※この作品はR-18です。

ダンジョン姫はじめ   作:エターナル好希也

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呪いと祝福1★

 思い出した。この子はスタンピード発生時に、ガーゴイルから助けた女の子だ。最後に名乗っていたようだけど、優先順位の問題から聞いていなかった。お姉さんには会えたのだろうか、身体の方は大丈夫なのかな? 

 

「はい、今は落ち着いています。それからお姉ちゃんにも無事でした。全部あなたのおかげです」

 

 光の反射によっては、日本人には珍しい金髪碧眼に見える。先日は大人しいかむろの女の子をおもわせたが、体調が回復して本来の姿に戻ったのだろう。色白で二重まぶた、西洋人形のボブカットを思わせる髪型が可愛らしい。そんなヘアスタイルが似合う彼女は、将来が約束されている。

 この前はおどおどしていたが、今日は違う、大はしゃぎで俺の周りをクルクルしている。俺に会えた嬉しさを隠そうともしない。快活で仔犬みたいに人懐っこいのが、本来の彼女なのか? ちょっと驚いていると、我に返ったのか、彼女は襟を正した。

 

「ごめんなさい、お礼が遅れました。わたし春凪のどかと申します。のどかとお呼びください。先日は助けていただきありがとうございました」

 

 幼いながらも丁寧で品のいいお辞儀だ。彼女の育ちの良さがうかがえる。

 

「気にしなくていいよ。前に出るのは力をもらった人間の義務だし。僕にもキミぐらいの妹がいるんだ。助けられて凄く嬉しい。僕の事も想夜でいいよ」

 

 色々聞いてみると、彼女は中学2年生でキリ香より一つ上だった。体調不調で登校はせず、モニター授業で済ませているという。幼げに見えたのは魔力の澱みのせいで発育が遅れているのか、早く良くなって健康的なプロポーションになって欲しい。さっきまではギルドに居たが、何か問題が起こったとかで退避させられたのだという。

 話してみてすぐに分かった。彼女は俺のちょっとした言葉に大喜びして、微笑みかけると真っ赤になる。この子は俺に惚れている。吊り橋効果という奴か。空高く連れ去られ、地面に落とされるところだった。ビルの屋上なんか降ろされたらもっと悲惨だ。嬲られて生きたまま食い殺される。偶然の産物だったが、魔力を押し込む事で、体調も回復させた。抱きかかえてエントランスに連れて行った際は、安心してしがみついていたような。命の恩人の俺が、どうしもナイトに思えてしまうのだろう。俺の事は探索者連中に聞いたそうだ。健気で良い子だ。このままもっと仲良くなりたい。だけど今はダメだ、朱美と詩央に真っ直ぐ帰宅するよう言われている。残念だがここで別れる事にした。

 

「協会の警報は解除されたよ。もうお姉さんを待っていても大丈夫と思う」

「いいえ、わたし、想夜さんを探していたんです」

 

 立ち去ろうとした俺のジャージの裾を掴まれた。まずい、このまま引っ張られたら、下はマッパなのがバレるかもしれない。悲鳴を上げられたら、問答無用で変態確定だ。既に周囲の目がこちらに注がれている。少年少女の修羅場にみんな興味津々だ。俺は観念した。

 

「お願いします、生涯で一度だけ、わたしの事、のどかって呼び捨てにしてください」

 

 並々ならぬ決意があった。もう子供ではなく、命を賭けて男を愛する覚悟を決めた女の貌だった。想いには想いで返そう。俺は全身全霊をもって呼び掛ける、保護者として慈しむよう、恋人として情熱的に、所有者として傲岸に、支配者として命令する。

 

「のどか……」

「ああっ、幸せです」

 

 感無量となったのどかは涙を隠そうともしない。正面から向き合うと90度の角度で、深々とお辞儀してくる。

 

「お姉ちゃんと一緒になってください」

 

 交際の申し込みと思ったら、まさかの縁結びだった。でも俺は彼女のお姉さんを知らない。お見合いさえした事がない。

 

「お姉ちゃんより綺麗な人はいません。強くて優しい人もいません。わたしさえ居なかったらすぐに幸せになれるんです。わたしはこんな躰にされました。何度も死のうと思いました。でもお姉ちゃんはあれで寂しがり屋なんです。想夜さんなら後を託せられます」

 

 のどかは深くお辞儀をしたまま、顔を上げようとしない。路面に涙がしたたり落ちている。ここは往来だ。こんな躰にされた、死のうと思った、泣いている女の子の言葉を、聴衆は自分に都合いいよう解釈している。俺はもう不誠実なクズ男と断罪されてしまった。淫行で通報されそうである。誤解が解かれても、数々の不純異性交遊が明るみに出て、結局真実になってしまう。これが女の涙の怖い所だ。とにかく落ち着いてもらおう。

 

「ありがとう、でももう少し詳しく聞かせてくれないかな。突然の話でちょっと混乱している」

 

 

 

 のどかも状況から流石にまずいと思ったらしい。俺達は逃げるようにしてその場を後にした。てんぱっていた彼女を落ち着かせて話を聞くと、

 

「お姉ちゃんと一緒になって、パーティーを組んでください」

 

 唯の勧誘だった。俺にはもう朱美と詩央という動かしようのないメンバーがいるし、秘密が多すぎる。今更他の探索者と組む気はない。だがこれは問題の本質ではない。のどかは俺に本気で惚れている。その想いを振りきって、泣きながら俺と姉と組ませようとした。そして死を想うまで、追い込まれている。おそらく、先日の腐った様な魔力疵を取り除けば問題は解決する。だが俺には力技で魔力を押し戻す一時しのぎはできても、払う事は出来そうにない。そうだ、師匠に相談するか。

 

「僕が師事している人は魔法や呪いのスペシャリストでね。魔力の扱いについて少しだけ習っているんだ。安請け合いはしない。だけどのどかの事、もっと知りたい。話してくれないと先へと進めない」

 

 ファミレスかどこかで話を聞こう、言った端から後悔した。こんな話は人前で出来ない。彼女の肌も見せてもらう必要がある。人のいない所で変態少年と女の子が二人だけとか、どんな誤解をされるか。

 

「わたしの家へ来てください。ジュースとお菓子はあります」

 

 もじもじしながらのどかが誘ってくれる、可愛い。家はここから近いそうだ。この状況で断ると、次回からは遠慮して話してくれないかもしれない。彼女は必死だ、僕も正直に打ち明けよう。俺もそこまで堕ちていない。

 

「ギルドで警報が出たでしょ。あれ、イレギュラーな戦闘があったんだ。死者はいないし、怪我人も治療されている。お姉さんも大丈夫と思う。それで僕も戦闘に参加したんだけど、急だったんで学生服のまま戦ってね。そうしたら戦闘の余波で服が全部破れてしまった。僕は今、ジャージの下は素っ裸なんだ。ごめん、恥ずかしくて言い出せなかった。だからまた今度……」

 

 のどかは真っ赤になって俺の袖口を掴んできた。喉も乾いてきたな。

 

 

 

 姉と二人で入居しているという賃貸マンションは質素だが、セキュリティが売りの女性向けのものだ。これはある程度は予想がついていた。のどかは育ちの良さに比べて、服装が追い付いていなかったからだ。

 胸糞の悪い話を聞いた。資産家で篤志家だった両親は、善意に付け込まれて莫大な負債を抱えてしまう。姉妹に借金を背負わせないために、遺産放棄の手続きを完了させてから自殺してしまった。両親が助けた人達も掌を返した。悪徳金融業者は納得せずに、児童売春を持ちかける。挙句の果てに二人を攫って国外へ売り飛ばそうとした。幸いにして姉が選抜者に選ばれ、事なきを得る。姉は妹の治療費を工面するため、危険なソロでダンジョンに潜り続けているという。そして割のいい仕事をもらうために怪しい人達とも付き合っている。のどかはそれが悔しいと言う。自分さえいなければと思ってしまう。

 美人で妹思い、性格も良く、ソロで潜る実力もある。姉は俺と同じ歳だそうだ。お友達になりたい。彼女達は詩央が持っていた、大昔の少女小説のヒロインを思い出す。没落した旧家の姉妹が助け合いながら、屋根裏で質素に暮らす。そして大抵最後に足長おじさんが現れて大団円となる。彼女達もそうあって欲しい。

 

 鞭で打たれたような魔力疵と体調不良はやはり呪いによるものだった。「祝福のカチューシャ」の鑑定書つきのダンジョンアイテムを、中学の入学祝に両親から渡されるが、頭に着けた途端消えてしまい、呪いが発動した。それから肌に幾条もの太い蚯蚓腫れが浮かび上がり、体調不良に悩まされる。伝染するので学校にも行けない。『鑑定』も弾かれる。治療法も見つからない。僅かに姉が購入したり持ち帰ったりする解呪アイテムが、一時的に症状をやわらげた。

 

「お父さん、お母さんからいただいたバックカチューシャをつける時思ったんです。これ、金髪で碧い目の人に似合うだろうって。わたし前はお姉ちゃんとお揃いの黒髪紫目でした。最近髪の毛が金色になってきました。目の色も碧に変わっています。分かるんです、呪いが進んできているって。もうだめなんです、だからお姉ちゃんをお願いします。助けてください。お姉ちゃんならきっと想夜さんに応えます」

 

 のどかが泣きながら心を吐露する。辛い気持ちが伝わってきて顔を背けたくなる。それでも俺は彼女を観た。協会前で出会った時より髪の色が黄色に、眼も青みを帯びている。もう金髪碧眼の少女と呼んでもおかしくない。肌色も日本人ではなく、コーカソイドの白に近い。そして俺は重大な見落としに気づいた。

 部屋に入ってから、のどかは紅潮してうっすら汗をかいている。呼吸も荒い。これは好きな男子を自室に招いて二人きり、しかもその男の子は変態かも知れない、緊張と警戒心によるものと思っていた。だが違う。動機と息切れによるものだ。のどかは変調をきたしている。迂闊! 俺は怒鳴ってしまった。

 

「のどか、何があった」

「なっ、なんでもありません」

 

 そんな訳ないだろう、一気に詰め寄った。襟元から禍々しい条痕が覗いていた。俺は問答無用で襲い掛かる。少女の躰を万歳をさせてシャツを引っこ抜く、ジュニアブラもむしり取った。抗う暇も与えない早業だった。短時間で容姿が変化するほどの異変だ。呪いが相当進行してると思ってよい。説得する時間も惜しかった。それにこういういい子は脱げと言っても、イヤというに決まっている。

 

「これが一番危なんです、さわると躰が腐ります。男の人のあれが堕ちて、そのぉ、再起不能にぃ」

 

 両腕で胸を隠すようにして後ろを向く。上半身に三本、乳房に食い込むようにして、呪いが赤縄となって胸に撒きついている。禍々しく汚れた憎悪と憤怒の魔力がほとばしっている。俺が協会前で視たのとは雲泥の差だ。前回は宿主の危機を察して、向こうから引いたのかもしれない。俺はジャージを脱いで上半身裸になった。ファスナーを降ろす音と衣ずれの音で、俺が何をしたか悟ったのだろう、のどかはこちらを見ないままビクビク震えている。

 

 俺は背後からそっと抱きしめる。少女の裸の背中が押し当たる。その瞬間、焼けつくように痛みが走った。だが構うものか、俺は呪いで縛られた乳房をいきなり掴む。今度は指先が千切れ落ちる錯覚にとらわれた。内臓も腐って溶け出しそうになっている。少しでも弱気になれば全て現実になる。俺は強い意志を持つ、新鮮な生粋の魔力、生命力そのもので対抗して、死を誘う魔力を押さえ込んでいく。

 

 いいとこのお嬢さんだった彼女は親を亡くし、没落した。呪いに蝕まれて明日をも知れない。彼女もお年頃だ、素敵な男性との逢瀬も夢想したりしただろう。だが男性から愛される悦びも、組みふされて奪われる女の悲しみもさえも、決して味えない。それが治療という名目で疑似的に叶う。

 

「はあっー、わたしにさわろうとした人はみんな呪いで腐ったのに。あんっ、想夜さんは大丈夫なんですね」

 

 のどかは諦めて大人しくなった。それどころか嬉しそうに俺の治療を受けている。会話にも女の子の声が混じってきた。

 

「平気じゃないよ。肌を合わせた胸の辺りが焼かれるように痛い。指先が千切れたみたいで、もう感覚がないんだ。毒で身体が腐り落ちそう、気分は最悪だよ」

 

「そんな、そんなダメです。ああっ、離れてください。やっぱりわたし愛されないんです」

 

 のどかが初めて懸命の抵抗をする。俺の体を心配してのことだ。俺は彼女の乳房を揉みしだいて身体に魔力を馴染ませることでこれを押さえた。

 

「遅れてごめん、気付かなくてごめん。のどかの為だ、耐えてみせるよ」

 

 俺は激痛を耐えていた。のどかに気取られぬよう自然体を装っていた。最初はやせ我慢、哀れな少女の理不尽に対しての憤り、憐憫、男性としての保護欲、大切な人への慈しみの心が沸き上がってきた。俺は彼女のことを強く想う。若さ湧ふれた俺の魔力が、徐々に呪いに打ち勝っていく。

 俺の熱い想いが、諦めかかけた不憫少女の背中を押す。乳房に食い込んだ指先から俺の愛情が注ぎこまれる。

 呪いのせいか、彼女は魔力に敏感になっている。並の探索者など、足元にも及ばない。敢えて口にしなくても、俺の気持ちは、交わった魔力を通して、しっかり伝わっている。

 

「ああっ~、嬉しいです、好きです、好きです、はあ~、想夜さん、もう大好き」

 

 魔力が交わっているので、俺にも彼女の気持ちが分かる。今のどかは俺への好意と感謝で一杯だ。俺に甘えて女の幸せまで味わっている。彼女特有の一途で柔らかい魔力も戻って来た。体調も回復してきている。

 俺は治療の過程の試行錯誤で、いくつかの発見をしていた。のどかを悦ばせると、つまり性的快感を刺激させると魔力の通りがよくなる、そして呪いにも僅かな怯えが見て取れた。ならばやる事は一つだ。身も心もトロトロにしてやる。

 

「のどかのおっぱい、結構大きいんだね。揉みごたえがある。しっかり揉んで気持ちよく治してあげる」

 

 こんな事を言われたら、少女は普通、嫌と言うしかない。だがその言葉は唱えられない。恥ずかしいから嬉しいのだ。俺は両の乳房を揉みしだきながら、性愛の魔力をゆっくりと練り込んでいく。緩急をつけた精巧な指の愛撫が、初心な生娘を絡め取る。

 

「そんな、ああ~、想夜さん、わたしもう……」

「のどかは胸の開いたドレスが似合うと思う。良くなったらプレゼントするよ。僕と一緒にダンスを踊ろう」

 

 感極まったのどかが号泣する。この瞬間を狙っていた。今までさわらなかった両の乳首を親指でこねる。絶妙の指使い、初物の乳首はよがり始める。更に乳房を搾り上げて、乳首の先へ性感を集中させた。ここで俺の魔力を一気に流し込む。生涯で最高の感激と興奮がのどかを侵す。不憫な少女の全身が震える。心と躰が抑制を失い、泣き喚きながら達していった。

 

「うわっ、うあっ~、ああーん、ああっ~~~」

 

 清楚な娘が恥じらいを忘れて乱れるのはいつも興奮する。俺の魔力にブーストがかかる。命に満ちた魔力が、暗く穢れた魔力に襲い掛かって蹂躙を始めた。たちまちに荒縄の魔力疵が消え、みずみずしい乳房が戻る。うっすらと赤いのは、俺が存分に揉みしだいたからだ。こうして呪いは退いた。暫くの間のどかを喘がせ、俺は勝利の余韻に浸る。だけど、終わった訳ではない。

 

「他の所も調べてみる。裸にするから」

 

 のどかが形だけの抵抗をする。これが必然とばかりに、少女の証のジュニアのアンダーを奪いとる。観念させると、次にスカートを引きずり下ろす。こうやって不幸少女をひん剥いていく。

 

 女子と二人きりになると結局こうなってしまうのか、俺は自分の不幸も呪った。

 

 

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