クソ野郎の娘を助けてからすぐに病院に向かった俺は、母さんの下へと向かった。
母さんは今、精神科のある病院に入院しながら治療を受けているが、回復の見込みは治療を続けなければならないほどに弱っていた。
母さんを診てくれたお医者さんからも――
『何があったかは、大体察したが……お母さんが完治するには時間が掛かるよ。』
―――そう言われるほどに母さんは弱っていたらしい。
だが、これで確信が持てた。
あのクソ野郎には、大きな絶望を味わってもらわなきゃ、俺のこの怒りは収まらない。
必ず、奴には絶望してもらう……。
俺はそれから廃棄されたケータイを拾うと、スキルの一つでそのケータイを何でもデータを取得できる無敵端末へと進化させて、あのクソ野郎について調べた。
するとどうやら、あのクソ野郎は各界の大物達との“強い癒着”があり、数年後には奴が手に入れた“裏金”で建てた学園の理事長になることが確約されている。
「クズ共が。まとめて地獄に送ってやる。」
端末を操作すると、俺はあのクソ野郎とその関係者たちの動かぬ証拠を端末に保存し、さらに俺は母さんを守るため、学を身に付ける為に沢山勉強した。
本来なら時間を掛けてやる中学、高校、大学の勉強の内容、さらに陸上競技や水泳などの運動もやっていった……。
何かしら結果を出せば、それが利用できると想い、その中でも特に成果を出していたのは、英語と水泳であった。理由は特には無いが、水泳は好きだし、やってて気分転換にもなる。
あとはキックボクシングも学んで自己防衛の手段にした。
そして俺は成長して、小中高と学校に通えおり、母さんも少しずつだが回復していってるので、なんとなく安心出来た。
そんなある日、俺が高校から帰って母さんのいる病院から出てきた時……。
「あ、あの!」
「ん?」
後ろから声を掛けられて振り返ると、そこには中々可愛いワインレッドのショートヘアをした女の子がいた。
「誰?俺に何か用事?」
「は、はい!あの、昔助けてくれませんでしたか?」
「??昔?ごめん、君誰?」
ん?待てよ?この子、どこかで見覚えが……。
「あ、そ、その!ごめんなさい!私、エクセレント女学院に通っている橘 日菜って言います!」
「は?え、エクセレント、女学院……?それに、橘?」
その時、俺の頭には鈍器で殴られたような凄まじい衝撃が走り、眼の前の橘 日菜って子を見て思い出してしまった。
この子……公園で死にかけていたあのクソ野郎の娘の1人だ!!?
「(な、何であいつの娘が俺に話しかけてくるんだ!?
あれから成長してて年格好も違うはずだろ!!?
何で平気で話しかけてくるんだよ!)」
俺は戸惑いながらも、近くのカフェに彼女……橘 日菜を誘っていくと、彼女は疑うことなく着いてきた。
「え、えっと……俺に何か用?」
「はい!あの、子供の頃は助けてくれてありがとうございます!その、私は貴方のおかげで助かったんです。お礼を言いたくて探してたんですが……。」
「そ、そうなんだ。(やばい、飲んでるコーラの味が分からねぇ。)」
戸惑いながらもコーラを飲んでいると、彼女は話を続けてきた。
「もともと私、身体が弱くて……それに本当なら翌日に手術だったんですが……あなたがくれた薬のおかげで完治したんです。……本当にありがとうございました!」
「そ、そうなんだ……。それは、良かった……ね?」
「はい、お姉ちゃん達も驚いてました!だからお礼を「あ、いや!お礼は良いよ!治ったんなら良かった!」で、でも!」
「本当にお礼はいらないよ!勝手にやっただけだしね!あ、ここの支払いしておくから、ゆっくりしてて!」
「あ、あの!」
俺は逃げるように橘から離れて、支払いを済ませると店を出ていった。
居辛くなったのと、あんな純粋な目に見られるのがなんだか嫌だったからだ……。
◆◆◆
「私、なにか失礼なことを……。ん?」
優一が足早に帰ったのを見て、戸惑っていた日菜。
その中で彼女は優一が落とした手帳を見つけて拾う。
「秋川、優一……。優一さんっていうんだ。」
手帳を抱きしめると、微笑む日菜。
そう、彼女は自分の命を助けた優一に“恋”をしていたのであった……。
この作品のヒロインは?
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橘 香奈子
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橘 日菜
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神栖浦 理沙
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菅井 朱莉
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一ノ瀬 裕花
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ケイティ・真嶋
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瀬戸 愛華
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高浜 静琉
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新城 穂乃果