※この作品はR-18です。

日本と皇國の幻争正統記・好色秘伝   作:坐久靈二

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丁

 武(たけ)田(だ)観(み)月(づき)を吊るしていた鎖が切られた。

 散々腹を殴られた彼女は立っていることが出来ず、そのまま倒れ伏してしまう。

 地(じ)頭(とう)恭(きよう)輔(すけ)に背中を向けて蹲っている姿は、もうこれ以上殴られないように腹を守っている様でもあり、強姦の下準備を終えた男に自ら尻を向けている様でもあり、何れにせよ情けない敗者の振る舞いであった。

 

「さァて、立っていられないところを見ると、力は完全に抜けたようだな。肉が柔らかくなった証だ。反対に俺(おれ)のこいつは興奮してすっかり硬くなったがな」

 

 地(じ)頭(とう)の両手が観(み)月(づき)の腰を掴み、下半身を無理矢理露出させ、更に自らの方へと引き寄せる。

 確信的な嫌な予感が観(み)月(づき)を包み込むも、最早彼女は抵抗する気力を失っていた。

 

「言っておくが俺(おれ)はまだ優しいんだぞ? 狼(おおかみ)ノ(の)牙(きば)の方には、しゃぶらせる前に歯を全部折るような奴も居る。確か、あいつも元軍人だったか。此処で捕まらなくてもそのうち似た様な変態に犯されたんじゃないか?」

 

 観(み)月(づき)に地(じ)頭(とう)の言葉は届かない。

 悍ましい感覚にそれどころではなかった。

 太くて硬いものが尻の前、股間の秘部に押し当てられる。

 

(犯されるのか、これから! い、嫌だ!)

 

 刹那、観(み)月(づき)の脳(のう)裡(り)にありもしない幻覚が浮かび上がる。

 

 小さな村に生まれた、器量好しの御転婆娘。

 男勝りだった少女は、成長するにつれ美しい花となり、軈ては一人の男に恋をする。

 色を知った彼女はいつか誰もが目を奪われる手弱女となり、そして男の心を射止める。

 そしてそのまま、結婚して家庭に入り、母として幸せな家族の一員となるのだ。

 

(どうしてこんな、下らない妄想が今更になって……)

 

 それは決して「手に入った筈の幸福」などではない。

 武(たけ)田(だ)家に残っていた場合、彼女は親の言うがままの相手と結婚させられたのであって、思い浮かべた様な恋愛結婚などあり得なかっただろう。

 ならばこれは一体何なのか。

 

(私(わたし)が本当に欲しかった未来だとでもいうのか……? 違う、ふざけるな!)

 

 彼女がこんなものを見たのは、深層心理の願望を抑えられなくなったのか。

 将(はた)又(また)、自分の選んだ道に今更後悔を覚えてしまったのか。

 何れにせよ、彼女の逃避は無残に踏み潰される。

 下腹部を抉(こ)じ開(あ)けられる激痛と共に、脳裡に浮かんだ自分の幸せな姿は鮮血に塗れた。

 

「あがああああああッッ!!」

 

 無遠慮に捻じ込まれた男根(ペニス)が、観(み)月(づき)に凌辱を刻み込む。

 地(じ)頭(とう)のそれはサイズが大きく硬いだけでなく、通常の者には無い球が埋め込まれている。

 その異物が突起となり、観(み)月(づき)の膣をゴリゴリと削るのだ。

 

「ほぉらほら、どうだ俺(おれ)のチンポの味は!」

「いぎィィイイッ!! ひぎいイィィイイイ!!」

 

 それはより苛烈に延長された拷問に過ぎなかった。

 

(痛い! 痛い!! 痛い! 痛いィィィィ!!)

 

 体の内側を彫刻刀で刻まれながら、奥の芯を鉄球で殴られる感覚。

 腹の外側を殴られたときはあくまで肉体的な痛みが全てだったが、今の彼女は強姦されているという精神的な痛みも併せて舐めさせられている。

 

「気持ち良いか! ほら、気持ち良いと言ってみろ!」

「うぎいイィィイィィッッ!!」

「肉を柔らかくして体の力を抜いてやったからな! 硬く強張った肉のままなら地獄の苦しみだった! 俺(おれ)の優しさに感謝しろオラァッ!!」

 

 何を勘違いしているのか寝言の様なことをほざく地(じ)頭(とう)。

 まさか観(み)月(づき)の悲痛な叫び声を善がり声だとでも思っているのだろうか。

 

「親父が言っていた! 女というのはなんだかんだで乱暴にされるのが好きなんだとな! さあ、お前の本性も暴いてやるぞ!」

 

 地(じ)頭(とう)恭(きよう)輔(すけ)は暴力団組長の息子である。

 生活環境だけならば他の「地(ち)上(じよう)ノ(の)蠍(さそり)座(ざ)」構成員と同じく裕福だったが、倫理観は歪みに歪んでいる。

 おそらくは、男根(ペニス)に仕込んだ球も、そういった生育環境で培われた偏見に基づいて「女は乱暴にされるのが好き」「嫌がられるのは好きのうち」「異常なものであれば逆に喜ばれる」という決めつけから埋め込まれたのだろう。

 

(やめて! 助けて! 早く終わって!)

 

 叫びながら内心で懇願する観(み)月(づき)だったが、地(じ)頭(とう)の凶暴性はそんな彼女を更に容赦無く追い詰める。

 尻に激しい平手が飛び、まだ白かった肌が手形に赤く腫れ上がっていた。

 それはまるで、女の体に所有権を刻み付ける様に。

 更に彼は恐ろしいことを言い出した。

 

「後で入れ墨を彫ってやるよ。性奴隷になった証としてな。嬉しいだろう?」

「ふぎぃっ!?」

 

 その瞬間だけ、何故か地(じ)頭(とう)の声が鮮明に聞こえた。

 おそらく、挿入の動きが緩やかになったからだろう。

 

「嫌っ……嫌だ……!」

「ククク、今の自分に拒否権があるとでも思っているのか? オラッ!」

 

 地(じ)頭(とう)の両手が観(み)月(づき)の首に掛かった。

 

「ぐげっ!?」

 

 首を絞められた観(み)月(づき)は満足に悲鳴を上げることすら出来なくなってしまった。

 そんな彼女に対し、地(じ)頭(とう)は男根(ペニス)を激しく突き入れる。

 膣を抉り、子宮を殴る。

 

(苦じいっ!! 死ぬ!!)

 

 呼吸を奪われた彼女は、苦痛どころか生命の危機を強く感じていた。

 地獄の様な悍ましい目に遭わされ、救われることも無く死んでいく――そんな絶望的な予感が彼女の視界を黒く染めようとしている。

 だがそんな死の淵にあって、観(み)月(づき)は奇妙な感覚に囚われていた。

 というより、生命の危機に瀕して彼女の脳は逃避的な選択をしたのだ。

 

(嘘だ……! こんな目に遭っているのに……! 私(わたし)は……感じている……のか……?)

 

 それはある意味、苦痛よりも残酷な快楽だった。

 耐え難い仕打ちに、とうとう心が折れてしまった。

 本能が敗北と隷属を選んでしまった。

 

「ふぐうううっっ!!」

「良い締まりになったじゃないか! 体は正直だなこの売女が!」

 

 売女――その言葉は、自分が成り下がってしまった存在をあまりにも端的に表していた。

 勇ましく戦うべき軍人の自分は、国家の明日を背負うべき選良(エリート)の自分は、この凄惨なる凌辱の前に消し飛んでしまった。

 今の私(わたし)は、討つべき敵に強姦されて快感を覚えている売女――彼女の膣から脊髄を伝い、脳にその認識が刻み込まれる。

 そして、彼女の現状を烙印として定着させる様に、その瞬間は訪れようとしていた。

 

「オラッ、出すぞ! その子宮で受け止めろ!」

 

 地(じ)頭(とう)の男根(ペニス)が激しく脈打ち、熱い粘液を観(み)月(づき)の中へと注ぎ込む。

 悍ましい寄生虫が子宮の中に入り込んでくる感覚。

 だがその瞬間、彼女は確かに絶頂していた。

 

「お、うぅぅぅぅっっ……!」

 

 射精しきった地(じ)頭(とう)の男根(ペニス)が引き抜かれ、観(み)月(づき)の体は床に打ち捨てられた。

 膣口から白濁の精液を垂らす彼女は、肥溜めに浸る様な余韻の中で無様に痙攣するばかりだった。

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