※この作品はR-18です。

日本と皇國の幻争正統記・好色秘伝   作:坐久靈二

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己

 地(じ)頭(とう)恭(きよう)輔(すけ)は武(たけ)田(だ)観(み)月(づき)の足下を指差した。

 そこには先程失禁した彼女の小便が小さな水(みず)溜(た)まりになっている。

 

「お前が垂れた小便を舐(な)めて綺(き)麗(れい)にしろ。地面と汚物を舐めてまで懇願するその様子を撮影してやろう。そこまでするなら、考え直してやらんでもない」

「っ……!」

「さあどうする? また機を逃すなら流(さ)石(すが)にもう次は無いぞ。ま、俺(おれ)はそれでも全然構わんがな」

「わかり……ました……」

 

 観(み)月(づき)は這(は)い蹲(つくば)ると、恐る恐る顔を小便溜(だ)まりに近付ける。

 尿臭が鼻を突き、自分の強いられている行為の意味が脳に焼き付く様だ。

 

(嫌だ……こんなの……。でも、やらなきゃ……)

 

 悪臭の元に震えながら舌を伸ばす。

 この舌先が尿に触れた瞬間、彼女の自負心は地の底まで落ちる。

 しかしそれが解(わか)っていながら、最(も)早(はや)彼女にはそれしか道が残されていなかった。

 彼女の舌に生暖かい感覚と、嘔(え)吐(ず)く様な尿臭を伴う嫌な味と、ざらついた床の感触が這(は)う。

 

「まるで犬だな。いや、犬でも自分の小便は舐めん」

「所詮、自分が助かる為ならばなんでもやるということだな」

「憐(あわ)れだね。流石は狗(いぬ)の民族、と言ったところか」

 

 三人の叛(はん)逆(ぎやく)者(しや)の蔑(さげす)みが頭上に容赦無く降り注ぐ。

 確かに、今の観(み)月(づき)の姿は宛(さなが)ら水を啜(すす)る犬のそれだった。

 この瞬間、彼女は人としての尊厳を自ら捨ててしまったのだ。

 

(なんて惨めな……どうして私(わたし)がこんな目に……)

 

 それは自ら失禁した小便である。

 即(すなわ)ち、敵に屈してしまった何よりの証(あかし)を、自らの舌で味わっているのだ。

 此(これ)程(ほど)の屈辱は然(そ)う然(そ)う無いだろう。

 しかし、これでも尚(なお)彼らの要求は満たしていない。

 

「おい、舐めるだけで良かったんだったか?」

「うぅ……」

 

 そう、地(じ)頭(とう)が彼女に要求したのは、この行為と共に許しを乞うことだった。

 その様子は撮影され、彼女の屈辱の記録が彼らの手の中に残るのだ。

 

「どうか……許してください……。なんでも言うことを聞きますから……。知っていることは全部……何もかも吐きますから……」

「ははは、そうだな。本当に何でも言うことを聞くんだよな。現に今、小便を舐めろと言われて舐めているもんな。普通は出来ん、そんなこと」

 

 観(み)月(づき)の目に涙が滲(にじ)む。

 順(じゆん)風(ぷう)満(まん)帆(ぱん)だった筈(はず)なのに、選良(エリート)として勝ち抜き、人の上に立つ筈だったのに、今の自分はどんな人間よりも底辺で這い蹲っている。

 彼女の心はズタズタのボロボロだった。

 だがそれでも、彼女はなんとか全ての小便を始末して見せた。

 

「綺麗に……なりました……。どうか……どうかこれで……許してください……」

「んん、そうだなあ……」

 

 額を床に擦り付けて許しを乞う観(み)月(づき)だったが、地(じ)頭(とう)は妙に勿(もつ)体(たい)振(ぶ)る。

 

「やっぱり駄目だな」

「え?」

「だって、そんな姿を見せられたら興奮してしまうだろう。こりゃ、お前を犯してやらなきゃ収まらんよ」

「そんな!」

 

 絶望する観(み)月(づき)の体を、地(じ)頭(とう)は力尽くで引っ繰り返した。

 これまでに無い程に激しく勃起した地(じ)頭(とう)の男根(ペニス)が観(み)月(づき)の視界に入る。

 彼女はとうとう、堰(せき)を切った様に泣き叫び出した。

 

「やめてください! やめてください!! なんでもしますから! なんでもしますから!! 本当に許してください! お願いですから!! 嫌! 嫌!! 嫌ああああああッッ!!」

「何を言っているか解らんなァ! 便器の言語は知らんからなァ!」

 

 地(じ)頭(とう)のそそり立った男根(ペニス)が容赦無く観(み)月(づき)の膣(ちつ)に捻(ね)じ込(こ)まれた。

 惨めな懇願の甲斐(かい)も無く、再び凌(りよう)辱(じよく)が始まったのだ。

 

「ああああああッッ! ああああああああッッ!!」

「オラッ! オラァ!!」

「ゴボォッ!! うごォッ!!」

 

 地(じ)頭(とう)は観(み)月(づき)を犯しながら、腹を激しく殴り続ける。

 猟奇的なその様に、金(こん)剛(ごう)悟(さとる)と火(ひ)野(の)初(はつ)音(ね)は例によって目を覆っていた。

 

「うぎィッ!! ゲヒィッ!!」

「五月蠅(うるせ)えよ、品の無い喘(あえ)ぎ声上げやがって。黙らせてやる!」

 

 地(じ)頭(とう)の両手が観(み)月(づき)の首に掛かった。

 またしても首を絞められながら犯される羽目になった観(み)月(づき)は、生命の危機の中で再びあの感覚に襲われる。

 

(駄目だ! やっぱり……感じてしまう! 犯されているときに首を絞められると……気持ち良くなってしまう……! どうして、どうして!?)

 

 どういうわけか、観(み)月(づき)の意識は妙に鮮明だった。

 確かに曖昧にはなっているが、臨死に味わわされている危険な快感だけは、奇妙な程にはっきりと脳に何度も瞬くのだ。

 

「首を絞めると随分具合が良くなるなァ! 殆(ほとん)どの女がそうだったが、お前は格別だ。お前ひょっとして、癖になっちまったんじゃねえか? 本当はこうして欲しかったんだろ? そういえば、昨日と比べてすんなり入ったしなァ? 実は最初から期待していただろう」

 

 そうなのか、そうだったのか――苦しみの中で観(み)月(づき)は、地(じ)頭(とう)の言葉を腹に落としてしまっていた。

 本音では、昨日のあの快感を求めていたのか。

 痛くて苦しくて、惨めで辛くて仕方が無いのに、実はそれを期待して求めてしまっていたのか。

 今でも、昨日絶頂に導いてくれた最後のアレを欲しがっているのか。

 

「オラッ、中に出すぞ!」

 

 ああ、来た。

 あの悍(おぞ)ましい粘性の精液が子宮に注がれた瞬間、私(わたし)は再び絶頂する。

 心底から男に屈服した証が腹の奥底に染み渡るあの感覚が、私(わたし)を暗い夜の天元へと導くのだ――彼女は確信した。

 そして、彼女の中で地(じ)頭(とう)の男根(ペニス)が脈打ち、精液が排出される。

 

(い、イグウウウウウウッッ!!)

 

 中出しの瞬間、観(み)月(づき)は激しくのた打ちながら絶頂を迎えた。

 最早言い逃れは出来ない。

 観(み)月(づき)はこの時、男に力尽くで乱暴に犯され、中に出されることで感じる雌になってしまったのだ。

 恐怖と苦痛、屈辱と屈服の暗い悦(よろこ)びが、彼女の全身を蚯蚓(みみず)が這(は)い回(まわ)る様に撫(な)で回(まわ)していた。

 

「ふぅ……。扨(さ)て、今回はこれで終わりじゃないぞ。気絶しても、こいつがあるからな」

 

 地(じ)頭(とう)は観(み)月(づき)の乳首に繋(つな)がれた回路の電源を手に持った。

 しかしその時、脇に居た金(こん)剛(ごう)の電話が鳴った。

 火(ひ)野(の)の表情にも緊張が走る。

 電話を終えると、金(こん)剛(ごう)と火(ひ)野(の)は無言で頷(うなず)き合った。

 

「行って来る」

「ああ、頼んだよ」

 

 倉庫を出て行く金(こん)剛(ごう)を見送った火(ひ)野(の)が地(じ)頭(とう)へと近付いてきた。

 

「地(じ)頭(とう)、お楽しみのところ悪いが、今回はここまでだ」

「何? どういうことだ?」

「敵襲だよ。軍の奴(やつ)ら、為(い)動(どう)機(き)神(しん)体(たい)と歩兵で、結構な規模の部隊を送り込んで来やがった。私(あたし)とお前の力も要る」

 

 水を差された地(じ)頭(とう)だったが、溜息を吐いて渋々脱ぎ捨てた服を拾う。

 

「解ったよ。行くぞ」

 

 その後、観(み)月(づき)は自分と首席を争った二人の同期によって救出された。

 しかし、一連の出来事は観(み)月(づき)を完全に出世街道から落伍させたばかりでなく、彼女に深刻な影響を残した。

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