※この作品はR-18です。

日本と皇國の幻争正統記・好色秘伝   作:坐久靈二

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三

 捕えられた文(ふみ)也(や)は麒(き)乃(の)神(かみ)の寝室で化粧を施され、『宍(しし)妻(め)娼(しょう)也(や)』へと変わっていく。

 同じく女装した美青年の手で少しずつ女らしくなっていくのは奇妙な感覚だ。

 どこかむず痒(がゆ)い気恥ずかしさとふわふわとした熱感は、見(み)目(め)麗(うるわ)しい美少女を前にする感情とよく似ている。

 相手が男であるということと、自分も同じ姿になっていくということ、その倒錯の中へ緩やかに蕩(とろ)けていく。

 

「御(お)姉(ねえ)様(さま)、終わりました。如(いか)何(が)でしょう?」

「まあまあ、これはこれは、思った通りの可(か)愛(わい)らしい姿になりましたね」

 

 麒(き)乃(の)神(かみ)は化粧の出来栄えを見て彼と文(ふみ)也(や)、いや宍(しし)妻(め)娼(しょう)也(や)の二人を嬉(うれ)しそうに褒(ほ)め称(たた)えた。

 頬(ほお)を優しく撫(な)でられただけで雌の嬌(きょう)声(せい)を漏らす彼の名は頤(おとがい)望愛(のあ)、娼(しょう)也(や)の先輩ということになる。

 彼の、細身の女と見(み)紛(まが)う艶(なま)めかしさを備えた身体を目の当たりにし、娼(しょう)也(や)は身震いと共に固(かた)唾(ず)を飲み込んだ。

 

 その薄桃色の発達した乳首と、ほんの少しだけ括(くび)れた腰付き――此(これ)程(ほど)までに雌(めす)化(か)した身体を男が備えていると思うと、それが却(かえ)って倒錯的な性的刺激に満ちて見えた。

 股間の平らな貞操具の中には、自分と同じものが信じられないほど縮こまって納まっているのだろう。

 

(これは、この姿は……!)

 

 娼(しょう)也(や)は一つの予感に震えた。

 その心情を見透かしたのか、麒(き)乃(の)神(かみ)は蠱(こ)惑(わく)的(てき)な笑みを浮かべて彼に宣告する。

 

「御(お)前(まえ)もこんな風になれますよ」

 

 彼女は囁(ささや)くと、娼(しょう)也(や)に見せつける様に白く細い指先で望(の)愛(あ)の両乳首の先端を転がした。

 

「あぁんっっ……!!」

 

 望(の)愛(あ)は自分よりずっと背の高い麒(き)乃(の)神(かみ)に体を預け、善がり声を漏らした。

 その甘美な快楽の声が娼(しょう)也(や)の脳を揺さぶる。

 

「ふふ……」

 

 麒(き)乃(の)神(かみ)はそのまま、望(の)愛(あ)のぷっくりと膨らんだ桜桃(さくらんぼ)の様な乳首を爪先でカリカリと弄(もてあそ)ぶ。

 

「あっ、あっあっあん……あぁん……。あぁっ、あっ、あんあんっ、あぁぁあああぁぁっっん……。」

 

 彼女の愛(あい)撫(ぶ)は望(の)愛(あ)の全身に電流の様な快感を迸(ほとばし)らせているらしく、彼はくねくねと苦(く)悶(もん)にも似た悦(よろこ)びの踊りを舞いながら嬌声を漏らし続ける。

 

(なんて淫(いん)靡(び)な姿だろう……)

 

 娼(しょう)也(や)は思わず嘆息した。

 そして麒(き)乃(の)神(かみ)の言葉を脳内で反(はん)芻(すう)する。

 

『御(お)前(まえ)もこんな風になれますよ』

 

 こんな風に、いやらしく艶めかしく悦びに咽(むせ)び泣(な)く姿に、自分もなれるというのか。

 そんなことを考えてしまうと、口内に唾液が溜(た)まってしまう。

 全身の血流が掻(か)き回(まわ)される。

 そして、股間が硬くなってしまう。

 

 自分もあんな風に、淫靡な姿を晒(さら)しつつ、この女に愛撫されてみたい。

 そんな彼の劣情を見抜くように、麒(き)乃(の)神(かみ)の眼(め)は彼に向けられて笑みを湛(たた)えている。

 

「んっ……ふぅっ! 御姉様っ……! 僕(ぼく)、もうっ……!」

 

 望(の)愛(あ)はそんな主の関心を取り戻そうとするかのように何かを訴える。

 娼(しょう)也(や)に見守られる中で、彼は絶頂に達しようとしていた。

 ただ麒(き)乃(の)神(かみ)に両乳首を弄(いじ)られているだけなのに、それだけで彼は巨大な快感に激しく震えていた。

 

「では数え下してあげましょう。零(ゼロ)でイキなさい」

「んんっ……ふううぅぅっ……!」

「五……、四……、三……、二……、一…………零(ゼロ)! ……零(ゼロ)! 零(ゼロ)! ほら、イケ!」

「あぁうううぅぅっっ!!」

 

 望(の)愛(あ)の身体がびくん、びくんと大きく跳ねた。

 同時に、彼の股間からぽたぽたと白濁液が零(こぼ)れ落(お)ちる。

 

 やはり彼の貞操具の中には、小さな男性器がその欲望を抑え付けられながら閉じ込められているのだ。

 そして雌の様に愛撫されることによってのみ、絶頂の瞬間にその存在を、通常の男とは程遠いお漏らしの様な射精によって示すことを許(ゆる)される。

 

「はぁ……はぁ……」

 

 望(の)愛(あ)は麒(き)乃(の)神(かみ)に体を預ける。

 そんな彼に、彼女は零(こぼ)れた精液を指差して命じる。

 

「解(わか)っていますね?」

「は、ハイ……」

 

 何を、という疑問を挟む間もなく、望(の)愛(あ)は屈(かが)んで自分の出した精液を舐(な)め始めた。

 一見極めて惨めなその姿は、娼(しょう)也(や)には何(ど)処(こ)か羨(せん)望(ぼう)を感じさせるものがあった。

 

 圧倒的上位者の女性に愛され、とことんまで惨めな姿に堕(お)とされてみたい。

 娼(しょう)也(や)の心に芽生えた願望の正体はまさにそういうものだった。

 

 それを見透かしたのか、麒(き)乃(の)神(かみ)は娼(しょう)也(や)の方へ近づいた。

 そして無言のまま衣装を脱ぎ、股間に聳(そび)え立(た)つ逸物(オチンポ)、あり得ない筈(はず)の巨根を見せつける。

 

「うぅっ……。これは……本当に……」

「そう、私(わたくし)は両性具有(アンドロギュノス)なのですよ。娼(しょう)也(や)、今から私(わたくし)のこれに口で御奉仕なさい。上手に出来たら、御(お)前(まえ)にも私(わたくし)を『御姉様』と呼ぶ権利を差し上げましょう」

 

 娼(しょう)也(や)は彼女の股間に聳(そび)える立派な怒張に目を奪われていた。

 今からこれを、口で……。

 そう思うと驚くほどの唾液が口内に充満してくる。

 

 そして彼は遂(つい)に、彼女の鈴口に恐る恐る唇を付けた。

 それは初恋の異性と交わす初めての接(せっ)吻(ぷん)のときめきに、官能的な倒錯感をも混ぜ合わせた、何とも甘美な口づけに思えた。

 

 夢幻のような一時、まるで桃源郷。

 娼(しょう)也(や)の中で、夢が実現したような歓喜と仇(かたき)に屈服した様な恥辱が目(め)紛(まぐ)るしく入れ替わり、交互に廻(まわ)り廻り続けていた。

 

(こんなことに、こんなことに僕(ぼく)は胸が破裂しそうなくらい高揚している。嗚呼(ああ)、嗚呼、これを、これを舐めろと仰(おっしゃ)るのですか、しゃぶれと仰るのですか。屹(きっ)度(と)、後にこれで僕(ぼく)を犯すのでしょう。でも僕(ぼく)はもう、貴女(あなた)には逆らえないのです。首領、みんな、早(そ)芙(う)子(こ)さん、ごめんなさい……)

 

 悔恨の言葉が脳裏に過(よぎ)ったと同時に、それは彼の喉奥へと捻(ね)じ込(こ)まれた。

 

 その苦しみ――自分よりも大きな逸物(オチンポ)で女性に喉奥を犯されるという屈辱感が、娼(しょう)也(や)の小さな陰茎(チンポ)を硬く強(こわ)張(ば)らせていた。

 嗚呼、この女には「歯が立たない」――窒息して飛びそうになる意識の中で、娼(しょう)也(や)はそう痛感していた。

 

「ぶはッ!!」

 

 意識が飛ぶ寸前のところで、逸物(オチンポ)は一気に引き抜かれた。

 そして息継ぎを確認すると、麒(き)乃(の)神(かみ)は再び娼(しょう)也(や)の喉にそれを捻じ込む。

 

 今、彼の呼吸は完全に彼女の管理下に置かれていた。

 即(すなわ)ち、彼女の許可無しでは息をすることも許されない、完全なる愛玩人形扱いを受けているのだ。

 

 何度目かの解放の後、麒(き)乃(の)神(かみ)は冷厳な笑みを瞳に湛えたまま娼(しょう)也(や)を見下ろして命じる。

 

「今度は隅々まで丁寧に丹念に舐め尽くしなさい」

「はい……はい……」

 

 彼の目尻に浮かぶ涙は窒息の苦しみ、屈服の恥辱、そして隷属の歓喜から滲(にじ)み出(で)たものだ。

 彼女の亀頭は鈴口から零れる雫(しずく)に輝き、汎(あら)ゆる貴金属よりも美しく見えた。

 父が売っていたどんな宝石も彼女の前では敵(かな)うまい。

 

(父さん、貴方(あなた)はこれを望んでいたのか。何と恥知らずな! そして、僕(ぼく)も今……。嗚呼、至福だ……)

 

 娼(しょう)也(や)はぐちゃぐちゃの思考を振り払うように彼女の逸物(オチンポ)をねっとりと舐(ねぶ)り続けた。

 暫(しばら)くして、麒(き)乃(の)神(かみ)は娼(しょう)也(や)の頭を掴(つか)んで彼女の逸物(オチンポ)から引き離した。

 そして彼をそのまま寝台(ベッド)の上に押し倒す。

 

「望(の)愛(あ)、彼の中を綺(き)麗(れい)にしなさい」

「はい……」

 

 望(の)愛(あ)が少女と見紛う様な体を起こし、娼(しょう)也(や)の許(もと)にある物を持って来た。

 その太い注射器の筒の中には、透明な液体がたっぷりと波打っている。

 

「ヒッ……!」

 

 娼(しょう)也(や)の頭から一気に血の気が引いた。

 何をされるのか、何のための行為かは明らかだ。

 

「怖がることはありませんよ。私(わたくし)の物を受(う)け容(い)れるからには確(しっか)りと清めておかなくてはなりませんからね。さあ、力を抜きなさい」

 

 娼(しょう)也(や)の恐怖を余(よ)所(そ)に、望(の)愛(あ)は麒(き)乃(の)神(かみ)から命じられるままに注射器の先端を彼の肛(こう)門(もん)に突き刺した。

 娼(しょう)也(や)は異物感と共に何かが腹の中を満たしていく感覚に襲われ、力なく声を漏らす。

 

「あああああー……」

 

 それは、儀式の準備である。

 完全なる服従を示す儀式の為、我が身を清める行為である。

 ここから先、彼の人生の総(すべ)ては辛苦なる汚辱と甘美なる陶酔に満たされる。

 

 その未来を暗示する様に、彼の中から「過去」は全て掃き出され、取り除かれるのだ。

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