学校で一番エッチなヤツのおねショタ歴程 作:ピーマン
それは、今から1000年前のこと。
ウサミミを生やした月のお姫様が太陽の王子様と出会ったお話。
「みんな、逃げてーーッ!!」
カグヤ星の生物学者であるゴダール夫妻によって生み出された人造人間、エスパル。
実験を繰り返していた日々の中で、煙突からの落雷によるエネルギーで偶然誕生した存在。
その星の魔素は自然を度外視した魔法文明によって酷く汚染されており、人々の生活を担うエネルギーが枯渇していた。汚染魔素をエネルギーとして扱える魔力に変換することは、優れた魔法技術を持つ彼らでも困難だったのだ。
魔素が汚染されていれば水も土も悪くなり、作物が満足に育たない。人々は日々の糧を得るのにも事欠いていた。
そんな中で生まれたエスパル達。彼らは大気中の汚染魔素を浄化し、不純物が一切ない
当然、カグヤ星の人々はその力に注目し、各地域を統治していた勢力がこぞってエスパル達を求めて彼らを保有する国を攻め始めた。
「ついに見つけたぞ! エスパル!!」
「きゃあっ!」
「ルナッ!」
国の軍部はそれらの勢力に力を誇示するため、エスパル達を使って膨大な魔力を充填。カグヤ星の衛星に向けて発射した。
その結果、衛星の一部が損壊。その威力に恐れをなした各勢力は例外なくかの国に屈服する道を選んだ。
衛星の損壊によって、カグヤ星の環境はさらに悪化の一途を辿る。
各勢力は一層エスパル達を保有する国に依存することとなり、やがて吸収。目論見通り、統一国家として君臨することとなった。
これ以上エスパル達を悪用されることを拒んだゴダール夫妻は、監視の目を掻い潜って彼らを宇宙船に乗せてカグヤ星から逃がした。
かくしてエスパル達は遠く離れた太陽系で地球を見つけ、その衛星である月に生息するウサギ達に仲間と勘違いされ、彼らに迎えられる形でそこに隠れ住むことにしたのだった。
それから、100年ほどの月日が経ち……
「ルナを離せ!」
「ルカ! 私はいいから、あなた達だけでも──」
「おっと、そうはいかないなぁ。11人全員を捕らえろっていうご命令なんでね。爺さんの代から捜索し続けてやっと見つけたんだ。逃がすもんかよ」
エスパルの一人である艶やかな青い長髪が美しい少女──ルナ。
カグヤ星から派遣された捜索隊である男の兵士二人組の一人が、捕らえた彼女の両頬を乱暴に掴んで自身の方へ顔を向けさせる。
「ッ!」
「へぇ……どんな化け物の子供かと思ってたけど、めちゃくちゃ可愛いじゃん。こりゃいいや。おい、抑えとけ」
小太りな相方の方へ突き飛ばし、彼に羽交い絞めにさせる。
そして、ルナの前に立って舌舐めずりしたと思いきや、彼女の衣服を乱暴に剥ぎ始めた。
「いやあぁッ!!」
「な、何するんだ! やめろ!!」
ルナの弟であるルカが右手を突き出し、その身に青い光を纏って周囲の魔素を集めようとする。 が、途中で頭に生えているウサミミを抑えて苦しみ出し、その光が掻き消えてしまう。
「……くっ!」
「ルカ兄ちゃん!」
「無駄だって言ったじゃないか。こっちにはお前らの能力を阻害する『エーテルミューター』があるんだからな」
嘲り笑いながら、男はルナの白い上着を剥ぎ取り、コロニーの地面に投げ捨てる。
続けて、その下に着ているぴっちりとした紺色のボディスーツにナイフで切れ目を入れ、力任せに裂いて少女の肌を晒した。
上半身部分が剥かれ、露わになるほのかな膨らみと綺麗なピンク色の乳首。どうやら、下着の類は身に着けていないようだ。
男は片方の乳房を左手でイヤらしい手つきで撫で、もう片方の乳首をねっとりとした舌遣いで舐め上げる。
「や、あぁ……!」
「やめろ! やめろったら!!」
「こんな可愛い子を好き放題できるチャンスだってのに、何もしないなんてそんなことできるわけないだろう? でも、そうだなぁ……お前ら全員が大人しくオレ達に捕まるって言うんなら、考えてやってもいいけど?」
「……ッ!」
「ルカ! 私はいいから! お願い!!」
ルカは目を見開き、動揺しながら後ろに庇っている他のエスパル達を振り返る。
すぐそこには、カグヤ星から逃亡する際に使った宇宙船がある。ルナを見捨てれば、自分達だけは逃れることができるだろう。
しかし、彼らもルカと同じ気持ちなのか、頷づいて返してくれた。ルカはまた頷き、男達に向き直る。
「……分かった」
「ルカ……ッ!」
「物分かりが良くて助かるよ。よぉし、やれ」
『『キーッ』』
男は後方に控えていた使い魔達に命令。額にその証である紋様が刻まれた彼らはか細い鳴き声を上げ、持たされた魔法道具の銃でルカ達を一人ずつ魔法の輪で締めつけて拘束する。
エーテルミューターがある以上、これで彼らはもう抵抗できない。
「やれやれ、これで後はカグヤ星に帰れば任務完了ってわけだ。だだっ広い宇宙を彷徨うだけの毎日とおさらばできるのかと思うと、嬉しいねぇ! ハハハッ!」
身動きが取れなくなった10人のエスパル達を見下ろした男は、親子三代に渡って続いた任務を終えた達成感と解放感に笑い声を上げる。
「……さて、と」
ひとしきり笑い終えると、ルナに近づく。
なんと、男はルナの上半身部分が引き裂かれたボディスーツに再び手をかけ始めたのだ。諦めに項垂れた彼女の顔が再び青褪めていく。
「な、何してるんだ! 話が違うじゃないか!」
「うるさいなぁ。考えてやるって言っただけで、やめるなんて一言も言ってないだろう?」
股間部分の生地を力任せに引っ張り上げられ、女の子を示す縦筋がくっきりと浮かび上がる。
「んッ……いや、ぁっ!」
「どうせお前達をディアボロ様のもとに連れて行ったって、あんなゴミ溜めみたいな星じゃあ褒美も大して期待できないし、女だってみんなやつれて抱きがいがありゃしない。せっかくこんな美少女を手に入れたんだ。良い思いしとかなきゃ……損だろ!」
そのまま、ビリィッ!! と破かれ、毛一つ生えていない幼い股間と殻を剥いたゆで卵のよう艶肌をした太ももが欲望に溢れた下劣な視線のもとに晒される。
「ッ、見ないで! 見ないでぇ!!」
「うひょーっ! カグヤ星で汚いガキを何人か犯してやったことあるけど、こんな綺麗なおまんこ初めてだ! コイツは犯しがいあるぜぇ!」
「……お、おれ、ロリまんこ早く犯したいっ」
「待て待て。オレはギャーギャー喚くガキの処女破って黙らせるのが好きなんだ。その後なら何発やろうが構わないからよ。エスパルは生殖機能がないらしいしな。おら、しっかり抑えとけ」
口数が少ない上に女を性処理の道具としか見ていない相方。彼は渋々ルナの両脇に腕を差し込んだ状態のまま腰を降ろし、彼女を引っ張るようにして地面に寝かせた。
ルナを襲おうとしている男はヘルメットを脱ぎ、鎧に似たスーツをカチャカチャと音を立てながら脱ぎ始める。
「いやぁ! いやぁーッ!!」
「ルナーッ!!」「「ルナ姉ちゃーん!」」
ルカと他のエスパル達が必死にもがくが、能力を封じされている彼らでは身じろぎするのが精一杯。
今から何が行われるのか、彼らにはその知識があった。両親同然であるゴダール夫妻の夜の営みを偶然覗いてしまったのが事の始まりである。
両親からは色々と教わった。
その行為は、無理やりしては絶対イケないことと言い聞かされていたのだ。
「くっそ、このスーツ脱ぐのに時間かかるから困るんだよなぁ」
「わあ、大変そうだね。手伝ってあげよっか?」
「お? 悪いな、助か…………え?」
男はかけられた声が聞き慣れないものだということに気づき、振り向く。
そこには、緋色の衣を纏った少年が立っていた。見た目年齢は10歳ほどで、エスパル達とそう変わらない。
まだ仲間がいたのかと思ったが、その少年には魔素を集めるためのアンテナであるウサミミが頭に生えていない。そもそも、エスパルはルナを入れて全部で11人。12人目がいるわけがないのだ。
「お前どこから──」
突然現れた謎の少年に面食らっていると、その彼は手に持った平たい板を男に向け、カシャッと音を鳴らす。
すると、あら不思議。男のスーツが一瞬で消え去り、雅びな柄をした衣を20枚以上も重ねた重苦しくして動きにくい装束に着せ替えられてしまったのだ。
「な、何だこりゃあ!?」
「綺麗でしょ? 十二単って言って、日本の貴族の女性が着る服なんだ。『きせかえカメラ』って便利だよね。絵が下手くそでも自動補正でそれなりの出来になるし」
「な、カ、カメラだと!? 禁断の魔法道具を使うなんて……お前ら! コイツも拘束しろ!!」
『『キ、キーッ』』
命令された使い魔達は少年に向けて魔法道具の銃を向ける。
……が、どういうわけか向けるだけでいつまで経っても撃とうとしなかった。
「キミ達、もう帰っていいよ。あ、それも置いてっていいからね。お疲れ様~」
そんな彼らに対し、少年はニコニコと笑顔で手を振る。
何を言っているのかと思う男だったが、彼の使い魔達はなぜか少年の言うことを聞き始めた。銃をその場に捨て、ぞろぞろと定時退社するかのように来た道を帰って行ってしまう。
「お、おい! どこ行くんだ!? 戻ってこい!」
主人の命令を聞かずに去っていく使い魔達。訳の分からない現象を前に、男は慌てて叫びかけるが、彼らは歯牙にもかけず。
それを見送る少年の首には、いつの間にか『使い魔のご主人様』と書かれたプレートが下げられていた。『なりきりプレート』という、なりたい人になりきることができる道具だ。
「何がどうなって……お前、何とかしろ!」
「う、うん……ッ」
十二単のせいで身動きがまともに取れないため、相方に縋る男。彼は頷き、ルナを羽交い絞めにしていた腕を離す。
しかし、その間に少年は使い魔達が落とした銃の一丁を拾い上げ、ルナが離された瞬間を見計らって彼らに向けて引き金を引いた。
「「うわぁっ!!」」
ルカ達と同じように、魔法の輪で拘束されて地面に転がる二人組。
続けて、少年は衣服を剥がれたまま呆然としているルナに先ほどの薄い板を向け、再びカシャッと音を立てる。
「えっ」
瞬きのうちに、ルナの身体に衣服が飾られる。夜空の色に星々を描いたようなその柄をしたそれは、奥ゆかしさと淑やかさが両立したとても美しい着物だった。
「わあ、すごく綺麗だ! 絶対似合うと思ってたんだよ!」
「あ、ありがとう、ございます……」
戸惑いながらも、褒められてポッと頬を赤らめるルナ。心臓の高鳴りは気恥ずかしさからか、それとも驚きからか、その時の彼女には分からなかった。
「ああ……び、美少女ロリまんこが」
「くそっ! お前、一体何モンだ!?」
身動きが取れずミノムシ状態でもがいている二人。ルナの服を剥いだ男が、着物姿の彼女に見惚れている少年に向けて叫んだ。
少年はルナから目を離さないまま、彼の叫びに答える。
「何モンって……自分でもよく分からないんだよね。う~ん、通りすがりの正義の味方です! みたいな?」
「正義の味方ぁ? かっこつけやがって……余裕ぶってるがなぁ、月の表側を調査してた別動隊にはエスパルを見つけた時点で連絡が行ってるんだ。もうすぐここに駆けつけてくるぞ!」
「あ、あの人達なら、ここに来た目的を忘れさせて宇宙船に戻ってもらったよ。ダメじゃないか、こんな可愛い女の子をさらおうだなんて」
「か、可愛い……」
「忘れさせたぁ!? デタラメ言うな! いいからさっさとオレ達を──」
喚く騒ぐ男だったが、少年はそれを無視して彼に何やら三つ葉の生えた飾りを貼りつける。
すると、彼は途端に騒ぐのを止めた。それどころか、怒りに赤くなっていた悪人顔が一転。ニフフと気持ち悪い笑みまで浮かべ始めたのである。
「……オレ達、何でこんなひどいことしちまったんだろう」
「そうだなぁ。ごめんね、美少女ロリまんこちゃん」
「え、ええ?」
変化したのは男の相方も同じ。急に態度を変えてしまった彼らに対し、ルナは唖然として声を漏らしてしまう。
「うんうん。平和が一番だよね。それじゃあ、キミ達もこの子達のことは忘れて、家に帰りなよ。それでいいよね?」
「は、はい。でも……」
「分かった。君達のこと、ディアボロ様には絶対言わないから。約束するよ。本当にごめんな」
二人組は少年の言うことに素直に従い、ペコリと頭を下げる。そして背中を向け、宇宙船の帰路を辿り始めた。
自分達の居場所を報告されてしまうのではないかというルナの懸念も、謝罪と共に秘密にすることを約束してくれたのだ。
「い、一体何がどうなって……」
「さっきあの人に貼った飾りね、『平和アンテナ』っていう道具なんだ。あれから出る平和電波を浴びると、争いごとをやめて誰とでも仲良くなっちゃうんだよ。え~っと、あ、このボタンかな?」
困惑しているルカに近づき、説明しながら手に持った銃を弄る少年。
それらしきボタンを押し、彼を拘束する魔法の輪を解除する。続けて、ペッコルを始めとした他のエスパル達も解放してあげた。
「わー! ありがとう!」「ありがと~!」
お礼を言う仲間達の声を聞いて、未だ状況が飲み込めていなかったルナは慌てて少年に駆け寄り、深々と頭を下げた。
「あ、ありがとうございます! 助けていただいて……」
「ボクも、ありがとう。あの状況からみんな無事で済むなんて思わなかったよ」
「ニヘヘ、いいよ。僕は道具使っただけだからね」
エスパル達から感謝された少年はこそばゆそうに頬を掻きながらも、大したことは何もしてないとばかりにそう返す。
「私はルナと申します。こちらは弟のルカ。それから──」
「ペッコル~!」「ぼく、アル!」「エル……」「ホルル!」「ルコですぅ」「モールだぁ」「ツックル……です」「ルネです。あ、この子はヌルって言います」
ルナの自己紹介を皮切りに、他のエスパル達もそれに続く。一人だけまともに喋れない幼児がいたので、その子はルネという子が代わりに紹介した。
「よろしく。ぼくはユウタ。宇宙を旅するしがない旅人ってトコかな。さっきはかっこつけて正義の味方なんて言っちゃったけど」
「ユウタさん……あ、あの! 何かお礼をさせてください! 大したものはありませんけど、お料理ならご用意できますから!」
「え、ホントに? やったぁ、実はお腹減いてたんだ」
「良かった! ちょうどご飯時だったので、そんなに時間もかからないと思います! ルカ、手伝って! みんなも、ユウタさんを案内してさしあげて!」
「「はーい!」」「こっちこっち!」
ユウタと名乗った少年はペッコルに手を引っ張られ、彼女が先導する形でコロニーの居住地へお案内してもらう。
その賑やかさにルナとルカも改めて自分達が助かったことを実感して安堵し、その後に続く。
「……ルナ、どうしたの? 何だかソワソワしてるみたいだけど」
「え? そ、そんなことないわ。気にせいよ」
「そう?」
首を傾げるルカ。
ルナもまた、未だに胸の高鳴りが収まらないことを自覚していた。カグヤ星人達は去って、もう安全になったというのに。
そして、彼女自身、それの正体に何となく気づきつつあったのである。
♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
「はー、お腹いっぱいっ!」「ごちそうさまー!」
「お粗末様。さ、もう遅いから、パッパと湯浴みを済ませてベッドに入るのよ」
「「はーい!」」
賑やかなパーティが終わり、皆が湯浴みのために着替えを持って家を出ていく。
お湯は月の氷を溶かしてできた水を沸かして用意している。魔法を使えば簡単に水を作ることもできるが、力を利用されてきた経験から無闇に使わないよう言い聞かせているのだ。
「ユウタ兄ちゃんも一緒に入ろー!」
「う、うん。でも、僕は後で入らせてもらおうかなぁ。それより、ぼくのことは"ナルニアデス"って呼んでよ。せっかく考えてくれたんだから」
「やだぁ! だって長いんだもん! ……あれぇ、なんかカタいトコあるぅ。何だろコレ~♡」
「うわわっ、そ、そこは……」
赤いくせっ毛をした幼女のペッコルがユウタの腰に纏わりついて離さない。人差し指で股間をクリクリと触り始めたのはわざとなのかそうでないのか、果たして。
ちなみに、ナルニアデスという呼び方はエスパル達が彼につけてあげた名前だ。
パーティの最中、みんなの名前に"ル"がついていることが気になったユウタが、せっかくだから自分にも"ル"がついた名前を考えて欲しいと頼んだのだ。
そして出てきたのが、"ナルニアデス"。カグヤ星の言葉で"救い主"を意味する言葉。
最初こそみんなかっこいいともてはやしていたものの、長いので結局みんな本名で呼んでいる始末である。
それでも、エスパル達は仲間が増えたような実感が湧き、よりユウタとの距離が縮まったのは間違いない。
「こら、ペッコル! ワガママ言わないで行ってきなさい!」
「ぶ~っ」
ルナが叱ると、彼女はぶー垂れながらユウタから離れ、皆の後に続いていった。
それから台所の後片付けを始めたルナ。目についた籠を抱えた際、ふと辺りを見回してつい先ほどまでいたユウタの姿が見当たらないことに気づく。
「……ねえ、ルカ。ユウタさんは?」
「ユウタなら、外だよ」
「えっ!? も、もしかして、帰られてしまったの!?」
ルナは慌てた様子でプレゼントされた着物を翻し、家を飛び出した。栗の香りが漂う籠を抱えながら。
魔力を使って宙に浮かび上がり、月面へと飛び出る。
「あっ! 外の空気を吸ってくるだけって──聞いてないか……」
食事中もユウタの隣に陣取って甲斐甲斐しく世話を焼いていた彼女。
そんな彼女の様子を見たルカは、既に亡くなっているだろうかつての両親であるゴダール夫妻──その片割れである母親を思い出した。
姉よりも達観した考えを持っている弟は色々と察し、やれやれと溜息を吐く。
彼女を追うことはせず、他のエスパル達に続いて湯浴みに向かった。懐かしい母の温もりを思い出しながら。
「はぁ……はぁ……」
地下のコロニーから月面に出たルナ。
焦りで乱れた息を整えつつ、空高く飛んできょろきょろと辺りを見回す。
普段、月の表面は魔力光を発して地球を静やかに照らしている。
しかし今、月は眠っているかのようにその光を失っていた。新月を迎えたのだ。
「あっ」
後ろを振り向いたところで、目当ての人物を見つける。彼──ユウタは、小山に腰を降ろして地平線から覗く地球を眺めていた。
ルナは慌てて月の砂を踏み鳴らしながら駆け寄り、声をかける。
「ユウタさん!」
「? ルナちゃん、どうしたの?」
「良かった。帰られてしまったのかと思って……」
「ちょっと地球を眺めたくなっただけだよ。それに、今は帰る場所なんてないし……」
「え?」
「ううん。ほら、隣おいでよ」
誘われたルナは「は、はい」と緊張した面持ちで歩み寄り、彼に並ぶ形でその場に腰を降ろした。
「ヘヘ、ルナちゃんみたいなすごく可愛い子と地球見できるなんて嬉しいな。長生きはするもんだね」
「そ、そんな、可愛いだなんて……あれ? ユウタさん、何歳なんですか?」
「え? う~ん、正確には分からないけど、少なくとも数1000年以上は生きてるかなぁ」
「ええっ!? そ、それじゃあ、私達と同じで子供のまま成長が止まって……」
「うん。もうずっと昔からこの姿だよ」
驚いた。人工的に造られたエスパル以外にもそのような存在がいるとは思っていなかったから。
しかし、宇宙は広い。自分達やユウタのような存在が他にも大勢いるのかもしれない。そんな中で彼と出会えたのだと思うと、ルナは心が浮き立った。
「あ、そういえば、ルナちゃん達はどうしてあの人達に狙われてたの? あ、言えないことなら別にいいんだけどさ」
「いえ、お話します。私達は……」
ルナは彼に自分達エスパルの境遇を説明した。
今ではさらに環境が悪化しているだろう、故郷であるカグヤ星のことも含めて。
「そっかぁ。僕と少し似てるね」
「似てる、ですか?」
「うん。実は僕、物心ついた頃にはあの地球で暮らしてたんだ。だけど……」
ユウタは話した。自身が他に類を見ないほどの魔力を持った人間だったこと。両親らしき存在はいなかったらしい。
各地で遭遇した問題を解決しているうちに勝手に祭り上げられ、いつの間にか魔法使いとして最上位の冠位を与えられていたのだ。
しかし、見た目が子供なためにその冠位を目指していた魔法使い達から理不尽な妬みと恨みを買ってしまった。
道具を持ち逃げされたりとトラブルが耐えなくなったユウタは人間関係が面倒臭くなり、地上を離れた。天上に雲を固めて土地を作り、そこでしばらく暮らしていたのだという。
「で、結局天上からも離れることになって、地球を出て旅に出ることにしたんだ……あれ? そんなに似てなかったかも」
「いえ。でも、こうして戻ってきたということは、旅はもう終わりにするんですか?」
「そう、だね。もう十分見て回ったし、ここらで地球に戻ろうかなと思ったんだ。でも、やっぱりまだ踏ん切りがつかないかな」
当時のことを思い出し、ユウタは少し寂しそうに視線を落とした。
地球ではもちろん、旅でも色々な経験をしてきた。特にイノックス星での出来事は、今でも心にくすぶりを残している。
そんな彼に対し、ルナはもじもじと恥ずかしそうに頬を赤らめながらも勇気を出して提案する。
「そ、それなら、ここで……月で、私達と暮らしませんか?」
「え? いいの? ……カグヤ星の人達なら、もう大丈夫だと思うよ。平和アンテナを持たせたから、ディアボロだっけ? 親玉もキミ達を捕らえようなんて考えはしなくなってるだろうし」
「い、いえ! そんなつもりではなくて、その……」
顔を俯かせ、ごにょごにょと口籠ってしまうルナ。
数秒そうした後で顔を上げ、何を考えているのか腕に抱えていた籠をユウタに差し出した。
「ど、どうぞ!」
「? 何、これ?」
「栗まんじゅうです! その、地球で拾ってきた栗をコロニーで栽培してて、それを使った試作品なんですけど……あっ、も、もうお腹いっぱいですよね」
「ううん、食べるよ」
ユウタは差し出された籠から一つ掴み、口にする。
餡子の上品な甘さと、香り高い栗の風味。優しい食感も合わさって、非常に味わい深いお菓子に出来上がっていた。
「っ、美味しい! こんなに美味しいお菓子初めてだよ!」
「本当ですか!? も、もっと、食べたいですか?」
「うん! いくらでも食べれちゃいそう!」
「私、可愛いですか?」
「うん! ……え?」
唐突に話題を変えられて首を傾げるユウタだったが、目の前でじっと彼を見つめているルナは真剣な表情をしていた。
彼女の翡翠色の瞳は、興奮のためか頬と同じように赤みを帯びている。
「その……私のこと、可愛いって、綺麗だって、言ってくださいましたよね?」
「う、うん」
「もし、ここで暮らしてくださるなら、この栗まんじゅうも、お料理も、毎日食べられますよ? それに、わ、私も……」
「ル、ルナちゃん、それって……」
さすがのユウタも察したのか、その頬を朱に染めた。
遠回しでありながらある意味ド直球な告白をしたルナもまた、緊張に唇を引き結び、籠をひし抱く。
「ルナと呼んでください! みんな、ユウタさんのことを本当に救い主だと思ってるんです! 私とみんなを颯爽と助けてくれて、笑顔が眩しくて……まるで、太陽から来た王子様みたいでした!」
「お、王子様だなんて、大げさだなぁ」
ユウタは気恥ずかしそうに頭を掻きながら、旅の道中での出来事を思い出す。
今までにも一度、実際に王子様の扱いを受けていた時期があったのだ。アクア星と、地球によく似た星のマヤナという国で。
「大げさなんかじゃありません! 私にとってはそうなんです!」
「わっ」
両拳を握ったルナが前のめりになり、その可愛い顔が接近。
キス寸前の距離。押せ押せとばかりに迫る彼女に対して、ユウタは思わず身を引いてしまう。
「そ、その……実は僕、恋人がいるんだ」
「え……」
予想外の返事に、ルナは上げていた腰をガクリと落とす。籠が腕から離れて地面に落ち、栗まんじゅうがいくつか転げ落ちた。
「相手はね、地球の天上世界に暮らしてた頃に迷い込んできた人なんだ。僕なんかより魔法が上手で、綺麗で、優しくて、あったかい人」
ユウタは当時の幸せに溢れた日々を思い出し、柔らかな笑みを浮かべる。
「子供もたくさんできたんだけど、彼女とは色々あって離れ離れになっちゃって……でも、絶対にまた会えるって約束してくれたから。僕、その人を探すために旅に出たんだよ」
「そう、なんですか……」
離れ離れになった彼女のことを話すユウタはとても嬉しそうで、ルナは胸が切なくなってしまう。分かってしまったのだ。恐らく、その人には一生敵わないのだろうと。
「そ、それにね。軽蔑しちゃうかもだけど、彼女だけじゃなくて、実は他にも旅で出会った子達と恋人同士になって……その子達との間にも何人か子供がいるんだ」
「ッ! それじゃあ、私ともお願いします!!」
「ええっ!?」
軽蔑するどころかグイグイ来るルナに驚くユウタ。
そも、カグヤ星はその悪環境のせいで平均寿命が著しく低いため、一夫多妻制で初産の平均年齢も10代前半となっている。男性が女性を囲っているのはむしろ健全で、国に貢献していると言えるような環境だったのだ。
「い、いいの?」
「構いません! あ、でも、エスパルは子供を作れないらしいので、子作りは無理だと思いますが……でも、精一杯、妻としてご奉仕します!」
勢い余って、恋人関係をすっ飛ばして夫婦になろうとしている。
それだけ彼女が自分のことを想ってくれていると分かったユウタが、こんな美少女相手にそれ以上我慢できるはずもなく。
「あっ──」
ルナの手を引っ張り、腰にもう片方の手を添えて自身のもとへ抱き寄せた。
「ルナ……」
「ユウタさん……」
どちらからともなく、顔を近づけて唇を重ねる。
「は、むっ♡ ちゅ♡ ……ユウ、タ、さん♡」
初めてのキス。ルナは密かに憧れていた行為に夢中になってしまう。
そこへ、ユウタが彼女の口の中に舌を差し出す。さすがに長年生きてきて女性経験が豊富なためか、巧みな舌遣いで彼女の舌と口内を愛撫する。
「ふぁ♡ んむっ♡ ぅん……ぁ♡」
唇同士が離れ、透明な橋が架かる。
二人の間に見える地球の青が混ざって、神秘的な輝きを帯びた。
「ホントに、いいの? 僕、あの男の人達がしようとしたこと、ルナにしちゃうよ?」
「大丈夫です。私、ユウタさんとなら……♡」
返事を聞いた夕太は、ルナの鎖骨にそっと手を添える。そのまま、着物の隙間に指を潜り込ませ、肌蹴させた。
露出した肩に手を滑らせ、そのまま押し倒そうと──
「 あーーーッ! 」
その時、割り込むようにして黄色い声が月面に響いた。
ビクリと肩を震わせて二人同時に声のした方を振り返る。そこには、お風呂から抜け出してきたのか、宙に浮いたペッコルが濡れた幼い裸を月の空に晒しながら、彼らを指差していたのだ。
「チュー! チューしてる~!」
「ペ、ペッコル……!」
「いいな~! ペッコルもユウタ兄ちゃんとチューしたぁい!」
ふよ~っと舞い降りて、裸のままユウタに抱きつくペッコル。彼は動揺しながらも彼女を抱きとめ、さりげなくその柔いお尻の感触を味わった。
エスパル達は皆同い年なので彼女も100歳を超えているはずなのだが、彼女は見た目が7歳ほどで成長が止まっていて精神年齢もそのままなのだ。
「ペッコル! なんで濡れたままなの!? 風邪引いちゃうでしょ!」
「だって、ユウタ兄ちゃんのこと待ってたのにちっとも来ないんだもん! ねぇ、チュー!」
「ダメよ! ユウタさんが困ってるでしょ!」
「あ~、大丈夫。分かったよペッコルちゃん、一緒に入ろう」
「わーい!」
ペッコルをお姫様だっこしてあげて、立ち上がるユウタ。ルナは「あぁ……」と心底羨ましげな顔をした。
「ルナも、一緒に入ろうよ」
「えっ!? は、はい! ……あっ」
飛び上がるように立ち上がったルナだったが、足元に落ちた籠から栗まんじゅうが散乱してしまっていることに気づく。
「ご、ごめんなさい。先に行っててもらえますか? 栗まんじゅうを拾わないと……」
「手伝──「やー! お風呂ー!!」わわっ」
手伝おうとするユウタだったが、腕に抱えたペッコルが癇癪を起こして暴れてしまう。
「大丈夫です。後から向かいますから。ペッコル、抜け駆けしちゃダメよ?」
「え~、何のことぉ? ほら、ユウタ兄ちゃん行こー!」
「う、うん。分かった」
頷き返し、ユウタは銀の砂に足を取られながらヨタヨタと歩き出す。
途中で見かねたペッコルが魔力を使い、二人は宙に浮かんでコロニーへと飛んで行くのだった。
「……はぁ、もうペッコルったら」
それを見送った後、ルナは肌蹴た着物を直し、籠を拾い上げる。地面にかがみ、転がった栗まんじゅうを拾い始めた。
ちょうど周りをウロチョロしていた月のウサギ達も、それを手伝ってくれる。
「まあ、ありがとう」
ウサギ達にお礼を言いながら、ルナは先ほどの情事を思い出す。
──あのまま続きをしていたら、どうなっていたのだろう?
月とはいえ、初体験を野外で迎えていたのはでないかと思うと、ルナはボッと顔を真っ赤に染めて煙を上げた。
改めてそのはしたなさに気づき、その羞恥心を誤魔化すように忙しない様子で栗まんじゅうを拾い続ける。
「……あら?」
全部拾い終えたと思って立ち上がったが、小山を転がり落ちてしまったのか、下り坂の先にもう1つだけポツンと転がっているのを見つける。
ルナは小さく嘆息。その場に籠を置き、ゆっくりとした足取りで小山を降り始めた。
♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
同時刻、魔界星にて。
魔王城の玉座。そこには、静かに地球を見つめる巨人──大魔王デマオンの姿があった。
『デマオン様、いかがですか? 地球は』
『うむ。あの美しさ、豊かな自然、どれを取っても素晴らしい星だ』
デマオンは片手で頬杖を突いて地球の輝きに見入っており、その瞳に地球の青を反射させながら感嘆の溜息を漏らしている。
『それでは、早速侵略の準備を──』
『待て待て。もし地球にワシ好みの娘がいたらどうす──ゲフンッゲフンッ』
『デマオン様?』
急に咳き込み始めた主人に対し、首を傾げる秘書担当の悪魔。
『ゴホッ……あ~、ワシが平和主義なのは知っているだろう。地球の支配者は、確か人間と言ったか。まずは使者を遣わし、我ら悪魔族に隷属する方が自分達のためになるということをその人間達に分からせてやるのだ。良いな?』
『ははっ、かしこまりました。さすがはデマオン様。王政始まって以来の慈悲深き考え方の持ち主でございますね』
『ワハハ、そう褒めるでない』
始まって以来も何も、デマオンが1代目の魔王であり、最後の魔王となるのだが。
そんなツッコミが行われるわけもなく、秘書は会話を続ける。
『では、準備に取り掛からねばなりませんね。しかし、その間お暇でしょう。地球の衛星を観光してはいかがでしょうか?』
『衛星? ああ、地球の月か。だが、あれからは我ら悪魔族が苦手とする光の魔力が……』
『それが、ちょうど休眠状態に入ったようでして。観察してみたところ、長い耳を生やした可愛らしい生物が暮らしておりました。デマオン様のお気に召すかと』
『え、それはまさか、バニーガ──ゲフンッゲフンッ! いや、心が和みそうだな。よぉし、ではワシはちょっくら地球の月へ遊びに行ってくるぞ』
秘書から良い情報をもらったデマオン。
意気揚々とした様子で玉座から腰を上げ、マントを翻して空へと飛び立った。
星々の輝く宇宙を翔け、地球を挟んだ先に浮かぶ月へあっという間に到着する。
上空から月面を観察してみると、確かに可愛らしい長耳の小動物がチラホラと見える。中には、集団で群がって仲良くお餅を突いている者達もいた。
『ふむ、確かに可愛いが……違うんだよなぁ』
期待が外れたのか、あからさまな溜め息を突く。
大魔王デマオン。
普段は魔界の主としてその威光を轟かせているが、実は結婚願望が高く、絶賛恋人募集中である。
しかし、悲しいかな。今まで何人か恋人関係になった相手はいるものの、全てが破局に終わってしまっている。
その理由は、彼の股間の一物が大きすぎることにある。勃起すれば、その巨体の背丈に相応しいほどのビッグペニスとなるのだ。一緒に風呂に入った際、それを見た過去の恋人達は例外なく恐怖し、全員から逃げられてしまった。その記憶はトラウマとなって、今でもデマオンを苦しめている。
それでも、恋人が欲しい。結婚したい。諦め切れないデマオンは、自身の魔羅を受け入れてくれるような優しい聖母のような女性を探し求めた。
できれば成熟していない純粋で可愛らしい少女であれば、なお結構。少女でありながら母性を求めるという、何とも欲張りな性癖である。
そう、デマオンはロリコンだった。
もちろんエッチであれば成熟した女性でもウェルカムだが、特に幼い少女が好みなのだ。
同じ巨人の知り合いである妖霊大帝オドロームや牛魔王から、少女をちんぽでボコォッとするのは実に最高だと教わり、自分もそれをしてみたいと常日頃夢見ていた。ボコォッが何を意味するのかイマイチ理解はしていないが。
なお、彼は悪魔なので、人間を始めとした他種族の耐久力を一切考慮していないのはあしからず。
『……ん?』
その時だった。目線の先に、小動物以外の何かを見つけたのだ。
同じ長耳が頭に生えているが、その身体は明らかに他とは違う。自分と同じタイプの身体で、なおかつ少女の姿をしている。
デマオンの視界がズームアップし、その少女の姿を捉える。
淑やかさを感じる綺麗な着物に、それ以上の美しさと可愛らしさを秘めた未成熟な娘。それでいて、その幼さに不釣り合いなほどの母性を醸し出している。
『お、おお……ッ!』
見つけた! ついに見つけた!!
視線の先の少女は、まさに理想そのもの。あの気品に満ちた麗しさ、きっと月の姫に違いない!
夢見続けた理想の相手を見つけた彼は魔力によるブーストで急加速。
月面に立つ彼女のもとへ一気に接近する。
「──もう、こんなところまで転がっちゃって……きゃあッ!?」
少女──ルナは足元の栗まんじゅうを拾うべく屈もうとして、突如巻き上がった月の砂に視界を奪われてしまう。
「い、一体何が……え?」
砂埃が収まったのを感じ、閉じた瞼を開く。
しかし、瞼を開けたのに視界は暗いままだった。まるで巨大な何かが目の前に佇んでいるかのように。
恐る恐る、ゆっくりと顔を上げる。
すると、そこには──
『は、初め、まして。お嬢、さん。ハァ、ハァ……』
興奮に息を荒げた、巨大な変態が見下ろしていた。
「あ……ぁ……」
『ハァ、ハァ……ワ、ワタシは大魔王デマオンと申す者でしゅ。いや、です。お嬢さん、お、お名前は……?』
「……ル、ルナ、です」
『ルナ! おお、なんと可憐な響きだろうか! 月の姫に相応しい名だ!!』
「つ、月の姫……?」
恐怖に震えながら、何のことやらとルナは首を傾げる。
変態──デマオンはそんな彼女の様子にも気づかず、両手を合わせてその内側に魔力を集める。すると、ポンッ! と煙と共に花束が出来上がった。
『こ、これ、ワシ、いや、ワタシの気持ちです。う、受け取ってください!』
魔法で作り出した花束が差し出される。
全く可憐さの欠片もない、魔界に咲いている不気味な花。それもサイズを考慮しておらず、ルナが両手いっぱいに広げてようやく抱えられるぐらいの大きさだ。
「ヒッ──きゃんっ」
差し出されたというより押しつけられたルナはその重さに耐え切れず、花束に埋もれるようにしてその場に尻もちを突いてしまった。
『……お、おおっ! 受け取ってくれた! 受け取ってくれたぞぉぉ!!』
その途端、デマオンは喜び叫んだ。
送った花の花言葉は"愛の告白"。それを受け取ったということは、プロポーズを受け入れたということを意味する。悪魔族の間では常識である。
なんと優しい子だろうか。初対面の相手の花束を受け取ってくれるとは!
この娘なら、きっと我がビッグペニスを受け入れてくれるはず! ボコォッとさせてくれるはず!
『さあ、行こう! 愛しき妻よ!』
「きゃああぁぁっ!!」
グワシッとその大きな手で鷲掴みされ、悲鳴を上げるルナ。
『地球など後回しだ! そなたとの結婚式を盛大に催そうぞ! ワハハハッ!!』
デマオンはそのままルナを伴って浮き上がり、笑い声を響かせる。
この記念すべき日を母星で祝うため、地球を股にかけて宇宙を翔けていく。
「いやああぁ! ルカ! みんな! ユウタさん……ユウタさぁーーんッ!!」
♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪
一方、その頃のユウタ。
彼はペッコルに誘われて我慢し切れず、お風呂で幼女とのセックスを存分に味わっていた。
「あっ♡ あっ♡ ユウタ兄ちゃんのちんぽっ♡ しゅごぉいッ♡♡」
「ペ、ペッコルちゃん……! もう、
どびゅるッ!! びゅくッ! びゅくッ! びゅるるる~~……
「はぁ、はぁ……ペッコルちゃん、激し過ぎだよ」
「んぅ♡ だってぇ、こんなにきもちーのはじめてなんだもん♡ モールやホルルとは大違い♡」
「や、やっぱり経験あったんだね」
「うんっ♡ パパやみんなとよく子作りごっこしてたんだけど、ユウタ兄ちゃんのが一番きもちかったぁ♡ ね~、もう一回しようよぉ~♡」
「ヘ、ヘヘ。こ、困ったなぁ」
繋がったまま可愛い幼女に抱きつかれ、照れ笑うユウタ。
幼いながらにエッチ大好きな彼女を見ていると、惑星ムシーカで出会った双子の女の子達を思い出す。自分を兄と慕ってくれて、毎日のようにちんぽから精液を搾り取られていたのだ。
「もう、ペッコル。次はまた私達って約束でしょ?」
その声に振り返ってみれば、そこにはユウタとペッコルを取り囲むように湯舟に立つエスパルの女の子達──ルコ、ルネ、エルの姿が。
三人共が既にユウタと一戦交えており、その股間からは濃厚な白濁液が滴り出ている。みんな、ユウタとなら構わないと率先して身体を差し出してくれたのだ。
「え~、いいでしょ! もう一回だけ~!」
「ダメ。ユウタ、次、ワタシ……」
「あ、エルずるい!」
「それじゃあ、私はおちんぽにぶら下がったお餅にご奉仕してあげますね♡」
ここは天国だろうか?
エスパルハーレムを満喫するユウタは、逆上せてしまいそうなほどの幸せ快楽を堪能する。
聞くところによると、エスパルの女の子達には発情期という気に入った相手にはトコトン積極的になる時期があり、今がちょうどその時期らしい。どうりでルナの押しが強かったわけである。
例外として、ペッコルだけは年中発情期で、彼女のワガママに付き合う形で男の子達はイヤイヤちんぽを提供しなければならない日々を過ごしていたのだという。生殖機能がないのに、なんとも難儀な話である。
そんなエスパルの男の子達は、これ幸いとユウタに女の子達を押しつけてさっさとお風呂を上がってしまった。彼らには発情期がない上、みんながゴダール博士の妻──育ての母親と身体の関係を持っていて、基本的にママに一途なのだ。
カグヤ星を発って100年。既に彼女は亡くなっているだろうが、ショタ逆ハーレムを満喫できてさぞ幸せだっただろう。
聞くところによると、そういう経験が全くないのはルナ一人だけ。恋愛小説を読んだ影響で、ロマンチックな出会いに憧れていたのだとか。
父親はそんな彼女のことを密かに狙っていたようだが、ペッコルに搾り取られてそれどころではなかったらしい。
「ペッコル、どいて」
「やー! もう一回するのー!」
「ニヘヘ……(それにしても、遅いなぁ)」
エルとペッコルがちんぽを巡って争ってる中、ユウタは後から来ると言ったルナのことを考える。かれこれ1時間は経っているが、彼女は一向に姿を現さない。
そのおかげで、ペッコルという名のロリビッチを含むエスパルガールズとセックスに耽ることができたわけだが。
でも、できれば。
一刻も早く彼女と交わりたいというのが本音だった。
「あっ。そういえばね、ユウタ兄ちゃん」
「ん、何?」
渋々おまんこからちんぽを抜こうとしたペッコルがふいに何か思い出したのか、ユウタに声をかけた。時間稼ぎのつもりかもしれない。
「ナルニアデスって名前なんだけど~……実はね、"救い主"とは別にもう一つ意味があるんだよ」
「え、ホントに? どんな意味?」
「それはね~……」
「──大変だよっ!!」
「わぁっ!?」
そこへ、浴場に既に上がったはずのルカが飛び込んできた。
ユウタはルナが来たのかと思って一瞬慌てたが、やってきたのがルカだと気づいて安堵の溜息を吐く。
「も~、なあにルカ兄ちゃん。あたし達、ユウタ兄ちゃんと子作りごっこしてるんだから邪魔しないで!」
「そんなことしてる場合じゃないんだ! 大変なんだよ! ルナが、ルナが……」
「え、ルナが、どうしたの?」
「 ──ルナが、誘拐されたッ!! 」
その言葉を聞いた瞬間、ペッコルの膣内に収まっていたユウタのちんぽは見る間に縮んでいくのだった。
パッと終わらせたかったのですが、30000字を超えたので前・中・後編に分けようと思います。
次回は来週に投稿予定ですが、ストックに余裕があれば中・後編は続けて投稿するかもです。
〇ペッコル
ロリビッチ。エスパルの中で一番性欲が強い。
〇エル
肩上ボブの水色の髪をしたエスパル。クールな印象を受ける子。
〇ルネ
おさげを前に垂らしたピンク髪のエスパル。映画で機織りをしながら一番幼少の子であるヌルの相手をしていた子。
〇ルコ
ショートボブのオレンジ髪をしたエスパル。のび太のクラスメイトの川村さんと顔が似ている。