画に支障がある可能性があると思ったからか?いや、まぁいいだろう。
「私も全部見たわけじゃないわよ?」
「はよ」
「…姿が変わったのよ、いつもの魔法少女姿から…なんて言うんだろ…着物っぽい姿に」
ほーん。まぁうてなちゃん的に言ったらパワーアップイベントを済ませたとかそんな感じかな。
「そんで、辺り一面のロードの魔物…全部一気に凍らせて倒しやがったんだ…!」
「へえ…」
そういやキチガイは水だったな。なんかやけに楽しそうな反応してるけど、お前割とシャレにならない部類の技あるの知ってるからな?私達いる時に使うなよ?
「しかしそれ聞く限り範囲系か?」
「いやぁ…?単に範囲を凍らせるだけなら、その着物姿にならなくてもできるでしょ…本来の力、隠してるんじゃない?」
「はぁ?あんだけ強い力なのに?」
「そうだねぇ…ネモにはかなりわかりやすい例えになるんだけど…ゲームのレベルアップみたいなもんだよ」
「…ドユコト?」
アイドルが首を傾げる。私も言いたいことがわからん。こいつキチガイすぎて言語もキチガイになったんか?と思ったがそのまま言葉を続けていく。
「レベルアップするとさ、色んなステータスが増えるんだよ。攻撃力とか防御力とかね…で、その着物姿っていうのはそのレベルアップで覚えた時間制限技…
ゲームあんまやらん組にも分かりやすく伝えると、特訓して能力の出力をあげた…私達的には、『星が増えた』って奴」
「……つまり、その着物姿になれるようになった時から元々の出力自体も強くなったって事か」
「そうそう!流石にゲームよくやってるみたいだし、わかるよね!」
…残った4人はなんとなーくの理解だった。まぁ特訓して強くなった、その成果が着物姿ってだけで元々が強くはなっていたって事か。なるほどね。
「んじゃあ、次戦う時はよーく考えてやらねぇとってことか」
「そうだね…なんなら僕が」
「お前はやりすぎるからダメ」
「えー?そんなぁ」
残念そうにすらしない、笑顔でケラケラ笑いながら言葉だけ残念がるキチガイ。まぁでもこいつはほんとにやりすぎるから、まじでヴェーイナに頼んで変身アイテム没収してくれるように頼もうかな。
……とまぁ、新しい敵の新しい力の話を軽くだけ聞いてその日は解散するのであった。