陰キャ配信者の罰ゲーム配信 作:sg
「えっと……感じやすい部位? いきなりすごいな……。まあやるけど」
いきなり恥ずかしいお題が来たものの、罰ゲームである以上公平に選ばれたお題なら拒否権はない。
「んっ……しょっ……」
腰に手を当てて、身体をくねらせ突き出したお尻で文字を書く。ぷりん、ぷりんとお尻が可愛らしく動くものの、その動きからはまだ恥じらいが感じられた。
《照れてるwww》
《やっぱ恥ずかしいかwww》
《そりゃそうwww》
《読めないwww》
「え、わからなかった……?」
さっきの小さな動きでは、読めたリスナーはいなかった。もっと大きくお尻を動かさなきゃいけないのかと覚悟を決めたところで、投げ銭付きのコメントが流れた。
¥5000
《尻文字の歌、歌いながらやって!》
「歌ってほしいって……あの、尻文字の?」
《あのどーうかーくのーってやつかwww》
《あれ自分で歌うのかwww》
《周りが歌ってたなぁ、小学校の時は》
「まじか……。まあ、いいけどあんまり歌上手くないから期待はするなよー」
恥ずかしいけれど、投げ銭もある以上断れない。歌にあまり自信はないものの、これも罰ゲームだからともう一度、今度はさっきよりもお尻を突き出し、左右にフリフリと動かし始めた。
「いっちもっじめーはー、どーうかーくのー?」
《かっっっっわ!!!!》
《これは恥ずかしいwww》
《かわいすぎ!》
透き通るような美声でやや音痴気味に歌いながら、ぷりんと大きな丸出しお尻をフリフリする小柄な女の子。そのあまりの可愛らしさと背徳感にリスナーたちが悶絶する中、朱音は続けて文字を書き始める。
「こーうかいて、こーうかいて、こーうかーくのー!」
身体全体を使ってお尻をぐっと左に向け、右に大きく線を引く。その後前屈みになりぷりっとお尻を突き上げてから下に降ろして途中でぴたっと止め、右にぐいっとアーチを描きながらしゃがみこむようにお尻を足場につくギリギリまで下げた。
「ふったもっじめーはー、どーうかーくのー?」
再び立ち上がり、歌いながらお尻フリフリ。「こーうかいて、こーうかいて、こーうかーくのー!」と歌いながら今度はお尻を右上に突き上げて左下に降ろし、ぴたりと止めた後にぐっと下げた。
そしてまた歌いながらお尻フリフリ。続けて尻文字。
「こーかいて、こーかいて、こーうかーくのー! はいっ!」
左上にお尻を突き上げ、少し右に動かしたところで反時計周りに円を描き、また右へ。最後にお尻を突き上げ、ぴょんぴょんと二回右に飛び跳ねた。
「はぁ……はぁ……。わ、わかった……?」
《ちくび!》
《乳首ー!》
《朱音ちゃんのおちちー!》
「はい、正解。ちくびね。私の感じやすいのは乳首ですよ……」
引きこもりのゲーマーが久々に大きく身体を動かしたのと恥ずかしさによる熱さで息を上げる中、一問目の答え合わせをする。
一番感じやすい部位は乳首。そう口……とお尻では言ったものの、やっぱり本当なのかどうかは気になるもの。
《証拠見せて!》
《乳首ボタン!》
《乳首ドリル!》
「押してみてって? それは……はいはい、罰ゲームね罰ゲーム」
リスナーたちのコメントに催促されて流されるまま、朱音はカメラに近づき両乳首の先端へ指先を当てる。乳首ドリルは見なかったことにした。
「おふっ」
《wwwwwwwww》
《いただきました》
《陰キャ美少女のおふっ》
そしてぐっと力を入れて乳首を深く押し込むと、喉の奥から思わず声が漏れてコメントを沸かせた。
「ま、満足か……?」
《たすかる》
《たすかる》
《たすかる》
どうやら嬌声はお気に召したよう。二問目に移ろうとした時、画面に表示されたある数字に朱音は驚いた。
「てか同接二千って何!?」
朱音が必死に尻文字をしているうちに、いつの間にか同時接続は二千人を超えていた。
配信中の朱音は知らないが実は今NEXでは「陰キャの超美少女が生配信で全裸尻文字」というのが拡散され、多くの人がそれを目にして訪れているのだ。
「二千人に見られながら全裸羞恥プレイって、エロ同人じゃあるまいし……」
《そういうとこやぞ》
《そういうとこ》
《私たちのエロいバージョン》
《エロくしたウチら》
《自分で抜く資格を持つ特権階級オタク》
「よくわからないけど、二問目募集開始!」
よくわからないことはない。ただ認めるのが恥ずかしいだけ。正直に言えば、自覚した今なら鏡に映った自分で興奮できる気もするがやってはいけない気がする。
そんなことを思いながら朱音は、二問目の募集を宣言。直後にコメント欄が質問で埋まり、その中から自動で一つが選ばれた。
「エンドオブロワイヤルで好きな武器種? まともな質問だ……」
エンドオブロワイヤルというのは、何かの理由で滅んだ世界を舞台に銃を持った少女たちが戦うTPSバトルロワイヤルゲーム。そのゲームで好きな武器は、という質問。
全裸でお尻を振るという恥ずかしさは変わらないものの、内容はさっきよりマシ。というよりちゃんとゲーム配信者らしい内容。少し軽い気持ちで、再びお尻をフリフリしながら歌い始めた。
「いっちもーじめーはー、どーうかーくのー?」
そして「こーうかいて、こーうかいて……」と言いながらお尻を突き上げて左右にくねらせながら降ろし、お尻でアーチを描き、時にはお尻を突き上げたポーズでぴょんぴょんと飛び跳ねる。
二千人以上の目に晒されながら卑猥で滑稽なお尻ダンスは続き、いつの間にやら五文字を書き終わっていた。
「ろっくもーじめーはー、どーうかーくのー? こーうかいて、こーうかいて、こーうかーくの! はいっ!」
お尻フリフリ、お尻を左に突き上げて右へ。左に戻して右にアーチを描きながら下に降ろしてぴたっと止める。
《88888888》
《8888》
《よく頑張った!》
《六文字はきついwww》
拍手を示す数字と労いの言葉が流れる中、見事に六文字の尻文字を書き終えた朱音は立ち上がるとパソコンへ向かってたゆんと大きな胸を揺らしながら椅子に座り文句を叫んだ。
「まともな質問だと思ったけど長いわ!」
《答えは狙撃銃!》
《そげきじゅう》
《そげきじゅう!》
《ホントに読みやすかった!》
「そげきじゅう。はい、正解でーす。一方的にぶち殺すって気持ちいいよねー。尻文字上手い……あ、どうも……ふひひ」
そう、この質問のハードルは内容の恥ずかしさではなく答えの長さにあった。朱音が答えた狙撃銃の他にもアサルトライフルやロケットランチャー、グレネードランチャーなど長い選択肢があまりにも多いのだ。
ちなみに文字数が少ないから狙撃銃にしたわけではなくあくまで本心。そもそも文字数を少なくしたいならナイフと答えればいい。朱音は正直だった。
《よっ、尻文字名人!》
《バラエティの芸能人より上手い》
《見てて気持ちいい》
「ほ、褒めたって何も出てこないからなぁ!」
口ではそう言っているものの、沢山流れてくる褒め言葉ににやけは止まらない。やっぱり正直である。
《お尻丸出しじゃん》
《褒めたら尻が出た》
《乳首も出た》
《褒めたから尻文字やってるんだよねぇ》
「誰が上手いこと言えと」
そしてノリのいいリスナーたちは、いい具合に茶化して場を盛り上げてくれる。
このまま三問目……と行きたいところだったものの、ゲーム中にもエナジードリンクを飲んでいたからかここで尿意が込み上げてくる。
「お花摘んでくるからちょっと待ってて。休憩時間ねー」
特に恥じらう事もなくそう言って椅子から立ち上がり、朱音はトイレへと向かう。スマホを持たず、空席の間のコメントを知らないまま。
《今行くのwww》
《大かな小かな?》
《これ朱音ちゃん気付いてるのかなwww》