※この作品はR-18です。

ダンジョン姫はじめ   作:エターナル好希也

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1月2日は姫始めの日だそうです。書き溜めはなくなりましたが、次話は2日中の更新を目指そうと思います。

お読みいただきありがとうございます。また、評価された方、お気に入り登録された方、しおり、ここ好き、感想、誤字報告をいただいた方、励みになっております。今度とも宜しくお願い致します。


レイド戦

 女子トイレの個室で菫ちゃんが悶えている。

 

「あぁっ、サヨちゃん助けて、しぬぅ~、死んじゃう」

 

 ボクも眩暈がする。艶めかしい彼女に当てられたからではない。『テレポテーション』の後遺症だ。ボクたちは菫先輩のスキルで港湾ダンジョンへと跳んだ。やはり強力過ぎるスキルだけあって、色々縛りもあるらしい。個人で短距離を跳ぶ分にはそうでもないが、同行者と一緒に長距離を跳ぶと、双方ともしばらくの間、眩暈や悪寒に悩まされる。これでは、標的への奇襲は無理か。三十分ほど悶絶していたが、体調が回復するや、再び『テレポテーション』で戻っていった。別れ際、幸運のおまじないのキスをくれたのが可愛かった。

 

 

 

 ローカールームは小隊ごとに分かれていた。指定された部屋に入れば、そこは地上の楽園だった。まさに女の園、着替え中の女性探索者が溢れ、豊潤な匂いで酔いそうになる。若い子の多いのもポイントが高い。菫ちゃんの祝福のキスは効果的面だった。思わず微笑むと、注目されてしまう。最新のフリル服に関心のある人も多いみたいだ。何人かに質問された。ドキドキする。ここで挙動不審だと正体がバレるかもしれない。ボクも今は女の子だ、平然としてロッカーを探していると、知った声に呼び止められた。

 

「ずいぶん可愛い子ね、記憶にないんだけど外からの応援の人?」

 

 少女の裸体を眼にして、顔を背けるのは偽善者である。真の紳士ならばその眼にしかと焼き付けるのが礼儀であろう。

 

「ええ、昨日ギリギリで申し込みました。夕垣摘花様ですよね、宜しくお願いします」

 

 着替え中の魔女姫様に声を掛けられた。局部を隠すだけの大胆な下着に目を奪われる。こんな僅かな布地では、谷間も股間も、とても隠しきれはしない。それどころか紅色に薄く透けている。とても探索者がつけるアンダーではない。魔女姫様は、少女から完全な女体へと脱皮しかけている。僅かに残る乙女の面影が、恐ろしい色香を醸し出す。このまま、男を惑わす女の魔性の女になってしまうのか。ボクの闇色の瞳に、咲かけの乙女のあられもない姿を刻む。絶対に忘れてやらない。

 

「はぁ~そんな目で見ないで。お姉さんゾクゾクしちゃう。あなたが男の子だったら堕とされていたかも」

「失礼しました。そのぉ、あんまり綺麗なんで見惚れちゃいました。ボク、朽綱サヨって言います。サヨとお呼びください」

「魔力の制御には、肌を晒した方が都合はいいの。これでも恥ずかしいのよ」

「分かります、ボクも魔力には敏感なほうです。厚着すると鈍くなりますよね」

 

 話が弾んでいると、傍らの剣風姫が揶揄ってくる。

 

「摘花、そんな破廉恥な下着はつけるな。見ているこっちが恥ずかしくなる」

「あなたにだけは言われたくないわ。アンダーを着けないなんて慎みに欠けるわよ」

 

 生徒会長がいれば、当然風紀委員長もいる。真瞑弥生は一糸纏わぬ姿を晒していた。撫で肩にして柳腰、細い肢体はとても剣士とは思えない。しかもその華奢な肉体は、廃人続出の修行の果てに創造されたものなのだ。これが神冥流の妄念の化身か。

 彼女はインナーを着けず、神冥流の道衣に似せた白地の探索服を、素肌の上から直接着こもうとしている。ボクはその凛々しさに魅せられた。

 

「我が身、一振りの白刃とならん、家の流派の家訓でな。真剣勝負に臨むからには、心身とも研ぎ澄まされた刃とせねばならんのだ」

 

 嘗ては神冥流に限らず、剣を修める流派には道着の下に何もつけなかった。中興の祖、無三氏は手合わせの女剣士をひん剥くのが大好きで、これを復活させたのだ。

 ともあれ弥生先輩の裸身は一振りの刀である。無駄な脂肪も、剣を振るう以外の筋肉さえも、全て削ぎ落した楚々とした躰。控えめな曲線美は、刀身の刃紋を連想させる。寄らば切る、今の彼女に相応しい言葉だ。

 彼女の素肌には、神経が過敏なほどに張り巡らされているだろう。だけど、鋭利な刃物ほど脆い。もしボクが剣風姫の刃を潜り抜けて、その柔肌に指を這わせば、たちまちのうちに腰砕けになるかも。

 

「花は折らずに、刃を折る」

 

 突然、悟りを開いた。戦場での風流だ。ボクの座右の銘としよう。剣を極めた無三総帥の域に、ほんの少し届いた気がした。

 

 

 

 間もなく開戦となる。斥侯より報告があった。相手側の先陣はモンスター百体、中級探索者五十人程の混成軍だ。中層から上がって開口部に向かって進軍しているという。沙織に堕とされた男性探索者は、更に増えて百名弱になっている。使い捨てのモンスターは幾らでも補充が効く。

 もしボクたちが追い出されて、深層のエリアボスを複数、出入り口に配置されたら非常に厳しい。直径4メーター程の港湾ダンジョンの開口部では、一度に再突入できる人数に限りがある。それに意図的にスタンピードが起こせるとすれば最悪だ。最低でも開口部は死守する必要があった。

 ボクは開戦の前に改めて魔女姫様と剣風姫に呼ばれた。この小隊は魔女姫様が指揮を取る。神冥流の次期継承者の弥生先輩は恐らくは切り込み隊長、沙織と星堂さんの無効化を狙って、最前線に配属されるはずだ。それはボクにとっても都合がよかった。

 

「身体強化ダブルにアイテムボックス、気配察知と石槍、給水と洗浄まで持っているのね。惜しいわ、もう少し早く来てくれたら、弥生につけられたのに。サヨさんは後衛をお願いするわ」

 

 小隊メンバーは前日に顔合わせがあり、大まかな配置も終わっている。最後に押し込まれたボクは、後衛ぐらいしか空いてるポジションがない。

 

「申し訳ありません。昨日菫お嬢様に直訴しました。お嬢様から社長を説得してもらい、やっと参加が認められました」

 

 ボクは身分証明書を示す。そこには菫先輩の父親の経営する会社が、派遣元として記されている。

 

「お嬢様よりお二人の事、くれぐれもと言われています」

「そう、あなた菫の所から来たの。あの娘、昨日は大切な用事があると言っていたけれど、あなたに会っていたのね」

「見送りにも来ないで薄情なヤツと思ったが、菫らしい。それなら私たちの事も名前で呼んでくれ。戦闘中は敬語も邪魔だ」

 

 ここにいない親友も、影で二人を支えようとしている。菫はいつもこうだ。ずれている様で、子供の頃からさり気ない気配りができた。幼少の頃から大人に混じって揉まれた彼女達に、それがどんなに救いとなったか。二人は目頭が熱くなる。そして目の前の虚構の少女もすっかり好きになった。

 無事に菫の元へ返そうと誓う。だが、サヨの決意は揺らがない。

 

「この命、存分に使って。ボク、菫様の盾になりたい。ボクが並ぶに相応しいと、みんなに知らしめすんだから」

 

 菫は誰にも渡さない。生涯横に侍らせるのだ。真実の言葉はいつも人の心に響く。

 

「あなたをここに寄こしたと言う事は、菫も護衛としてあなたを選んだいう事よ。信頼されているのね、誇りなさい。わたし達も応援するから」

「君がいてくれれば心強い。そうだ、護衛と言えば、奴はどうした。見てくれだけの男が菫の側にいただろう」

 

 ボクは菫の親友からも祝福された。もう好きにしてもいいかもしれない。

 

「イヤらしい眼でお嬢様とボクを見ていた男の子? 女々しそうなのに隙がなかった。あれは外観で騙して女を食いものにする最低男だし。もちろん最大限の警戒をして、菫様を護ったよ」

 

 ボクは自分で自分の悪口を言った。その的確な指摘に剣風姫は大満足だ。何より彼女はセクハラをされて以来、男のボクを大嫌いになっている。

 

「そうだろう、そうだろう。奴は女の敵だ。頼む、ずっと菫の側にいてくれ。これで心ゆくまで戦える」

「摘花お姉さま、弥生お姉さま、ボク、みんなで揃って帰りたいよ。お嬢様も喜ぶから」

 

 菫はボク達四人がずっと一緒なのを望むはず。二人とも連れ帰ってやる。

 

 

 

 月代主任のアジテーションが響く。『鼓舞』等、指揮系統のスキルを使っているのだろう。同様のスキルを持つ義母が言っていた。この系統はスキルに頼り切りではいけない、リーダーが勇気を示し、信頼を得る事で効果が倍増されると。

 

「正義は我らに、敵はヒトの形をした魔物、躊躇なく殲滅せよ」

 

 強い言葉が討伐隊の心を麻薬のように侵す。みんな殺人への忌諱が軽くなってくる。主任はかつて探索の最前線に立っていただけあって、戦意を高揚させるのも巧みだった。彼女が指揮官に抜擢されたのも納得だ。

 だけど、ボクは知っている。こんな事は月代主任が一番望んでいないと。その一方でダンジョンでは一瞬の躊躇が、自分に、朋友に死を招く事を、彼女は誰よりも経験しているのだ。彼女は全ての咎を被るつもりでいる。そもそもボクたちは四肢が欠けても戦える。殺さずに無効化しろという綺麗ごとは、あまりにも現実的でなかった。こうしてボクたちは接敵する。

 

 沙織達はモンスターのレギオンを先頭に押し出してきた。野郎どもは後詰としている。討伐隊に安堵の空気が広がる。覚悟はしていても人殺しは嫌なのだ。

 

 接敵してからの戦闘は正直ぬるかった。今のところこちらの方が数も多く、技量も上だ。急きょ集められた討伐隊では、組織だった行動は難しいだろう。ギルドは幾つかの小隊に分けて、個々の力量で対抗する事にした。一糸乱れぬモンスターのレギオンを完璧に押さえ込んでいる。とは言え、いつもとは勝手は違う。繰り返し押し出される魔物の軍団に、徐々に疲弊し、神経をすり減らしていく。レギオンとの戦闘経験があると申請していたので、魔女姫様に意見を求められた。

 

「ボクの時も、こちらが疲れるまで攻められたよ。最後にボスを投入される」

 

 この小隊ではボクが一番年下で、一番の新兵だ。救護と伝令を受け持つことになった。疲労や負傷の目立つ隊員に、ポーションを配る。治療が必要なら、小姫様抱っこで後方に下げる。

 

「お姉さま方、頑張って」

「サヨちゃん、ありがとう」

 

 休憩時には『給水』で冷水を注いであげる。優しく抱き締めて『洗浄』で綺麗にしてしてあげる。芳醇な汗の匂いが清浄な香りへ移り変わる。お姉さま方はその快感にため息をついた。魔女姫様と剣風姫は特に念入りに抱いた。

 

「わたしたちは大丈夫よ」

「自分も洗浄が使える。こちらは気にするな」

 

 奥義「村雨」には『洗浄』が不可欠だ。

 

「ダメだよ、少しでも魔力を節約して」

 

 こうして二人は大人しくボクに抱かれる。魔女姫様のグラマラスな躰を楽しむ。魔力に敏感な彼女は声を出さないよう耐えるのに必死だ。剣風姫は固まるも、やがて溶けるように柔らかくなった。猫のようにしなやかなで可愛らしい。

 

 メンタルケアを行うのも衛生兵の仕事のうち、ボクは「みんなの妹」扱いになっていた。

 

 モンスターの波状攻撃を何回か凌いだ頃、遂に後詰の男性探索者集団が上がってきた。野郎どもはイッた眼をしている。ここで決戦か。対人戦闘と移る、全員に緊張が走った。そんな中、ボクだけは醒めていた。素直すぎる、執念深い沙織なら、もっと汚い手を使うはずだ。開戦してからずっと怠らなかった『気配察知』にいっそう意識を集中させた。

 僅かな違和感がある。『魔力視』も発動してみる。左側の誰もいない空間が揺らいだ。ボクは迷わず『石槍』を撃った。散弾のような小さな礫がいくつか空中で止まると、勢いよく血が噴き出す。

 

「敵襲!」

 

 正面は囮だ。『隠匿』だろう、上位種ゴブリンアサシンとレンジャー探索者の奇襲だった。戦い慣れない後衛の対応が遅れる。ボクはヒトだけに狙いを定めた。地から生えた『石槍』が正確に右胸を貫く。全員を虫針で刺された標本のように縫いつけた。戦に臨む前に決めていた事があった。ボクは味方を騙している。償いに、皆が嫌がる事を率先してやる。人を殺したいわけではない。それ以上に魔女姫様や剣風姫、恐らくは反対側にいる朱美と詩央、彼女達に手を汚して欲しくなかった。ボクの甘さかもしれない。

 残りのアサシンは我に返った後衛が狩っていく。戦闘が専門ではないと言っても、正面からやり合えばさすがに遅れは取らない。右翼も何とか凌いだようだ。詩央が見破ったのかもしれない。だが正面が崩れた。前方に全神経を向けていたら左右が奇襲されている。意識を切り替えたところに、やや遅れて正面からの奇襲を受けた。この一連の動きに惑わされたのだ。

 探索者と魔物、百体を超える精鋭に正面突破される。本隊の月代主任が全ての後詰を率いて迎え撃つ。右翼左翼とも包み込むようにこれを覆った。人数ではこちらが優勢だ。これで殲滅出来る。

 

 そう思ったら、敵が単騎で残っていた。一緒に突進しなかったのか。白と赤を基調とした探索服は誰が見ても見間違えない。上級探索者、星堂敦彦ただ一人が立っている。彼の長剣が白く輝く。必殺の広域殲滅魔法「アステラスフォティア」の前振りだ。敵も味方も残さず彼の射程にある。正気か、星堂さんは生けるものを皆殺しにするつもりだ。

 白光の中にボクが視たのは死だ。ボクも朱美も詩央も、魔女姫様も剣風姫も、月代主任も、沢山の人が死んでしまう。そしてその先も視えた。撃たせてはいけない、人類とダンジョン、選抜者とそうでない人に埋められない亀裂が生まれる。思うより先に体が動いた。ただ駆ける、死神を追い越す、それだけを願った。

 恐らく探索者をもってしても捉えがたい速度であったろう。ボクの覚醒した意識は周囲の時間を緩慢に捉える。人も魔物も、舞い上がる砂塵さえも皆スローだ。同様に、ボクの脚も遅く重い。きっと見えない鎖に縛られているのだ。獣の様に足掻く。プチプチと神経が切れる、血管から血がにじみ出す。それでも前へ、動け、ボクの体。

 剣戟と怒号と悲鳴と咆哮、戦場の喧騒を切り裂いて走る。次第に轟音は小さくなって、音のない世界へと突入した。いつの間にかハルバードを握っている。戦斧が煌めく。研ぎ澄まされた分厚い刃が爆炎の起点を打ち砕く。ボクと聖堂さんは魔力爆発に包まれた。

 

「アステラスフォティア」が放たれる瞬間、抗ったのはサヨだけではない。

 

「退避!」

 

 号令と共に、月代主任が『障壁』を張る。彼女の二つ名に恥じない最大級の強度と範囲を誇るものだった。魔女姫様が前に出て皆を庇う。世界初のスキル『ディスペル』を発動させて、魔法を打ち消す。反対側では詩央の指示の下、朱美の『斬撃波』が熱波を散らした。それでも全てを凌いだわけではない。

 殆どの探索者が火傷を負い、吹き飛ばされて傷だらけとなった。まして「アステラスフォティア」は敵味方全てを巻き込んで放たれたものだ。魅了された男性探索者がそこら中に転がって、死屍累々と化している。

 

 

 

 視界が晴れると、星堂さんが微笑んでいた。彼はいつでもボクを殺せたのだ。

 

「姫の言う通りだった。まさか女性に化けて参戦しているとは。すっかり騙されたよ。強いのを一発撃ったら見つけられた。それよりこちらにつかないか、御上君」

 

 さっきの「アステラスフォティア」、まさかボクを探すために撃ったのか。とても洗脳された人間の会話とは思えない。星堂さんは自ら望んで狂っている。

 

「星堂さん、どうして?」

「姫に君の殺害を禁じられている。だがもし危害を加えるなら……」

 

 警告を残して彼は消えた。代わりに怒涛の足音が迫ってくる。深層の巨人ギガスの群れだ。ギガスは身体強化に特化している。めったな物理攻撃は効かない。鋼鉄の皮膚は少々の魔法攻撃も跳ね返す。人間と同じように駆けているが歩幅が違う。速度はボクたちの数倍だった。そして後方の特異種の肩には沙織が乗っている。彼女はボクを見るや哄笑した。

 

 総退却の合図があった。負傷した探索者に肩を貸しながら、ついでに生死不明の野郎どもを引きずりながら撤退していく。突出していたギガス2体を前にボクは殿を務めた。魔女姫様と剣風姫も残っている。『炎弾』の援護を受けて真瞑弥生が技の冴えを見せる。奥義「村雨」、足首を落とし、胴を輪切りにして頭を唐竹割りにする。一瞬にして鋼鉄の巨人は分解された。

 こちらも負けてはいられない。『風衣』で跳躍し、巨人の頑丈な肩口に戦斧を落とす。神速の刃先が骨を砕き、『鎌鼬』が内側から切り刻む。全身から血を噴き出して、ダンジョンの巨人は立ち往生した。

 だが本当の脅威は直近にいる。剣風姫が抜き身の刃をこちらに構えた。怒りで我を忘れている。きつい言葉を使うなら武闘家としては醜態だ。それ程の屈辱をボクが与えたんだ。ちょっと嬉しかった。

 

「おのれ、御上、騙したな、辱めたな。この恥辱、命で償え」

 

 女性の裸はいつも見ている。大袈裟と思ったが、空気を読んでそれは言わない。魔女姫様が懸命に宥めている。でもボクのためではない。父親の市長と同じで冷酷な目をしている。どうしてくれよう、悪い魔女の目をしていた。

 

「今の技は叢雲、うちの門外不出の奥義だ。何故使える」

 

 やはり『鎌鼬』を敵の体内で走らせるのは、神瞑流の奥義に通じるのか。死にかけたら何となく出来たのだが。やっちゃいましたとか、「みよう本」の主人公のように心ない発言はしない。黙っていたら無視していると思われて余計に怒った。魔女姫様がいなかったら斬られたかもしれない。

 地上に戻るや、月代主任達に取り囲まれる。思いきり睨まれた。怖い。

 

「確保!」

 

 朱美と詩央に両脇を抱えられる。ボクは連行された。

 

 

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