今なら簡単に刺せそうな気がした。私の手にはいつの間にか包丁が握られてれている。訪問した時、リビングで目敏く見つけていた。これで想夜さんに手料理を作るのが夢だった。なのにこんな使い方をするなんて。
なんでわたしにだけ酷いことをしたの。他の人には優しいのに、あんまりです。どうして犯した女の横でこんなに気持ちよく眠れるの。わたしは軽い女の子なんですね。居ても居なくてもどうでもいいのです。わたしは最後の未練を口にした。
「赤ちゃんほしかったな」
キリ香ちゃんと二人で語り合った将来の夢、好きな人と結ばれて子供を産んで幸せな家庭を築く、でも二人とも本当は分かっていた。そんな日は永遠に来ない事を。わたしたちが赤ちゃん欲しいと語った場所が今のこの場所、キリ香ちゃんのベッドの中です。そこでわたしは赤ちゃんを作る行為をさせられた。
そう言えば、この人はわたしのおっぱいで遊んでいました。小さなおっぱいでもあんなに夢中だったのです。お母さんのみたいのだったら、どうなってしまったのでしょう。
そんなに好きなら、もう一度だけ、おっぱい吸わせてあげます。わたしは覆いかぶさるようして、彼の唇に乳首を含ませ、小さな乳房を押し当てる。心なしか吸われたような気がする。そう思った時、無明の地獄に光が見えた。
神経を研ぎ澄ませて彼がもう一度吸ってくれるのをひたすら待った。唇が動く、言い知れぬ快感が全身を巡る、吸われる度に声が出た、躰が跳ねる、だけど恥ずかしさなんてない、只々幸せだった。気がつけば、光明が差している。優しい光、暖かい光に包まれて、最高に心安らかです。この幸福感は何? 目覚めた女の性というものが教えてくれる。
「わたしに赤ちゃんが出来た。世界で一番カワユイ、わたしだけの赤ちゃん」
わたしの心が晴れていく。恨みつらみが崩れ落ちると、後には好きの気持ちだけが残っていた。
輝きはどんどん強くなる、忌まわしい記憶がかけがえのない想い出へ変わっていく。母の声を聴きながら奪われた。親友を騙してイッテしまった。だからこそ子供のわたしでも、こんな素敵な赤ちゃんを授かったのです。
誰より凛々しく強い、わたしの騎士様。
わたしだけが知っている、優しい人の闇の顔。綺麗な花を散らして喜ぶ無垢で残酷な子供の心。
本当に手のかかる、大切な赤ちゃん。でも悪い子ほど可愛い。
私は小さな胸に彼を抱いてひたすら泣いた。
「わたしの赤ちゃん、好きで好きで狂いそうです」
キリ香は神戸市内の病院で徳島から搬送される重傷者の治療に当たっていた。兄が早い段階で関係者の無事を知らせてきたので、取り乱したりはしない。重篤な怪我人の多い病棟で、子供の彼女がいるのは明らかに不自然だ。しかし、いてはいけないはずの場所に子供がいると言う事は、その子の能力が傑出している事を示している。そして胸のプレートの「御上」の苗字は、自衛隊のレンジャーには特別の意味があった。
モンスターとの戦闘での負傷だけに、怪我人は警察や自衛隊関係者が多い。患者さんには、大好きだった二番目のお父さんの知り合いとか、小さい時の自分に会ったという元部下の人もいた。お父さんの志が受け継がれている、キリ香は誇りに思い、治療にも熱が入った。そんな中の一人が教えてくれる。
「ボスが学園を襲撃した。俺達は本当に頑張ったんだがこの様だ。それを高校生3人が撃退した、凄いよな」
お兄ちゃんは本当に大丈夫なの? キリ香は胸騒ぎを覚え、休憩時間に徳島市役所が公開した討伐映像を観る。朱美姉と詩央姉でない女生徒が映っている。フィルターがかかっているが心当たりがあった。去年お兄ちゃんが応援していた四国代表の人たちだ。でもお兄ちゃんが本当に応援していたのは、このパーティーの後衛で、わたしより子供っぽくて弱そうなのに、胸だけはお母さんみたいに大きい卑しい先輩だったのだ。そしてボスのキュプロークスが映る。これはダメなヤツだ。
空からの人影がキュプロークスに特攻した。お兄ちゃん! 映ったのは一瞬だったけど間違えるはずがない。どちらが爆裂したのか、映像からは分からない。心臓が破裂しそうになった。
「また死にかけている」
そして股間を押さえてしゃがみ込んでしまった。兄の雄姿を見た子宮が収縮したのだ。個室で休憩していて本当に良かった。映像は動けない男子生徒と、助け起こす二人の女生徒の後ろ姿で終わっていて、三人の生存を暗に示している。新しい女の事なんて後回しだ。何が無事なの、メールだから嘘を言ってきたんだ。今は瀬里奈ちゃんが避難してきているはず。大親友ならお兄ちゃんを献身的に看護する。あんなに美人で心根の優しい親友に尽くされたら、お兄ちゃんはその気になってしまうかもしれない。瀬里奈ちゃんのピンチだ。キリ香は即座に問いただした。
返って来た返事には、後ろめたさなど一切ない、塞いでいる瀬里奈ちゃんにいい思いをさせてあげよう、そんな揺るぎない意志があった。お兄ちゃんの優しさに躰も心も熱くなる。
暖かく澄みきったお兄ちゃんの声、それでいてどこか艶っぽい。わたしにかける言葉にはいつも命が宿っている。キリ香はその命の有り様で、兄の本心を推し量っていた。今日は特に声が華やいで蠱惑的だ。聞いてるだけでエッチな気分になってくる。
もっとお兄ちゃんの声を聴きいていたい、でもこれ以上話すと女の子の声が出ちゃう、キリ香は名残惜し気に通話を終えた。
翌朝、変わり果てた瀬里奈の姿に戦慄した、畏怖さえ覚えた。目覚めると先に起きたであろう瀬里奈が俺を覗き込んでいる。エプロンをつけているのは朝食の準備をしていたのか。この瀬里奈は俺に犯された昨晩までの瀬里奈とは別人だった。彼女は正統派美少女だったはずだ。性格も穏やかで完璧美少女と言っても良かった。だが、今はどうか。
神々しい程に清楚で、飴細工のように儚く脆い、不可侵の美少女に進化を遂げていた。学校一や四国一などという木っ端な比喩ではなく、傾城傾国の美少女、人の域を超えて歴史となるべき美貌の女性へと変貌を遂げている。俺の知る傾城傾国は魔眼の美少女だったが、瀬里奈の美貌はそれに匹敵する。俺は彼女を身も心も犯し尽くして楽しんだ。母親も親友も裏切らせて、清らかな魂がボロボロになるまで汚したはずだ。深淵を覗き見るような深い瞳には恨みしか映っていなかった。なのにどうしてこんなに清らかでいられる? 女は一晩でかくも綺麗になるのか?
「あなた、朝ご飯出来てます」
誘われるままにリビングへと向かう。冷蔵庫からかき集めたのであろう、ご飯とみそ汁、玉子焼き等、簡単な朝食が用意されていた。本当は頑張ったご褒美に今日の朝はコーラとポテトチップスをお腹いっぱい食べようと決めていたのだが、とても言えない。うっかり口にしたら、瀬里奈は悲嘆のあまり自殺してしまいそうだ。
お豆腐のカットは不揃いだし、玉子焼きの焼き加減にはムラがある。それが初々しく真心の籠った手料理だと教えてくれる。絶世の美少女から手作りの朝食を振舞われる、世の男性には万金を積んでも得難い贅沢だろう。俺は世界の男性から羨まれる、いやこれに手をつけると、全男性の敵となって引き返す事はできなくなる気がした。なんか怖い。
瀬里奈の瞳は俺を吸い込んでしまいそうだ。深い湖の底に引きずられる錯覚にとらわれる。一挙手一投足で、俺の全てを見逃さないつもりだ。周りの空気が緊張感で極限まで張りつめている。彼女はこれからの俺の言動に全てを賭けている。もし俺が望まぬ言動を取れば、自分は命を絶ちます、彼女の想いがひしひしと伝わってくる。
俺は覚悟を決めた。彼女をここまで追い込んだのは俺だ、ならば手元に置いてその行く末を見届けよう。聖少女となった瀬里奈を辱し愛でて、魂を虜にしてみせる。俺は毒を食らうつもりで、眼前の素人料理に手をつけた。
「美味しいよ、瀬里奈ちゃんは僕の幼な妻だね」
彼女が微笑むだけで、場の空気が弛緩する。噛みしめるように手料理を味わい、望まれるままに御代わりをする。たどたどしくご飯をよそおう瀬里奈もまた、幸せを噛みしめていた。その幸福な想いが俺にもひしひしと伝わってくる。この娘は空間を差配する事を覚え始めた。彼女の喜怒哀楽は周囲の人間に影響する。人は幸福でありたい為に、彼女のご機嫌を取る。彼女が博愛の精神を持つだけで、多くの人が心安らかに暮らせるだろう。
朝食が終わってからも、瀬里奈は甲斐甲斐しく世話を焼いてくれる。そして何かと俺の膝の上に乗ろうとするのだ。仔犬や仔猫がそこを指定席だと思っているように躊躇しない。両足を俺の背中に絡めて密着してくる。剥き出しの太ももは、エロいと同時にすがすがしい。犬猫がする様に、早く撫ででと、眼で訴えてくる。俺は何の躊躇もなく、清らかな太ももを撫でさすった、これが日常であるかの如く。
「瀬里奈ちゃんは綺麗になり過ぎたね、今までも可愛かったけど。 犯してよかった」
戸惑いも反省もなく、自然に言葉が出た。
「はいっ! 想夜さんのおかげです」
明るくはきはきした、実に気持ちのいい返事が返ってきた。彼女にとって、俺のレイプが生涯で最高の宝物となったのだ。
首に手を回して何度も感謝のキスをしてくる。昨日はこうやって、口づけから互いの股間を押し付け合う事で、レイプが始まった。昨晩の楽しい思い出に浸って、俺の頭を優しく撫でつけてくる。俺は彼女の告白を受けた。
「もっと辱めてください。想夜さんが私だけに施す真実の愛の行為。わたしを受け取ってください。拒まれたらもう死んでしまいます」
だがここで瀬里奈のスマホが鳴ると、とたんに不機嫌になってしまった。間を置かずして母親のえりかが迎えに来た。先程はその連絡だったのだ。
「お母さん、お母さん」
今、瀬里奈は母親に抱きついて、思い切り甘えている。娘は母親に嘘をつく事を覚えた。
「瀬里奈をありがとう、私達、貴方に頼ってばかりだわ。想夜さんがいないと、生きていけないみたいに」
「僕の方こそ、瀬里奈ちゃんに相手してもらって慰められました。モンスターでも斃すと心が荒みますからね。これからも二人を護ってみせますよ」
俺は瀬里奈を慰み者にした。しかしえりかは純真な娘が俺を癒したと信じている。そして最後の言葉は、えりかの希望となった。彼女は感極まって、泣き出した。娘の目の前にも関わらず、俺に縋りついてくる。一歩遅れて瀬里奈も縋った。
「瀬里奈、弱いお母さんを許して、ああ、なんてお礼を言っていいか」
「お礼なら、しばらくこのまま抱かせてほしい。僕が護る大切な女性、その感触を僕の躰に刻み込みたい」
「ああ、想夜さん、そうやさ~ん、あぁ~」
二人とも、祈りを捧げるように俺の名を唱え続けた。神の愛に触れた修道女のようであった。競うようにして頬ずりし、躰を寄せて双丘を、恥丘を俺に擦りつけてくる。俺もまた母と娘の太ももを同時にまさぐり、小尻を揉みしだく。瀬里奈が成長すれば、母親のように撫で心地最高の太ももになる、えりかの娘時代はこんなに可愛いお尻だったのか。祈りの言葉は法悦の声に変わりつつある。
思えば昨日、朝は母親を、夜は娘を美味しく食べた。これは親子丼になるのだろうか。やはり二人同時に頂かないと、親子丼とは呼べないような。さめざめと泣く母と娘をお互いの眼前でヤッて、その痴態を見せつけてやる、これこそが親子丼の醍醐味だと思う。今なら強引にやれる自信がある。だけど今日はここでタイムアップだ。登校する時間が迫って来た。預けた娘が俺の毒牙にかかった事を知らないえりか、身を挺して守ろうとした母親が、身も心も俺に侵されている事を知らない瀬里奈、しばらくは二人を転がして楽しもう。
魔眼の少女の微笑は、この世の全ての人を幸せにする為の笑みだ。瀬里奈の笑顔は、全人類への博愛の為にある。彼女らは本来、万人のものだったはず。もし正史というものがあるのなら、俺は二人に関わるべきではなかった。魔眼の少女は俺への憎しみからその笑みを閉ざた。沢山の人に不幸を招くであろう。瀬里奈は人類への博愛を情愛に変えて、その全力を俺一人に注ごうとしている。魔眼の少女が曇った聖女なら、瀬里奈は幼き聖母だ。