※この作品はR-18です。

日本と皇國の幻争正統記・好色秘伝   作:坐久靈二

12 / 39
戊

 地(じ)頭(とう)恭(きよう)輔(すけ)に強(ごう)姦(かん)された武(たけ)田(だ)観(み)月(づき)はそのまま気を失ってしまっていた。

 叛(はん)逆(ぎやく)者(しや)としても、本来の目的は彼女に軍の機密を吐かせることなので、それ以上の責苦を与えて本当に殺してしまう様な下手は打たなかったらしい。

 目を覚ました彼女は、先程の倉庫に放置されていたのだと理解した。

 扉には外から鍵が掛けられているが、拘束はされていない。

 

(これなら自由に動ける……。なんとか機を見て脱出しなければ……)

 

 今もまだ痛みははっきりと残っているし、体力も全然恢(かい)復(ふく)していない。

 だが、このまま此(こ)処(こ)に居ては好き放題に弄(もてあそ)ばれた挙げ句に殺されてしまうだろう。

 不幸中の幸いにして、まだ機密は吐かされていない。

 逆に、此処から生きて原隊に帰ることが出来れば、叛逆者の根城の場所という有益な情報を持ち帰ることが出来る。

 

(せめて……まだ誇りが残されているうちに……)

 

 無(む)理(り)矢(や)理(り)犯されても、まだ戦う意志は潰(つい)えてはいなかった。

 寧(むし)ろ、だからこそ一矢報いたいという気持ちが芽生えてすらいる。

 時代後れな家の方針に逆らって戦うことを生業とする軍に入り、士官学校で首席を争うまでに勝ち上がった観(み)月(づき)の根性は並ではないのだ。

 

 しかし、外から鍵の掛けられた倉庫から独力で脱走する手段は無い。

 敵の誰かが扉を開けた際に、隙を見て脱出しなければならない。

 丁度、近付いてくる足音が三人分、外から聞こえてきた。

 

(昨日の三人か。扉を開けた瞬間、不意打ちで一人の喉を突く。怯(ひる)んだ隙に逃げるんだ)

 

 観(み)月(づき)はそんな作戦を立て、扉の前で待ち構えた。

 そして扉が開いた瞬間、作戦を決行する。

 屈強な体格の男、その喉元に向けて貫(ぬき)手(て)を放った。

 

「莫(ば)迦(か)が」

 

 しかし、男・地(じ)頭(とう)はあっさりと観(み)月(づき)の貫手を受け止めた。

 他の二人、金(こん)剛(ごう)悟(さとる)と火(ひ)野(の)初(はつ)音(ね)ではなく、彼を選んでしまったのは最悪の選択だった。

 腕を掴(つか)まれたことで脇腹がガラ空きになる。

 地(じ)頭(とう)は観(み)月(づき)の腹に痛恨の拳を減(め)り込(こ)ませた。

 

「ゴッッハッッッ!!」

 

 鈍い痛みが腹に突き刺さり、内臓を揺るがし、苦しみに変わって込み上げる。

 瞬間、観(み)月(づき)の脳(のう)裡(り)に先刻の凄惨な凌(りよう)辱(じよく)の記憶が蘇(よみがえ)った。

 

「下らん抵抗しやがって! もう一度解(わか)らせてやらなきゃならんようだな!」

 

 地(じ)頭(とう)の拳が何度も観(み)月(づき)の腹を打った。

 その攻撃は物理だけで無く、精神的にも彼女を執(しつ)拗(よう)に苛(さいな)む。

 

「おごッ!! うげッ!!」

「おい金(こん)剛(ごう)、通電回路を持って来い。気絶したら叩(たた)き起(お)こして、何度も犯してやる」

「用意してあるさ」

 

 地(じ)頭(とう)の脇に居た金(こん)剛(ごう)が何やら回路を取り出した。

 手に持てる小型の電源には二本の長い電線が繋(つな)がっており、その先端には針付きの鰐(わに)口(ぐち)が圧着されている。

 それを見た地(じ)頭(とう)は下卑た笑みを浮かべ、観(み)月(づき)の体を突き飛ばした。

 

「火(ひ)野(の)、俺(おれ)が抑えておく。この女の服を脱がせて体に接続しろ」

「良いだろう」

 

 金(こん)剛(ごう)が観(み)月(づき)を背後から羽交い締めにし、火(ひ)野(の)が観(み)月(づき)の軍服を開けさせた。

 

「そっちを掴め」

「こうか?」

「それで良い。今度はもう一度根元から」

「ああ」

 

 火(ひ)野(の)は金(こん)剛(ごう)に指示を出し、抑える部位を変えながら観(み)月(づき)を脱衣させる手伝いをさせる。

 そんな二人の連携もあって、観(み)月(づき)は簡単に素っ裸にされてしまった。

 腹部には痛々しい痣(あざ)が浮かび上がっている。

 薄赤い鞭(むち)の痕と、青い拳の痕だ。

 

「あ……あ……」

 

 観(み)月(づき)は恐怖していた。

 腹部への拳打で心的外傷(トラウマ)が呼び起こされたのだ。

 地(じ)頭(とう)が下半身を再び露出させたことで、その記憶は更に鮮明なものとなる。

 そんな中、火(ひ)野(の)は観(み)月(づき)の両乳首を鰐口の針で突き刺して挟み込み、電源と接続した。

 

「地(じ)頭(とう)、出来たぞ」

「おう。金(こん)剛(ごう)、離れろ」

「ああ」

 

 地(じ)頭(とう)は火(ひ)野(の)から電源を受け取ると、その邪悪な視線を観(み)月(づき)へと向けた。

 そして彼が電源を入れた瞬間、観(み)月(づき)は両乳首から胸に激痛を覚えた。

 

「ひぎいいいいッッ!!」

「安心しろ、低電圧だ。感電死するような代物じゃない。だが、気付けには充分だ。あとは、解るな?」

 

 電源が切られ、観(み)月(づき)は苦痛から解放された。

 だがその刺激は彼女の心に止めを刺すには充分だった。

 今度は気絶しようが凌辱が継続される、しかも今の激痛さえ味わわされて――その恐怖の前に、観(み)月(づき)は抵抗の意志を完全に失ってしまった。

 

「……なんだ? 臭えっ!」

 

 観(み)月(づき)の内(うち)腿(もも)に生暖かい液体が流れる。

 彼女は恐怖の余り失禁していた。

 地(じ)頭(とう)は怒りに顔を歪(ゆが)ませる。

 

「おいおい、ふざけるなよ! これから犯してやろうっていうのに、股ぐらを小便塗れにしてんじゃねえよ!」

 

 再び通電。

 

「ぎゃあああああっっ!!」

「待て地(じ)頭(とう)、通電を止めろ」

 

 火(ひ)野(の)の制止によって観(み)月(づき)は責苦から一旦解放された。

 

「見たところ、今なら情報を吐かせられそうだ」

「ああ?」

「おいお嬢ちゃん、もう充分だろう? 意地を張るのはやめて楽になりな。そうしないと、いつまで経(た)っても地獄は終わらないよ?」

 

 今の観(み)月(づき)には火(ひ)野(の)の囁(ささや)きが救いの声に聞こえた。

 確かに、最(も)早(はや)望みは無いのかも知れない。

 一度脱走に失敗してしまった以上、もう彼らも隙は見せないだろう。

 ならば、機密を吐かなければ延々と嬲(なぶ)られ続けるのみだ。

 

「う……ぅ……」

 

 しかし、彼女は言葉に詰まった。

 希望は失われた、抵抗の意志も無い。

 だがそれでも、全てを終わらせる踏ん切りだけが付かなかった。

 とはいえ、そんな態度を許す彼らでもない。

 

「答えが聞こえないな、仕方無い。地(じ)頭(とう)、私(あたし)がこいつの体を拭くよ。後は好きにしな」

「そう来なくっちゃ」

 

 地(じ)頭(とう)の舌(した)舐(な)めずりに、観(み)月(づき)は青(あお)褪(ざ)めた。

 

「ま、待って! 待ってくれ!!」

「んん?」

「解りました!! 言いますから! 何でも言いますから、どうかもう酷(ひど)いことはしないでください!! お願いします! どうか助けてください!!」

 

 観(み)月(づき)は必死で懇願した。

 この瞬間、彼女の誇りは粉々に砕け散ってしまった。

 

「駄目だなぁ……」

「え?」

 

 しかし、地(じ)頭(とう)は嗜(し)虐(ぎやく)的な笑みを浮かべて残酷に告げた。

 

「お前は火(ひ)野(の)が与えたチャンスを逃した。ただ吐けば許される段階は終わったんだよ」

「そんなっ……!」

「だがどうしてもって言うなら、態度次第じゃ許してやっても良いぞ」

 

 地(じ)頭(とう)は電話端末を取り出して撮影部(カメラ)を観(み)月(づき)へ向けた。

 

「今から俺(おれ)の言うとおりにしたら考えてやる」

 

 地(じ)頭(とう)は邪悪な笑みを浮かべ、明らかに更なる悪趣味な企(たくら)みを観(み)月(づき)へと向けていた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。