警察には気絶させたストーカーを、気を当てたと説明しておいた。選抜者はそんな事も出来るんですねと感心されたが、本当に気を当てて意識を奪えるか、俺は知らない。子供の頃、10歩離れて練習したが上手くいかなかったのだ。篠塚母娘とは一旦別れ、俺は選抜者の犯罪を取り締まる異能課で事情を聴かれる事になった。そこには見知った顔がいた。
「御上君、4年振りかな、俺の事、覚えているかい。また死ななかったのか、君、相変わらずしぶといねえ」
俺の資料をめくりながら、嫌みを言っている口の悪いお兄さんは新口刑事、これでも俺達が誘拐されたアジトに先頭で突貫してきた人だ。
「きちんと警告を発してから、ほぼ無傷で制圧、見事なものだわ。それから選抜者になれたのね、夢がかなって良かったわね」
こちらは殻花刑事、俺達を探査して発見してくれたお姉さんだ。視覚、聴覚、嗅覚のいずれか、または複数のスキル保持者であろう。
「その節はお世話になりました。殻花刑事の方は昇進されたのですね、おめでとうございます」
「そうそう、俺はずっとヒラのままだよ。護衛に就いて1日で被疑者が全員検挙とは、謀ったね。俺の仕事が楽になって大助かりだ」
新口刑事は前と一緒だ。
「それより気を当てて被疑者を気絶させたのは本当なの」
相変わらず嫌みを言う新口刑事を遮って、殻花刑事が探ってくる。
「ストーカーの人の目のふちに、明らかに本人のものでない魔力がこびりついていましたからね。生の魔力を当てて吹き飛ばしたら気絶しました」
「魔力視の魔眼か、君は魔力が見えるんだったな」
『魔力視』で魔力が見える、言うは容易いが証明は難しい。人は一般に魔力を感じる事は出来ても、見る事は出来ないからだ。なお俺が気絶させた3人はすぐ回復して留置場に拘束されている。今回の事態を重く見た警察は、同様の不可解なストーカー連中も拘束している。被害者は他に二人いて、一人はロリ巨乳の子、もう一人はスポーツ少女で、正統派美少女の瀬理菜ちゃんとは共通点がない。
3人を収容した留置場から彼らの様子がおかしいという連絡がいる。瀬理菜ちゃんの事は記憶にない、本人と面会させても面識がないという返事で、要は正常に戻っている。その一方で他の少女のストーカーが瀬理菜ちゃんを見て、鞍替えを始めるという、不可思議な事も起こっているという。
「御上君、彼女とイチャイチャしてくれないかな、留置場で。ストーカーのおっさんが怒りのあまり卒倒するかもしれない」
新口刑事が強引に事を進めるつもりだ。殻花刑事も何も言わない。俺もこの件が長引くのは本意ではない。
現場に向かうと、半分パニックになっている瀬理菜ちゃんがいた。俺を見つけると黙って腕を掴んでくる。刑事さん達が母親のえりか先生に事情を説明している。今回の対象者は家族から見放されて、引き取り手のない4人だ。
ちょっとお散歩行こうか、俺は瀬理菜ちゃんと腕を組んで、檻の前を歩く。こんな風情のないデートは初めてだ。怒りのストーカーが、鉄格子に顔面を押し付けて罵ってくる。粛々と魔力の残滓を飛ばしていく度、激高していたストーカーはその場に崩れ落ちた。後は彼らの予後を見てからになる。
空き時間を利用して、ロリ巨乳少女とスポーツ少女に『魔力視』を使用する事を申し出た。察してはいたが、二人の魔力は瀬理菜ちゃんと酷似しており、ストーカーに残る魔力残滓とも酷似していた。その中でも、一番似ているのが瀬理菜ちゃんで後の二人は同じくらい。
ここで仮説が成り立つ。ストーカーは魔力のパターンから、黒幕のスキル保持者を認識していたのではないか、瀬理菜ちゃん達はスキル保持者と魔力が酷似していたので、誤認されただけではないかと。殻花刑事が魔力の波長を乱す魔道具を三人に持たせると、果たしてストーカー達は反応しなくなった。こういう魔道具は張り込み等で必要らしい。勘のいい犯人は、魔力の違いを何となく認識して捜査員を見破ったりすると言う。
瀬理菜ちゃん達、被害者組はここでお開きになった。俺は民間人の協力者と言う事になっていて、ロリ巨乳少女とスポーツ少女からもお礼を言われたが、二人とも学校一の美少女を名乗れるほどだ。もし事件の黒幕がこんな美少女ならぜひ会ってみたい。警察の方で件の魔道具を貸し出すそうだから、瀬理菜ちゃん達が巻き込まれる事はないだろう。珍しく新口刑事が感謝の言葉を口にする。
「頑張った御上君にお兄さんが報酬を払おう。晩飯を奢ってやる」
これだけ付き合わされて、報酬が晩飯だけとは合わない気がする。だけど、こういう時の台詞は決まっている。
「かつ丼食べたい」
殻花刑事がストーカーの身元引受人、すなわち家族を説得している。今回のストーカーはある意味被害者と思われるが、全員援助交際目当てで洗脳された。あまり同情出来ない。それでも見捨てない家族の人は偉いと思う。最初の4人が劇的に改善された事、俺が民間人であり、次の協力どころかダンジョンに潜ってしまえば連絡が取れない事等、説明されると全員が荒療治に合意した。
「ねえ、御上君、警察に就職してくれないかな」
どこまでも身勝手な刑事さん達であった。
夜の8時を回ったが、篠塚家に再訪する。そう言えば、昨日はこの時間は『透視』で診察をしていたのだった。明朝からはダンジョンに潜るので、事件の経過について今日中に報告したかった。そして何より篠塚母娘が俺を待ち焦がれていた。部屋にはいるや、瀬理菜ちゃんが遠慮もなく抱き着いてくる。母親のえりか先生は微笑むだけだ。俺もそっと抱きしめてやった。
「想夜さん、わたし、わたし……」
感激していて、言葉が後に続かない。愛娘が目の前で男に抱かれているのに、母親は何も言わない。俺は映画のシーンを思い出した。
「瀬理菜ちゃんが僕の婚約者になった気分だよ。お母さんもたった今、認めてくれた」
美少女を抱擁する、今回の事件の報奨としては最高のものだろう。恥かしがる瀬理菜ちゃんを母親と一緒に弄って遊んだ。
「想夜君は娘の恩人だわ。精神科の同僚が言うには瀬理菜の精神がもう持たないって。遠くへ引っ越そうかと悩んでいた。それがたった一日で解決してくれるなんて。なんてお礼を言っていいのか分からないわ」
「1日で済んだのは、瀬理菜ちゃんの運が良かったせいですよ。そもそも二人は何も悪くないでしょ。お礼なんて要らないです」
俺は警察署でのその後について説明した。
今回拘束されたストーカーについては全員正常に戻った。
但し予備軍がいる可能性もあり、外出時には貸し出す魔道具を使用してほしい。
警察としても概要が掴めたので、容疑者の確保に注力できる。
逮捕まで行くかは別として、瀬理菜ちゃん達はもうこのようなストーカー被害には悩まされないだろう。俺は本題を口にした。
「僕は明日からダンジョンに遠征します。念の為二人をもう一度魔力視で見てみたいんですけど」
俺には確認したいことがあった。二人の装いが昨日より開放的だったのだ。患いから解放されて気分を一新したいのだろうか、それとも淑女にも雌の顔があるのだろうか。恩人の雄に媚びを売りたいのか、瀬理菜ちゃんはチェックのミニに白のブラウスを着ている。『透視』を使わなくてもかすかにブラが透けて見える。えりか先生、いやさえりかさんは、胸元の開いたニットのセーターに深めのスリットのいった膝下までのスカートだ、チラチラと太腿が眩しい。
まずは瀬理菜ちゃんからだ。あれ、恥ずかしいです、と言いながらも言う事を聞いてくれる。『透視』を発動させる。刺繍のいったブラとショーツには昨日のお子様下着とは大違いで、大変よろしい。清楚感が無くならないギリギリの露出だ。これ以上露出が多いと下品になってしまう。
昨日はチェック出来なかった脇腹や背中も調べると言う事で、両手を頭上に掲げさせ、俺の目の前で、横、後ろ、横と回転させる。半裸の美少女を一回転させて、Aカップはある形良い円錐型のバスト、長い脚に痩せたヒップと縊れた腰が織りなす、初々しい曲線美など楽しんだ。
瀬理菜ちゃんは今にも泣きだしそうだ。意識していた男性に、学校で禁じられた下着をつけたのが露顕して、裸を見られるより恥ずかしいという狼狽ぶりだ。雌の本能で裸身を晒しているのが分かるのか。
「想夜君、あなた女の子を泣かす目をしてるわよ」
えりかさんは非難がましく言うが、言う通りにしてくれる。何度見ても歳に似合わぬ若々しい躰で、体型も顔つきも瀬理菜ちゃんの年の離れた姉を思わせる。今回俺が注目したのは下着だ。色こそ派手でないものの、ブラもショーツも透けていて際どい。特にショーツは鼠径部まで見える切込みの深いもので、恥丘の繁みも透けた生地から確認できる。瀬理菜ちゃんと同じポーズで回転させ、ロケットおっぱいや生地の食いこんだ小尻を堪能した。視姦されたえりかさんも倒れ込むようにして、椅子に身を投げた。
瀬理菜ちゃんは俺にべったりだ。母親の目も気にしないとはよほど参っていたのだろう。俺達は3人掛けのソファーに座っている。真ん中が俺、左右が篠塚母娘だ。
「想夜さんに来てもらって本当に良かった。わたしもうおかしくなりそうだった」
「瀬理菜ちゃんは綺麗だから油断しないようにね。本当のストーカーに狙われるかもしれない」
「その時は想夜さんに守ってもらいます」
「それにしても他の二人も綺麗な子だったわ。想夜君どう思う?」
「犯人のスキル保持者も物凄い美少女かもしれませんね。それならぜひ会ってみたいです」
取り留めのない会話を楽しみながら、甘える瀬理菜ちゃんの長髪を指で丁寧に梳いてやる。キリ香もこうすると落ち着いた。えりかさんも瀬理菜ちゃんの頭を撫でている。俺の隣からなので、俺の肩に手を回す形になる。するとえりかさんの開いた胸元から、谷間がしっかり見えるのだ。やや小振りだが娘と同じ形の良い双丘、俺は笑顔で声の代わりに視線を送る。
「えりかさんの胸元開いてますよ、凄く綺麗で見とれました」
「いけない子ね、でも見るだけなら」
えりかさんが年上の余裕で見詰め返す。俺達は大人の会話を互いの視線で楽しんだ。子供が寝ると大人の時間がやって来る。