sideエノルミータ
ある日、ナハトベースにて……いつもと変わらず変身アイテムのままで寝ていたヴァーステキンを、持ち上げながらヴェナリータが起こす。
「起きなよヴァーステキン」
「━━━━何、折角変身アイテムで不自由さを嘆きながら寝ていたのに」
「今、マジアベーゼと…もう1人…顔合わせをしているところなんだけど」
「へぇ、何もう1人雇えたんだ?どんな子?」
「連れて行ってあげるよ…名前はレオパルト…本名阿良河キウイ」
新たな幹部。その言葉に一体どんな可愛い子が来てくれたのかと、内心楽しみにしているヴァーステキン。だが、ヴェナリータが連れていくにつれて段々と爆発音が近づいていることに気づく。
「なんかやかましくない?」
「レオパルトは少々好戦的だからね」
「因みに魔法はどんな感じ?」
「単純明快さ…爆弾…いや、もっと簡単に言えば爆薬関係のもので戦う魔法さ」
爆弾、銃弾、砲弾…現代において火薬を使う兵器は数多い。それら全てを再現し戦うというのなら心強い味方だろう。現在は何故か戦っているようだが。
「着いたよ」
「……あの爆乳パンツがレオパルド?なんか捕まってない?」
ヴァーステキンの言う通り、レオパルトは魔物の体に着いているガラスの中に閉じこめられていた。凡そマジアベーゼが魔物化したついでに閉じ込めたという所だろうと、ヴァーステキンは予想していた。
「━━━私、私戦いたくなんてないんです。貴方とも、トレスマジアとも……皆、可愛くて強いから。可愛いから……
「おいなんかヤベーこと言ってんだが?」
「君と同じだね」
マジアベーゼのセリフは、心からの純粋な笑みで起こっていた。それは、少し…いや普通にドン引きしてしまうもので…彼女は心の底から無茶苦茶にしたいと考えているのだ。そしてそれはレオパルトも感じとっているのか……心の底からドン引きしてしまっていた。
「私がサルファに負けて笑ってた理由…教えてあげます。私、とっても嬉しくって…喜びが込み上げてきて、
「「クソヤバ女かよ……」」
「レオパルドは兎も角、君が言うのかい?」
「いや、私は強かったり可愛かったり綺麗だったり…そういう女が快楽堕ちして快楽を欲する惨めさを見たいのであって……あんな好きな子の顔をもっと見たい的なウブな理由でそんなえげつねぇ事しねぇよ」
そして、ヴェナリータとヴァーステキンは再びマジアベーゼとレオパルトの2人に視線を戻す。2人が会話している間にも、レオパルトはマジアベーゼに電気攻めされていた。
「どうですか!?気持ちいいですよね!?私も!!とっても!!!気持ちいいです!!!!!」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!?!?!!!」
「あの女やべーって、電気攻めとか変身してなかったら死んでるだろあれ……あ、瓶割れた。」
眺めているところ、レオパルトを捕まえていた魔物の瓶が割れる。そして、多少焦げて衣装もビリビリになっているレオパルトが地面へと倒れる。
「あれはあれでえっちだな…」
「レオパルト…いいえ、キウィちゃん…今の貴方は、世界一可愛いですよ」
「うわぁ…あの女やば……誑しじゃん…やばめの方向の……ってヴェンヴェンジャー?なんで近づいてるの?」
「君も自己紹介しておきなよ……うてな」
近づいてきたところで、ヴェナリータがマジアベーゼに声をかける。マジアベーゼはヴェナリータに気がつくと、優しくキウィを床に座らせたあと振り返る。
「帰る時間ですか?」
「その前に…もう一人紹介しておこう…ヴァーステキンだ」
そう言って、ヴェナリータはアイテム状態のヴァーステキンを見せつける。
「…?」
「……やぁ、マジアベーゼ。この間のサルファ戦である程度実力を見せてもらったよ…まぁサルファがあんなゴリラだとは私も思わなかったんだけど…ってどしたの」
「アイテムが喋ってる…」
「…あぁ、わかんないか流石に……
そして、ヴァーステキンはマジアベーゼの前に姿を現す。その姿には流石に見覚えがあったのか、マジアベーゼは驚くことはあまりなかったのであった。
.
.
sideエノルミータ…ヴァーステキン
私は、マジアベーゼの前にその変身した姿を現す。流石に覚えてくれたようで、あんまり驚いていなかった。
「どうも〜」
「あぁ、あの時の…あの時はありがとうございました」
そう言って、鞭を持ってない手を差し出すマジアベーゼ。握手したいようだ。なるほど、私には手がないから袖での対応になるんだけどな。
「今の変身見てもらったらわかると思うんだけど、まともなタイプじゃないからね私。なもんで、袖口握ってくれたらいいよ」
「構いませんよ、友好の証ですからね…友好の」
「そりゃそうだ、友好だし形はなんでもいいもんね、形は」
そう言って私も手を差し出す。そして、互いの手が近づいていき……
「てめぇやっぱり鞭に魔力込めてたかこのサド女!握ったままなのはおかしいと思ったんだよ!!」
「お互い様ですね…!鞭での攻撃を読んで弾いて…そのついでで、私を仕留めようとしてたくせに!!」
「はっ!それこそお互い様ってもんでしょ!と言うかなんのつもり!?攻撃仕掛けて…私なんかしたっけ!?」
「……サルファのことですよ」
「…は?サルファ?」
サルファがどうしたって話なんだけど。私がやったのは無様な格好をSNSに上げて、いっぱい見てもらってるってだけなんだけどな。それしか思い当たることがないけど、一体全体何が気に食わないってんだい。
「なるほど…分かりませんか…貴方は、魔法少女関係なしに人を陥れる事が好きなようですね」
「そりゃそうだ…お前も同じ穴の狢だろうに」
「違いますね…確かに私は魔法少女をいじめて、辱めて、その時に得られる顔が見たいですよ……しかし、彼女たちは魔法少女…魔法少女である以上敵には勝たなければならない。そう、私が求めているのはただ子供のようにいじめることじゃない……私は…どれだけ非道で、邪悪で、下劣で、下品で、最悪で、外道な敵であっても…友情、努力、勝利によって勝つ…魔法少女の姿です。その途中で得られる見たことも無い顔…それを特等席、悪の幹部として見れるのが、いいんですよ。貴方のように…ただ、辱めて…陥れて…魔法少女を魔法少女で無くす様な貴方の行いは、猿でも出来る欲望の発散です…はっきり言いましょう…貴方のエロには、ストーリーがない」
━━━━あぁ、成程?理解した、納得した。引っかかってはなかったけど、ふとでてきた疑問が瞬時に解決した。こいつ、勝つ気は無いんだ。むしろ死ぬ気は無いが
「よく喋ることで…要するになんだ、マゼマゼベーコンちゃん?攻撃するサンドバッグになりたいんだ、君」
「そうですね…そして今のやり取りで分かりましたよ…貴方、周りの全てを見下してますね…自分が犯す側、相手は犯される側…名前をまともに言わないのは…相手を挑発するため」
「さて、どうだろうね?アカベコベンザちゃん」
「けれど、その安い挑発…弱いですね。まるで赤子の様…泣きわめく赤子の様に欲望丸出しなのにも関わらず、それを成すだけの状況を自分で整えられない。だから精一杯整えようとして、反抗期の子供のように周りを否定し、バカにする」
「……」
ほんと、よく喋る。喋りすぎて注意散漫になってんじゃないの?ひっそりと爪伸ばして周りを囲んでるってのにさ。もちろん、魔法で隠してんだよ。
この女に魔法はバレきってない…なら、そのまま突き刺して終わりにしよう……と思ってたら、地面にバシンと鞭が叩き…いや違う。さっきのガラスの破片だ。それに再度鞭を当てた。
「凡そあなたの魔法は把握しています。自らや、触れたものを消す魔法と言った所でしょうか?SNSにあげたマジアサルファの動画を見るに…物体、物質として存在していない記憶や感情…感覚系統のものも操作可能とみました。私に触れた時、恐らく何かしらを消して…意のままに操るつもりだったんでしょうね」
そう言いながら、マジアベーゼは周りのガラス破片にひたすら鞭を当てていく。それは砕けながらも魔物化していき…ガラス破片に羽が着いたかのような見た目へと変貌していく。
「………仮にそうだとしても、見えないものをどうやって対処しようと…!」
「そうですね…見えないのなら…
瞬間、散々に増えたガラス破片の魔物が一斉にマジアベーゼの周りの床に突き刺さっていく。そして、その中には私の爪も有り…縫い付けられるように固定されてしまう。
「ちっ…!?」
「おっと…私の魔法を不活性化させようとしても無駄ですよ。既に突き刺さったのをどうするおつもりで?それに、その前に私が他の瓦礫などで同じようにしてしまえばいたちごっこでしょうね」
そう言っている時点で、既にマジアベーゼの周りには瓦礫で出来た魔物がいくつも宙に浮いていた……ちっ、まさか負けるとは。こうなれば関係ない、やろうと思えばこいつは私を押し潰して終わりだ。突き刺さっている魔物を不活性化させた途端、一気に魔物たちを差し向ける。どう考えても無理だ、さすがに私も舐めすぎてたか?いや、舐めては無い…こいつの魔法の使い方が上手すぎる。頭も回る。
「…お前、面倒臭いな」
「トレスマジア箱推しでしてね…」
「…はい?」
「まぁ、意志をねじまげてまで屈服させるその姿には…腹が立ったもんですよ…」
おかしいな、こいつ今まで拘束でのスパンキング…残りは話聞いただけだけど拘束でのくすぐりプレイ、目隠しして押し倒したりとか、サルファも拘束して蝋燭垂らしたって聞いたけど?え?SMプレイで意志を捻じ曲げようとしてるやつがなんか言ってる?
「ひとまず…殺しはしません…ですが、相応の罰は受けてもらいますよ…!」
「結局やるんかーい………いいか、今回は負けるから暫くは大人しくしといてやるけどお前いつかその性癖で折れるやつが出てくるかもしれないってことはホント覚えてぷぎゅえっ」
そして、私は押しつぶされた。いやまぁ、生きてはいるんだけどさ。お前ほんとふざけんなよマジで、いつか覚えてろよお前ほんとまじで。お前が何かしら獲物を堕とした時、その獲物いただいてやるからな…私の気分が乗ればな!!ばーかばーか!!胸丸出しペケペケ女!!
キウィは横で眺めたまんまです
「わー!ベーゼちゃんかっこいい…!」って余計に惚れ込んでます