※この作品はR-18です。

ダンジョン姫はじめ   作:エターナル好希也

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お読みいただきありがとうございます。
皆様の叱咤激励やご支援でここまで書き進む事が出来ました。改めてお礼申し上げます。
次回更新は1月4日となります。

また1月2日、姫初めの日には短編、「織姫の神衣」を投稿します。こちらは本編で尺の都合でカットしたエピソードを仕立て直したものです。こちらのみノクターン様でも別バージョンで投稿予定。

良いお年をお迎えください。



奪還戦

 駆けつけた警察関係者と司祭様に涼風を託した後も、俺達は警戒を続けていた。相変わらず電波状態が悪く菫ちゃんとは連絡が取れない。

 

「それにしても生徒会長の演説は凄いですね。もう女王様でした。民草な僕は、会長に踏まれたくなりました」

「ちょうどシスターとギルドでお会いした頃からかしら。魔法力が増したのよ。あの方はおっしゃっていたわ、あなたと親密になると女神さまの御加護があるって。さあ、御上君、お姉さんともっと親しくなりましょう。不思議な力を教えてちょうだい。わたしだけは何があってもあなたの味方」

 

 なんて優しいんだろう。床屋だって我慢できずに、王様の耳はロバの耳と葦原に叫んだのだ。俺だって呪いの権能を、魔女姫様に告白したくてたまらなくなった。徹底的に叱られた後、女王様が可愛がってくださる。思わず口を滑らしそうになるが、風委委員長が脅してくる。

 

「孤児院で何をやった。覗きでもしたのか。正直に答えて楽になれ。さあ、全部話せ。今なら反省文だけで許してやる」

 

 風紀委員長は、証拠もないのに俺を黒だと決めつけている。でももっと悪い事をしているので、自白すれば反省文だけではすまない。生徒会に監禁されてしまう。うちのクラスは俺以外にも色々やらかしているので、綱紀粛正の対象になり易いのだ。

 

「先輩の剣技、前より鋭くなっていません。格が上がったというか、一振り、一振りが美しすぎます。遠くからでも斬られてしまいそうで身構えました」

「あれから御上の顔を念じながら一心不乱に剣を振った。そうしたら剣の極致が少しだけ見えた。今回は披露しなかったが、突き技に神が宿るようになった。不埒な真似は二度と許さん」

 

 何それ恐い。剣風姫は俺に裸を見られた事、そんなに恨んでいたのか。それにしても突きと言えば幕末の美男剣士を思い出す。彼はワンモーションで三連撃を繰り出したという。ならば俺の突きにも磨きをかけよう。

 

 

 

 全てを慈しむダンジョンの女神さまは奪うのではなく与える。魔女姫様には魔法の才を伸ばしてあげる。スキル『暗示』の効果もあって、強い想いは言霊となる。負の感情を操る事も可能だった。罪の意識を煽りたて、不安にさせて依存させる。肉体にまでその影響は及ぶだろう。これは想夜を心因性のインポに陥れるためである。

 また剣風姫には古の剣豪の技を授けた。回避不可能といわれる三段突きだ。これも想夜の玉を突くためである。お痛が過ぎれば去勢するのだ。これこそが神謀であった。

 

 

 

 もう宵闇が迫ってきた。だけど喧騒は終わらない。パトカーと白バイが、普通なら事故必至の無謀運転で横づけをしてきた。この人達には覚えがあった。そして嫌な予感がした。異能課の刑事さん達だ。彼等はダンジョンから力を得た選抜者の犯罪を担当する。殻花刑事が車から飛び出してきた。

 

「まずい事になったわ。岩魂寺菫さんが拉致されたみたいなの。彼女、率先して避難誘導を行っていたのだけど、子供を人質に取られたのよ。多分特別な手枷をされて能力が使えない。目撃したコーポレーションの研究員の話だと、最新型の魔道具で、魔法の発動を阻害するのものだそうよ」

 

 妖精の師匠たちは魔法生物だが、異性の魔力が注がれると、悶絶して【魔導】が上手く使えなくなる。これと同じ原理で対象者のアルゴリズムを乱すのだそうだ。当然身体能力も著しく落ちて、意識朦朧となるという。このままでは菫ちゃんがイケナイ事をされるのも時間の問題だった。

 全員から血の気が引いた。俺たちが菫ちゃんの事を後回しにしていたのも、彼女には秘密のスキル『テレポテーション』があったからだ。誘拐されても、普通なら自力で脱出してしまう。

 

「今回の武装集団は特務部隊と関西の反社組織との合作だよ。君たちが捕まえた連中はそこの兵隊だ。特務部隊はそこに匿われていたらしいが、帰国間際に洗脳して配下にした」

 

 新口刑事が悔しそうだ。別動隊の残党は5,6人しかいないとされた。今回の襲撃メンバーは20人近くで大規模テロだ。某国の誘拐犯とは関連性が薄いとされ、異能課の対応が遅れたという。

 

「逃走経路は分かりますか」

「まだだ。こちらの騒動で人を取られ、検問や捜索の人員が不足している。間に合わないかもしれん。すまない」

「それにあなた達が捕まえた工作員は自決してしまったの」

 

 コンサート解除の占拠は陽動だった。その隙に司祭様とシスター、そして菫ちゃんを二手に分かれて誘拐する。その手助けに、魔眼の能力者がパニックを起こすというのが本来の筋書きだったのだろう。工作員が生きていたら、拷問してでも聞き出したやった。ふてぶてしい新口刑事が憔悴している。事態はそれだけ深刻なのだ。

 

「だめだ、GPSも使えん。ジャミングされている」

 

 剣風姫は菫ちゃんの位置情報を把握していたのか。もし言葉巧みに自宅へと連れ込んだなら、魔女姫様と殴り込まれて、池田屋みたいになっていた。

 

「僕たちが以前監禁された拠点とかどうです?」

「あそこはこの前の爆撃で更地になっているわよ。ただ、最終的に船舶へ乗り換える可能性は高いわ。人は手配しているのだけれど」

 

 四年前、俺たちも港の傍の廃ビルに監禁された。もう少しで船に積み込まれる処を、新口刑事達に助け出された。だだ港湾部は広い。言葉の端に人手が足りないとの無念さがあった。それに天気は下り坂だ。宵闇に加えて雲が広がる。急に暗くなってきた。船舶や航空機、衛星からの捜索に支障が出るかも。

 

「それから彼女、お友達に宜しくって言い残したらしいわよ」

 

 殻花刑事が伝言をくれた。菫ちゃんは俺達を信じている。彼女が今日三人を気まぐれに呼び寄せたのも、『直感』スキルが危険を察知したのかもしれない。彼女を軸に思いは一つに纏まった。何か打つ手はあるはずなのだ。だけど次の瞬間、皆は拍子抜けしてしまう。

 

「タスケテ! タスケテ!」 「あなたの奴隷が攫われました」

 

 俺のスマホが鳴ってしまう。待ち受けでは蠱惑的な蛇妖精がパニックになって大騒ぎだ。ティーメまでもが画面に入って俺に救いを求めている。蜻蛉の妖精が祈る様は凛としすぎて、羽を毟って虐めたくなる。正反対の人外の美貌が乗算となって、男どもの下心をくすぐる。

 

「御上君、いい趣味してるな。これどうやった?」

 

 新口刑事が目を輝かせた。だけど女性陣からは呪い殺さんばかりに睨まれてしまう。この非常時に何をやっている、徹底的に軽蔑された。ちょっと待ってほしい。いくら俺がスマホを使えなくてもマナーモードにする位の常識はある。それに相手は理生院だ。彼女は俺にメールはくれても、直接通話を申し込んだ事は一度としてない。即座に音声出力に切り替えた。

 

「御上君、良く聞いて。先輩を拉致した車両はそこから10キロ、ほぼ零時の方向に移動中よ。先輩は無事だけどぐったりしている。自力での脱出は無理ね。堰の先の船着き場にプレジャーボートが泊っているわ。あるいはそれに乗り換えるのかも。沖合には怪しい船舶は今のところ見当たらないけど」

「特殊潜航艇が待機しているはず。奴らの手口よ。公海にまで出られたら手が出しづらいわ」

「まさか、内調の娘?」

 

 スマホ音声なのに理生院の迷いなき声が導いてくれる。彼女の事を父親から聞いていたのだろう、魔女姫様の問いかけに俺は強く頷いた。

 

「交通規制で渋滞が出てるわ。御上君、急いで。そこの白バイに乗せてもらって。ナビしてあげる。わたしの眼は夜でも悪を見逃さない」

 

 理生院は俺達を見ている。それどころか、車の中までの菫ちゃん迄見えている。その視界が和歌山湾まで届くなら、有効範囲は10キロ、20キロでは効かないだろう。更に夜でも見えるという。さすがに内閣調査室に協力しているだけの事はある。『鷹の眼』どころではない。未公表のとんでもスキルを持っている。

 

 

 

 闇魔法……『梟の目』 ギルドのデータベースには未記載。その視界は数十キロに及ぶ。マークした人間であれば室内でも様子を伺う事が出来る。但し、スキル発動時は無防備となり、また日中は使用出来ない。心正しき人にしか使いこなせぬスキル。

 

 理生院は自室のベッドに横たわり、精神を極限まで集中させていた。嫋やかな彼女がうっすらと汗をかき、慎ましい胸を上下させている。清楚な肢体が醸し出す背徳的な色香。男子には絶対見られない隙であった。強烈なスキルの使用には負荷がかかるのだ。最近女神さまから授かった『梟の目』。『鷹の目』など及びもつかない破格のスキルだ。彼女はこのスキルを授かった事を心から感謝した。もし授かったのが想夜なら、クラス女子への覗きに使われたのだから。

 

 

 

 新口刑事がヘルメットを投げてきた。彼のバイクは探索者仕様だ。しかも専用にチューニングされている。一般人は乗りこなす事が出来ない。スキル『騎乗』、モンスターをテイムできないからダンジョンでは役立たず、道路交通法の元では地上でも役立たず、選抜者はレーサーの職に就けない、彼はこのスキルを活かすために警察官になったのだという。転倒しても平気なように、『金剛』までも持っていた。

 

「男を乗せるために警官になったんじゃないんだけどね。魔女姫様か剣風姫にしがみついて欲しかった。飛ばすからちびるなよ」

「殻花さんなら恐がっていましたよ。女刑事さんに後ろからしがみつけるのは役得ですから。こういう時はしっかり胸に手を回すのがマナーだと爺さんに習いました」

 

 俺達は軽口を叩きながら飛び乗った。実は逸る剣風姫が先陣を申し出たのだが、魔女姫様に止められてしまう。船上での戦闘において、遠隔攻撃か近接戦闘、どちらかのスペシャリストより、オールラウンダーの俺の方が潰しは効くという判断からだ。二人は殻花刑事と後詰に回る事になった。新口刑事はそれが不満らしい。

 

 理生院のナビに従って、裏道を抜け、時にガードレールを跳び越えて河の本流を目指す。緊急事態とはいえ、こんな危険運転を行っては始末書ものだろう。でもこの無謀運転のおかげで俺達は、4年前誘拐犯から救出されたのだ。

 

「連中は車とプレジャーボート、二手に分かれて逃走中。だけど車の方は囮だから気にしないで。急いで頂戴。ボートの速度が速すぎるわ。違法改造されているのかも」

「しっかり捕まってろ!」

 

 新口刑事は白バイをウィリーさせるや、護岸壁のコンクリート塀、胸壁の上へと曲乗りした。堤防からの高さ1メートル、幅20センチほど、人でもバランスを取って歩くのも難しい。彼は俺を後ろに乗せ、綱渡りの爆走をする。ほんの数センチ、ハンドル操作を誤るだけで大惨事となってしまう。追い越されるドライバーの誰もが目を剥いている。

 生と死の狭間にいると何故か頭脳が明晰になる。肉体を司る神経がどんどん過敏になっていく。重心の取り方が分かってきた。カーブに沿って、最適解に身体を預ける。吉野川の本流に達した頃には、時速は100キロに迫っていた。

 

 川を下るプレジャーボートを追い越すと、河口の大橋へと回り込む。橋の上から跳び移るのだ。そのタイミングはコンマ百分の一秒。刹那の躊躇で皆の努力が水泡に帰す。俺に全てを託した魔女姫様と剣風姫、命懸けのスタントをしてくれた新口刑事、理生院のスキルだって、本来は明かしていいものではないだろう。

 俺は全てを呑み込んだ。風と一体化して、10メートルの高さからボートの屋根へと舞い降りる。着地の際は吹き飛ばされないよう、ダウンバーストで一旦身体を固定する。しかし次の瞬間デッキへと跳び移った。銃弾が屋根を撃ち抜いた。武装集団は小銃を持っていたのだ。これ位の事は想定している。『気配察知』には3人、うち選抜者は二人、一人は菫ちゃんだから、残りを倒せばいいだけだ。あと一人は操舵手だろう。

 

 

 

 決着をつける。

 船内から、たった一人の男が出てくる。潜入を専門にしているだけに特徴のない男であった。だけど強者の臭いが漂ってくる。こいつが別動隊の隊長だろろう。足場の悪い船上では一般人は邪魔になる。彼は軍用ナイフを、俺は特殊警棒を構えていた。肉眼では追えぬほどのナイフ捌きと撃ち払い、激しく火花が何度も散る。暗くなり雲も出て来た。彼の瞳孔が開く。俺はこれを知っていた。スキル『夜目』、親父が持っていたスキルだ。そしてミリタリーナイフは黒塗りだった。ここからは彼の領域になる。

 縺れ合う内に互いに武器を失っていた。ナイフも警棒もとっくに海に落下していたのだ。揺れるデッキと屋根からの、軽業のような手刀、足刀。『体術』スキルで応戦する。身体能力はほぼ互角。だけど積み上げれた鍛錬も、人を屠った経験値も彼の方が圧倒的だろう。まして彼は夜間戦闘が得意だ。対して俺は水上では『石槍』の展開もままならない。是非もなく、彼の必勝が人の世の理である。

 しかしながら理不尽を起こす。俺は彼らの部隊と死合った事で、独自の軍隊格闘術がそこはかとなく分かるようになった。技を覚えたとか、パターンを読んだとか表層的なものではない。効率的に人を殺す、悪意ある設計思想が見えてきたのだ。それに『透視』と『魔力視』、俺の魔眼はダブルなのだ。魔力の流れで次の一手を予想する。こちらの有効打が当たった場所は熱を帯びていた。そこを中心に攻める。互角どころか押され始めた展開に相手が焦れた。このままでは保安庁に先に発見されるかもしれない。彼は一旦距離を取って身構えた。奥の手を見せるつもりか。

 

 俺達は同時に動いた。俺の手刀が空を切る。彼は右胸に潜ませたホルダーから拳銃を抜く。スキルによる早撃ち、歴代のガンマンを遥かに凌ぐ妙技だった。だけど彼は拳銃を落とす。左手首から先が斬り落とされていたからだ。鮮血が噴き出した。戦闘しながらの止血は出来ない。勝負は決した。

 俺はこの一閃にのみ『鎌鼬』を乗せていた。抜き撃ちの軌跡を読んでいた。俺が彼の手の内を知っていた事が信じられないのだろう。血止めも忘れて、彼は初めて口を開いた。

 

「何故分かった。俺のクイックドロウは簡単には見破れんはずだ」

「初めましてではないですね。その技は一度見せてもらいました。ずっとお会いしたかったですよ。あの日あなたが僕に銃を向けたその時から」

「そうか、仕留め損ねたあの時の子供か。お前はあの時からずっと闘っていたのだな」

 

 4年前、小学生の俺達は誘拐された。この男は不要となった俺に一片の躊躇もなく発砲する。しかしながら万に一つの不発となった。この瞬間から俺の生と死は裏返った。朱美と詩央を怖がらせた彼を許せない、ダンジョンに力を願った。

 

 最後に男はまた外国語で何か叫んだ。俺はエンジンの金属から創り出した『石槍』を投擲する。そのまま彼を貫くと、海上へと吹き飛ばした。そこで爆散してしまう。彼が爆薬を抱えていた事は魔眼で分かっていた。まさか、隊長が敗れるとは思っていなかったのだろう。操舵手は船に火をつけて証拠隠滅を図る。飛び込んだまま、浮き上がっては来なかった。

 

 早く先輩を甲板に出さなければ、焦る俺に理生院が一括する

 

「落ち着きなさい。潜航艇が傍まで来てそちらの動向を探っているわ。それじゃあ後は頑張って。わたしは今から眼を閉じるから」

 

 菫先輩の『テレポテーション』を見逃してくれるらしい。朦朧としている先輩に言い聞かせた。彼女の瞳に生気が燈る。

 

「このままじっとしてください。潜航艇のペリスコープで把握されています。デッキに上がるのは危険です」

 

 操舵席にも煙が充満してきた。「切り裂きジル」、逸る気持ちを押さえながら手枷を何とか切断する。

 

「先輩、陸地へ跳べますか。難しいなら僕は置いていってください」

「想夜君のおバカ」

 

 信じられない力で押し倒されてそのまま意識を失った。

 

 

 

 気がつけば知らない天井が見える。部屋の明かりは非常灯のみ、スマホの呼び出しで起こされたのだ。待ち受けは「新人ちゃん」バージョンに代わっている。師匠的にはどうでもいい案件だ。だけど出ないと後が怖い。剣風姫からだった。

 

「ジャミングが解消された。使ったのか?」

「はい、先輩に助けられました。それで今、真っ暗な部屋で菫先輩と二人切りなんですけど」

 

 菫ちゃんは俺の胸に埋もれるようにして眠っている。役得だ。テレポテーションの後遺症なのだろう。

 

「そこは菫の緊急避難場所だ。いいか、指一本触れるなよ」

 

 即座に迎えが来て、同族経営の病院へと搬送された。ここなら色々ごまかしがきく。刑事さん達も上から言われているのだろう、スキルについては何の追及もしなかった。

 

 俺は護衛だ。部屋の警護を申し出た。菫ちゃんも気持ちが昂っている。側に居てあげれば、彼女の方から俺に躰を許すはず。

 これまで多くの女性をわからせてきた。先輩も強引にヤッてしまう機会は幾度もあった。でも彼女はスキルを習得する前から俺のアイドルだったのだ。中学生の俺は、菫ちゃんが嬉し恥かしの手ほどきをしてくれるのをずっと夢想していた。あの頃は純情だった。ただダンジョンに選ばれたい、それだけを希った。その為にはどんな努力も厭わなかった。無垢な想いを汚したくない。彼女には罪なき頃の俺の願いが詰まっている。

 だけど現実は俺の想いを踏みにじる。

 

「菫の部屋は男子禁制」

「孤児院も心配だわ。残党が逆恨みで襲撃する可能性もある。御上君、あなた後見人らしいわね。聴収は明日でいいから、そちらの方を目配りして」

 

 こうやって俺は病院を追い出されてしまう。とぼとぼと孤児院へ向かった。

 

 

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