※この作品はR-18です。

日本と皇國の幻争正統記・好色秘伝   作:坐久靈二

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傀儡の逆夢

 狛(こま)乃(の)神(かみ)嵐(らん)花(か)はこの女を知っている。

 兄宮である第三皇子・蛟(みずち)乃(の)神(かみ)賢(けん)智(ち)の侍女として、何度も顔を合わせているからだ。

 

「刻(とき)……御(み)門(かど)……」

 

 有無を言わさず自分に近寄って来た彼女を見て、狛(こま)乃(の)神(かみ)は刻(とき)御(み)門(かど)竜胆(りんどう)が自分を助けに来たのだと思った。

 それこそ、蛟(みずち)乃(の)神(かみ)が自分の為(ため)に彼女を派遣したのだと納得した。

 

 しかし、その淡い期待はすぐに裏切られることになる。

 刻(とき)御(み)門(かど)は鞄(かばん)から全身拘束衣を取り出した。

 そして無言で狛(こま)乃(の)神(かみ)に無(む)理(り)矢(や)理(り)着せ始めたのだ。

 

「え? 何? 何? むぐうっっ!?」

 

 狛(こま)乃(の)神(かみ)の口に筒状の枷(かせ)が嵌(は)められ、全頭マスクが被(かぶ)せられる。

 これで彼女は見ることと喋(しやべ)ることが出来なくなってしまった。

 辛うじて開いた鼻と耳の穴から辛うじて呼吸と感音だけが可能な状態だ。

 

「どういうことかね、刻(とき)御(み)門(かど)君?」

 

 刻(とき)御(み)門(かど)が取った突然の行動に、首(しゆ)領(りよう)Д(デー)もやや面食らった様に尋ねる。

 彼女はそのまま黙って何らかのリモコンスイッチを取り出し、ケーブルを拘束衣に繋(つな)いだ。

 拘束衣は丁度乳首や陰核の部位に金属製のピアスを刺せる構造となっており、その相手側がリングになっているのだ。

 刻(とき)御(み)門(かど)は淡々とリモコンのスイッチを入れる。

 

「むぐうううううううっっ!!」

 

 瞬間、狛(こま)乃(の)神(かみ)の身体に電流が流れた。

 通電された彼女は苦痛に悶(もだ)える。

 口(くち)枷(かせ)がなければ絶叫していただろう。

 

「お待たせしました、首領様」

「成程、そのスイッチで通電出来るということか。しかし狼(おおかみ)ノ(の)牙(きば)には既に似た様な拷問具があるのだがね。我輩がそれを使わないのは、目(まぐ)合(わ)っている最中に通電する訳にはいかん以上、肌の露出を極端に減らすだけの無用の長物に過ぎなくなるからなのだよ」

「其(そ)方(ちら)については問題御座いません。この拘束衣は特別製です。私(わたくし)の能力で、装着者のみに効果が及ぶよう調整してありますから」

 

 皇(こう)國(こく)には限られた人間のみが特殊能力を使い、社会を支配するという歪(ゆが)んだ治安体制が存在する。

 貴族の娘として皇族に仕える刻(とき)御(み)門(かど)もまたその能力者なのだ。

 彼女の能力は、物理現象の効果を一定の空間に閉じ込めるというものだ。

 これにより、拘束衣の通電効果は装着者の狛(こま)乃(の)神(かみ)だけに限定され、仮令(たとえ)身体が触れ合っていたとしても首(しゆ)領(りよう)Д(デー)には及ばないということである。

 

「さあ、此(こ)方(ちら)から存分にお楽しみください」

 

 刻(とき)御(み)門(かど)は拘束衣の股間に備わったファスナーを開いた。

 黒々としたゴムの隙間から少女の秘部が露(あら)わになる。

 

「ふむ、却(なか)々(なか)面白い趣向だね。しかし、抑(そもそ)も君(きみ)には別の指令を与えていた筈(はず)だが……」

「首領様の命令の真意は、マゾ調教された皇族が晒(さら)す無(ぶ)様(ざま)な姿を撮影し、革命の折に衆目に見せ付けられるよう準備するというものではないですか? であるなら、狛(こま)乃(の)神(かみ)殿下が今からお見せになるあられもない痴態でも事足りるかと……」

 

 首(しゆ)領(りよう)Д(デー)は刻(とき)御(み)門(かど)からリモコンスイッチを受け取った。

 

「確かに一理ある……」

 

 首領の同意を得た刻(とき)御(み)門(かど)は満足気に北(ほく)叟(そ)笑(え)んだ。

 だが次の瞬間、道成寺が腕を振るうと同時に刻(とき)御(み)門(かど)の和服はズタズタに切り裂かれた。

 

「ああっ!?」

「だが我輩の命令に解釈を加える権利など君(きみ)には無い!」

 

 首領の不興を買った刻(とき)御(み)門(かど)は怯(おび)えた眼(め)で彼を見上げる。

 そこには先程までの、淡々と鬼畜を演じる彼女の姿は影も形も無かった。

 衣服を開(はだ)けさせられただけで崩れてしまう仮面の何と脆(もろ)いことか。

 所詮、彼女は嗜(し)虐(ぎやく)側、支配者側に立つ器ではないのだ。

 

 そんな刻(とき)御(み)門(かど)の為体(ていたらく)を横目に、首(しゆ)領(りよう)Д(デー)は同じ空間に控える同志へと呼び掛ける。

 

「同志逸(へ)見(み)、あれを持って来給(たま)え」

「はぁい……」

 

 呼び掛けに応えたのは、やたらと男に媚(こ)びた化粧をした人物である。

 なよなよとした物腰だが、この逸(へ)見(み)樹(いつき)は男である。

 訳あって彼は雄を棄(す)てさせられ、雌として首(しゆ)領(りよう)Д(デー)に可(か)愛(わい)がられているのだ。

 この女装男もまた最高幹部の一人である。

 

 逸(へ)見(み)は悩まし気に尻を振りながら、押し入れの中を漁(あさ)っている。

 程無くして、彼はゴム製の拘束衣を持って来た。

 刻(とき)御(み)門(かど)は青(あお)褪(ざ)める。

 

「そっ、それは……!」

「言っただろう? 同じようなものは既に持っていると。同志逸(へ)見(み)、刻(とき)御(み)門(かど)君にそれを着せ給え」

「ヒッ……!」

 

 刻(とき)御(み)門(かど)は抵抗する間もなく拘束衣を着せられ、同じ姿を狛(こま)乃(の)神(かみ)の隣に並べた。

 黒に包まれ、喋ることもままならない二人分の女体が四(よ)つん這(ば)いで尻を見せ付けている。

 首(しゆ)領(りよう)Д(デー)は逸(へ)見(み)からリモコンスイッチを受け取った。

 これで、彼は拘束された双方に通電することが出来るようになった。

 

「では刻(とき)御(み)門(かど)君、始めるとしようか。君(きみ)の希望通りの通電調教を」

「むぐっ、むぐーっ!」

 

 首(しゆ)領(りよう)Д(デー)は二人分のスイッチを同時に入れた。

 

「んぐううううううっっ!!」

「むごおおおおおおっっ!!」

 

 二人の雌の悲鳴が部屋中に谺(こだま)する。

 そして、首(しゆ)領(りよう)Д(デー)はその内一方の腰を掴(つか)んだ。

 

「では、刻(とき)御(み)門(かど)君の贈り物を受け取るとしようかね」

 

 首(しゆ)領(りよう)Д(デー)の男根が狛(こま)乃(の)神(かみ)の秘部へと挿入された。

 

「んんっ!? ムムウうぅぅーっっ!!」

「おおっ!? これは凄(すご)い! 通電で緊張した膣(ちつ)の凄(すさ)まじい締め! これは嘗(かつ)て無い快楽だよ! 今まで様々な穴を味わってきたが、これは初めての体験!」

 

 思わぬ収穫に興奮する首(しゆ)領(りよう)Д(デー)だが、相手の狛(こま)乃(の)神(かみ)にとっては地獄の苦しみだろう。

 何せ、通電に加えて挿入された女性器を強制的に力まされているのだ。

 首(しゆ)領(りよう)Д(デー)の男根の凄まじい大きさに加え、これは途(と)轍(てつ)もない凌(りよう)辱(じよく)である。

 

「むごおおおおおおおっっ!!」

 

 狛(こま)乃(の)神(かみ)の鼻と口から大量の汁が飛び散っている。

 それは鼻水なのか、涎(よだれ)なのか、或(ある)いは涙なのか――ただただ悲惨さを全ての体液に変えて撒(ま)き散(ち)らしているといった様相だ。

 

「刻(とき)御(み)門(かど)君、そちらはお預けだよ! 君(きみ)は御(ご)褒(ほう)美(び)に値することが何も出来ていないのだからね!」

「んぐううううううっっ!!」

 

 二人の夢はどちらも叶(かな)わなかった。

 刻(とき)御(み)門(かど)に解放されると夢見た狛(こま)乃(の)神(かみ)は裏切られたし、この贈り物が命令の代用になると夢見た刻(とき)御(み)門(かど)は順当に罰を与えられている。

 二人は逆夢となった現実の中、悲鳴の輪唱を叫び続けている。

 

「さて、刻(とき)御(み)門(かど)君……」

 

 首(しゆ)領(りよう)Д(デー)は二人の通電を止め、逸(へ)見(み)に顎で合図をした。

 逸(へ)見(み)は刻(とき)御(み)門(かど)から筒状の口(くち)枷(かせ)を外す。

 これで彼女だけは言葉を発することが出来るようになった。

 

「今一度、我輩の命令を暗唱し給え」

「はヒッ……私(わたくし)は……蛟(みずち)乃(の)神(かみ)殿下を寝取られマゾに調教します」

「宜(よろ)しい!」

 

 通電再開。

 二人の悲鳴も再び奏でられる。

 

「むぐうううううっっ!」

「ああああああああっっ!」

「今一度言ってみ給え! 自分の立場の誓いと共に!」

「はい! はいぃぃぃっっ!! 私(わたくし)はっ! 刻(とき)御(み)門(かど)竜胆(りんどう)はっ! 首領様に絶対服従のっ! マゾ奴隷です!! 首領様のっ! 御命令通りっ! 蛟(みずち)乃(の)神(かみ)殿下をっ! あああっっ!! 蛟(みずち)乃(の)神(かみ)殿下を寝取られマゾに調教しますうぅっっ!! あぎいいいいいいっっ!!」

 

 二人は長く、長く、通電地獄の中で泣き叫び続けた。

 

「そうら、狛(こま)乃(の)神(かみ)嵐(らん)花(か)! 君(きみ)の中に我輩の種をくれてやろう!」

「んごおおおおおおっっ!!」

「あああ首領様! 首領様! どうか私(わたくし)にも! 私(わたくし)にも首領様の子種をくださいませ! 首領様の元気な赤ちゃん産みたいです! 私(わたくし)を首領様の孕(はら)み袋にしてくださいませ!」

「くどいね! だったら君(きみ)は命令を果たし給え! 働かざる者食うべからず! 何の成果も無く御褒美を強(ね)請(だ)るものではない!」

「ああっ、そんな御(ご)無(む)体(たい)な!」

「しつこい! 罰として電圧を上げる!」

「ぎゃあああああああっっ!! ごめんなさい! ごめんなさいいいいいいっっ!!」

「君(きみ)は隣でお預けされてい給え。狛(こま)乃(の)神(かみ)嵐(らん)花(か)に種を注ぐ隣でね」

「むうううぅぅーっっ!!」

「ほら出すぞ! その子宮で受け止め給え!」

 

 凌辱は夜通し続き、朝になってから刻(とき)御(み)門(かど)だけが解放された。

 彼女は女の幹部から着替えの衣服を貸され、ボロボロの状態で帰路に就く。

 皮肉にも、蛟(みずち)乃(の)神(かみ)がずっと外出中であった為に、彼女の身に降り掛かった異常事態は露見しなかった。

 

 尚(なお)、彼女の誓いは結局果たされない。

 この後、蛟(みずち)乃(の)神(かみ)賢(けん)智(ち)は結局皇宮から離れないまま、戦局は急転回を迎える。

 

 皇(こう)國(こく)が劣勢に立たされた結果、武(ぶ)装(そう)戦(せん)隊(たい)・狼(おおかみ)ノ(の)牙(きば)は革命の機とみて全国の組織と共同し、連合革命軍として蜂起。

 その最中、刻(とき)御(み)門(かど)は自身の本性を晒して蛟(みずち)乃(の)神(かみ)を首(しゆ)領(りよう)Д(デー)に差し出すが、そのまま革命動乱は鎮圧される。

 

 首(しゆ)領(りよう)Д(デー)は国外へ逃亡し、そして刻(とき)御(み)門(かど)はその最中に叛(はん)逆(ぎやく)者として惨殺されるという、あまりにも惨めで順当な末路を辿(たど)ったのである。

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