夢の国チキンレース短編集 作:ハハッ
もしシンドロームが生きていて、ヘレンに目をつけていたら?
街は、示し合わせたように一斉に現れた複数のヴィランによって襲撃されていた。インクレディブル一家とフロゾンは、各地で同時に発生する被害を食い止めようと奔走していたが、敵の数があまりにも多く、事態を封じ込めるだけでも精いっぱいだった。
それ以上に厄介なのが、ヴィランたちの使用している装備だった。重力を操作する発生装置、装甲車さえ切断する光線銃、装着者の筋力を何十倍にも増幅する機械式スーツ。
どれも街の犯罪者が自力で用意できるような代物ではなく、警察の装備では到底太刀打ちできない。統率など取れていないはずの悪党たちが同時に高度兵器を手にしたことで、街は瞬く間に戦場へ変わり、警官隊も後退を余儀なくされていた。
だが、その兵器がすべて同じ人物によって提供されたものだとは、まだ誰も気づいていなかった。今回の大規模襲撃は街を征服するためではなく、インクレディブル一家を分断し、ある一人を孤立させるために仕組まれた、巨大な陽動にすぎなかったのだ。
ダッシュとヴァイオレットは、重力制御装置を操るヴィランを相手にし、Mr.インクレディブルとフロゾンは、強化外骨格に身を包んだ大男を押さえ込もうと格闘していた。ほかのヒーローたちも街の各所で懸命に応戦しており、その中には、もちろん名高いイラスティガールの姿もあった。
新たな爆発が起きた地区へ駆けつけたヘレンは、高層ビルの屋上から迷いなく身を躍らせた。落下しながら脚を長く伸ばして衝撃を吸収し、地面へ着地すると同時に、しなやかな身体を元の均整の取れた姿へ戻す。周囲の安全を素早く確認した彼女は、崩れた建物の瓦礫に閉じ込められている市民たちのもとへ駆け寄った。
「大丈夫、今助けるわ。慌てないで、順番にここから離れて」
腕を何メートルも伸ばし、巨大な瓦礫へ幾重にも巻きつける。全身を強くしならせながら重い破片を持ち上げると、その下にできた隙間から市民たちを一人ずつ逃がしていった。
「そう、そのまま真っすぐ走って。もう振り返らないで!」
救助を続けながらも、ヘレンは警戒を怠らなかった。この破壊を引き起こしたヴィランが、どこかに潜んでいるはずだ。だが、長年の経験と優れた勘を備えた彼女でさえ、次に起こることまでは予測できなかった。
少し離れた崩壊したビルの陰から、一人の男が彼女を見つめていた。その視線には、戦況を見極める冷静さと、研究対象を観察する科学者の好奇心、そして身体にまとわりつくような粘ついた欲望が混ざっている。
男の名は、シンドローム。
かつて飛行艇の爆発とともに死亡したと思われていた天才発明家は、奇跡的に生き延びていた。長い療養ののち、表舞台から姿を消したまま密かに研究施設を再建し、自分を打ち負かしたインクレディブル一家への復讐を計画していたのだ。
だが今回、彼が最も欲している獲物はボブではなかった。
シンドロームは物陰に身を隠したまま、しばらく何もせずにヘレンの姿を眺めていた。身体へ吸いつくようなスーツに包まれた、丸みのある豊かな尻。瓦礫を持ち上げるたびに、家族の紋章の下で柔らかく揺れる肉感的な胸。そして、濃いブラウンの髪に縁取られた、成熟した女性らしい蠱惑的な顔立ち。
何年もの歳月を経てなお、彼女は息を呑むほど美しかった。むしろ三人の子供を育てたことで、かつての引き締まったヒロインらしさへ豊かな母性が加わり、その魅力は以前よりも増しているようにさえ見える。
(相変わらず見事だな、イラスティガール。いや……昔よりずっといい)
瓦礫を支えるために踏ん張ったヘレンが腰を低く落とすと、スーツに包まれた尻の形がいっそう鮮明になる。シンドロームは満足げに口元を歪め、その姿を余すところなく目に焼きつけた。
(あの筋肉だけが取り柄の大馬鹿には、もったいない女だ。こんな傑作を妻にしておきながら、ただ家庭へ閉じ込めて歳を取らせるなんて、芸術を見る目がまるでない)
もっとも、今のヘレンも十分に美しい。だが、自分ならばさらに高みへ引き上げられる。彼女の伸縮自在な肉体へ手を加え、もともと備わっている女としての魅力を極限まで引き出せば、世界に二つと存在しない真の芸術品を作り上げられるはずだ。
(心配するなよ、ヘレン。俺がお前を完成させてやる。あの男の妻なんかじゃない、誰もが目を奪われずにはいられない、最高のイラスティガールにね)
ヘレンが最後の市民を瓦礫の下から引き出し、安全な場所へ送り出そうと背中を向けた瞬間、シンドロームは腕に装着した装置を展開した。掌の上へ現れた小型光線銃の照準を彼女の背中へ合わせ、迷うことなく引き金を引く。
銃口から放たれた鮮やかなピンク色の光線が、イラスティガールの背中を正確に撃ち抜いた。
「ああっ……!」
不意打ちを受けたヘレンは苦鳴を漏らし、前へよろめいた。ピンク色の電流が背中から全身へ走り、スーツに包まれた身体の輪郭をなぞるように明滅する。
「くっ……な、何なの、これ……身体が……!」
しなやかな肢体が大きく震え、膝から力が抜けかける。腕で自分の身体を抱くようにして耐えるヘレンの姿を見て、救助された市民たちは悲鳴を上げ、その場から一目散に逃げ出した。
シンドロームは彼らを追おうとはしなかった。取るに足らない市民など、最初から目的ではない。長い時間を費やして街全体を混乱させた末、ついに欲しかった本当の獲物を手に入れたのだから。
唯一の問題は、新たに開発したこの光線が効果を発揮するまで、わずかな時間を要することだった。
イラスティガールは頭を押さえ、ふらつきながらも必死に意識を保っていた。視界が揺れ、全身の奥では説明のつかない熱が燻り始めていたが、彼女は歯を食いしばってそれを押し殺す。
(しっかりしなさい、ヘレン……ただの光線よ。こんなもので、私を止められるはずがない)
「そこにいるのは分かってるわ。隠れてないで、出てきなさい!」
呼びかけに応えるように、物陰から男が悠然と姿を現す。その顔を認めた瞬間、ヘレンの目が驚愕に見開かれた。
「シンドローム……? まさか、生きていたの……!」
「再会できて嬉しいよ、イラスティガール。俺もずっと、もう一度お前に会いたいと思ってた」
シンドロームは楽しげに笑い、手にした光線銃を誇示するように持ち上げた。その瞬間、ヘレンの表情から驚きが消え、歴戦のヒーローらしい鋭さが戻る。
「そう。だったら今度こそ、二度と悪さができないようにしてあげるわ」
シンドロームが再び照準を合わせるよりも、ヘレンが動くほうが遥かに速かった。伸びた右腕が一直線に飛び、拳が光線銃を下から強く打ち上げる。銃は彼の手を離れ、瓦礫の向こうへ音を立てて転がっていった。
「こんなものに二度も当たると思った? もう終わりよ、シンドローム」
そう低く言い放つと、ヘレンは地面を蹴って一気に距離を詰め、シンドロームの眼前へ着地した。
「今度こそ逃がさない。おとなしく私と来なさい!」
ヘレンは胸を張り、怯んだ様子など一切見せずに宣告した。その声には確かな強さがあり、数々の窮地を切り抜けてきた熟練のヒーローに相応しい威厳が宿っている。
背後から攻撃を受けたのは、警戒を怠った自分の失敗だった。一歩間違えれば、救助していた市民まで危険に晒していたかもしれない。だが幸い、シンドロームの光線は一瞬身体を痺れさせただけで、今のところ目立った異常は感じられなかった。
(少し身体が熱いけど、動けないほどじゃない。油断さえしなければ、捕まえられる)
同じ過ちは繰り返さない。そう自分へ言い聞かせたヘレンは、わずかに乱れた呼吸を整えながら、シンドロームを鋭く睨みつけた。
「おいおい、感動の再会にしては手荒すぎるだろ? 相変わらず気が強いな、イラスティガール」
シンドロームは後方へ一歩退いたが、その顔から余裕に満ちた笑みは消えていない。その態度に不審なものを感じながら、ヘレンは彼の全身と両腕に残された装備へ素早く視線を走らせ、逃げ道を塞ぐように一歩ずつ前へ進んでいった。
シンドロームは、肉体だけを見れば大した相手ではない。燃え上がる炎のような赤い髪と、目元を覆う黒いマスク、そして白と黒を基調にした派手なスーツは嫌でも目を引くが、その下にある身体は、鍛え上げられたヒーローと比べれば典型的なナードのような細身だ。生まれつきのスーパーパワーもなければ、格闘技術に秀でているわけでもない。
驚異なのは、あくまでも彼の頭脳と発明品だ。だが、その発明品である光線銃は、すでにヘレンが叩き落としている。両腕に装着した装置へ注意を払う必要はあるものの、接近戦に持ち込んでしまえば、歴戦のヒーローである彼女が後れを取る理由はなかった。
シンドロームが発明した兵器に、これまで何度も苦しめられてきたことは認める。それでも今の彼は、肝心の武器を失い、自分の前で強がっているだけの男にすぎない。ヘレンはそう判断していた。
(あとは、一発だけ。まともに拳を当てれば、それで気絶させられ――)
(気絶、させ……)
(え……?)
次の一歩を踏み出そうとしたところで、甘く痺れるような感覚がヘレンの背筋を駆け上がった。
「んっ……!」
思わず足を止め、奥歯の隙間から鋭く息を吸い込む。指先に生まれた微かな疼きは腕を伝い、胸元から腹部、腰、爪先へと瞬く間に広がっていった。頭の芯まで侵されていくような奇妙な感覚に、ヘレンの全身が小刻みに震え始める。
「な、何……これ……さっきの光線が、まだ……!」
胸の奥で心臓が激しく脈打っていた。呼吸をするたびに喉が狭まり、息をうまく吐き出せない。だが、全身を巡る熱が深く浸透していくにつれて、荒れ狂っていた鼓動は不自然なほどゆっくりと落ち着き始めた。
危険だと訴えていた思考までもが、甘い痺れに包み込まれ、少しずつ鈍くなっていく。
シンドロームは、その様子を満足げに眺めながら笑みを深めた。光線銃を叩き落とされたことなど、彼にとっては何の問題でもなかったのだ。必要な量の光線は、すでにヘレンの身体へ撃ち込まれている。彼女がこうして異変を見せ始めたことこそ、自らの発明が計算どおりに作用した証拠だった。
「くっ……こんな、もの……で……!」
ヘレンは気力を振り絞って一歩踏み出そうとしたが、膝から突然力が抜けた。両脚を地面につき、そのまま脚の上へ腰を落とす。下唇を強く噛んで声を堪えようとしても、見開かれた瞳には隠しきれない動揺が滲んでいた。
「シンドローム……私に、何をしたの……?」
「慌てるなよ、イラスティガール。ショーは始まったばかりだ。せっかく俺が、お前をもっと美しく完成させてやろうっていうんだからさ」
「ふざけ、ないで……っ。私の身体を……元に、戻しなさい……!」
立ち上がろうとした瞬間、ヘレンの能力が意思に反して暴走した。脚と腰が一度だけ大きく伸び、すぐに元の形へ戻る。
「身体が、勝手に……!」
肉体に永久的な変化はなかったが、コスチュームは違った。エドナが作り上げた特殊繊維は、普段ならヘレンの伸縮へ難なく追従するはずだった。だが、シンドロームの光線には彼女の身体だけでなく、スーツの分子構造まで脆弱化させる効果があるらしい。急激な伸縮へ耐えられず、太腿と腰の生地に亀裂が走る。
「あぁっ! スーツが……!」
続いて胸元が不自然に引き伸ばされ、胸の中央にあった様式化された「i」の紋章が乳房の丸みに沿って大きく歪んだ。やがて白い装飾部分に亀裂が入り、張り詰めた生地が乾いた音を立てて裂け始める。
破れた生地が肌へ擦れ、ヘレンは羞恥に頬を赤らめながら胸元を腕で覆う。
「やめて……こんなことまで……!」
再び立とうとしても、今度は手足が彼女の命令を聞かなかった。伸ばそうとした腕も僅かに震えるだけで、力なく地面へ落ちてしまう。
肉体そのものは何も変わっていないのに、自分の意思だけが身体へ届かなくなっている。
そればかりか、シンドロームを敵だと考えようとするたび、頭の奥へ甘い痺れが走り、警戒心が霞んでいく。それなのに、彼の声だけは不自然なほど鮮明に耳へ届くのだ。
「やめて……私の頭から、出ていきなさい……!」
シンドロームは勝ち誇った笑みを浮かべると、瓦礫のそばへ歩き、落ちていた光線銃を拾い上げた。
それに気づきながら動くことのできないヘレンは、破れた胸元を片腕で隠し、もう片方の手を地面についたまま、どうにか彼を睨み上げる。
「あなた……本当に、私へ何をしたの? あの光線は何なの……?」
「これは単なる麻痺装置じゃない。お前の神経を俺の命令へ結びつけ、その頭へ新しいルールを教え込む、特別な発明さ。どうだ? 我ながら最高傑作だと思わないか?」
「新しい……ルール……?」
「まず、俺を呼ぶときは『ご主人様』だ。それだけ覚えておけばいい。俺がお前のご主人様で、お前は俺の――」
シンドロームはそこで言葉を止め、顎へ手を当てながらわざとらしく考え込んだ。
「いや、『イラスティガール』じゃ駄目だな。あれはボブと肩を並べて戦うヒーローの名前だ。これから俺が作り上げる女には似合わない」
「私は……イラスティガールよ。あなたなんかに、私の名前を……生き方を決められるものですか……!」
「じゃあ、試してみよう。お前の本当の名前を言え」
「ヘ、ヘレン……」
止めようとするよりも先に、その名前が唇から零れ落ちた。ヘレンは自分の口を両手で塞ぎ、驚愕に目を見開く。
「……ヘレン・パー」
(どうして……? 言うつもりなんてなかったのに、勝手に口が……!)
シンドロームが正体を知っていること自体は、今さら問題ではない。彼は以前からパー家の住所も家族構成も把握していた。それでも、命令された瞬間に自分の意思を無視して答えてしまったことが恐ろしかった。
(あの光線は身体を動かせなくするだけじゃない。私の頭まで……命令に逆らえないよう、作り替えようとしてる……!)
「もちろん知ってたさ、ヘレン。けど、本人の口から聞きたかったんだ。俺の命令が、お前の頭にきちんと届いているか確かめるためにね」
シンドロームは勝ち誇った笑みを浮かべ、ヘレンを頭から爪先までゆっくりと見渡した。
「ヘレンか。可愛らしくて、いい名前じゃないか。お前みたいな、とびきり色っぽい人妻にはぴったりだ」
「そんな呼び方……やめなさい。私はあなたの実験台じゃないし、ご主人様なんて絶対に――」
「こっちへ来い、ヘレン」
シンドロームが人差し指を一本だけ動かし、自分のほうへ招いた。
その途端、ヘレンの身体が彼女の意思を無視して動き始める。両脚が勝手に力を取り戻し、身体を持ち上げると、ご主人様の待つ場所へ向かって一歩を踏み出した。
(違う! ご主人様じゃない……シンドロームよ。犯罪者で、卑怯者で、私たちの家族を傷つけた最低の男――!)
ヘレンは必死に抵抗した。足を止めようと全身へ力を込め、地面へ縫いつけるように踏ん張ろうとする。それでも脚は彼女の命令を聞かず、魅力的な尻を左右へ揺らしながら、シンドロームとの距離を一歩ずつ縮めていく。
「やめて……! 私の身体なのよ。勝手に動かさないで……!」
「ダメダメ。それじゃ面白くない。そんなふうに二本の脚で歩く権利は、まだお前にはないんだ。四つん這いになれ、ヘレン。立って歩いていいときは、俺が教えてやる」
命令を受けた瞬間、ヘレンの両膝と両手が地面へ落ちた。
「あっ……!」
自分の意思とは無関係に四つん這いの姿勢を取らされたヘレンは、シンドロームのもとへゆっくりと這い進んでいく。胸が破れかけたスーツの中で揺れ、その後ろでは大きく丸みを帯びた尻が、膝を動かすたびに左右へ蠱惑的に波打っていた。
「やめなさい……こんな格好で、あなたのところへ行くつもりなんて……!」
「それでも身体は、ずいぶん素直に動いてるじゃないか。俺の発明は完璧だからね」
勝ち誇った笑みを浮かべたシンドロームは、白と黒のスーツの腰元へ手をかけ、ゆっくりとファスナーを下ろしていく。その動きを目にしたヘレンの青い瞳が大きく見開かれ、胸の奥には恐怖が駆け巡った。
だが同時に、光線によって書き込まれた新たな思考が、甘美な多幸感となって脳内へ溢れ出す。
(逃げなきゃ……今すぐ立ち上がって、シンドロームを捕まえないと……)
(でも、ご主人様が……私に見せようとしてる……)
ふっくらと艶を増した唇を、ヘレンは無意識に舐めていた。シンドロームが衣服の中から硬く勃ち上がった肉棒を取り出すと、それは勢いよく跳ね、彼女の眼前で晒される。
「そんな……ものを、私に見せないで……!」
拒絶の言葉とは裏腹に、ヘレンは這うのをやめられなかった。シンドロームの両脚の間で揺れるものを凝視したまま、吸い寄せられるように距離を縮めていく。
やがて、その唇と太い肉棒との間は、わずか数センチを残すだけとなった。
「はぁっ……はぁ……」
半ば開いた唇から熱い吐息が漏れ、硬く張った表面を撫でる。ヘレンは抗おうと顔を背けかけたが、甘く痺れた思考が彼の匂いをもっと深く求め、再び鼻先を近づけさせた。
息を吸い込むと、濃密な男の匂いが鼻腔を満たした。その生々しい香りは呼吸とともに頭の奥へ入り込み、残っていたヒーローとしての警戒心を覆い隠すように、彼女の感覚へべったりとまとわりついていく。
(嫌……こんな匂い、嗅ぎたくないのに……どうして、もっと近くで感じたいなんて……)
彼は大きかった。太さも長さも、夫であるボブを上回っているように見える。
だが、そんなことに意味などないはずだ。シンドロームは犯罪者で、自分はヒーローなのだ。彼を捕らえ、刑務所へ送り、二度と街を襲えないようにする。それがイラスティガールとしての使命であり、彼の肉棒へ跨がり、腰を振り、口でたっぷりと奉仕して――
「い、嫌っ!」
ヘレンは全身を大きく震わせ、頭の中へ流れ込んできた淫らな命令を振り払おうとした。
「違う……! 私はそんなこと望んでない。あなたを捕まえに来たのよ……!」
「ハハッ! いいね、その顔。身体は俺を求めてるのに、頭だけはまだヒーローのつもりか?」
シンドロームは楽しげに笑うと、スーツのズボン部分を整えないままヘレンの前へしゃがみ込み、四つん這いの彼女と視線の高さを合わせた。
「な、何を――んっ!」
彼の手が頬へ添えられたかと思うと、唇を塞がれた。驚いて開かれたヘレンの口へ、シンドロームの舌が躊躇なく入り込んでくる。
「んんっ……! んぅっ、やめ……!」
抗議しようとする声は、重ねられた唇の間で甘い呻きへ変わった。ヘレンの頬が見る見る赤く染まる。シンドロームの舌は歯列をなぞり、頬の内側を舐め上げたあと、逃げようとする彼女の舌先へ執拗に絡みついた。
「んっ、んん……!」
ヘレンは反射的に舌を押し返した。だがシンドロームはすぐさま彼女の舌を上から押さえ込み、口内を丹念に掻き回しながら、抵抗する余地を奪っていく。
(こんなキス……認めない。ボブ以外の男に、こんな……!)
逃れようと顔を引いたものの、頬に添えられていた手が後頭部へ回り、長く伸びた髪ごと掴んで固定した。ヘレンは首を振ることもできず、唇を密着させたまま、シンドロームの舌を口内へ受け入れさせられる。
「んむっ……んんぅ……!」
彼の舌は、見せつけられた肉棒と同じように、遠慮なく彼女の口内へ入り込んできた。押し返そうとする舌を弄び、上顎から舌の裏側までを執拗に責め、息継ぎのわずかな隙さえ与えようとしない。
(ご主人様がボブを上回っているのは、あれの大きさだけじゃない……キスまで、こんなに上手で――――違う! ご主人様じゃない……!)
ヘレンは再び身体を引こうとしたが、シンドロームの手に頭を押さえられているうえ、光線の効果によって両手を動かすという単純な抵抗さえ思いつけなくなっていた。
唇を押しつけられ、舌で口内を支配されるたび、甘い刺激が脳へ直接送り込まれていく。シンドロームの唾液は、異常なほど甘く感じられた。舌へまとわりつく味をもっと確かめたいという欲求が、彼を拒絶しなければならないという理性を少しずつ塗り潰していく。
気づけば、逃げていたヘレンの舌が自ら持ち上がり、シンドロームの舌先へ触れていた。
「んっ……んぅ、んん……」
それを待っていたかのように、シンドロームはさらに深く舌を差し入れる。彼女の舌を絡め取り、主導権を完全に奪ったまま、これまで誰にもされたことのないほど濃厚に唇を貪っていった。
ボブは素晴らしい男性だった。少し不器用で、秘密を抱え込み、意地を張ることもある。それでも心から家族を愛し、どんな危険からも守ろうとしてくれる、優しい夫だ。
恋人としても、ボブは決して悪くない。彼のキスは情熱的で、力加減を間違えることもあったが、ヘレンはそんな不器用さまで含めて愛していた。何より先にその心と人柄を愛し、その次に逞しい身体を愛したのだ。
(だから私は、ボブを裏切ったりしない……こんなキスに、負けるはずが……)
でも、ご主人様のキスの方が――――
シンドロームの舌が口内を動くたび、鋭い快感がヘレンの頭へ走った。甘い刺激は脳の奥まで染み渡り、考えようとする力そのものを奪っていく。
彼を押し退けるために両手を使うという発想さえ、もう浮かばない。ヘレンの意識を満たしているのは、口の中で蠢く舌の感触と、密着した唇の熱だけだった。
「んん……んちゅ……」
ふっくらとした唇が、シンドロームの舌へ自ら吸いついた。ヘレンは静かにそれを吸いながら、彼の唾液の味を確かめるように舌先を絡ませ、鼻にかかった甘い声を漏らす。
「んぅ……んんっ……」
その間に、シンドロームの空いている手が、彼女の乳房を掴んだ。
「あんっ……!」
破れかけたスーツ越しに、太い指が柔らかな膨らみへ深く沈み込む。強く揉みしだかれるたび、豊かな胸の肉が指の間から溢れ、敏感になった乳首を擦る生地が新たな快感を生み出した。
シンドロームは胸元に生じていた小さな裂け目へ指を差し込むと、家族の紋章が刻まれた生地を両側へ力任せに引っ張った。
びりびりと繊維の裂ける音が響き、ヘレンの豊満な乳房が、破れたスーツの内側から弾けるように露わになる。
「やっ……! そこは、家族の……あぁっ!」
胸元を隠そうとしても、ヘレンの両手は地面についたまま動かない。乳房を締めつけていた布から解放された反動で、二つの膨らみが柔らかく揺れた。
シンドロームはようやく唇を離し、顔を引いて勝ち誇った笑みを浮かべる。二人の間で唾液の細い糸が伸び、やがてヘレンの厚い唇の上へ落ちた。
「見ろよ、ヘレン。インクレディブル一家のシンボルも、こうしてみれば随分と脆いものだろ?」
「そんな……私たちの紋章が……」
胸元は完全に引き裂かれ、家族の絆を象徴していた「i」のマークも見る影なくばらばらになっていた。
ヘレンは自らキスを中断するように顔を背けた。今度はシンドロームも追わず、後頭部から手を離す。解放された彼女は、その場で細く引き締まった尻の上へ座り込んだ。
「はぁっ……はぁ……」
乱れた呼吸を繰り返しながら視線を落とすと、破れたスーツから零れ出た乳房が目に入った。ヘレンは呆然と片方の胸へ手を置き、指先でその柔らかさを確かめる。
(うそ……私の胸、こんなに敏感だったかしら?)
敏感になった肌へ指が触れていると、確かめるためにもっと触っていたいという欲求ばかりが膨らんでいく。
(違う、こんなことをしてる場合じゃない。シンドロームを捕まえて、みんなのところへ戻らないと……)
それでもヘレンの手は乳房から離れなかった。柔らかな肉へ指を沈め、ゆっくりと揉みながら、硬く尖った乳首へ指先を運んでいく。
「あっ……だめ……触ったら、また……」
止めようとする言葉に反して、指は乳首を摘まんでいた。軽く擦り上げるだけで甘い刺激が胸から全身へ広がり、ヘレンは腰を震わせながら、自らの指で敏感な突起を弄り始める。
「あぁ……」
パー家を支える賢明な母親であり、インクレディブル一家の指揮役を担う一人でもあるヘレン。優れた技量と判断力、そして揺るぎない正義感で知られ、数え切れないほど多くの人々を救ってきた偉大なヒーロー、イラスティガール。
そんな彼女が今、破れたスーツから露わになった自分の乳房を両手で揉みしだき、犯罪者であるシンドロームへ見せつけていた。
柔らかな膨らみへ指を沈め、敏感な乳首を摘まむたびに甘い吐息を漏らしながら、この光景の何が異常なのかさえ理解できなくなっているように見える。
いや、違う。ヘレンは、何がおかしいのか分かっていた。
「えっと……そ、それを、私の中に入れるの?」
シンドロームの両脚の間で硬く屹立している肉棒へ視線を落とし、頭の軽い女のような声で尋ねてしまったことだ。
ヒーローとしての自分が本当に口にしたかったのは、そんな質問ではない。彼の光線が思考へ干渉している仕組みや、元へ戻る方法を問いただすべきだった。
それなのに今のヘレンが何より知りたがっているのは、その太く逞しいものを、ご主人様が自分の身体へ入れてくれるのかどうかだった。
見上げると、シンドロームは口元を大きく吊り上げ、満面の笑みを浮かべている。彼は目の前へ座り込んだヘレンへ手を伸ばすと、頬をゆっくり撫でた。
「ん……」
それだけの接触で、ヘレンは安堵したように目を細め、頬を彼の掌へ擦り寄せた。ご主人様に触れてもらえたというだけで、胸の奥から幸福感が溢れ出し、全身を甘く痺れさせる。
(こんなに優しく頬を撫でられただけで、こんなに気持ちいい……)
(だったら、あれで私の中を何度も突かれたら、どれくらい気持ちよくなれるの……?)
自分の膣へシンドロームの肉棒を叩き込まれる光景を想像しただけで、ヘレンの下腹部は熱く疼いた。太腿を軽く擦り合わせ、ふっくらとした唇を舌で濡らしながら、露骨な期待を込めて彼を見つめる。
「さて、最後の確認だ。お前は誰だ?」
「ヘレン・パー」
質問が終わると同時に、ヘレンは迷うことなく答えていた。もう一度シンドロームの股間へ目を向け、艶やかに濡れた唇を舐める。
「私は……イラスティガール」
「うん、それも正解だ。けど、もう一つある」
「もう一つ……?」
ヘレンは不思議そうに首を傾げた。シンドロームは自らの発明品がもたらした変化を観察するように、虚ろになりつつある彼女の瞳を覗き込む。
「お前は、俺専用の性奴隷でもある」
「わ、私が……性奴隷?」
ヘレンは目を瞬かせ、意味をうまく理解できない幼い女のように首を傾けた。本来なら怒りとともに否定していたはずの侮辱を、今はただ新しい事実として受け入れようとしている。
「そうだ。お前は俺だけの可愛い性奴隷で、俺がお前のご主人様だ。分かったら、いい子らしく仰向けになれ」
「ん……はい、ご主人様!」
嬉しそうに満面の笑みを浮かべたヘレンは、瓦礫の散乱する道路へ背中を預けた。完全に破れたスーツの胸元から、形の良い乳房が柔らかく揺れる。
筋肉の引き締まった両脚を大きく左右へ開き、シンドロームを受け入れるための場所を自ら晒した。下半身を覆っていたスーツの生地も先の能力の暴走によって引き裂かれ、その隙間から熱く濡れた秘部が覗いている。
「これでいい……? ご主人様」
「ああ、最高だよ、ヘレン。俺が思い描いていた以上だ」
シンドロームは満足げに答えると、彼女の脚の間へ身体を滑り込ませた。崩壊した建物からは煙が立ち上り、遠方ではヴィランとヒーローたちの戦闘音が今なお響いている。
それでも二人は、荒廃した街路の真ん中で身体を重ね始めた。
ヘレンの顔には、何もかも満たされたような恍惚の表情が浮かんでいた。自らの身体と心に何が起き、何を失いつつあるのかにも気づかず、ご主人様に抱いてもらえる幸福だけを感じている。
シンドロームが首筋へ唇を寄せると、ヘレンは顎を上げ、もっと触れやすいように白い喉を晒した。
「んっ……あぁ、ご主人様……そこ、好き……」
首筋へ口づけられ、敏感になった肌を舌先で撫でられるたび、成熟した女性らしい甘い声が漏れる。その喘ぎは、シンドロームの耳に何より美しい音楽として響いた。
「もっと……キスして。私の身体、もっと触って……」
「もちろんだ。だが、まずはお前がさっきから気にしているものを入れてやらないとな」
シンドロームは自らの肉棒を手で支え、先端をヘレンの濡れた入口へあてがった。
「あっ……!」
硬い感触が秘部へ触れただけで、ヘレンの腰が小さく跳ねる。期待に潤んだ瞳で彼を見上げながら、太いものを受け入れやすくするよう、さらに大きく両脚を開いた。
「お願い、ご主人様……私の中に、入れて……」
その懇願に応じ、シンドロームは腰を力強く突き出した。
「あぁっ……!」
ヘレンは大きく息を呑み、背中を反らした。太い肉棒が濡れた入口を押し広げ、きつく締まった膣内へ少しずつ潜り込んでくる。
「んっ、んぅ……太い……! ご主人様の、すごく太い……!」
先端が内部を擦りながら進むたび、苦しさではなく濃密な快感が全身へ広がった。ヘレンの声は喘ぎへ変わり、シンドロームの首へ両腕を回して縋りつく。
「あぁんっ……! もっと……もっと奥まで入れて……!」
シンドロームは腰を前へ押し込み、肉棒をさらに深く沈めた。分厚い幹が膣壁を左右へ押し広げ、ヘレンの身体を内側から満たしていく。彼女は首へ回した腕に力を込め、ご主人様を決して逃がさないように抱き締めた。
「んんっ……入ってくる……私の奥まで、ご主人様が……!」
シンドロームは一度腰を引くと、再び勢いよく突き入れた。肉棒は濡れた膣内を前後し、そのたびに少しずつ深い場所まで到達していく。やがて根元をわずかに残すところまで呑み込まれると、ヘレンの喘ぎはさらに大きくなった。
「あっ、あぁっ! すごい……こんなに奥まで……!」
両脚をシンドロームの腰へ回し、その背中で足首を組む。魅惑的な太腿で彼の身体を挟み込みながら、ヘレンは打ちつけられるたびに小ぶりな尻を揺らし、肉付きのよい身体全体で彼の腰を受け止めた。
「んっ、あっ、あぁんっ……! ご主人様、もっと……もっと強くして……!」
シンドロームは望みどおりに速度を上げ、ヘレンの柔らかな身体へ激しく腰を打ちつけた。互いの肌がぶつかる音が、戦闘によって荒れ果てた街路へ響き始める。
「お前をずっと欲しかったんだよ、ヘレン。知ってたか?」
「あっ……ご、ご主人様が、私を……?」
「ああ。ボブの隣で戦うお前を見て、どうしてあんな筋肉だけの男に、これほど美しい女が与えられたのかと思ってた。だから何年もお前を調べたんだ。戦闘記録も、能力の特性も、身体の構造も、全部ね」
「私のことを、ずっと……んぁっ……!」
ヘレンの胸が甘く高鳴る。シンドロームは彼女の反応を楽しむように腰を深く沈め、最奥へ届くほど強く突き上げた。
「今回の襲撃だって、すべてお前のために用意した。俺の試作品を二流の悪党どもへばら撒き、ボブや子供たち、フロゾンを別々の場所へ引きつけた。お前と二人きりになるために、街全体を舞台へ変えてやったんだ」
「全部……私のため……?」
「そうだ。この兵器も、お前の新しい身体も、今日の作戦も――すべてはお前を俺のものにするためさ」
(ご主人様が、何年も私のことを考えて……これだけのものを用意してくれた……)
ヘレンの心臓が大きく跳ねた。
この襲撃によってどれほどの市民が危険に晒されたのかも、どれだけの建物が破壊されたのかも、今の彼女は考えなかった。家族や仲間が今も戦っていることさえ、意識の彼方へ追いやられている。
ただ、自分を抱くためだけに、シンドロームが何年も研究を重ね、街を巻き込むほど大掛かりな作戦を実行した。その歪んだ執着を、今のヘレンは何より情熱的な愛情表現として受け取っていた。
「あっ、あぁっ……! ご、ご主人様! ありがとう……私のために、こんな……ありがとう、ありがと――あぁぁっ!」
感謝の言葉を喘ぎながら、ヘレンは打ち込まれる動きへ合わせるように、自分から豊かな腰を突き上げ始めた。
シンドロームの肉棒が、ついに根元までヘレンの膣内へ呑み込まれた。
「あぁぁっ……! ぜ、全部……入ってる……!」
きつく締まった膣は、入り込んだ太い肉棒によって隙間なく満たされている。自分の奥深くまで彼を感じたヘレンは大きな声で喘ぎ、そのままシンドロームの首へ両腕を回して唇を重ねた。
今度は、彼女のほうが相手を逃がそうとしなかった。首筋へ強く抱きつき、自ら唇を押しつけると、シンドロームの下唇を柔らかく吸い上げる。
「んっ……んちゅ……」
続いて舌先を差し入れ、彼の舌へ甘えるように絡みついた。先ほどまで必死に拒絶していたはずの舌が、今はもっと深く味わいたいと求め、口内へ引き込んで夢中で吸い始める。
「んんっ……ちゅぅ、んちゅ……ご主人様……」
ヘレンに求められたシンドロームも、喉の奥から低い声を漏らした。彼女を強く抱き締めると、腰を打ちつける速度を一段と上げていく。
「あっ、あっ、あぁんっ……!」
ヘレンは、ご主人様に気持ちよくなってほしかった。自分を手に入れるために長い年月を費やし、これほど大掛かりな計画まで実行してくれた彼へ、最高の快楽を返してあげたい。
ご主人様だけの性奴隷として、もっと上手に彼を喜ばせたかった。
(私の身体で、ご主人様を満足させるの……それが今の私にできる、一番大切なこと……)
溢れ出した愛液で、二人の繋がった場所はすっかり濡れそぼっていた。ヘレンは自ら膣の筋肉へ力を込め、硬い肉棒へ粘りつくように締めつける。
シンドロームが腰を引けば、逃がすまいと先端まで吸いつき、再び奥へ入ってくれば、太い幹を包み込んで根元から強く搾り上げた。
「んっ……こう? ご主人様、ここを締めたら……気持ちいい?」
「くっ……! 最高だよ、ヘレン。ずいぶん上手じゃないか、この淫乱女め」
シンドロームは唇を離し、息を弾ませながら満足げに言った。褒められたヘレンの顔に、幸福に満ちた笑みが広がる。
「んぅっ……ご主人様が、私の身体を気に入ってくれて……すごく嬉し――あぁぁっ!」
言葉の途中で深く突き込まれ、ヘレンの豊かな身体が大きく震えた。美乳が上下に激しく揺れ、シンドロームの胸板へ押し潰される。
「あっ、あぁんっ……! ご主人様、すごい……私の奥を、こんなに気持ちよくしてくれる……!」
さらに激しく腰を打ちつけられるたび、ヘレンの理性は快感の中へ溶けていった。彼女はシンドロームの背中へ爪を立て、熱に浮かされたような声で叫ぶ。
「こんなに上手に抱かれたこと、ない……! ボブには絶対、こんなふうに私を気持ちよくできないわ、ご主人様!」
「ボブ?」
シンドロームは片眉を持ち上げたあと、何かを試すような悪戯っぽい笑みを浮かべた。
「お前の夫、Mr.インクレディブルのことだな?」
「あっ……!」
ヘレンは今、自ら夫の本名と正体を結びつけて口にしてしまった。本来なら、自分の迂闊さに気づいた瞬間、激しい罪悪感を覚えていたはずだ。シンドロームを突き飛ばし、何としてでも逃げ出そうとしただろう。
だが、今の彼女にできたのは、二人の身体の間で押し潰された乳房を柔らかく変形させながら、嬉しそうに微笑むことだけだった。
「そうよ、ご主人様……ボブ・パー。私の夫で、Mr.インクレディブル……」
「もちろん俺は知ってるさ。だが、お前が自分から家族の秘密を明かしてくれるとはね。光線の仕上がりは、想像以上みたいだ」
「んっ……ご主人様になら、何でも教えるわ」
シンドロームが再び腰を突き込むと、ヘレンは甘い声を上げて脚をきつく絡ませた。
「それに……ボブのものは、ご主人様よりずっと小さいの……! こんなに奥まで届かないわ……!」
「ハハッ、それは愉快だ! あのMr.インクレディブルにも、俺より遥かに劣るものがあったわけか!」
シンドロームは上機嫌に笑いながら、誇示するように肉棒を最奥まで突き入れた。
「あぁぁっ……! そこ……ご主人様! そこまで届くの、あなただけよ……!」
「それなら、もう一つ聞こう。シールドを張っていた女は、お前の娘だな?」
「は、はいっ……ご主人様! ヴァ、ヴァイオレット……ヴァイオレット・パーよ! あぁんっ!」
家族を守るべき母親が、敵へ娘の本名まで明かしている。それでもヘレンの胸には、罪悪感がまるで湧かなかった。今の彼女は、ご主人様の肉棒で膣内を激しく突かれながら、質問へ正直に答えられたことを喜んでいる。
腰が打ちつけられるたび、秘部から溢れた愛液が太腿を伝い、瓦礫の散らばる路面へ滴り落ちていった。
「ご主人様……もっと聞いて……! 私、あなたになら、家族のことも全部教えてあげる……!」
「いい子だ、ヘレン。お前とのショーが終わったら、娘もほかの家族もまとめて捕まえてやろう。俺に敵対したインクレディブル一家をコレクションに加えて、お前が誰のものになったのか、たっぷり思い知らせてやるのさ」
光線によって歪められたヘレンの脳裏に、その光景が鮮明に浮かび上がった。
シンドロームの兵器を前に敗れ、捕らえられるボブと家族たち。その前で、もはやイラスティガールではなくなった自分がシンドロームの隣に立ち、ご主人様こそ自分が選んだ新たな支配者だと告げる。
家族の秘密も能力も弱点も、すべて自分の口から差し出し、シンドロームの勝利を完成させるのだ。
(私がみんなを裏切って、ご主人様のものになったって教える……ボブよりも、ご主人様を選んだって……)
その想像だけで、ヘレンは絶頂へ達した。
「あっ……あぁぁぁぁっ!!♡」
シンドロームへ回した両腕と両脚へ一斉に力が入り、その身体をきつく抱え込む。波打つ快感とともに膣の筋肉が激しく痙攣し、内部の肉棒を何度も強く締めつけた。
「ご主人様ぁっ……!♡ 私、ご主人様のもの……もう全部、あなたのものよぉっ!♡」
全身を駆け巡る絶頂に筋肉が震え、思考は白く溶けていく。心臓は壊れそうなほど激しく脈打ち、何をすればよいのかさえ分からないまま、ヘレンの目尻には幸福の涙が滲んでいた。
ヘレン・パーは、その人生で何度も絶頂を経験してきた。
まだ若い女性だったころ、誰にも教わらず自分の身体へ触れる方法を覚えた夜。ボブと結婚し、二人きりで迎えた新婚旅行。そして長い引退生活を経て、夫婦そろって再びマスクを身につけ、正義のために戦うヒーローへ復帰したあとの年月にも。
だが、そのどれも今の絶頂とは比べものにならなかった。
「あっあぁぁっ……!♡ ご主人様ぁ……!」
今回の絶頂を生み出しているのは、シンドロームが与える激しい快感だ。それを彼の発明した催眠光線が増幅し、ヘレンの心と身体へ通常ではあり得ないほど強烈な変化を引き起こしていた。
結果として生まれた絶頂は、彼女へ快楽を与えるだけでは終わらない。痙攣する肉体を、ご主人様にとってさらに性的に、そして性器をさらに魅力的な形へと作り替えていく。
「んっ……ああ゛ッ!!♡ アソコが……オマンコが熱くなって……ッッ!!♡♡」
ヘレンの膣が肉棒を放すまいと激しく収縮する。絶頂によって狭まった肉壁が、硬い幹の一本一本へ吸いつくように絡みつき、彼が腰を動かすたび、以前よりも遥かに敏感になった粘膜が強く擦り上げた。
「あっ、あぁんっ……!♡ だめ、そこ……今、すごく敏感なの……!」
シンドロームが獣じみた勢いで腰を打ちつければ、それだけ膣奥へ鋭い快感が走った。太い肉棒を受け入れるために、ヘレンの身体が自ら感度と柔軟さを高めているのだ。
ヘレン・パーは、頭の中まで快楽に染まった、敏感で従順な性奴隷へ変わりつつあった。
いや、もはや「変わりつつある」という表現さえ正しくないのかもしれない。彼女はすでに、ご主人様の理想どおりに作り替えられた、完璧な淫らな女になっていた。
「あぁっ……私のオマンコ、ご主人様の形を覚えてる……! もっと、もっと私を作り替えて……!♡」
絶頂しながらも、濡れそぼった膣はシンドロームの肉棒へ貪欲に吸いついていた。透明な愛液が繋がった場所から溢れ出し、尻から路面へ滴り落ちて小さな水溜まりを作っていく。
「ご主人様ぁっ……気持ちいい……!♡ 私、ご主人様の肉棒で、また変わってるぅ……!♡」
絶頂の余韻が何度も押し寄せるたび、ヘレンの身体は細かく跳ね、全身の筋肉が痙攣した。普通なら動きを止め、彼女が落ち着くのを待つところだが、シンドロームは少しも速度を緩めなかった。
肉棒を根元まで叩き込み続けながら、自らの発明が引き起こす変化を冷静に観察する。そして研究結果を読み上げるかのような、淡々とした声で告げた。
「悪い女だな、ヘレン。ご主人様である俺より先にイくなんて」
「あっ……!」
責める言葉を聞いた瞬間、ヘレンの表情が不安に曇った。
「ご、ごめんなさい! ごめんなさい、ご主人様! 我慢できなくて……!」
腕へさらに力を込め、許しを求めるようにシンドロームへ縋りつく。
「お願い、怒らないで……罰を受けるから! 悪い性奴隷の私を、ちゃんとお仕置きして、ご主人様!」
「そうか。自分から罰を望むとは、ずいぶん聞き分けがよくなったじゃないか」
シンドロームは喉の奥で愉快そうに笑うと、望みどおり罰を与えることにした。ヘレンの腰を押さえ、濡れた膣内から肉棒を一気に引き抜く。
「あっ……!」
空になった膣が名残惜しそうに収縮し、先端から愛液を溢れさせた。ヘレンは肉棒を失った喪失感に顔を歪め、たった今口にした言葉を即座に後悔する。
「ま、待って……! 違うの、ご主人様! 抜かないで……お願い、私まだ――」
「四つん這いになれ、この淫乱女」
シンドロームは彼女の懇願を遮り、新たな命令を下した。
「後ろから犯されたことはあるか?」
その体位が意味するものを理解したヘレンの頬が、淡い赤色に染まる。彼女は恥ずかしそうに視線を伏せ、小さく首を横へ振った。
「い、いいえ……ご主人様。ボブとは、そんなふうにしたこと……ないわ」
答えながら上体を起こすと、乳房がわずかな動きだけで大きく揺れた。二つの膨らみは互いにぶつかり、柔らかな肉を波打たせる。
「なら、今から初めてを経験させてやる」
シンドロームはそう宣言すると、ヘレンの丸く膨らんだ尻へ平手を振り下ろした。
ぱぁん!、と乾いた音が荒廃した街路へ響く。
「あぁんっ!」
叩かれた柔肉は大きく潰れ、その衝撃が尻全体へ伝わって幾重にも波打った。遅れて押し寄せた熱と痛みに、ヘレンは背中を震わせる。
だが次の瞬間には、酒に酔ったような甘い笑い声を漏らしていた。
「んあぁぁ……はい、いっぱい経験させてください、私の逞しいご主人様……!」
嬉しそうに頷き、両手と両膝を地面へつける。豊かに張り出した尻をシンドロームへ向けると、自分から誘うようにゆっくり左右へ振った。
「どう……? ご主人様、私のお尻気に入ってくれた?」
肩越しに振り返ったヘレンは、シンドロームの肉棒へ目を向けた。二人の愛液に濡れ、街の光を受けて艶めく様子に、厚い唇を舌でゆっくりと舐める。
「まだ大きい……私の中から抜いたのに、こんなに元気なんて……」
四つん這いになったヘレンの背後へ回ると、シンドロームは肉付きのよい腰を両手で掴んだ。肉棒の先端を愛液の滴る入口へあてがい、今度は焦らすことなく一気に腰を突き出す。
「あぁぁぁっ!」
太い肉棒が膣口を押し開き、濡れた内部へ根元まで叩き込まれた。ヘレンは背中を大きく反らし、人気の消えた街路へ響き渡るほどの悲鳴を上げる。
「ご主人様ぁっ……!♡ 後ろから、すごい……奥まで一気に入ってくるぅ……!♡」
遠くにいる誰かが、その声を聞いた可能性はあった。だが仮に耳へ届いていたとしても、数々の人々を救ってきた名高いヒーローが、崩壊した街の真ん中でシンドロームに組み敷かれているとは想像できなかっただろう。
シンドロームはヘレンのボブカットの髪を片手で掴み、後方へ強く引いた。
「んぁっ……!」
首が反り、乳首が固く勃起した胸が前方へ突き出される。ヘレンは自分の髪は、ご主人様にこうして掴んでもらうためにあったのだと感じ、嬉しそうに腰を揺らした。
「髪も気に入ってくれた……? ご主人様が引っ張りやすいように、もっと長くしましょうか……?」
「悪くない。やはり俺の性奴隷は、どこを取っても完璧だな」
満足げな呻きを漏らし、シンドロームは腰を前後させ続けた。先端から溢れた先走りが膣壁へ塗り広げられ、もともと濡れていた内部をさらに滑らかにしていく。
「あっ、あっ、あぁんっ……!♡ ご主人様、激しい……ッ!!んあっ、あっ、もっと……もっと叩いて……!!」
ヘレンの喘ぎは次第に大きくなり、成熟した女性の面影を残しながらも、理性を失った生々しい声へ変わっていった。
シンドロームのもう片方の手が再び尻へ振り下ろされる。
ぱぁんっ!、と大きな音が響き、柔らかな尻肉が再び波打った。
「あぁんっ!♡ もっと……悪い私のお尻、もっと叩いてください、ご主人様!」
ヘレンは叩かれるたびに腰を後方へ押し返し、自ら肉棒を深く呑み込んだ。シンドロームは髪を掴んだまま、見せつけるように問いかける。
「お前は誰のものだ、淫乱女?」
「ご主人様のもの! 私はあなたのものよ、ご主人様! 私の身体も、心も、全部あなたのもの!」
四つん這いになったヘレンの下で、巨大な乳房が腰の動きに合わせて激しく跳ねた。二つの膨らみは前後左右へ振り回され、互いにぶつかるたび、ぱちん、ぱちんと大きな音を立てる。
「あっ、あぁっ……おっぱいまで揺れてる……! ご主人様に突かれるたび、勝手にぶつかって……!」
再び大量の愛液が膣から溢れ、太腿の内側を伝って路面へ滴り落ちた。絶え間なく突き上げられる快感に耐えきれず、ヘレンを支えていた両腕からついに力が抜け、顔が路面へぶつかりそうなところまで崩れ落ちた。
ヘレンの顔が路面へ落ちるのを防いでいるものは、シンドロームが掴んだ髪だけだった。
「んお゛っ……おほぉ゛っ!♡」
短い髪を後方へ引かれ、ヘレンの上体が強制的に反り返る。両腕はすでに力を失い、身体の下で役に立たないまま垂れ下がっていた。
それでもシンドロームが腰を打ちつけるたび、乳房は激しく跳ね回る。背後から根元まで突き込まれるたびにヘレンの身体は大きく痙攣し、自分で支えることさえできない肉体が、彼の動きに合わせて揺さぶられていった。
「お゛っ、お゛あっ、ご主人様ぁっ……!♡ 私の身体、また勝手に……!」
ヘレンは快感によって理性を失いかけていた。青い瞳は頭の奥へ入り込むほど上を向き、平手を受け続ける尻は、赤く染まりながら柔らかく波打っている。
今の彼女は、悪いことをしてご主人様から罰を受けている、従順で淫らな雌そのものだった。
(私が……三人の子を育ててきた母親の私が、こんな格好で……)
しかも、夫の宿敵であり、自分より一回り以上若い男に髪を掴まれ、尻を叩かれ、街路の真ん中で後ろから犯されている。
そのあまりに屈辱的な事実を意識しただけで、ヘレンの膣はきつく収縮し、再び絶頂へ達しそうになった。
「んんっ……まだ、だめ……! ご主人様より先にイったら、また叱られちゃう……!」
今度こそ同じ過ちを繰り返すまいと、下唇を強く噛む。喉元まで込み上げてくる喘ぎを堪え、膣内を深々と貫く肉棒へ必死に耐えた。
それでも絶頂はすぐそばまで迫っている。シンドロームが腰を打ちつけるたび、耐え難い快感が全身を駆け抜け、ヘレンの口から途切れ途切れの声を漏らさせた。
「なあ、ヘレン。お前の夫はどうする?」
「ボブなんて……どうでもいいわ」
ヘレンは吐き捨てた。その肉感的な唇から零れる残酷な言葉には、もはや迷いも演技もなかった。
「あんな男、私には必要ない。大嫌いよ! 弱くて、鈍くて、頭まで悪い、役立たずのヒーロ――んあぁぁっ!」
シンドロームの肉棒、その膨らんだ先端が敏感な場所へ強く押しつけられ、罵声は甲高い喘ぎへ変わった。ヘレンの両脚が震え、膝が路面の上を滑りかける。
「ボ、ボブは、こんなふうに私を抱けなかった……! ご主人様みたいに、私の一番気持ちいいところを突けなかったわ!」
髪を掴まれたまま振り返り、涙に潤んだ瞳でシンドロームを見つめる。
「お願い、ご主人様……もうイきそうなの! 今度は一緒に……私と一緒にイってください……! お願い、お願い、おねが――あぁぁっ!」
シンドロームは喉の奥で笑い、懇願への返事代わりに尻へ平手を振り下ろし、ぱぁんっ! と鋭い音を響かせた。
「あんっ!」
繰り返し叩かれた両方の尻は、すでに艶のある赤色へ染まっている。その柔肉が大きく波打つ一方で、ヘレンの膣は肉棒の全長へきつく絡みつき、彼が腰を引くことさえ拒むように締め上げていた。
「そこまで頼まれたら、仕方ないな。いいぞ、この淫乱女め! ご主人様のためにイけ!」
シンドロームが叫ぶと同時に、掴んでいた髪を放した。
「はいっ……! イきます、ご主人様ぁっ!」
髪から手を離しても、シンドロームはもう片方の腕でヘレンの腰を支え、倒れることを許さなかった。ヘレンは背後へ手を伸ばして彼の両手を取ると、自分から乳房の上へ彼を導いた。
「ここ、掴んで……! 私のおっぱいを揉みながら、一緒にイって……!」
シンドロームの両手が、左右の乳房を力強く掴みあげる。
ヘレンの胸が、シンドロームの掌に包み込まれ、彼が力を込めるたび、むぎゅっ♡ ぐにゅぅ♡と卑猥に形を歪ませた。
「あぁっ……もっと強く! ご主人様の手で、私のおっぱいを潰してぇっ!♡♡」
シンドロームは望まれるまま両胸を揉みしだき、肉棒を膣奥へ叩き込んだ。ヘレンも尻を後方へ突き返し、彼の動きへ必死に腰を合わせる。
二人の絶頂は、ほとんど完璧に重なった。
「イくぞ、ヘレン……!」
「私も……私もイくぅっ!♡ あっ、あっ♡ ご主人様ぁぁぁっ!♡」
シンドロームの肉棒が膣奥で大きく脈打ち、濃厚な精液を勢いよく吐き出した。最初の一射が膣壁へ浴びせられ、続く熱い種がさらに奥へ注ぎ込まれていく。
「あぁぁっ……!♡ 出てる……ご主人様の精液、私の奥にいっぱい出てるぅっ!♡」
子宮へ届くほど深く注がれる感覚に、ヘレンはこれまで経験したことのない幸福を覚えた。
イラスティガールとして人々を救ったこと。ボブと出会い、結婚したこと。そして家族とともにヒーローへ復帰し、再び悪と戦う人生を手に入れたこと。
かつては何より大切だったはずの出来事も、今この瞬間に感じている幸福の前では、消えかけた小さな残り火にすぎなかった。シンドロームが与える快楽は、それらすべてを呑み込んで輝く超新星のようだった。
(ご主人様の精液が、私の中を満たしてる……私の身体にくっついて、染み込んでる……)
「嬉しい……私、ご主人様のもので満たされてる……!」
膣内へ注がれた精液が熱く広がり、敏感な肉壁へまとわりついていく。その一つひとつを感じ取るたび、ヘレンの絶頂はさらに激しくなった。
「ああっああぁぁぁぁ……っっ!!!♡♡♡♡」
天にも昇るような快感に叫び、目を完全に上向かせる。厚い唇の間から舌をだらしなく突き出し、宙を求めるように震わせた。
ヘレンの身体は激しく痙攣し、歓喜に満ちた喘ぎと叫びは、絶頂が長引くほど大きくなっていく。
シンドロームは巨大な乳房を掴んだまま、硬く尖った乳首を指先で摘まみ、容赦なく引っ張った。
「あっ、そこ……! 乳首まで、そんなに強くされたら……!」
指で捻られ、強く引かれるたび、ヘレンの腰が跳ねる。ご主人様の扱いは乱暴で、力強く、彼女の淫らな身体をどうすれば喜ばせられるのか、最初からすべて理解しているようだった。
(ご主人様のほうが、ボブよりずっと強い……私の身体も、心も、こんなに簡単に自分のものにしたんだもの♡)
いや、ボブはもう夫ですらない。今のヘレンにとっては、捨て去った元夫にすぎなかった。
かつてのスーパーヒロインは、シンドロームの肉棒を膣奥へ呑み込んだまま、純粋な多幸感に全身を震わせ続けた。
やがて絶頂の波が少しずつ収まり始めると、首筋へ柔らかな感触が触れていることに気づく。シンドロームが背後から身体を重ね、ヘレンの首へ何度も口づけし、舌で肌を舐めていた。
「んっ……ご主人様……」
吸いつかれた場所には、所有の印のような小さな赤い痕が残っていく。それが嬉しくて、ヘレンは首を傾け、もっと好きなだけ痕をつけられるように肌を晒した。
「もっと……私がご主人様のものだって、誰が見ても分かるようにして……」
シンドロームの腕へ自分の手を重ね、幸福に微笑む。
「ご主人様……愛してる」
その言葉は、ヘレンがボブを罵倒したとき以上の快感をシンドロームへ与えた。
世界からイラスティガールを奪い、ヘレン・パーという一人の女性さえ完全に手に入れた若き天才にとって、今回の作戦は想像を遥かに上回る大勝利だった。
そして彼の思考は、早くも次の計画へ向かい始めている。
精神を作り替えるこの装置を量産し、金を持つ新進ヴィランたちへ売りつければ、莫大な利益を得られるだろう。これまで兵器を世界中へ販売して築いた財産とは比べものにならない、新たな市場が生まれる。
だが、これほど素晴らしい技術を他人へ渡すのは惜しいという考えも浮かんだ。
(いっそ俺だけの秘密にするか。世界中のヒロインを、ヘレンみたいな従順な女に変えてやる。俺を喜ばせるためなら何でもする女たちの軍団で、世界そのものを支配する……)
どちらでもよかった。今すぐ決める必要はない。何より重要なのは、自分が勝利したという事実だ。
シンドロームはヘレンの顔へ手を伸ばし、長年イラスティガールの正体を隠してきた黒いマスクを外した。
「あ……♡」
素顔となったヘレンが振り返る。シンドロームは、そのままもう一度唇を重ね、勝利を堪能するように舌を口内へ押し込んだ。
「んっ……んんぅ……♡」
ヘレンも拒むことなく口を開き、彼の舌を迎え入れた。甘い声を漏らしながら自ら舌を絡め、ご主人様との口づけへ夢中になっていく。
二人が深く繋がったまま身体を寄せ合うと、絶頂の余韻に震える膣からシンドロームの精液が溢れ出した。白く濁った液体は、肉棒と肉壁の隙間を伝って滴り、路面へ小さな水溜まりを広げていく。
シンドロームの腕の中で、ヘレンはただ幸せだった。
彼の指から離れた黒いマスクが地面へ落ちる。吹き抜けた風に煽られたそれは路面を滑り、ヘレンの膣から溢れた精液の水溜まりへ沈んだ。
かつてのヒーローを象徴するマスクへ、二人の繋がった場所から新たな雫が滴り落ちる中、ヘレンとシンドロームは互いの口の中へ甘い呻きを零しながら、いつまでも唇を重ね続けた。
ーーーーーーーー
ヘレンがシンドロームに連れ去られ、彼だけの性奴隷妻へと作り替えられてから、三日が過ぎた。
シンドロームは豪奢な屋敷の椅子へ腰を下ろし、自らの勝利がもたらした成果を堪能しながら、テレビのニュースを眺めて寛いでいた。
自身が裏で手を引いた街を襲った危機そのものは、どうにか食い止められたらしい。だが、画面の向こうのマイクを向けられたMr.インクレディブルは深い悲しみに打ちひしがれており、愛する妻の行方を突き止めるため、必死になってあらゆる人々へ助けを求めていた。
『妻の姿を見た方は、どんな些細な情報でも構いません。どうか、私たちに知らせてください。家族全員が、彼女の帰りを待っています』
シンドロームは、かつての憧れのその痛ましい訴えを、過去最高の満足げな笑みと共に堪能している。
脚の間では、長く硬く勃ち上がった肉棒が天井へ向かってそそり立っている。その表面は、つい先ほどまで自身の新妻を可愛がっていた名残で、彼女の愛液に濡れて艶やかに光っていた。
そう、その妻とは――――
「ご主人様ぁ、夕食の準備ができました!」
弾むような甘い声に、シンドロームはテレビから顔を逸らした。視線の先では、ヘレンが料理を載せた皿を手に、こちらへ歩いてきている。
一歩進むたびに、豊かに広がった腰が左右へ大きく揺れ、その後ろでは、丸く膨らんだ尻が柔らかな波を打った。思わず目で追わずにはいられない光景だったが、彼女の下半身だけを見つめ続けているのは難しい。
なぜなら、身につけたエプロンの下で、巨大な乳房が歩調に合わせて激しく弾んでいたからだ。
「んふふっ……ご主人様、お腹空いたでしょう? 今日はご主人様が好きなものを、いっぱい作ったのよ」
ヘレンが身につけているのは、その小さなエプロンだけだった。所謂裸エプロンというやつだ。そのたった一枚の布切れこそが、ヘレンがシンドロームの性奴隷妻として身につけることが許されたただ一つの衣服。そして彼女はこの3日で完璧にそれを着こなし、愛する主人を喜ばせる仕草や歩き方をマスターしてしまった。
そんなすっかりドスケベママ姿が板についたヘレンは、ご主人様の椅子の横へ皿を置くと、豊満な身体を沈めるように、その足元へ跪く。そこが、彼女と主人であるシンドロームの正しい位置関係なのだから。
そしてもはやヒーローとして完全に堕落したヘレンの顔には、今なお黒いドミノマスクがつけられている。
だが、かつてイラスティガールの正体を守っていたそのマスクは、今や何度も浴びせられた精液によって白く汚れ、表面には乾いた染みまでこびりついていた。
それが何とも淫靡で、まさしく堕ちたヒーローを象徴するようなアイコンであるからこそ、あえて彼女にマスクをつけさせたままにしようと思った過去の自分自身を、シンドロームは自画自賛していた。
目の前で嬉しそうに跪いている女が、かつて世界中から称賛された偉大なヒーローだったことを、いつでも思い出せるのだから。
そしてこれは、イラスティガール自身にも、今では誰の所有物なのかを彼女自身へ忘れさせないためにもなるのだ。
「はい、ご主人様。どうぞ召し上がってください」
ヘレンは、彼を見上げながら幸せそうに微笑み、皿から取った切り分けられたフルーツをシンドロームの口元へと運んでくれる。妻として、奴隷として、完璧に調教された所作。
ふっくらと膨らんだ唇にはヘーゼル色の口紅が塗られ、濡れたような艶を帯び、マスクの奥にある青い瞳には、曇りのない幸福が満ちていた。
ご主人様に仕えられること。
ご主人様の食事を作れること。
そして、ご主人様の足元へ跪き、彼が喜ぶ姿を眺められること。
今のヘレンにとっては、そのすべてが何よりも幸せだった。
「ありがとう、ヘレン」
シンドロームは口元を吊り上げ、彼女の頭を軽く撫でた。
「んっ……ふふ、ご主人様に褒めてもらえた……」
「今日は気分がいい。少しだけ、気前よく振る舞ってやろうかな」
彼は椅子へ深く腰掛けたまま、硬くそそり立った肉棒を見せつけるように脚を広げた。
「俺が食べる前に、お前が先に夕食を味わったらどうだ?」
「本当に? あぁ、ご主人様……なんてお優しいの!」
ヘレンの顔が、たちまち喜びに輝いた。まるで最高のご褒美を与えられた少女のように声を弾ませると、エプロンの胸元を指で摘まみ、ゆっくりと下へ引っ張っていく。
「私、ご主人様のごちそうが大好き……いっぱい味わわせてくださいね?」
薄い布地が、二つの巨大な乳房の谷間へ滑り込んだ。ヘレンは左右の乳房をそれぞれ両手で抱え、柔らかな肉を下からすくい上げるように持ち上げる。
もはや彼女の身体へ変化を与えるために、あの催眠光線を使う必要さえない。ヘレンの伸縮自在な肉体は、ご主人様を喜ばせたいという思いだけで、自然に形を変えるようになったのだ。
「ご主人様の大きいのを、私のおっぱいで包んであげる……もっと柔らかく、大きくならなきゃ……」
そう甘く囁いた直後、すでに十分すぎるほど豊満だった乳房が、彼の目の前でさらに膨らみ始めた。
「んっ……あぁ……おっぱい、大きくなってる……ご主人様のために、また大きくなってるぅ……」
張りを保ったまま量感を増した二つの乳房が、柔らかく左右へ広がる。ヘレンはその巨大な膨らみで、ご主人様の勃ち上がった肉棒を両側から挟み込んだ。
「はぁ……温かい。ご主人様のが、私のおっぱいの間でドクドクしてる……」
乳房の谷間へ呑み込まれた肉棒は、柔らかな乳肉によって隙間なく包み込まれていた。
ヘレンは両手で胸を強く寄せると、ゆっくりと上下へ動かし始める。豊かな乳肉が硬い幹の両側を擦り、動くたびに先端だけが谷間から覗いては、再び柔らかな肉の中へ沈んでいった。
「んふっ……気持ちいいですか、ご主人様? 私のおっぱい、ご主人様のためにちゃんと役立ってる?」
問いかけながら顔を下げ、露出した亀頭へそっと口づける。
「ちゅっ……ん……」
次いで舌先を伸ばし、濡れて艶めく先端を丁寧に舐め上げた。
「んちゅ……れろ……あぁ、ご主人様の味……」
ヘレンは嬉しそうに目を細めると、舌を先端の縁へ這わせ、滲み出た液を残らず舐め取った。乳房は休むことなく上下し続け、柔肉が肉棒を擦るたび、彼女の唇から甘い吐息が漏れる。
「もっと……もっと私にください、ご主人様。おっぱいにも、お口にも、ご主人様のをいっぱい……」
「おおぉ……いいぞ、ヘレン。その調子で、今日も頼んだぞ」
これもまた、イラスティガールを奴隷として所有することで得られる、数多くの恩恵の一つだった。
シンドロームは椅子へ身を預け、彼女の柔らかな身体が自分の肉棒へ密着する感触を楽しみながら、テレビ画面の向こうで今も妻の行方を探すインクレディブルの姿を眺める。
『頼む、ヘレン。無事なら連絡してくれ。君の帰りを、待ってるんだ。もし何かあったなら、必ず迎えに行くから。だから――――』
悲痛に呼びかけるイラスティガールの元夫。だがその間もヘレンは夢中で亀頭へ唇を押しつけたまま、乳房の谷間から露出した先端を口の中へ迎え入れる。そして厚く柔らかな唇が硬い肉へぴったりと吸いつき、舌が裏側を丹念に舐め上げた。
「どうだ、インクレディブル。お前の妻は、今じゃ俺をご主人様と呼んで、俺の肉棒を美味そうに咥えてる」
「んっ……んちゅ……ご主人様、好き……愛してる……♡」
やがて彼女は肉棒をさらに深く咥え込み、柔らかな乳房で幹を包んだまま、頭を上下へ動かし始めた。
「安心しなよ、あんたの元妻はこれから一生俺が可愛がってやる。色んな芸を仕込ませて、いつかあんたに見せに行くよ。その時は……クク、俺たちの子供を孕ませて行くのもいいかもなぁ?」
「んむっ……ぢゅっ、ぢゅる……ご主人様ぁ……♡」
喉を鳴らしながら肉棒へ吸いつき、こちらの反応を伺うように上目遣いで見上げてくるヘレンを見下ろし、シンドロームは自らが手にした勝利を心ゆくまで味わうのだった。
みんな大好きゴムゴムのお母さんこと、ヘレンママ。子供の頃はヴァイオレット一択だったのに、大人になってヘレンが自動ドアに挟まって壁尻状態になるの見て心が揺らいだ。ディズニーはいつもそうやって性を知らない子供にニッチな性癖を植え付けようとする。