※この作品はR-18です。

日本と皇國の幻争正統記・好色秘伝   作:坐久靈二

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四

 簡素な部屋である。

 備え付けられているのは一人用の寝台(ベツド)と、椅子と小卓、食事を差し入れる為(ため)の小窓、それから大型のモニターのみであった。

 一応別室として便所とシャワー室が備えられており、地下の独房としては充実している方だろうが、凡(おおよ)そ男女が一週間愛を睦(むつ)み合う場ではない。

 二人はあくまでも囚(とら)われの身――そう示しているかの如き内装であった。

 

 そんな地下房に粗末な寝台(ベツド)が軋(きし)む音が響いている。

 娼(しよう)也(や)は呼吸を荒(あら)らげ、正常位で早(そ)芙(う)子(こ)と交わっていた。

 顔を真っ赤にして呼吸を荒らげながら早(そ)芙(う)子(こ)を懸命に突く娼(しよう)也(や)と、無表情のままそんな彼を見上げている早(そ)芙(う)子(こ)が残酷なまでに対比されていた。

 

「はぁっ、はぁっ……! 早(そ)芙(う)子(こ)さんっ、早(そ)芙(う)子(こ)さんっ……!」

「稚拙な腰使いだな。全然良い所に当たらない。そんな温(ぬる)い動きで浅い所を撫(な)で回(まわ)されても不快なだけだ。もっと奥まで激しく突けないのか? 貴様の情けない陰茎(チンポ)では届かないのか? 貧弱な力ではそれが限界なのか? 無(ぶ)様(ざま)だな」

「うぅっ、早(そ)芙(う)子(こ)さん……!」

「呼ぶなと言っている、気色悪い。全く、こんなことを一週間も続けるのか。嫌になるな……」

 

 娼(しよう)也(や)は腰を動かしながら、嘗(かつ)ての早(そ)芙(う)子(こ)と重ね合わせていた。

 あの時はちゃんと感じてくれたではないか。

 一緒に腰を動かし、一緒に絶頂を迎えてくれたではないか。

 

「貴様、まさか昔は感じていたとでも思っているのか?」

 

 図星を突く言葉が胸に刺さった。

 同時に、背筋に奇妙な電流が奔(はし)る。

 

「はぁ、はぁ、早(そ)芙(う)子(こ)さんも……そう……言っていたじゃないか……」

「演技に決まっているだろう。貴様に恥を掻(か)かせないように気を遣っていたんだよ。一応、あの頃は貴様を愛していたからな。だが、どうにも甘やかし過ぎたようだ。何度も交わった癖にちっとも成長していない。益(ます)々(ます)貴様への失望が深まるばかりだよ」

「そんな……」

「ああ、もう莫(ば)迦(か)莫(ば)迦(か)しいな。さっさと終わりにしよう」

 

 早(そ)芙(う)子(こ)は吐き捨てる様にそう言うと、両手の指を娼(しよう)也(や)の乳首に伸ばしてきた。

 同時に、膣(ちつ)で陰茎(ペニス)を締め上げて自らも動き始める。

 

「うぁあっっ! あぐっ! そ、早(そ)芙(う)子(こ)さん駄目っっ!」

「ただでさえ貴様は昔から感じやすかったからな。このみっともない乳首、麒(き)乃(の)神(かみ)殿下に随分開発していただいたと見える。ほら、こうして指先でカリカリ弄(いじ)ってやると堪(たま)らないんだろう? さっさとイケ! 雑魚(ざこ)陰茎(チンポ)も膣穴(マンコ)で締め上げてやるから! 獅(し)乃(の)神(かみ)様に鍛えていただいた膣穴(マンコ)に負けて無様にお漏らし射精しろ!」

「あああっっ! 駄目!! 早(そ)芙(う)子(こ)さん、やめて! イク!! イッちゃうからぁっ!!」

「やめるかこの屑(くず)が! イケ、ほらイケよ!」

「ふぐうううううっっ!!」

 

 娼(しよう)也(や)の陰茎(ペニス)が激しく脈打ち、鈴口から精液が漏れ出る。

 同時に、早(そ)芙(う)子(こ)の膣穴は彼を拒絶する様に陰茎(ペニス)を吐き出した。

 中出しを許されなかった精液がポタポタと彼女の股に零(こぼ)れる。

 

「はぁぁっ……あぁぁ……」

 

 娼(しよう)也(や)は強烈な脱力感を覚え、早(そ)芙(う)子(こ)の上に倒れ込んだ。

 それは嘗て、事を終えた彼が彼女に身体を預けていたのと同じ仕草だ。

 あの頃は精根尽き果てた彼を彼女は優しく抱き留めてくれた。

 しかし今は、娼(しよう)也(や)は頭上で露骨な舌打ちが鳴るのを聞いた。

 

「っ、退(ど)け! 穢(けが)らわしい!」

 

 娼(しよう)也(や)は激しく押(お)し退(の)けられ、寝台(ベツド)から転げ落ちた。

 あまりの無体な扱いに、津波の様な惨めさが押し寄せる。

 しかしそんな彼に、早(そ)芙(う)子(こ)の態度は容赦が無かった。

 

「何をしている。貴様の汚らしい精液で私(わたくし)の体が汚れてしまっただろう。舐(な)めて掃除しろ、この愚(ぐ)図(ず)が」

「そ、そんな……」

「なんだ、文句があるのか? 貴様は少しでも私(わたくし)の気を惹(ひ)かねばならん立場だろう。別に、私(わたくし)はこのまま獅(し)乃(の)神(かみ)殿下にお仕えしても構わんのだ。というより、貴様と一緒になるくらいならその方が遙(はる)かに望むところと言える。寧(むし)ろこれは貴様に少しでも可能性を残してやろうという慈悲のつもりなのだがな」

 

 早(そ)芙(う)子(こ)は身体を起こし、寝台(ベツド)に腰掛けて股を開いている。

 確かにそこには、膣内に一滴たりとも辿(たど)り着(つ)けなかった娼(しよう)也(や)の精液が零れていた。

 

「薄い精液だ。量も少ないし、大した労働じゃないだろう。さっさと綺(き)麗(れい)にしてくれ」

「うぅ……!」

 

 娼(しよう)也(や)は今まで、麒(き)乃(の)神(かみ)から散々口内射精されている。

 精液を舐める、という行為自体は初めてではない。

 だが、自分のものは経験が無かった。

 女性との性行為の末に外へ出したそれを舐めさせられるのは、両性具有(アンドロギュノス)の主のそれとはまた異なった惨めさを味わわされる。

 

(うぅ……確かに薄い……。御(お)姉(ねえ)様(さま)のとは全然違う……)

 

 娼(しよう)也(や)は早(そ)芙(う)子(こ)の股に舌を這(は)わせ、精液を舐め取る。

 その頭上で、彼女の顔がまたしても不快感に軋むのを感じていた。

 

「ああ、気持悪い……。舐め取ったらさっさと離れてくれ」

 

 早(そ)芙(う)子(こ)の足が娼(しよう)也(や)を突き飛ばした。

 娼(しよう)也(や)は再び冷たい床に転げる。

 

「今日の交わりはこれで終わりだな。シャワーでも浴びてさっさと寝るとしよう」

 

 その時、壁に掛けられていた大型ディスプレイが点灯した。

 そこには一人の美女が映し出されていた。

 

『はぁい、敷(しき)島(しま)ちゃん。どうやら記念すべき再会一回目の目(まぐ)合(わ)いは終わったみたいね』

「貴(き)龍(りゆう)院(いん)殿……」

 

 貴(き)龍(りゆう)院(いん)皓(しら)雪(ゆき)――彼女よりも先に獅(し)乃(の)神(かみ)叡(えい)智(ち)の近衛侍女となっていたゴシックロリータ服の美女である。

 何やら捉えどころの無い、謎めいた雰囲気を含んだ笑みを湛(たた)えている。

 

『敷(しき)島(しま)ちゃん、一応言っておくけれど、貴女(あなた)達の様子は此(こ)方(ちら)から具(つぶさ)に観察させてもらっているわぁ。獅(し)乃(の)神(かみ)様からの言付けを破ることが無いようにね』

「解(わか)っている。だからつい今し方、不本意ながらこの男と交わったところだ。ちっとも気持ち良くなかったがな」

『それは獅(し)乃(の)神(かみ)様と比べてしまうからそうなるのよ。あの御(お)方(かた)と比較するのは流(さ)石(すが)に酷というものよぉ』

「それもあるだろうが、差し引いたとしてもこの男は最低だぞ。付き合っていた頃から変わらない、最低の目(まぐ)合(わ)いばかり経験させられてきたんだ」

『でも敷(しき)島(しま)ちゃん、獅(し)乃(の)神(かみ)様とその男以外は知らないでしょう?』

「では、貴女(あなた)はどう思う? この男、いつも自分だけ私(わたくし)に無責任中出しを決めたら力尽きてさっさと寝てしまうんだ。私(わたくし)に甘える様に抱き付いてきてな。それだけじゃない。回を重ねる度に私(わたくし)への甘えは酷(ひど)くなる一方で、最後の方は私(わたくし)の胸に顔を埋めながら『ママ、ママ』などと鳴きながら喘(あえ)ぐ始末だったんだぞ」

『それは……確かに酷いわねぇ……。貴女(あなた)、能(よ)く我慢していたわぁ』

「一応、愛してはいたからな。男が弱さを見せるとき、強い女として受け止めてやらねばと思っていた。尤(もつと)も、真に強い殿方を知ってしまってからはそんな気持ちも吹き飛んだが……」

『ご愁傷様ぁ……』

 

 娼(しよう)也(や)は自分の情事を暴(ばく)露(ろ)されて居た堪れない気持ちになった。

 確かに、あの頃は早(そ)芙(う)子(こ)に自分の欲望と願望をぶつけ、甘え過ぎていたところもあるだろう。

 だがそれを、見ず知らずの人間と一緒に笑いものにするのは酷いではないか。

 最(も)早(はや)嘗ての、優しくて誇り高い早(そ)芙(う)子(こ)は居ないのだろうか。

 

『とはいえ、あの御方からの言付けはただ交われば良いというものではなかった筈(はず)よぉ。起きている時間はなるべく睦み合うこと、忘れないようにねぇ』

「くっ……! 貴女(あなた)も意地が悪い。この件も、元々は貴女(あなた)の提案だったな……」

『それはそうだけれど、最終的には獅(し)乃(の)神(かみ)様にも御了承頂き、あの御方の御命令という形で伝えられているわぁ。である以上、あの方に絶対服従を誓う身として、振る舞い方は一つではないかしらぁ?』

「……仕方が無いな……。おい屑、こっちへ来い」

 

 早(そ)芙(う)子(こ)は自分が腰掛ける隣を手で叩(たた)いた。

 嘗ての彼女からは想像も付かない乱雑な態度で誘われた娼(しよう)也(や)だが、それでも彼は希望を棄(す)てられなかった。

 涙を堪え、彼女の隣に身を寄せる。

 

「おい勝手に密着するな」

『敷(しき)島(しま)ちゃん、今から睦み合う相手にそれは無いんじゃなぁい?』

「ぐっ……!」

 

 早(そ)芙(う)子(こ)は不服そうに唸(うな)り声(ごえ)を上げると、娼(しよう)也(や)の背後から腕を回して胸に手を這わせた。

 反対側の手も、反対側の胸に添える。

 

「取(と)り敢(あ)えず、その感じやすい雑魚乳首を触ってやる。扱(しご)きたかったら勝手に扱け。貴様からは私(わたくし)に触れるなよ。この身体は獅(し)乃(の)神(かみ)様の物、好きにして良いのはあの御方だけだからな」

 

 早(そ)芙(う)子(こ)はそう言うと、娼(しよう)也(や)のぷっくりとふくらんだ乳輪を親指と中指で押し広げた。

 

「うっ……!」

「こういう雑魚乳首がどう弄られると気持ち良いかは能く知っているんだ、身を以(もつ)てな。こうやって乳首を強調する様に乳輪を拡(ひろ)げて、人差し指の爪先で狙い撃ちにすると……」

「はぁぁぁんっ! あんっ! あぁぁんっっ!」

「雌みたいな声だな、気持悪い。以前からその気はあったが、やはり貴様は強い女に責められて女みたいに善がりたいマゾだということだな。昔は可(か)愛(わい)く思えたものだが、今見ると情けなくて悍(おぞ)ましいな」

 

 かりかりと、早(そ)芙(う)子(こ)の白い指が素早い動きで娼(しよう)也(や)の乳首を愛(あい)撫(ぶ)する。

 充分開発された両乳首は、弄られる度に娼(しよう)也(や)の背筋に快感の微弱電流を流し、もどかしさを前立腺に集めていく。

 

「あんっ、あんっ、あんっ、あんっっ!」

「陰茎(チンポ)もまた勃(た)ってきたな。あの御方と同じ物とは思えない、申し訳程度の代物だが……」

 

 嘗ての恋人に他の男と比較されて蔑(さげす)まれながら雌の快楽を味わわされる――娼(しよう)也(や)は堪らない屈辱と興奮を覚えていた。

 このままあっさりとイカされてしまってはあまりにも情けない。

 しかし、早(そ)芙(う)子(こ)の手技の前では耐えられそうもなかった。

 

「なんだ、そんなに腰を見せ付ける様に突き出して、もうイきそうなのか?」

「駄目ッ! 早(そ)芙(う)子(こ)さんっ! あぁぁんっ!!」

「イきたければ勝手にイケば良いさ。雑魚の貴様はどうせ我慢など出来ないんだろう?」

「ああああああん!!」

 

 娼(しよう)也(や)の陰茎(ペニス)から精液が漏れ出した。

 勢いの無い、お漏らしの様な射精である。

 

「やはり情けない射精だな。あの御方とは比べるべくも無い。これでは精液が子宮まで届かないだろう。あの御方ならば腹が膨らむ程に注いでくれるのだがな……」

『確かに、そのお漏らしは無いわねぇ……。じゃあ私(あたくし)は当の獅(し)乃(の)神(かみ)様と楽しみましょうか……』

「何……?」

 

 いつの間にか貴(き)龍(りゅう)院(いん)は服を脱ぎ、、ディスプレイにはもう一人の男が映っている。

 第一皇子・獅(し)乃(の)神(かみ)叡(えい)智(ち)――二米(メートル)を超える長身に筋骨隆々とした体付きの、嘘(うそ)の様に逞(たくま)しい男だった。

 

『貴(き)龍(りゆう)院(いん)よ、やはりこれは悪趣味ではないか? 姉上が行為を送ってきたのもそうだが、もう少し品のある方法は無かったものか……』

『品性を取繕おうとしては、却(かえ)って肝心な部分が曖昧になってしまうことがありますわ。多少御下品でも、露骨なやり方ではっきりさせた方が良いこともあるのです。その方が、彼の未練にも確(しつか)りと決着が付くというものですわ』

『そういうものか。ならば仕方が無いな……。では貴(き)龍(りゅう)院(いん)、汝(なれ)を抱いてやろう』

 

 画面の中の獅(し)乃(の)神(かみ)は貴(き)龍(りゆう)院(いん)を押し倒した。

 

「ああっ、貴(き)龍(りゆう)院(いん)殿、自分だけ狡(ずる)い!」

 

 早(そ)芙(う)子(こ)は悔しそうな表情を浮かべ、画面に見入っていた。

 

『んおおおおおおおっっ! おっごおおおおおおおっっ!! じのがみざまああああっっ!! ぞんなっ、激し過ぎまずうううううっっふごおおおおおっっ!!』

 

 獅(し)乃(の)神(かみ)に激しく突かれる貴(き)龍(りゆう)院(いん)は、先程までの澄ました様子とは打って変わって凄(すさ)まじい喘ぎ声で啼(な)き始めた。

 どれ程気取っていた女でも一瞬にして一匹の雌豚に変えてしまう、そんな圧倒的な強い雄の性行為というものを、画面越しにまざまざと見せ付けられている。

 

(早(そ)芙(う)子(こ)さんも……これをされたのか……! こんな風に……犯されて堕(お)ちたのか……!)

 

 隣を見ると、早(そ)芙(う)子(こ)は物欲しそうな眼(め)で画面に見入っていた。

 片手が娼(しよう)也(や)の乳首から離れ、股間を弄っている。

 

「そ、早(そ)芙(う)子(こ)さん……!」

「五(う)月(る)蠅(さ)いな。こんなのを見せ付けられて、我慢出来る筈が無いだろう。片方だけ弄ってやるだけ有難く思え。どうしても寂しければもう片方は自分で慰めるんだな」

「うぅ……!」

 

 娼(しよう)也(や)は仕方無く、早(そ)芙(う)子(こ)の身体との隙間から片腕を前に出して自分の乳首を弄る。

 早(そ)芙(う)子(こ)の反対側の手は秘部を激しく掻(か)き回(まわ)していて、卑(ひ)猥(わい)な水音を立てていた。

 

「はぁ……はぁ……! 獅(し)乃(の)神(かみ)様っ……! 私(わたくし)も……獅(し)乃(の)神(かみ)様の逞しい逸物(オチンポ)様で我を忘れて善がり狂いたい……! 一週間もこんな男で我慢しろだなんて……! うぅっ! ああぁ! 貴(き)龍(りゆう)院(いん)殿はっ、もしや最初からっ、獅(し)乃(の)神(かみ)様を独り占めするつもりでっ……!」

 

 淫(みだ)らに悶(もだ)える早(そ)芙(う)子(こ)の姿を見て、娼(しよう)也(や)は思い知らざるを得なかった。

 嗚呼(ああ)、彼女は最早身も心も獅(し)乃(の)神(かみ)叡(えい)智(ち)のものなのだ。

 自分の元に戻ってくる可能性など、最早微(み)塵(じん)もありはしないのだ。

 

『んほおおおおおっっ!! イギまず!! 獅(し)乃(の)神(かみ)様っ!! イガぜでいだだぎまずぅぅぅぅっっ!! オッゴオオオオオオッッッ!!』

「あああああっっ!! んおおおおおおおっっ!! 雌穴ぐちゅぐちゅしてイグうううっっ!!」

「ふぐうううっっ!!」

 

 画面の中の女と、寝台(ベツド)の上の男女は同時に絶頂を迎えた。

 尤も、三人は全員が全員、一人の強い雄によって敗北して淫らに咲き乱れる雌に過ぎなかった。

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