※この作品はR-18です。

ダンジョン姫はじめ   作:エターナル好希也

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次話は一週間後をめどに上げます。


母子蹂躙2 伏せられた真実

 星堂篤彦の妻、葵は世間一般にはおしどり夫婦の片割れとして知られている。だがダンジョン界では付与魔法の天才として有名だった。古来、この系統の術師は陰陽師と呼ばれている。

 付与魔法は通常、自分やパーティメンバーにバフを掛け、モンスターにはデバフ掛けるものである。しかし彼女の付与はそれにと留まらず、お札にも魔法を込める事が可能であった。退魔士の家系として、幼少より護符や破魔札の研鑽を積んでいた事がここに生きた。さらに特質すべきは、親しい人の魔法なら、自分の魔法でなくても御札に込める事が出来たのである。

 

 彼女は退魔士の名家、連極家のご令嬢として生を受ける。幼少からその容姿と才能を愛でられ、蝶よ花よと育てられた。こうなれば行きつく先は悪役令嬢であるが、「みよう本」のようにはならなかった。異性のみならず同性からも愛される、女子力の高い少女へと成長してしまったのだ。求婚も引きも切らない。乙女ゲームのヒロインのようである。

 15歳の誕生日に婚約が発表された。お相手は本家、皇(すめらぎ)家の直系だ。婿養子を取る事になる。そこに彼女の意思はなし。でも婚約者は優し気な好青年、歳が少し離れているけど、それは即戦力として期待されての事。娘に苦労させたくないという両親の心遣いでもあった。これ以上の婿は望めない。葵も何の不満もなかった。

 自分には旧き血統を紡いでいく義務がある。そもそも今の恵まれた暮らしも家族や使用人あってのものだ。それにこの縁談が流れると傍系や関連企業の人達にも迷惑をかけてしまう。

 

 結婚までの我儘として、少女の葵は平安ダンジョンに入り浸った。地上では常時人に囲まれている。ダンジョンでは頼るものは己一人、素の自分を曝け出すことができたのだ。幼くして陰陽師の才のあった彼女は、上層だけは自由にしてもらえていた

 だがここで運命の出会いを果たす。いつものようにダンジョンに潜って、奇門遁甲で魑魅魍魎を惑わせていた時の事だ。うっかり一人の少年を巻き込んでしまう。陰陽師の葵にもの武芸の心得はある。彼女から見ても、彼は唯の初心者に見えた。

 少年が小鬼相手に下手糞な剣を振り下ろす。でも何て真っすぐな太刀筋。無垢な少女は心臓を貫かれた。大剣に炎を乗せて、大鬼を力任せに薙ぎ払う。激しく強く優しい火焔、まっさらな乙女はその身を焦がした。

 

「結婚してください」

 

 一目惚れに恋煩い、聡明な少女はその場でプロポーズする。もちろん彼女は自分の価値を弁えていた。だけど少年の輝きの前には、家柄も才能も、そしてこれまで受けた恩義さえ等しく褪せて見えたのだ。

 とは言え、尋常な手段であれば、己の恋路は成就しない。たとえ駆け落ちしても連れ戻されてしまうだろう。既成事実を作らなくては。あろうことか、葵は彼に関係を迫った。淑女として育てられた少女にとって死ぬよりも恥ずかしい行為、少年もそれに応えた。葵は自分から誘っておきながら少しだけ悲しくなった。男は誰でもオオカミなのです。

 でも肌を合わせて分かった。少年は自分の一途な想いを、決死の覚悟を汲み取っていたのだ。そして不退転の覚悟で受け止めるつもりでいる。その瞬間、葵は声を上げて泣いた。慎みなど忘れて何度も求めた。この人と生涯添い遂げてみせる、麗しき乙女はこうして純潔を捧げた。

 

 世間では婚約者のいる少女を敦彦氏が攫ったのだと言う人もいた。でも略奪したのは自分なのだ。私は重い女です。もし敦彦さんが私と出会わなければ、今よりももっと自由に羽ばたいて、地位も名誉も、佳人だって思いのままに出来たでしょう。

 

 

 

 螺旋のような迷路を抜ける。遂に安置へ到達した。地図の通りで間違いない。やはり先程までは方位を乱されていたのだ。それにしても七人ミサキとの戦闘で気力体力使い果たしてヘロヘロになってしまった。魔力も底をついている。『衝撃波』もクールタイムで使えない。『結界』に籠って休息しよう、そう思ったのだが発動しない。まさか誰かに見られている? 

 思うより先に『石弾』に打たれる。俺の『気配察知』にも『魔力視』にも反応なかった。身を翻すも、今度は地面が『爆裂』する。こちらも何の兆候もなかった。大きく吹き飛ばされてダメージを負う。もし「風衣」がなければより深刻なものになっていただろう。更に『炎弾』が炸裂し、天井からは『石槍』が落ちてくる。息を継ぐ暇もない。

 ここまで一方的に押し込まれても相手の正体が掴めない。こんな時は師匠の教えに立ち帰ろう。心を研ぎ澄まして空間を読む。チリチリと【魔導】の燻る臭いがする。

 

 視えた! 

 

 床にも岩壁にもそして天井にも、何枚も起爆符が仕掛けられている。ダンジョンの魔力に同化して、巧妙に擬装されていた。ならば『給水』で水浸しにしよう。ハルバードの刃先に『鎌鼬』が乗った。天井の御札をズタズタに切り刻んだ。人狩りに呼び掛ける。

 

「陰陽師の人、出てきて。ネタが割れたよ、もうあなたには勝ち目はない。いい子にしたら、生かしておくか考えてあげる」

 

 呪符を使うタイプの魔法使いは、身体中に御札を隠し持っているのが普通だ。裸にひん剥いて手足を折って可愛がってやる。そう思っていたら『隠匿』で隠れていたのか、美脚、美乳のいい女が現れた。俺が殺した星堂氏の奥さん、葵さんだ。碧かったはずの長髪が、魔力を蓄え、深紅に輝いている。ギルドでは親子共々俺を恨んでいた。いつかはこうなる予感があった。

 

「僕を迷わせていたのはあなたでしたか。星堂さんでも殺せなかった僕を、こんな事で殺せるとでも」

「思い上がらないで。あなたは体力、魔力も底をついている。衝撃波もクールタイムで撃てないはず。急急如律令、敵を穿て!」

 

 何かの手段で俺を観測していたらしい。でも疲れていても、女を喰うのは別腹だ。

『爆裂』の御札だろうか、何枚もの起爆符が迫るが、俺は『風衣』でガードする。同じく俺の『石槍』も全て護符で防がれてしまった。でもチャンスなのだ。特攻をかました。支援に徹する付術師の類が正面に立つのは自殺行為だ。このままダブルになった『体術』で押し倒ししてやる。ところが奥さんの方も俺に迫って抱擁してきた。豊かな乳房がギュッと潰れる。星堂さんも毎日この感触を愉しんでいたのだろうか。

 

「今よ!!!」

「お母さん、ごめん!」

 

 残念ながら浮気ではなかった。何かが割れる音がした。結界に潜んでいたのか、魔法少女の恰好をした少女が飛び出して来た。氷の槍の連撃を繰り出す。水魔法の亜種、この遣い手は初めて見た。葵さんがヒシと俺にしがみつく。自分ごと俺を娘に貫かせるつもりだ。探索者は死に難いとはいえ、母娘とも恐るべき執念、我が身を犠牲にしても俺を殺す気マンマンだ。

 それでも娘のほうには僅かな躊躇いがあった。母親を刺し貫く事に躊躇したのだろう。その隙に何とか振りほどいた。

 氷の穂先は伸縮自在だ。俺に間合いを図らせない。ハルバ-ドで叩き折ってもたちどころに再生する。それにあり得ない程の体捌き。ラッシュに押されて後退するが、少女の髪が朱色から以前見た碧い髪へと色が戻る。髪の毛に蓄えていた魔力を使い果たしたのだ。凌いだ。

 

「仕留めきれなかった」

「いいえ、陽葵さん、よくやったわ。計算通りよ」

 

 いつの間にか遮蔽物のない空間へ追いやられていた。母親が赤い呪符に全力の魔力を注ぐ。腰までの豊かな髪が怒涛の如く波打った。深紅の色が空色に抜けた。まさか……

 

「夫の形見があなたを滅する。急急如律令、アステラスフォティア!」

 

 星堂さんの切り札を呪符に込めていたのか。思う間もなく大爆発に包まれた。妻と娘を熱波が襲うも、二人は耐火の護符を持っている。

 

 

 

「敦彦さん、見ましたか。あなたの魔法が御上想夜に届きましたよ」

「お父さん、褒めて、褒めて。悪いヤツを懲らしめたよ。早くお姉さんにも教えてあげたい」

 

 本懐を遂げたと思った母娘が抱き合って喜ぶ。でも残念、ぬか喜びだ。粉塵が晴れると、憎き俺が姿を現す。多少ともくすんでいるがほぼ無傷だ。

 

「そんな、どうして。 アステラスフォティアで焼かれて生きているはずはないわ」

 

 驚愕する二人に俺は種明かしをする。

 

「水蒸気爆発。爆風で炎を吹き飛ばしたのさ。アステラスフォティアは何度も視た。上級探索者なら対処法くらい思いつくよ。爆炎の起点に給水の応用で霧を発生させ、誘爆を引き起こす。僕は風衣を纏ってダメージを最小限にした」

 

 星堂さんの妻と子供に最後の警告をした。

 

「敵討ちなんて、星堂さんも望んでないよ。僕は今でも尊敬している。これ以上罪を犯さないで。聖堂さんを弔って心静かに生きて欲しい。それがダンジョンに準じた人への最大の敬意だから」

 

 二人に人の理に戻れと諭した。星堂さんの死に様に思う処があった俺は、真実を話さずにはいられなかった。優しい嘘をついていれば、敵討ちなど起こそうとしなかったはずだ。でも俺の心遣いは火に油だった。

 

「嘘に塗れたその口で、良人の気持ちを推し量らないで。夫の善意につけ込んでダンジョン討滅の栄誉を横取りしたくせに。挙句に逆賊の汚名を着せた。この人でなし、恥を知りなさい。私の恨みは海より深くて果てしない」

「お父さんがお姉さんと同じ年の女の子に惚れたって? それはちょっとだけ可哀そうに思っただけよ.騙し討ちした挙句に変態扱いするなんて。もう絶対許さない。憎い、憎い、憎い!!!」

 

 二人とも怨嗟の言葉を並べ立てる。

 親子ともダンジョンの恨みに凝り固まって、この世では救えない。ここで俺が見逃しても、感謝するどころか、憎しみを募らすだけだろう。あまりにも夫への、父への愛が深い故にダンジョンの理に囚われてしまっている。その一生を泣き濡れて終わる。

 ならば異世界の流儀で救ってあげよう。星堂さんを殺した俺は、責任を取られねばならないのだ。母と子の躰に『わからせ』てあげる。彼よりも強い事を証明して、その魂を人の軛から解放してあげよう。それが俺流の供養になる。

 

 チンギス汗も宣った。

 

「人の最大の喜びは、滅ぼした部族の妻や娘を辱める事である」

 

 寛大にも滅ぼした族長の妻や娘を抱く事で、彼女達を保護していた。彼はかくも壮大な男だったから、世界帝国を築く事が出来たのだ。俺も英雄の片鱗に触れたい。

 

 

 

 

「分かっていないのはあなた達のほう。僕と沙織は相思相愛だった。ちょっとした痴話喧嘩の最中に星堂さんが横恋慕してきた。彼は僕より強かった。でもダンジョンは僕と沙織の恋路を応援してくれた。彼は奥さんや娘さんに未練を残していたから負けたのさ」

 

 俺はギルドにも幼馴染にも話していない、伏せていた真実を打ち明けた。果たして二人は激高する。

 

「あなたのせいで沢山の人が苦しんだ、そしてお父さんが死んだ。わたしに優しくしたみたいに、嘘の言葉で世の人を騙しているのね。この世紀の大悪人!」

「最低最悪のダンジョンの獣。やはりあなたを生かしておくわけにはいきません。敦彦さんも同じ思いだったのでしょう。良人の無念を晴らします」

 

 聖堂さんは挑発しても動じなかった。でもこの二人は違う。動揺が激しい。この未熟者め! 同時に俺は嬉しくなった。これでダンジョンの正義を執行できる。伏せていたスキルも公開する。

 

「僕の本気を見せてあげる。星堂さんがそうであったように、僕も切り札を伏せているよ。対魔女、魔法少女用の決戦兵器さ」

 

 闇魔法……『触腕』 防御魔法の一種。拘束するだけで殺傷能力は一切ない。その代わり切れず、千切れず、魔法を封じる。

 

 ゴブリン色の触腕を4本、ウネウネうねらせ展開させる。エア女性を身立てて、おっぱいや股間を弄るデモンストレーションを行った。シーナやティーメ、妖精たちを追いかけ回してその精度を上げていたのだ。俺から触手責めにされるかもしれない、親子とも悍ましさに思わず身が竦んでしまう。

 

「闇魔法とか聞いた事がありません。ですがスキルは心の鏡、腐り切ったあなたの性根がその破廉恥な魔法を産み出したのです」

 

 母親の葵さんはとことん俺を軽蔑した、その一方、魔法少女の娘はもう生理的嫌悪感に耐えられない。

 

「わっ、気持ち悪い!」

 

 目を背けてしまった。敵を前によそ見をするのは致命的な隙となる。陽葵(ひなた)と言ったか、俺は次女を標的とした。彼女は才能あるも経験不足で直情的だ。ギルドでそうであったように気持ちが昂ると自制できない。それに「みよう本」においては、娘を人質にして母親に言う事を聞かせるのが様式美である。

 緑の触手が意志を持つよう疾走する。魔法少女はもう恐怖で棒立ちだ。あんなことやこんなことを母親の前でヤッてやる。

 

「いやあぁぁぁ~~~~~~」

 

 俺の耳にはお馴染みの心地よい女の子の悲鳴だ。狩猟本能を刺激されて、息子がイキり立ってきた。

 

 

 

 

「この変態! 私の眼の黒いうちは、娘に指一本ふれさせない」

 

 ところが予想した通りにはならなかった。母親が身を捨てて娘を庇ったのだ。娘を突き飛ばすが、代わりに『触腕』に捉われてしまった。

 でもこれも結果オーライ、娘の前で母親を襲えば、死に物狂いで抵抗するので犯しがいがある。その後にレイプ目の娘を頂くとしよう。

 

 天井からの『触腕』が葵さんの手首を縛った。両腕を万歳されて吊られるように前のめりになっている。お尻をくっと突き出してちょっと恥かしい格好だ。逃れようにも足首を対の『触腕』が引っ張っている。踏ん張りが効かない。立ったまま脚を大きく開かれようとしている。

 彼女の衣裳は陰陽師らしく、巫女装束を模したものになっている。袖口や襟元はお札を蓄えるため、元々広く開いていた。腕を釣りあげられて袖が落ちた。細腕が眩しく、脇が丸見えになってしまった。背中が反れば豊かな胸が強調される。緩んだ襟から深い谷間が顕わになる。人妻が貞淑であるほど煽情的だ。乙女ゲームのヒロインもいつかこんな目に合わしたい。

 

「不埒者、放しなさい。それにどうして呪符が発動しないの?」

「無駄無駄無駄ぁーっ! 僕の触腕は魔力の流れを阻害する。捕えてしまえば、魔女も魔法少女も思いのまま」

 

 後方支援とはいえ、さすがは上級、両の手には起爆符が握られていた。絡め捕られるその間際、反撃を試みたのだ。

 

「陽葵さん、あなただけでも逃げて!」

「そんな、お母さん!」

 

 なんて美しい母親だろう、俺は思わず息を呑んだ。美人な人妻が煽情的な姿を晒しているからではない。子を思う尊い気持ちに打たれたのだ。まだ知らぬ女性の神秘を垣間見た気がする。何としても汚さねばならない。

 それに魔法少女と触手は相性がいいが、巫女さんにも良く似合うのだ。爺さんの時代には退魔士の巫女をワザと負けさせ、触手責めにあわせるゲームが人気を博したという。人妻巫女が夫の仇から触手責めされるシナリオもあったらよかったのに。

 これ見よがしに娘の前で、母親の形のいい尻を揉みしだく。白魚の様な細い指が、肉の感触を楽しみながら割れ目深くなどっていく。夫を殺した男の手に秘部を弄られそう、葵さんは堪らない。

 

「ひいぃぃぃ──ー、やめてえぇぇぇ~~~」

「お母さんを離せ!」

 

 我に返った娘の陽葵が、猪突猛進、怒りに任せて突っ込んできた。でもこれこそが飛んで火にいる夏の虫だ。

 

『結界』、そしてダブル! 

 

 母親の目の前で進化した『結界』に閉じ込めてやった。ダブルになった『結界』は悪意と敵意から、大切な人を護るためにダンジョンから授かったのだと思っていた。でもそれは勘違いだった。進化した『結界』は、こうやって目の前で大切な人を蹂躙するのを見せつけるために使うのだ。

 

「ここから出して! お母さんを離して。酷い事したら許さないんだから!」

 

 不壊の壁で遮られても、母と娘は互いが見えるし、声も聞こえる。でもそれがどんなに残酷か。母親は暴行される浅ましい姿を、娘の瞳に焼きつけられる。生涯忘れられないだろう。

 初めてを強奪されて、娘からは怨嗟の悲鳴が上げる。その屈辱の声は母の耳に一生残る。こうやってお互いに赤裸々な女の姿を見せつけあう。同じ男に嬲られて、母娘とも癒えぬ傷を等しく負うのだ。

 無駄と知りつつ娘の陽葵が壁を叩いて、氷の槍で壁を穿つ。今にも発狂しそうである。母の痴態を特等席で見るがいい。

 親子はもう本懐を遂げられない。代わりに俺がヴィランとしての本懐を果たす。

 

「星堂さんの奥さん、そんなにご主人が忘れられないなら僕が責任を取ってやる。ダンジョンから与えられた武威でもって、火照った躰をわからせてあげる」

「僕はここに宣言する。あなたはきっと気持ちよすぎて泣くだろう」

 

 この外道!!! 

 

 

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