※この作品はR-18です。

西連寺春菜のToLOVEるな快楽調教生活   作:愛甲ハマチ

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オリ主の悪行の一つ


【加筆修正】
二人の誕生日を最後に加筆しました


7.籾岡家

 カランッとストローで弾いた氷が他の氷とぶつかり、小気味の良い音を鳴らす。しかし、私の胸中はそれで晴れることはない。飲んだ黄金色のジンジャーエールも味気ないものだった。

 

「はあ……」

 

 高校生活が始まって一週間も経たない休日の土曜日。私こと籾岡里紗は普段は家に寄り付くことのない父親から呼び出されて、程よく空いた時間帯のレストランにやって来ていた。

 私が中学時代にあることがあり、今まで以上に仕事へ打ち込んでいた父親から連絡があったかと思えば、まさかこの様な話だとは思わない。

 

「……まあ、再婚ってのも分からなくはないけど、相手も子持ちで私と同年代の男子とかさあ……メンドイことにならなきゃいいけど」

 

 思春期の男女がいきなり他人から家族として暮らしていけなんて、漫画やアニメじゃあるまいしそうすんなり上手くいくとは思えなかった。

 自分から無意味に嫌いになろうとは流石に思わないが、生理的に無理な相手はやはりどうしてもいる。そういった相手じゃないことを祈るばかりだ。

 

「(久し振りに食事の連絡寄越したかと思ったら再婚の話だし。というか、前日にそれ知らせるとかありえなくない?)」

 

 IT企業の経営者である父親のため、このような洒落たレストランでの会席は当たり前の日常なのかもしれないが、このような場で初めての誰かと初めましての挨拶をするなんて、億劫になるのも仕方ないと思う。

 

「(まあ、妻に浮気されて離婚した訳だから、私としても吹っ切るためとか新たな人生を進むためとかの理由で、親が再婚すること事態には何も言うことはないんだけどさ)」

 

 親父は母さんに裏切られて浮気をされていた。親父と同じく会社を盛り上げるために尽力していた母さんが、何故浮気などしたのか私には教えられていない。

 それこそ、女の本能に抗えなかったのかとも思うが、キャリアウーマンとして成功していた人生を投げ捨てるほど、馬鹿になれるような人物ではなかったと思う。

 

「(恋か性欲か……女は幾つになっても女ってことかねー。エロいことは私も好きだけどさ。私もその所為なのか、結局男子と深い関係まで続かなくて中学でバージンを卒業できなかったし)」

 

 親父が隣に居るにも拘わらず、私は自身の性事情について考えていた。

 氷の入ったジンジャーエールを、ストローでクルクル渦を巻くように回させながらそんなことを考えるのは、一種の現実逃避かも知れなかったけど、件(くだん)の再婚相手側が来るまでの暇潰しくらいにはなる。

 

「(私のキャラで処女とか普通に恥ずいから、高一の内にパパッと卒業したいんだけど、学校が始まった初めの一週間でイケメンって言われてる男子を粗方見ても、なーんかピンと来ないんだよねー)」

 

 同学年だけでなく上級生の情報を集めて、私にしてはビックリする程に精力的に動いてみたけれど、殊更トキメキを感じるような相手はいなかった。

 イケイケの男の先輩なんかを見て、他の子はキャーキャー言ってたけど私の性格とは合いそうにはない。

 

「(そういや、私ってどんな男子がタイプなんだろ?私と同じようなキャラの男子だって思ってたけどもしかして違ったりする……?

 エロいことに興味あるイケてる不真面目キャラだと思ってたんだけどなぁ。まあ、チャラついてる奴って別にタイプじゃないし、深く考えたことはなかったけど、もしかすると私と正反対のタイプだったり?)」

 

 好きなタイプと好きになる相手は違うってのもよく聞く話だ。自分と同じ様な思考をする相手じゃ飽きてくるのも当然なのかもしれない。

 まあ、これでも社長令嬢だからそれなりの男には、結構見慣れてるってこともあるだろうけど。

 

「(っていうことは、からかって楽しい純情ボーイとか?あの手この手でエロいことに誘導したりして赤面させるのも楽しいかも。

 ……あとは、包容力がある大人の男とかもいいかもね。私のエロいとことか全部受け止めてくれて、私が知らなかった新しい世界を体に教えてくれたりしたらドキドキするだろうし♡)」

 

 エロばかり考えてしまうのは高校生の性だから問題なし。男子が分かりやすいだけで、女子もエロいことばかり考えてるのは当たり前な訳だし。

 そう言ったことを付き合う条件にするのは、この歳なら当然でしょ。キスだけで満足できるっていう恋愛も私は批難するつもりはないけど、どうせなら最後までしたいって思うのは感性として一般的なんだし。

 

「……でも、そうなると彩南にはいないかもしれないよねぇ……」

 

 噂になってる男子は見てきたけど、目ぼしい相手はいなかった。そうなると、合コンとかして他校の男子や大学生と会う機会を増やすべきなのかもしれない。

 

「まあ……そこまでする気力も熱意もないのが本音なんだけどさ」

 

「何か言ったか?」

 

「いや、別に。何でもないから」

 

 知らずの内に口に出してしまっていたみたい。何かを口にしていたことは親父に気付かれたみたいで、それについて内容を聞かれたけど適当にはぐらかした。

 

「(まあ、今の評価が絶対って訳でもないしね。高校デビューとかして垢抜ける男子もいるでしょ。スパッと関係が断てるのはナンパ男だけど、それが初めての相手っていうのはアレだし。

 まあ、そんな訳で現時点だと彩南には気になる男子もいないって感じに…………って、そう言えば)」

 

 そこでふと思い出した。成績優秀で不真面目という訳ではないし、髪を染めたりなんかのお洒落なんかに、特別気を使っている訳でもないけど、顔が整っていて身長が高めの男子。

 高一とは思えない身長は私の周囲には今まで居なかった男子だった。何cmかはまだ聞いていないから目測で測るしかないけど……そう、だいたい今、自動扉を通ってこちらのテーブルに近付いてくるあの男の子ぐらいの……

 

「…………え?」

 

 目の前にやって来た親子に目を見開く。それもその筈だ。今の今まで考えていた人物が現実に現れたらこうなるのは自然と思う。

 

「こんにちは、籾岡さん。それと、あなたが里紗さんよね?初めましてあなたのお父さんと籍を入れたいと考えています雄上(おがみ)です。どうぞよろしくね」

 

 丁寧ながらも親しみを込めたような言葉を話すのは彼の母親なのだろうか。年齢で言えば三十路は少なくとも過ぎている筈なのだが、とてもそうとは見えない。

 肌艶の瑞々しさは私と同じ十代に見えるし、本来なら幾つか刻まれているだろう皺やシミ等も微塵も見当たらなかった。

 その落ち着いた姿から高校生に混じることは難しいかもしれないけど、大学生の新歓コンパに混じれば、新一年としてチヤホヤされることは間違いない筈。

 この時、私は真の美魔女というものを初めて見たのだった。でも、そんは衝撃的な人物よりも意識が向いてしまう男がそこにはいた。

 特別クラスで目立つ性格をしている訳でもないけど、学年主席だったり高身長だったりと一見私と性格が合わなそうで、思い返せば確かに話していて面白いと感じた相手。

 今までの好みのタイプの男子とは違ってはいるけど、一緒に居ることで苦にならないタイプではないかと私は直感で思っていた。

 勿論、それが正しいかどうかは関わった時間が余りにも少なすぎて、判断ができないから分からないけど、生理的に無理という訳でもないのもまた事実であって。

 

 そんな混沌としたことを私が考えているとは思っていないだろう目の前の男子は、入学式のときのような丁寧な言葉遣いで名前を名乗った。

 

 

 

「初めまして、雄上因馬です。これから仲良くして下さると嬉しいです。それと、……えーっと、籾岡も昨日振り。これからよろしくな」

 

 

 

 

【ーー♡ーー】

 

 

 

 

 イケてる男子を探したりクラスの女子のコミュニティの構築だったりで、あれ以来話すことはなかったけど、一ヶ月も経たない内にまた話す機会がやって来るって思ってた。

 だけど、まさかこんなタイミングで話すことになるなんて予想外も予想外。

 私は思わず、「……よろしく」なんて普段の私なら考えられない淡白な返事をしてしまった。そんな私の態度が気に入らなかったのか、私を親父が叱ろうとしたその寸前、雄上が被せるように言葉を割り込んだ。

 

「二人の気持ちも分かるけど結婚したら、お互い納得している二人はともかく、いきなり他人から家族になる僕達子供の気持ちが追い付かないのは仕方ないでしょう?

 それに加えて、一週間前から同じクラスメイトになった思春期を迎えた異性同士。これから、二人よりも長く一緒の空間に居ることになるんだから、混乱してしまうのも仕方がないですよ。

 予定とは異なるかもしれませんけど、今日だけは僕達二人でこれからのことを話し合ってもいいでしょうか?きっと、必要な時間だと思いますから」

 

 その一見丁寧な口調でありながら、時折砕けた物言いで言うことで親近感を抱かせる言葉の使い方に、私は思わず目を見開く。

 再婚する相手の子供にそのような言い方をされて、聞き入れない相手などそうはいない。これが全て計算なら大したものだ。

 結局、その言葉を聞き入れた大人の二人は私達を置いて車で帰っていった。ここから、家が遠いという訳でもないし帰り道に子供二人で話しながら、親睦を深めるとかそういう流れだと思う。

 ガコンッと、目の前の男子は自販機で買ったペットボトルに入った紅茶を私に渡してくる。

 

「紅茶は飲めるか?」

 

「全然大丈夫。っていうか、私結構好きだよ紅茶。……あっでも、もし私が嫌いだったらどうしてた訳?」

 

「そりゃあ、俺が飲むだけだよ」

 

「ふーん……、ま、そりゃそうか。それじゃあ、ゴチになりまーす」

 

 ペットボトルを雄上から貰うがまだ口には付けない。だって、さっきまでジンジャーエールを飲んでいた訳だし、流石にそんな気分にはならない。

 まあ、多分だけど私が今飲みたそうにしていたからって理由で、奢ってくれた訳じゃないと思うし。

 

「さっきは、助けてくれてありがと。あのままだと、昼まっから父親に公衆の面前で説教貰うところだったよ」

 

「どういたしまして。まあ、二人も再婚するから色々気が回りにくいんだろ。俺達の気持ちまで気が回らなくても無理はないさ」

 

「"俺達"ってことは雄上も何かしら思うところがあったり?」

 

 疑問形で言いながら、私は確信をもって雄上に問い質す。

 

「……まあね。再婚するにしても相手の連れ子が、まさか同じ学校のクラスメイトだなんて流石に予想外だよ。あのまま親睦会をしたところで気まずい雰囲気になるのは目に見えてたからな。

 そんな落ち込んだ雰囲気で昼食なんか摂っても、美味しく感じることなんてできやしないだろ?」

 

「それは確かに」

 

 言われてみれば、全くの同意見だった。再婚相手の顔見せで急に私達しか知らない学校の話をしても、盛り上がることはないだろう。

 それこそ、私達だって高校生活なんてまだ一週間しか過ごしていないし、大して盛り上がる話題があるわけでもない。それこそ、来歴を語っておしまいだ。そんな堅苦しいトークなんて考えただけでも辟易とする。

 まあ、それはそれとして……

 

「っていうか、その言い方だとあの空間から抜けるために私のことを利用したみたいに聞こえるぞー?雄上ぃ?」

 

「まぁな。でも、籾岡も『確かに』って言ったろ?籾岡もそうしたかったんだからWin-Winだ。なら、何も問題はない」

 

「!む、むむっ……、言うねぇ。学年主席になるほど優等生のクセに悪知恵が働くじゃん」

 

「成績が良くても、普段の素行まで良い子ちゃんになるつもりはないからな。たまには羽目外したりも必要だろう?」

 

 したり顔で言ってくる目の前の男子に何も言えなくなる。都合良く利用されたという事実よりも、どちらかと言うとその小僧らしさの残る得意気な顔に驚いた。

 冗談の通じる奴だとは思ってたけど、まさかここまでフレンドリーだとは、いやはや人間、関わってみないと見えてこないもんである。

 

「何より、思春期真っ盛りの男子と女子を急に家族にしますなんてことして、問題なく一緒に暮らすなんてことできるとは思えないしな」

 

「……ん?あれ……?一緒に暮らす?」

 

 今、気のせいか隣に立っている男子からとんでもない言葉を聞いたような気がする。雄上は動揺一つせずに淡々とそれを告げた。

 

「二人が結婚をしたら一つ屋根の下で暮らすって段取りらしい。どっちの家かは分からないけど、まあ、親父さんの離婚理由からして俺達の家に移るのかもな」

 

「……マジ?」

 

「おそらくだけどな。まあ、しばらくはあの二人は家に帰ってこない。俺の母親も女社長だし別の会社の社長同士が再婚したってなったら、色々大変な手続きとか顔見せとかあるんじゃないか?

 あの二人としては俺達が少しでも早く仲良くなって欲しいから、わざわざ学校だけの関係で疎遠にさせたくはないんだろう。俺としては性急すぎると思うけどな」

 

「いやいや、私達って年頃の男と女だよね。……私みたいな不真面目なギャルが言うのもアレなんだけど、その辺りあの人達の価値観どうなってんの?」

 

「まあ、俺は彼女いること母親は知ってるから、俺なら問題ないって思ったんだろうな。今まで、基本的にルールとか守ってきたから信用されてるんだよ」

 

「えっ!?雄上って彼女いるの!?」

 

「ああ、いるよ。五つ歳上の彼女」

 

 まさかの成人済みの大人の女だった。いや、この落ち着きようを見ると、それでもどこか納得してしまう説得力がある。

 

「(唾付けておこうと思ったんだけど、雄上ならいても不思議じゃないか。同年代でこんなに落ち着いてる奴他にいないし)」

 

 達観していて社交性もある顔の良い優秀な同級生。今は陰に隠れてしまっているがその内人気も出てくる筈。だから、彼氏候補にしようと思っていたけど、宛が外れてしまった。

 

「まあ、義兄弟になるっていうんだから、そもそも無理な話か」

 

「何か言ったか?」

 

「いんや、なんでも」

 

 手に入らなくなったことが確定してしまうと、途端に物凄く惜しいと思ってしまうのは人の性(さが)なのか。もっと早くに出会っていればと思ってしまっていたのだが、…………どうせなら、反撃も込めて聞いてしまおう。

 

「そう言えばさぁ、思春期真っ盛りの男子と女子って言ってたけど、雄上、アンタもしかしてヤラシーこととか考えたりしちゃったのかにゃあん?」

 

 からかいを込めたニンマリとした表情で下から覗き込みつつ、サービスでミニスカートを捲くり上げて、中に隠されたショーツをチラリと見せる。

 下着一つで恥ずかしがる程可愛い性格を私はしていない。言ってしまえば下着など所詮ただの布だ。比較的異性からモテる自負もあるためスタイルは勿論、他の場所も恥ずかしがるところなんて私には一つもない、というのが私の言い分だ。

 まあ、流石に警察や教師にバレるとヤバいって自覚はしてるから、今みたいに人気(ひとけ)の少ないところでしかやらないけど。あとは、見られてもいいって思える相手かな。目の前のこの男とか。

 まあ、そんな私の価値観はともかく男子の場合は、顔を赤くして恥ずかしがるか、ジロジロ舐め回すように見てくるか、紳士に忠告してくるかの3パターン。

 比率としては並び順が早いほど多いって感じ。はてさて、この男はどの選択肢を取るのか、どの行動をしてもからかえるのだからやり得とすら思ってしまう。

 だが、目の前の男子はこちらの予想の上をいった。

 

 力(りき)みもなくさらりと私を抱き締めたのだ。

 

「えっ……えっ!?ち、ちょっと雄上!?アンタいきなり何をしてっ」

 

「やれやれ、どこかの誰かさんがスカート捲り出すからだぞ。こうして、俺の体で隠すしかなくなった」

 

 抱き締められると同時に、スカートを持ち上げていた手を捕まれていた。確かにこれでは何もできない。体格は勿論筋肉の量も男と女ではまるで違う。

 更に、雄上と私は身長が15~20cmも差があるのだから尚更だった。

 

「……なら、私の手首を掴んでスカートから手を放せば良かったんじゃない?」

 

「そしたら、俺が無理やりそうさせているみたいに見えるだろ?周りにパンツが見えないようにしつつ、周囲に誤解を与えないようにするにはこれが一番合理的だ」

 

 ……まあ、確かにその部分だけ切り取ると、私が雄上にそうされていると見えないこともないのかもしれない。よくあの一瞬でそこまで考えられるものだ。

 そして、雄上の腕の中にいるとどこか安心感のようなものを感じてしまうことに気付く。

 

「(女子同士はふざけて何度か抱き着いたりしてたけど、男に抱き締められるのとは全然違うわこれ。

 お遊びで付き合った男子とハグをしたことあるけど、こんな感じじゃなかったような気がする。なんというか、安心感みたいな感じが違うかも……)」

 

 そして、いつの間にか自分の両腕を、雄上の背中に無意識で回してしまっていたことにも遅れて気付いて、私の中にある人恋しさを自覚してしまった。

 こんな感情が母さんにもあったのならば、今まで積み上げたキャリアが二の次になってしまってもおかしくはないと、今まで腑に落ちなかったにも拘わらず、どこか共感さえしてしまう。

 私はそのまま身を委ねたくなる体を律して、女子の中でもそれなりに高い私の身長の、更に頭一つ分高い雄上の顔を見上げて問い掛ける。

 

「ん、んん……じゃあ、私がこの状態で叫んだらどうするつもり……?」

 

 そんなセリフを私らしくもなく、声を少し裏返しながら弱々しく聞いてしまった。基本的に飄々としたお姉さんチックなムーブをしている私が、こんなに手玉に取られるなんて正直悔しい。

 でも、それ以上に期待をしている私がいるのも事実だった。ここで優しい言葉を掛けてくるのか。誤魔化して逃げるのか。

 だけど、そんなありきたりな答えを言うような、物分かりの良い男ならばこんな状況にはなっていないだろう。

 

 

「それじゃあ、恋人らしく見せるために無理やり唇で塞ぐしかないな。だが、そしたら止まれないぞ。確実に里紗を俺の女にする」

 

「~~っ!?!?!?」

 

 

 その言葉にゾクゾクと背筋が震えてしまう。女を落とすことに一切の躊躇をしない危険な男。それが雄上因馬という男の本質なのだろう。

 学年主席だとかお洒落の有無だとか、そんな上っ面に騙されればこの肉食系男子にペロリッと食べられることになる。

 ──そして、籾岡里紗という女はそんなスリルがある男と、遊んでみたいと思える女だった。

 

「へ、へぇ、彼女が居るのに堂々と浮気宣言?とてもガリ勉の真面目君のセリフだとは到底思えないけど」

 

「家族同士のスキンシップだろ?他人同士なら浮気だけど兄弟なら話は別だ。どれだけセックスでイかせたり喘かせても、結婚できない以上はお遊びの延長線上だろ。

 てっきり里紗もこっちの方が好きなタイプかと思ったんだけどな」

 

「……悪い男」

 

 その言葉にまたときめいてしまった。そう、ガチで恋をするなんて私の柄じゃない。いろんな男とエロいことをして、存在している快楽を隅から隅まで堪能したいって思ってるのが私の本音。

 でも、無責任に中出しされて妊娠するのがイヤだから、そうそう体を許さなかった側面もある。イチャイチャもしたいしエロいこともしたいけど、メンド臭いのはゴメンだった。

 だが、そんな私の我が儘な理想を完璧に叶えてくれる存在が目の前に現れた。こんな絶好の機会を逃すなんて何度考えてもあり得ない。

 

「──ふふっ、それもそうだね。選べるなら私もそっちの方が楽でいいや。お遊びでエロいことをしていいなんて最高じゃん♪」

 

 私の目がソッチの目付きに変わったことに、雄上が気付いているのかどうかは分からない。気付いていそうな気もするけどそれならそれで全然構わない。だって他でもない因馬がそれを提案したんだから。私はそれに乗っかっただけ。

 

 背中に回していた手を今度は意識的に動かして、目の前の男の首の裏に回し、体を隙間なく密着する。とても家族にする行動とは思えない熱烈なハグが私の返事だった。

 男を誘うような艶のある流し目で、目の前の雄を下から見上げながら、私は高鳴る鼓動のままに口を開いた。

 

 

「明日は流石に無理だろうけど、一週間後にはそっちの家に荷物持って行くから──これからよろしく、因馬♡」

 

 

 

 

【ーー♡♡ーー】

 

 

 

 

「ちなみに、俺の誕生日12月24日だ」

 

「私が7月21日……ってことは、もしかして因馬が私の弟になるってこと!?」




どうして籾岡の両親が離婚してしまったのか……謎は深まるばかり。

ちなみに、籾岡の貞操観念が解釈違いという人がいるかもしれませんが、同級生の男子から誘われたその日に自分の家に上げて、一線を軽く超えようとした彼女の身持ちが、固いことはまあ無いと思いました。

……ぶっちゃけると、そっちの方がエロいからそう書いただけです(白状)
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