※この作品はR-18です。

ダンジョン姫はじめ   作:エターナル好希也

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本日1月2日は姫初めの日だそうです。
タイトルに借用していますので、記念更新。

本年もよろしくお願いいたします。


戦後処理★

 強制送還

 

 俺が最も恐れた事態は免れた。薫子は今回の顛末を聞くや、俺を神戸に招集して一緒に暮らすと言ってきかない。だけど意外な事にキリ香が俺の味方になってくれた。いつもは俺が無茶すると癇癪を起すのにだ。何とか執行猶予となる。

 

「お兄ちゃん、今度デートしよ。もちろんあの格好で」

 

 詩央は俺のゴスロリ女装の写真を妹に売った。彼女は俺のスカート姿の画像を菫先輩から提供させていた。妹は俺の恥ずかしい姿を壁紙にしてそれはご満悦だった。

 

「約束だよ、落ち着いたらこっちへ来て。街を案内してあげる」

 

 男の娘の自分とデートするのをそれは楽しみにしている。まあ、可愛い妹のためならそれもいいか、俺はゴスロリ服をクローゼットの奥に隠した。

 

 

 

 もう一つの難題、魔女姫様と剣風姫、こちらは進行形で拗れている。いつもの俺なら言われるでもなく、会長と風紀委員長には自分から謝罪に行っている。だが今回二人は怒髪天だ、冷却期間が必要だろう。生徒会の呼び出しを無視しでいたら、不誠実な男と思われてしまった。今日何度目かのスマホが鳴る。着信の待ち受け画面は「新人ちゃん」だ。まだ大丈夫だろう。

 

「いい加減に謝ったら? 覗き魔さん」

 

 隣の席で理生院が笑う。まさか俺の『透視』を見破ったのか。心臓が破裂しそうになった。でも彼女の言葉は柔らかかった。

 

「更衣室に女装して侵入したにしては軽い処分ね。督戦しないで良かったわ」

「それは残念」

 

 普通なら変態扱いされている。潔癖な理生院なら話しかけたりしないだろう。下ネタの反しにも優しい。どうやら彼女は事情を知っているようだ。貧相な躰でも恥ずかしがるのは趣がある、同じ更衣室で着替えてくれたらチャンスはあった。でもこいつにはスキルに頼らない洞察力がある。もし居合わせたら、俺の女装を見破ったかもしれない。

 

「性犯罪者さんのおかげで誰も死ななかったそうじゃない。愚か者が奇跡を起すというのは本当だったのね。謝罪するわ」

 

 星堂さんの「アステラスフォティア」の直撃を俺が防いだ事、それと迅速な撤退が功を奏して、負傷者続出ながら、死者はいなかった。俺が胸を貫いた人達もしぶとく生きていた。さすが身体強化特化の野郎どもだ。その代わりダンジョンの開口部を押さえられてしまう。戦術的にはこちらの敗北だが、死者ゼロに加えて、魅了されていた男性探索者六十余名を救出できた。あのまま戦い続けていたら、死者は双方合わせて三桁に及んだかもしれない。そうなったらもう交渉は不可能だろう。如何なる犠牲を払っても殲滅の一択となる。戦略的にはこちらが痛い。

 ちなみに、生死の境を彷徨った男性探索者は魅了から解放された。自分と交戦した相手もこれに含まれる。世の中、何が幸いするか分からない。

 

 レイドに勝手に潜りこんだ俺の処分は思いのほか軽かった。素行不良という名目で、後ほど奉仕活動が言い渡される。これは一定の期間やノルマを定めて、ダンジョンに無報酬で潜るものだ。学校の罰当番の探索者番と思えばいい。俺としては降格や免停も覚悟していただけにほっとしている。

 その代わり功績もなしになって、俺はレイド戦にはいなかった事にされた。元々、報酬や名声は望んでいなかったのでこれでいい。ギルドとしても女性だけの集団に男が紛れ込んでいたのは聞こえが悪い。それに俺に重い処分を下すと、菫先輩の父親の経営する会社にもペナルティが必要となる。落としどころと思う。何より月代主任が取り成してくれた。感謝しよう。

 

「ボク、死んじゃう!」

 

 スマホの待受け画面にシーナが顕現した。虹色に舞い踊る俺の妖精に、男子達のテンションは爆上がりだ。だが文面を読んで、俺は顔をしかめた。卑劣な、生徒会は菫ちゃんを人質に取った。俺が出頭するまで拷問するという。心に秘めた恋人のため、俺は迷わず生徒会室へ向かう。それに親友から拷問を受ける菫ちゃんの可哀そうな姿もどうしても見たかった。

 

 

「生徒会長も風紀委員長も本来は繊細な少女よ。あなたはお二人の大人の部分に甘えているだけ。労わってあげて」

 

 理生院の優しい言葉に送られて生徒会室へ入った。なんと菫ちゃんは床に正座させられている。痛痛しいその姿にちょっと興奮しそうになった。そして剣風姫は愛用の真剣を握っている。これは本当に斬られるかもしれない。生徒会長が問いただした。

 

「言い残す事はあるかしら。あなたのお蔭で救われてたのは感謝してるわ。でもね、わたし達は乙女の慎みを失ってしまったのよ」

「僕が菫先輩を騙して、脅しました。悪いのは全部自分です。それに皆を助けたかったのは事実ですが、同様にこの手で魔眼の少女、春凪沙織を仕留めて、上級冒険者上級探索者、星堂敦彦さんと手合わせしたかったのも本音です。感謝など必要ありませんよ」

 

 ここに至っては謝罪も弁明も逆効果だろう。

 

「女神様達のあられもない姿を拝見して、男子の本懐を遂げました。恨みの矢は僕に向けてください」

 

 古来より女神様の裸身を見た青年は狩られるのだ。俺は自分では立てない菫ちゃんを助け起こした。

 

「御上、嘘偽りなく答えろ。お前がギガスに使った技は、神瞑流風の型、叢雲、絶えてしまった門外不出の奥義だ。何故使える」

 

 激高していたレイド戦の時より、今の剣風姫のほうが凄味はある、嵐の前の静けさか、対応を誤れば剣閃が煌めく。俺は正直に答えた。セイレーンの女の子に誘惑された事、ゴブリンに騙されてからのレギオンとの邂逅、死闘の果て、疲労で身体が限界を超えると、当たり前に使えたと。主観を入れずに淡々と説明した。

 

「御上君、あなたおかしなスキルをもらって知力が低下しているんじゃない」

「そうか」

 

 知力強化ならぬ知力低下か。呆れる魔女姫様とは対照的に、剣風姫は信じてくれた。ポツリと漏らす。

 

「折を見てわたしと立ち会え」

 

 俺は黙って頷いた。プロレスの遺恨試合のようでカッコよかったからだ。

 

 神瞑弥生には心当たりがあった。そもそも奥義「叢雲」については以下の逸話がある。父親の無三総帥はダンジョンの奥深くに強敵を求めた。どころが一向に遭遇せず、退屈して飲酒してしまう。ベロベロに酔っ払ってエリアボスと遭遇し、偶然にもこの技を開眼したのだ。しかし素面になると再現できなかった。後年、何人もの高弟が「叢雲」を会得しようと泥酔してダンジョンに挑む。結果、帰ってきたものは誰一人いない

 ダンジョンで魔物の色香に迷う、酩酊する、躊躇なく愚かしい行為を取れる処など、御上想夜と忌々しい父親は本質的に似ている。父親は女性を手籠めにするのが大好きだったが、彼からもそんな危険人物の臭いがする。だからこそ苛立つ。普通に仕合えばわたしが勝つだろう、しかしあの状況で、自分より先に動いたのは彼だ。だからこそ許せなかった。不甲斐ない自分を、乙女の領分を侵した彼を。どうして武神はこんなクズを寵愛するのか。彼を倒して寵愛をわたしのものに。これは嫉妬なのか。

 その一方弥生の心の奥底で、少女の本能が貞操の危機を感じていた。彼と交われば、奪われて無敵の少女でいられなくなる。弱い女にされてしまう。それは親友の夕垣摘花も同じだった。

 

 退出すると菫ちゃんが送ってくれる。

 

「ありがとう。みんな無事で本当に良かったよ」

「菫こそ、家の人から何か言われなかった?」

「私も大丈夫だよ。謹慎で済んだから」

 

 菫先輩は父親から自宅謹慎を命じられたらしい。俺がペナルティを受けるのに、娘が無罪では組織の長として示しがつかない。彼女は当分の間、学校と自宅の往復のみとなる。残念ながらデートは当分お預けだ。

 

「それより想夜ちゃん、二人の裸を視たのは本当なの?」

 

 俺はその質問には答えなかった。

 

「本当に視たかったのは菫のだよ。我慢できずにさわったと思う」

「そんなのダメに決まってるじゃない」

 

 彼女はピッタリ身を寄せてきた。

 

 

 

 帰宅するのを待ち構えたように、朱美と詩央が押し掛けてきた。外は薄暗くなっている。

 

「想夜さんはわたし達の監視下にある。今日は一緒にいる」

「菫先輩と悪巧みしてたのね。もう会っちゃ駄目だから」

 

 不祥事を起こした俺は、建前上はパーティリーダーの詩央の保護観察下にある。今まで負傷者治療に当たっていた詩央と予備選力として待機していた朱美、二人はギルドから真っすぐこちらへ向かった。

 

「打ち明けると絶対に止められると思った。僕も苦しかった。でも後悔はしてないよ。皆で無事に帰ってこれて僕は嬉しい」

 

 俺は二人の肩に手を回す。言葉は邪魔だった。実は昨日からずっと漲っていた。生と死の狭間に立つほど、欲望も果てしない。同族殺しという生き物にとっての最大の禁忌、俺は殺人も厭わなかった。死を払う戦斧の乾坤一擲の賭け、『記憶』がなければ負けていた。限界を越えても届かなかった武の頂への畏怖と憧れ。過程はどうであれ、結果、俺は護って生き残ったのだ。命の根元が歓喜する。この悦びを分かち合いたい。

 それは左右の二人も同じだ。彼女達も戦いに身を置き死線を超えた。生き抜いた命が悦びを渇望する。満たされたい、注がれたい、その望み、叶えてあげる。どこまで俺の情欲を受け止められるのか楽しみだ。

 

「ふぁ~、待って、想夜さん。まだ説明が終わっていない。ひぃ~、ひぃ~」

 

 薄手のブラウスを剥がし始める。大人しい詩央は口だけは拒むも、ボタンを外すだけで、はしたない声が上がった。

 

「わたしと詩央姉を好きにして。だからあの三人とは付き合わないで」

 

 将来の良妻賢母たる朱美が、後ろから胸を当ててきた。クラスの男子の憧れの双丘が背中で潰れる。脱がされている姉貴分に興奮して耳たぶを甘噛みして熱い息を吹きかけてくる。これはわたしにもという催促だ。彼女達は俺が菫先輩を中学の時から応援してしていた事、魔女姫様と剣風姫の裸を視た事も察している。盗られたくない、秘められた心のうちに俺への独占欲が目覚めた。

 でもちょっと手遅れかもしれない。もう菫ちゃんとはこっそり付き合っている。魔女姫様と剣風姫とは戦ってみたい。戦士として男女として、どちらが上かはっきりさせたい欲望がある。古い言葉でこれを浮気願望と言うのだろうか。その一方で、生徒会の三人への邪な気持ちが膨らむ程、幼馴染の二人を可愛く思い、愛を深めたいと強く願うのも事実なのだ。

 今度は朱美のホットパンツに手をかけた。カチャカチャ鳴るベルトの音が三人を急かせる。詩央が俺の制服のブレザーを脱がそうと襲いかかった。両手が自由に使えず、朱美を剥くのに手間取ってしまう。焦れた朱美が俺の頭を掴んで股間に埋めてきた。愛の言葉を叫ぶ。

 

「想夜ぁ~~~」

 

 今度は俺が詩央を襲う。品のいいブラを奪う。薄い胸に俺の細い指が縦横に走った。繊細な指使いが軽やかに柔らかく、少女の快感を呼び起こす。その一方でおぞましい芋虫のようにねっとりと、敏感な乳房を這いずる。祝福と禁断、相反する二つの悦楽で、年上の幼馴染の心を引き裂く。

 

「ひゃ~、嫌っ、イヤ~~~」

 

 詩央は小さい頃から遠慮がちだった。いつも俺がリードしていた。そして俺は知った、彼女は俺にいたぶられるのが無上の悦びだと。詩央を焦らして、何度も責めを中断する。嬲りながらブラウスも乱暴にむしった。ますます悲鳴が大きくなる。たまらずに朱美が俺のズボンを降ろし始めた。

 

「欲しいよう、わたしも、わたしもめちゃめちゃにして」

 

 貞淑な朱美がふしだらになった。跪いている彼女のシャツをめくる。ブラを外すのではなく、力任せに引き千切った。朱美だけでなく詩央からも大きな悲鳴が上る。豊満な乳房を堪能しようとしたら、朱美の方から俺の顔を胸の谷間に沈めてきた。吐く息が荒い。

 詩央が座っている俺の股間から男根を露出させている。根元より誠心誠意舐めてきた。自分からこんな口戯はしないと思っただけに驚きだ。雁首を咥えて舐め吸ってくれる。凄く下手だが満足度は高い。思わず亀頭がピクピク動くと籠った声が聞こえた。詩央はここが奉仕の場所と定めたようだ。更に念入りに舌を這わせる。俺は彼女の真心に感動した。こんなに感激したのは小学生の頃「メイド聖女」を送られて以来だ。そう言えばあの本には、女性は平等に愛して、同時に悦ばすべしという金言があった。今こそ試す、二人への愛に優劣がない事への証明とする。

 勃起した朱美の乳首を舌で転がす。憶病な舌使いが不満な彼女は、胸を揺すって催促する。両の乳房に頬ずりしながら、胸の谷間に情熱の吐息を吹きかける。これだけでイキそうになるが、何とか耐えた。

 肋骨の浮き出た詩央の過敏な躰を愛撫する。脇腹を、胸元を撫でれば、電流が流れたように詩央がしびれた。だけど肝心な薄い胸はさわらない。焦った詩央が喉元まで咥え込んでくる。

 時は満ちた。朱美の乳首を咥えながら引っ張る。それと同時に舌先で優しくこねる。いきなり詩央の小さな乳房を揉むや、乳首を二本の指で挟んでやる。そして親指の腹で弄ぶ。二人の反応は劇的だった。大きく跳ねると、そのままイッてしまう。

 

「好き好き。大好き」

「もっとぉ、もっとぉ」

 

 二人は乳首責めだけで、寸分たがわず達してしまった。幼馴染は俺から平等に愛されているのを自覚する。もう羞恥の仮面は取り払われた。俺達三人はベッドの上で、格闘するように襲われ、襲い掛かった。互いに衣服を剥ぎ取っていく。もつれた手足が、誰のものか分からなくなるまで絡み合う。小さな頃はよくこうしてじゃれ合った。今、童心に帰って無心で求め合う。暗くなったが部屋の明かりはついていない。そこら中に衣服が散乱していた。

 

 

 

 二人を四つん這いにして横に並べた。朱美の形良い尻が白く揺れる。俺は割れ目に這わせると、御柱を深々と突き立てた。すかさず愛の泉が吹き上がる。

 

「キャァ~」

 

 可愛く泣いた。だがこれは序の口にすぎない。もう朱美の弱点は分かっている。子宮まで強引に逸物を押し入れる、雁を広げて泣き所のスポットを掻き出す。悶絶するも、首根っこを押さえつけて蹂躙する。その一方で、右手で隣の詩央の恥部を弄る。しっぽりと濡れた花芯を愛でてやれば、詩央の眼からも女陰からも喜びの雫が零れた。そして小さな口からも喘ぎ声が零れ続けた。

 

「アア~、ウワァ~、ワァァァ~~~」

「ファッ、ファッ、フゥ~~~」

 

 悲鳴のメロディーが奏でられる。それに合わせて腰のリズムも激しくなった。朱美の躰が勝手に痙攣を始めた。

 

 次は詩央だ。震える小さなお尻をこじあける。そそり立つ逸物を、有無を言わさず小さな肉壺に押し込んだ。これだけで膣ひだ全体を圧迫する。エクスタシーに耐えきれず、解いた髪を振り乱し、躰を弓なりにして快感を散らそうとする。これも小手調べだ。律動しながら、華奢な躰をベッドに押し付けて腹ばいにさせる。無理やり寝バックへと持ち込んだ。狭い膣がいっそう閉る。詩央は年上なのに、年端も行かない少女を征服している錯覚に陥る。

 

「ヒャィン、ヒャィン、ヒャィ~~~」

 

 詩央は俺の欲情の発散に耐えられない。朦朧として嗚咽が止まらないでいる。命乞いをする獲物の様で余計にそそった。もちろん左手で朱美のクリトリスも弄っている。意識は無くても嬌声だけは鳴りやまない。

 

 最後に二人に全知全霊をかけて俺の精を注いだ。精子も魔力もありったけだ。朱美と詩央は永遠に俺の所有物だ、俺に依存して生きていきますように。半ば気絶していても、俺の愛は分かるのだろう。けたたましく叫ぶと、今日一番の狂態を見せた。

 精も根も尽きた二人の幼馴染は、息絶えるようにして俺に縋りついて果てている。二人の寝顔は恍惚として、俺が見た中で一番幸せそうだった。ここで確信する、愛を与える事が出来たと。多くの女性を泣かす経験が、より深い愛を紡ぐ事に繋がっていくのだと。

 

 

 

 「メイド聖女」登場する準レギュラーに愛の紳士アールムという、女神さまの元使徒がいた。彼は使徒をやっていただけに、貴族から奴隷まで、身分で分け隔てをしない人格者だ。また誰もが振り向く美丈夫で、教養に溢れ、特に女性には優しかった。彼は非暴力を謳う、普段は闘争より逃走を選ぶ平和主義者である。しかし、必要とあれば神のごとき力を果断なく振るう。そんな彼には、奴隷の少女から町娘、貴族の婦女子まで、当然の如く熱を上げてしまうのだ。ヒロインだって一度は騙されそうになる程に。やがて彼は、貴族家当主や世の男どもの嫉妬を買うようになってしまう。多くの国で不埒ものとして逮捕状が出回った。

 彼が授かった権能は女神さまの指を意味する「ディギタータ」だ。女神さまの指は万物を掴み、理不尽を貫き、この世の全てを慈しむ。敬虔な信徒であったアールムは地上で女神さまの楽園を顕現すべく、己の指を10本の触手に変えてもらった。彼の変幻自在の触手は弱き命を取りこぼさず、この世の悪を貫く。そして女性には触手責めを施して、快楽と罪悪、唯人では届かぬ恐るべき法悦に沈めていた。彼はこれが神の愛だと確信している。関わった女性が全て愛の紳士の虜になった。これを知った権力者たちは怒り狂い、彼の命を狙うようになる。彼は諸国を遍歴する中で、何度もヒロインと出会う。彼の宿望は11人の聖なる処女を一秒違わず悦ばせて、己の楽園を築く事だった。ヒロインもその候補の一人だ、センターの位置に選定されて狙われていた。残念ながら最終巻が出なかったので、どうなったかは不明だけど。

 

 子供の俺は触手が10本なのに、何故乙女が11人いるのか理解出来なかった。悪のヒーローらしく凄い必殺技を持っていると予想して、気になって夜も眠れなかった。解説した漫画もあったらしいが、こちらも逸脱している。

「みよう本」は健全な青少年のために書かれたものだ。当時掲載された小説サイトにも規約に記されていたという。ところが「メイド聖女」に限らず当時の「みよう本」には少年には健全に見えても、成人になって読むと眉を顰めるものが非常に多い。本が絶滅してから五十余年だ。消息はつかめてないが、まだ存命な作者も多いと思う。だが娘や息子、孫たちに本の秘密を知られたら、軽蔑されて口も聞いてもらえなくなりそう。家内からは熟年離婚されるかもしれない。職場やご近所さんに暴露されると、社会不適合者扱いされて謂れなき差別を受けるのだ。自分ならとても名乗り出たりはしない。

 

 

 

 

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