菫先輩と結ばれてから、俺は積極的に生徒会活動を手伝うようになった。逢引きの隠れ蓑には恰好なのだ。何より生徒会長の魔女姫様が、お茶を入れてくれたりスキンシップも取ってくれる。聡明な彼女を欺けるなんて何となく気分が良かった。不思議な事もあるもので、いつのまにか不純異性交遊を取り締まっていた。クラスの男子が糾弾する。
「この裏切り者。お前はハーレム希望のクズ男じゃなかったのか。なのに何で生徒会の手先になった?」
俺が体制側の犬になって綱紀粛正に手を貸していると思われているのだ。男女比が偏り一夫多妻制が認められようとしている昨今、モテ期が来たと勘違する野郎はどうしても現れる。うっとうしいと、女子からの苦情が殺到していた。俺は魔女姫様の命を受けて仲裁と警告を行っている。事の是非は考えていない。全部魔女姫様に判断してもらっていた。それに女子の味方をした方が気分はいいに決まっている。
「生徒会長から命令されたら逆らえないよ。高校生とは思えない艶っぽさ、それでいて気品もある。女王様とはかくありきさ。頑張るといつもヨシヨシしてくれるんだ。男なら尻尾をするしかないよね」
先のコンサート会場の襲撃の際、俺は生徒会長のカリスマに惹かれてしまった。動揺する観客を身振り手振りと言霊でたちまちのうちに鎮めたのだ。観客が終始冷静だったのも、彼女の力による処が大きい。さすがは政治家の娘。あんな力があれば暴力に訴えなくても異性をすきにできるだろう。
「お前、相変わらずブレないな。でもいいのか、遠征に行っている朱美さんが知ったら殴られないか」
「朱美達にはもう話してあるよ。不純異性交遊を取り締まるって言ったら、とっても喜ばれた」
朱美と詩央は神戸で合宿中だ。留守の間に俺が他の女に誘惑されないかと心配された。特に生徒会長を警戒している。でも綱紀粛正で悪い男を懲らしめていると言ったら賛成してくれた。取り締まる側に回るなら、他の女の子について行ったりしないだろうから。
今や俺は品行方正な男子高生の代名詞となってしまった。教職員の信頼も厚い。身持ちの固い女子や女性から特に好かれているようだ。この頃は別の学校の女生徒からも挨拶される。いいカモフラージュなっている。こうやって信頼を寄せてきた彼女達をわからせるのは最高の愉悦だと思う。そして救済するまでがワンセットだ。
だけど俺と性交すれば相手はダンジョンに選ばれてしまう。この事実が知られるのは不味い。国に監禁されてしまう。これは女神さまの祟りだ。我が悦びが封じられてしまった。いい子でいるのはつらい。お預けを喰って俺は悶々としていた。
「こら男子、想夜君困っているじゃない。虐めないでよ。彼、わたしたちの騎士様なのよ。驕らずにか弱い女性を護ってくれる。尊いんだから」
うちのクラスでは朱美の次に古馴染の千夏が庇ってくれた。強姦魔な俺が苦しむ様は、ストイックな少年が誘惑と葛藤するよう映るらしい。心根の優しい人ほど感動するようだ。健気な女生徒からこんな風に思われるのは何というご馳走。こうやってダンジョンの女神さまは、俺を欲求不満にして責め苛んでいる。
「想夜君が生徒会に入ってくれたら、わたし達も安心だわ」
「そうよ、そうよ。最近は軽薄男が増えてすごく迷惑してる。あなたたちも反省して」
「この前も他の学校のしつこい人を追い払ってくれたわ」
チア部の三人がクラスの男子を挑発してくる。小悪魔な茉莉がメスガキっぽく嗤い、千夏が制服の下の胸を膨らます。そして脚線美のナガメが足を組み替えた。モテますアピールしているようだが、実際うちのクラスでは彼女達が一番告白されている。選抜者の朱美と、大物政治家の孫でご令嬢でもある委員長は高嶺の花すぎて敬遠される傾向があった。その反面、健全なお色気三人娘はナンパするのも気安いのだ。俺はよく虫避けに駆り出されていた。腕を組んで彼氏の代理をやったり、役得もある。
言い寄ってくるのが校内の男子生徒とは限らない。他校の学生や、社会人、地位のある人やそれに腕力自慢の選抜者も迫ってくる。むしろこんな時にお呼びがかかる。見た目が弱そうな俺に対して、相手は脅迫まがいの恫喝に出て来る。だけど荒事上等だ。逆にこちらの方から脅しつけていた。
ちょっと前、三人とも俺を異性として意識しているのを知った。返す返すも手を出さなかったのが悔やまれる。女神さまの呪いのせいで、抱いてしまうと彼女達は選抜者になってしまう。唯でさえ生徒会長には怪しまれている。委員長のメイドさん達には薄々気づかれている。先生も含めてうちのクラスで俺に親しい女性からこう次々と選ばれては、流石に隠し切れないだろう。いつでも喰えるとストックしなければよかった。
こうやって楽しく高校生をやっている。ダンジョンでの非常識があるからこそ、たわいない日常が貴重だ。 俺の高校ライフにもほんの少し変化がでてきた。魔女姫様を想う気持ちがだんだん強くなってきている。期待に添いたい、褒められたい、犬のように尻尾を振りたい。これは新しい恋だろうか。
俺はこの後、祖父母の御機嫌伺に向った。妖精たちが造営中の迷宮の進捗状況を確認するためもある。
祖父の納屋の迷宮は拡張工事が進んでいた。俺やシーナの巣穴の他にティーメの部屋や大広間、幾つもの通路が蟻の巣のように掘り進められている。今日もシーナはハイテンションだ。
「サヨ、スライムかゴブリン捕まえて来て。調教してから玩具にするよ」
「僕はセイレーンかアルラウネがいいな。メイド服でご奉仕させたい」
「マスター、高位の魔物が生存するには濃密な魔力が必要です。そんな環境になれば私と末の妹も、人化してメイド服を着てさしあげます」
ティーメが嬉しい事を言ってくれる。頑張って妖精たちに沢山魔力を注いであげよう。師匠が鼻をクンクンさせた。
「あれれ、何故か他の女の匂いがするよ。誰さ、ボクのサヨを奪おうとする子は」
「マスター、心乱れていませんか? こちらの世界ではデバフとか状態異常、またバッドステータスとかいうものですね。恐らくはバッシブスキル、使用者は巧妙に展開して、悟られないようしてるのでしょう。ご主人様を診察します。お召し物を脱いでください」
妖精たちとのお医者さんごっこだ。俺は嬉々として服を脱ぎ捨てた。だけど違和感がある。よくよく見れば逸物が萎えたままだ。いつもなら人外の美貌に当てられて俺の息子は勃起不可避なのに。愕然とした。いつのまにか俺はインポテンツになっていた。
「うわーん、サヨが不能になっている。ボクが治してあげるから」
「マスターの愛を独占しようと企んでいる女がいます。心当たりはありますか? その女を思い出せば、男性器は劇的に反応するはずです」
シーナとティーメも纏うドレスを消し去った。蠱惑と清楚、対照的な肉体を惜しげもなく晒す。意気消沈した俺の息子を持ち上げてくれる。縮んだままでも、彼女達には丸太サイズだ、人形程の手と口で、元気になれと慰めた。撫で擦って、キスの雨を降らせてくれる。
俺はこれまでに関係した女性達を思い浮かべた。菫先輩は違う。嫉妬深い朱美も、思い込みの激しい瀬里奈ちゃんでも反応しない。俺に心酔している委員長や小梨利先生でも駄目だった。他の女性で試してみても勃起しない。
「どうしよう、反応しないよ。関係した名前も知らない女性でも駄目だった」
力尽くでも俺が愛した女性達とは良好な関係を築いている自信があった。ならば行きずりでヤリ捨てた形になった相手から恨まれていると思ったが、どうやらこちらも違うようだ。ティーメ先生が問診してくれる。
「契りを交わしていなくても、マスターに近い女性はいませんか。陰でこっそり呪っているかもしれません」
真っ先に思い浮かべたのは隣の席の理生院だ。こいつは貞淑観念の塊だ。何度誘ってもいつも袖にされている。俺の事など不能になれと思っているに違いない。凛としたその顔が恥辱に歪むのを想像してみた。でも息子はピクリともしない。次に剣風姫の風紀委員長を想う。彼女は俺にセクハラされた上に裸を見られている。蛇蝎の如く嫌われていた。道場で組み伏せたら楽しいだろう、だけど反応しなかった。
念の為、魔女姫様を頭に浮かべる。親切な彼女に限って、悪意の欠片もないはずだ。豊潤で肉体、慈愛に富んだかんばせ、気高き心を思い浮かべた。性欲を向けるのも烏滸がましい。ところが下半身が熱を帯びて漲る。たちどころに逸物が勃起した。留まってた妖精二羽も軽々と持ち上げてしまう。まさか、俺に状態異常を仕掛けていたのは生徒会長なのか。
「やった。サヨが大きくなった。このまま魔力を貰っちゃう」
「何と逞しい生き物。これでこそマスター、惚れ惚れします」
妖精達は回復した俺の逸物をご神体のように崇めだした。小さな舌を亀頭に這わせてくすぐったい。二人がかりのフェラチオだ。チロチロ魔力を舐め取っている。元気になって、俺は自信を取り戻す。
彼女達に報いよう、俺はそっと小指を添えた。妖精たちの花びらをめくる。細長い俺の指も、人形サイズの彼女達には巨根をというより巨塊だろう。
「ひぃぃぃ~、弟子が虐めるぅ~」
「きゃぁぁぁ~、マスターお許しを。私壊れてしまいます」
「こちらの世界では男の子は好きな女の子を虐めるのさ。僕が二人をどんなに好きかわからせてやる」
異界を超えた彼女達には散々世話になっている。ならば俺もお返しに、こちらの世界の男女の機微を教えよう。小指の腹を振動させた。問答無用でおもちゃのような陰唇が開いた。痛みなど与えないよう、指の動きは精緻を極める。妖精の秘密の窪みに挿入していく。指先が歓喜に震えた。耐性のない知恵妖精のティーメがたちまちにピクピクと悶絶する。
「ヤメテェ、ヤメテェ、ケダモノにされちゃう、ヒギィ──ー」
責め苦は続く。指の関節を曲げ伸ばしする。膣の中で蛟のよう暴れるのだ。蛇妖精のシーナには堪らない。身をくねらせてのたうち回る。
「ああ、サヨが蝕む。魂までも吞まれそう」
妖精の柔らかな肉壺が俺の指に吸いついた。そこを指でクルクルさせる。そそけたひだを焦らすように搔きまわした。そして小指は螺旋の動きで奥を目指す。たちまちにシーナとティーメはめくるめく。背伸びをするよう縋りついて、肩に留まって泣きじゃくる。
「ひぃ~、激しすぎて翅がちぎれてしまいそう。婢はもう翔べません。もっと目茶苦茶にして下さい」
「弟子に玩具にされている。ああっ~、いけないんだから。ボク逆らえないよ。もっといじめて、ひどい目に合わせて」
もう二羽の妖精は、思いのままの指人形だ。俺の指先一本で泣かし、悦ばし、イカせてしまう。
もし人のペニスが関節を得て、膣内で縦横無尽に動いたらどうなるだろう。しかも振動しながら回転するのだ。こんな悪魔のペニスを喰らったならば、女性は悶死するはずだ。そんな快楽の拷問を人間よりこらえ性のない魔法生物が喰らってしまう。弱っちい肉体は法悦に耐えきれず、彼女達の存在を崩壊させる。
だけどここまでは前戯に過ぎない。脆弱な肉体をさいなみながら、彼女たちの大好物の原初の魔力を指先から流す。凛々しく雄々しく、暴力的な命の源が、精巧な魔法生物を蹂躙する。二羽とも同時に悲鳴を上げた。
「ハヒ、ハヒ、ヒィィィ~~~」
知恵妖精のティーメが白痴を晒す。生まれたての無垢があった。
「くぅ、くぅ、きゅぃ~~~ん」
蛇妖精の師匠が婀娜な肢体をくねらせ悶える。その様は見る者全に色欲を催す。
オーガニズムの暴威が吹き荒れる。絶頂さえも許さない。快楽で押さえ込まれて、身じろぎ一つできなくなった。切ない聲すら上げられない。
灼熱の太陽に焙られる蝉が木に張り付くよう、寒風を忍ぶ羽虫が縮こまるよう、妖精たちは動かない。俺の腕にしがみついて、そのまま果てて逝ってしまった。
妖精達は嫉妬深かった。報復を口にする。俺が他の女をいい様にするのは構わなくても、いい様に使われるのは我慢ならなかったのだ。
「マスターを独占しようとはなんたる不遜。こんな女は許してはおけません。万死に値します。いいえ、それすら生温い。淫蕩に漬けこんで、未来永劫辱めて下さい」
「身の程知らずの雌犬を犯して苛めて分からせるんだ。ヒトには過ぎた快楽の水底に沈めて。永遠の責め苦を味合わせよう」
神話の世界では、神々の力を掠め盗ろうとした者が永遠の刑罰を受けるのがデフォであった。