一週間はあっという間だった。
二人は毎日交わったが、娼也が早芙子を感じさせることは唯の一度も無く、彼の挑戦は失敗に終わってしまった。
寧ろ娼也は身体を重ねる毎にどんどん弱くなっていき、最後の方などは陰茎の先端が秘部に触れただけで射精してしまう始末であった。
尤も、陰茎の大きさそのものが入り口に触れるだけで精一杯の短小を超えた短小に成り下がっていたのだが。
「これでやっと貴様とお別れが出来るという訳だな……」
「うぅっ……嫌だ、早芙子さん……」
「仕方が無いだろう。恨むのなら自分の貧弱さを恨むが良い」
早芙子は娼也の陰茎に平らな貞操帯を押し付ける。
「この一週間が始まる前に麒乃神殿下から賜っていた貞操帯だ。事が終わった暁には私の手でこれを装着するように仰せつかっている。良かったな、文也……いや、娼也だったか。これで名実ともに、麒乃神殿下の情婦になれるという訳だ」
「うぅ……」
小さな小さな陰茎が更に押し込まれる。
その窮屈さは、雄としての弱さに与えられる罰則の様だ。
逆に、睾丸の方は貞操帯の金属環に押し出されて強調されている。
陰茎が引っ込み、睾丸が自己主張するという歪な股間が造り上げられていた。
「さあ、出来たぞ。最早二度と貴様の情けない陰茎を拝むことはあるまい。清々するな」
冷たい金属音と共に貞操帯が施錠された。
その姿は明確に「時間切れ」による敗北を表現していた。
「うぅ、早芙子さん……外して……外してぇっ……!」
「主の許可無く外せる訳が無いだろう、莫迦め。だが、一応まだ少しは時間が残されているのか。今日の分の目合いは終わってしまったが、折角だからもう一度してみるか? このままな」
「え?」
どういうことか、と問い掛ける前に早芙子は娼也を寝台の上に転がした。
仰向けになった彼の上に、尻を向けた早芙子が跨がる。
鍛えられた肉体を支える大きな尻だ。
嘗て娼也は、早芙子の胸だけで無くこの尻にも甘えさせてもらったものだった。
「じゃあ、始めるか。私達の最後の性交を」
「な、何を……あぐぅっ!?」
早芙子はそのまま、尻を貞操帯に打ち付けてきた。
陰茎が閉じ込められていなければ背面騎乗位の性交で女が動いている形だろう。
だが、この状態では睾丸ばかりが早芙子に激しく衝突する。
娼也はただ苦痛だけを味わわされていた。
「うっ! うぐっ!! あがっ! ひぎぃっ!!」
「どうだ? 貴様の、腰使いより、よっぽど、激しいだろう!」
「うぎいいいいいっっ!!」
「よく味わえ! そして死ね! 雑魚雄死ね! 雌穴で叩き潰されて死ね!」
連続で叩き付けられる苦痛と屈辱、しかし娼也は同時に別の感覚を抱いていた。
此処に来る以前、彼は既に麒乃神聖花という強い女に敗北している。
そして数々の調教により、それを快感に変換されてしまっているのだ。
「ふぐうううううぅぅぅぅっっ!!」
貞操帯の先端から、白濁液が小さく零れた。
それは尻が叩き付けられる度に少しずつ溢れていく。
「ん? なんだ、貴様はこんなのでもイッてしまうのか。最後の最後まで私を楽しませられないとは、どうしようも無い男だな、全く……」
早芙子は呆れ果てた様子で溜息を吐いて立ち上がった。
そして、娼也の頭上に尻を持ってくる。
「私の尻に精液が付いた。貴様の顔で拭かせてもらうぞ。最後に尻の感触を楽しませてやるんだ、有難く思え」
早芙子は翔也の顔に坐り込んだ。
そして、汚れを拭い取る様に激しく擦り合わせる。
強靱な尻圧で挟まれ潰される娼也は、息が全く出来なかった。
「むぐうううううっっ!!」
「ここからだと閉じ込められた貴様の雑魚陰茎が能く見えるぞ。見ているだけで苛々してきたな」
「むぐっ!?」
娼也の顔に尻が強く押し当てられた。
どうやら早芙子は前屈みになったらしい。
そして、娼也は再び睾丸に激しい衝撃を受けた。
「うぐぅっ!?」
どうやら早芙子は娼也の睾丸を拳で叩いているらしい。
「どうだ! 未練を残すなとの御命令だからな! 貧弱な雄を確り叩き殺してやる!」
「むぅぅっ! むぐぅぅぅっっ!!」
顔面の圧と息苦しさ、睾丸の衝撃と痛みに、娼也は奇妙な陶酔感を覚えていた。
また、何かが溢れ出す。
惨めな屈辱と苦痛と、そして快楽が股間から漏れ出してくる。
「ははは、またイッたのか。拳を打ち付ける度に精液を溢れさせて、情けない! こんな男に一時でも抱かれていたとは、心底吐き気が込み上げるよ!」
一際強い拳が睾丸に叩き付けられた。
その瞬間、透明な液体が貞操帯から噴き出す。
今までの精液とは明らかに違う、薄くてさらさらの液体だ。
「うっ、手に掛かった……。まさか潮まで噴くとは……」
その時、部屋の扉が開いた。
部屋の中へと三人の男女がぞろぞろと入ってくる。
「時間だ、迎えにきたぞ敷島」
「おやおや、随分とお楽しみだったようねぇ……」
「少々頂けませんね。私の愛玩人形をあまり乱雑に扱ってもらうと困りますよ」
「獅乃神殿下、貴龍院殿、麒乃神殿下……」
早芙子は気不味そうに翔也の顔から尻を退け、寝台から立ち上がった。
そして二人の皇族に深々と頭を下げる。
「お見苦しいところをお見せしました。結果の御報告をさせていただきます」
「敷島ちゃんに言われるまでも無く明らかじゃないかしらぁ?」
「そうだな。結局、二人の仲は元には戻らなかったらしい」
「これで晴れて、娼也は心から私に尽くせるという訳ですね」
嗚呼、終わってしまった――娼也の心に無力感と虚脱感、そして幾許かの解放感が込み上げてきた。
寝台の上から遠巻きに見る早芙子の姿が遙か彼方に見える。
頭を下げる彼女は、遠い世界の知らない女になってしまったかの様だった。
「扨て、では二人が本当の意味で新たな旅立ちに出られるこの日を記念して、最後に私達二人で盛大に祝ってやりましょう」
「何? 姉上、どういうことだ? 俺は聞いていないのだが」
「私も初耳ですわ。麒乃神殿下、どういうことでしょう」
「何、簡単なことですよ。二人の間柄が最早元に戻らないことは確認出来た訳です。しかし、未練を残さず消し去る為にはもう一つはっきりさせておかなければならなことがあるでしょう」
麒乃神は寝台に腰掛け、娼也の身体を抱き起こした。
「娼也、よく頑張りましたね。今から私が娼也に御褒美をあげますよ」
娼也は麒乃神に抱き寄せられ、一週間ぶりに愛情の温もりを感じた。
最早早芙子からは感じることが出来なかった安らぎが包み込んでくれる。
(嗚呼、そうか。僕はもう、とっくにこの御方のものだったんだ。そして……)
麒乃神は娼也を抱きながら弟に説明をする。
「今から娼也と敷島、二人を互いの主が抱くのです。そうすることで、二人の主君が誰なのか、念押しとして明確化しようということですよ」
「そこまでする必要があるか、姉上? もう充分ではないか?」
「あの、殿下……」
早芙子は股間をもじもじさせ、何かを堪える様子で獅乃神に声を掛けた。
そんな様子を見て、麒乃神は弟を説得する。
「この一週間、彼女は辛い想いをした筈です。そんな彼女からすると、今すぐ真の主に慰めてもらいたいのではないですか?」
「むぅ、そういうものか……。ならば良かろう。今から汝のことを抱いてやる」
「あら、獅乃神様はお優しいですわねぇ。敷島ちゃん、羨ましい……」
「貴龍院、汝のことはこの一週間散々抱いてやっただろう。今は控えよ」
「はぁい……」
娼也は奇妙な胸の高鳴りを感じた。
今から麒乃神に、御姉様に犯していただける。
しかしそれだけではなく、早芙子もまた獅乃神に犯されるということにもまた期待感を覚えていた。
絶対強者と呼ばれる逞しさの権化の様なこの男は、果たしてどのように早芙子を抱くのだろう。
そんな彼に抱かれて、早芙子はどのように善がり狂うのだろう。
「では娼也、私の上に跨がりなさい。私に背中を向け、私のものを自分から尻穴に導くのです」
「はい……」
娼也は言われるがままに麒乃神の膝の上に坐った。
そして腰を浮かせ、そそり立った麒乃神の逸物を尻穴の入り口に当てる。
この体勢なら、目の前で起きていることが能く見える。
獅乃神の前で下着を脱ぎ、全裸で額を床に擦り付ける早芙子の姿がはっきり見える。
「獅乃神様、私はこの一週間、貴方様の言付けを忠実に守りました。どうか貴方様の強靱な逸物様を私の雌穴にお恵みください。私の忌まわしい記憶を、貴方様で何もかも上書きしてください」
「良かろう、そこまで言うのなら……」
早芙子は獅乃神に促されるままに立ち上がり、壁に手を付いて尻を突き出した。
娼也の目の前で、愛した女が他の男に媚びて男根の挿入を乞うている。
その姿に、嘗ての凜とした面影は欠片も感じられない。
「嗚呼……早芙子さん……。駄目だ……やめてくれ……」
翔也の口から哀願の言葉が漏れた。
しかし、それは本心なのだろうか。
「早芙子さん、行かないでくれ……。どうか僕から……早芙子さんを盗らないでくれ……」
「今更何を言っているんだ、貴様……!」
壁を向いた早芙子は怒りの呪詛を吐いた。
「貴様、麒乃神殿下に抱かれているとき私のことをどう言っていたか忘れたか……?」
早芙子の言葉に娼也は驚いて目を見開いた。
そういえば、画面越しに獅乃神が「麒乃神から動画が送られてきた」と云っていた。
つまり、早芙子は娼也が麒乃神に犯されてどのような痴態を晒していたのか、その一端を知っているのだ。
娼也は思い出す。
『早芙子さんの膣穴より御姉様の逸物様の方が何億倍も良い! 大女のガバ穴に小男の短小棒は具合が悪かったんです! 雑魚雌穴に強強逸物様突っ込まれる方が良いに決まってます!』
あれが早芙子に伝わっていたのか。
「ああ、確かにあれは酷かったな。汝が愛想を尽かすのも無理からぬ話だ」
「はい、そうなんです! この男、自分から私を悪様に罵っておいて、然も獅乃神様が私を寝取ったかの如く宣うので腸が煮えくり返りました! 先に私を裏切ったのはあの男の方なのに! あの男の口車に乗ったせいで私は叛逆者に身を落とし、全てを喪ったというのに……! 獅乃神様はそうやって棄てられた私を畏れ多くも拾ってくださった、慈悲深き救世主に他なりません! だからどうか! 早く私に全てを忘れさせて……!」
娼也は漸く理解した。
早芙子が娼也に向けていた嫌悪は、単に獅乃神と自分を比較しただけのものでは無かった。
ただ純粋な、取り返しの付かない裏切りに対する心底からの憎悪だったのだ。
「やっと理解しましたか、娼也? 御前は彼女に未練を感じる資格など無かったのですよ。しかし、安心しなさい。そんな愚かな御前でも、私は愛してあげますからね」
娼也の尻穴に麒乃神の逸物か減り込んでいく。
少しずつ、決定的な終幕が近付いている。
尻穴が拡がる水音は、その足音にも聞こえた。
「あいわかった。では敷島、心の準備は良いな」
「行きますよ、娼也、覚悟を決めなさい」
二人の雌穴に、それぞれの主の逸物が同時に突き刺さる。
「んぉおおっっ!!」
「ふごおおおっっ!!」
強烈な異物感と共に、娼也は雌の様な叫び声を上げた。
しかし、彼には自分の声は聞こえない。
それよりも遥かに強烈な喘ぎ声が部屋に響き渡ったのだ。
「んごおおおおっっ!! あああああああっっ!! じのがみざまああああああっっ!! ごれごれ!! ずっどごれがほじがったのおおおおおおっっ!! ああああああずごいいいいいっっ!! あいづどはぜんぜんぢがうのおおおおおおっっ!! んおおおおおおっっ!! ほおおおおおっっ!! ふんごおおおおおおっっ!!」
早芙子の喘ぎ声は、恥も外聞も無い、取繕う余裕もそのつもりも無い無様でみっともない、酷いものだった。
自分はこんな早芙子を知らない。
自分の知っている早芙子はそこには居なかった。
「あらあら、端たないものですね。これは御前も負けてはいられませんよ。ほぉらっ!」
「んあああああっっ!! ああああああっっ!! 御姉様っ! 御姉様ああああアッ!! ふぎいいいいいっっ!!」
強烈な突き上げに、娼也もまた雌豚の様な嬌声を上げた。
一人は雄であることを、もう一人は女であることを棄て、ただの雌豚となって醜い声を上げている。
真の強者の前では、弱者は人間を取繕うことすら出来ないのだ。
「んほおおおおっっ!!」
「ふごおおおおっっ!!」
二人の声が、姿が重なる。
あんなに凜々しかった早芙子が、蛇蝎の如く蔑んだ自分と、今は極めて卑近な痴態を晒している。
そのことに、娼也は暗い愉悦を感じていた。
なんのことはない、早芙子もまた惨めな雌豚に過ぎないのだ。
澄ました顔で気取りやがって、偉そうに見下しやがって。
所詮お前も、肉欲に塗れて肉便器に成り下がった唯の畜生ではないか。
「おおおおおっっ! ありがどうございまず! 早芙子ざんをおがじでいだだき、ありがどうございまずううううっっ! もっど、もっどそいづをっ! みっどもなぐ泣がぜでぐだざいいいいいっっ!!」
「な、なんらどっ!? 雑魚雄のっ分際でっ!! ぐおおおおおっっ!! 貴様ごぞっ、お似合いの姿を晒せっっ!! 雑魚雄が!! 雑魚雄死ねっ!! んおおおおおおおっっ!!」
「あらあら、みっともないですねえ、二人共」
「元は愛を誓い合った相手をそのように罵るのは感心せんな。いや、この場は一層心の奥底に溜まった想いの全てを吐き出させてみるべきか……」
「ああああああっっ!! 早芙子ざんがっ! あのお高ぐ留まっら早芙子ざんがっっ! 豚みだいな声で喘いでいるうううううっっ! ざまああっっ! ざまあああああっっ! んほおおおおっっ!!」
「んごおおおおっっ!! 貴様の方ごぞっっ! 洟垂れの餓鬼みたいな間抜け面でアヘ顔晒して善がり狂ってっ! おほおおおおおっっ!!」
「この肉便器! ガバ穴吾妻形! ばぶううううううっっ!!」
「贋女男娼野郎! 寝取られマゾ奴隷! ぶひいいいいいいいっっ!!」
黄柳野文也こと宍妻娼也、水徒端早芙子こと敷島朱鷺緒、二人は暗い地下房でそれぞれの主の巨大な逸物で激しく突かれて突かれて、在らぬ痴態を晒し続けた。
あらん限りの汚言で互いを罵り合い、獣の様な醜い嬌声を上げ、汚物を撒き散らすかの様な痴態を晒し、魂の底から穢し尽くす悦楽に染まり、この世の終わりの様な漆黒の絶頂を何度も迎えた。
「んぎいいいいいっっ!! 御姉様ッ!! イグイグイグイグイグッッ!! まだイッぢゃああああうっっ!!」
「んごおおおおおっっ!! じのがみざまっ!! イグイグイグイグイグイグイんグウウウウッッ!! まだまだイガぜでいだだきまずうウウウうっっ!!」
「ありがとうございまずううううううっっ!!」
「ありがとうございまずううううううっっ!!」
斯くして、二人は永遠に分かたれることになった。