陰キャ配信者の罰ゲーム配信 作:sg
一方その頃朱音はというと、全裸で便座に座りながら頭を抱えていた。
「二千人の前で、全裸尻文字……」
ちょろちょろと小水を垂れ流しながら、先程までの事を思い返す。
顔見せからまんまと乗せられて、今まで見たこともない同接二千人以上の配信で全裸になり尻文字を披露した。顔も知らない二千人以上もの誰かの目に、自分のお尻がぷりぷりと動く様子を焼き付けた。
「どんなエロ同人だ! 私はエロ同人で抜く側だぞ!?」
あまりの展開に思考がこんがらがり、恥ずかしさで顔が真っ赤になる。考えれば考えるほどこれまで読んできたエッチな漫画で辱められるヒロインと自分が重なってしまう。
「あーもう、考えたってしょうがない! こうなったらやってやる!」
そして朱音は考えるのをやめリスナーを待たせまいと、急いでさっと股間を拭いてティッシュをトイレに流し、配信中の自室へと戻っていった。
「ただいまー!」
《ちゃんとおまた拭いたかーい?》
《綺麗にしてきた?》
少しヤケクソ気味の挨拶で帰ってきた朱音。そんな彼女を出迎えたのは、リスナーたちのそんな質問だった。
「ちゃんと拭いたかって、なんでそんな……」
いつものトイレ休憩ではそんなこと訊かれないのに、どうして今回だけ。少し考えると、あることに気付いてしまった。
「……あっ」
そして顔が真っ赤に染まり、汗が流れる。身体を伝った汗が拭き残した小水のように陰毛の先からぽつりと落ちるのを知らずしてリスナーたちに見せながら、恐る恐る問いかける。
《だめだよー》
「シャワーで洗ってきて、いい? だめですかそうですか」
《先読みwww》
《ドジっ子かわいいね》
ただ先読みされていたようで質問する前にダメだと返されてしまう。
「ていうか同接四千って……。尻でゲーム配信の何十倍になってるの複雑……」
そして気が付けば同時接続は四千人。ゲーム配信が多くても二百人くらいなことを考えると文字通り桁違いの数字になっていた。
《尻芸人路線にクラスチェンジ?》
《朱音ちゃんのおしりhshs》
《尻配信者?》
「尻で売る気はないわ! 私はゲーム配信者だぞ!」
ただやっぱりゲーム配信者というアイデンティティは捨てられない。
いくら承認欲求が満たされているとはいえ、ゲーマーというプライドを捨てる気はない。今の恥ずかしい姿もゲームで負けた罰ゲームだからと自分で納得しているからできる事で、理由もなく喜んでこんな姿を見せるような痴女ではないのだ。
《陰毛湿ってるwww》
《おしっこすっきりした?》
《マジでこの子可愛い》
「ほんとよく見てるなぁ……。三問目いくよ、質問よろしくー」
朱音が痴女ではないことは皆が知っている。痴女ではない、かつ性知識だけはある、自分たちの同類であるオタクの美少女が罰ゲームという理由で痴態を晒している。その初々しさと背徳感こそがリスナーたちを釘付けにしているのだが朱音にその自覚はない。
それ故の親近感で楽しくイジられながら、朱音は三問目の質問を募集する。
「さっき出たおしっこの色は……。ほぼ二択じゃんか! てか変態かあんたらは!」
また恥ずかしい質問。しかもあまりにもタイムリーだ。読めなくても二択しかないので四千人もいたら正解しないわけがないが、それはそれとして本気でやる律儀な美少女が朱音である。
「まあいくよー。いっちもーじめーはー……」
もうここまで来たらどうにでもなれと、自分の中の乙女も恥も捨てて今まで以上の全力で尻文字を書く朱音。ぶるんぶるんと大胆に動くお尻の大迫力に魅了されてあっという間に時間が過ぎ、三文字目を書き終えたところで回答のコメントが一斉に流れ出した。
「はい、正解はきいろです! 文句あっか、あぁ!?」
もう完全にヤケになってしまっている中、1000円の投げ銭で気になるコメントがついた。
「あんまり濃かったら水分補給ちゃんとした方がいい? ありがと。でも薄めだったから大丈夫」
そして朱音のおしっこの黄色が薄め、という餌を得て更にボルテージが上がるコメント欄。
「もうリアクションしないから。次の質問よろしくー」
突っ込むことはやめて、朱音は次の質問を募集する。そして……。
「はぁ……はぁ……」
罰ゲーム配信の開始からおよそ一時間。まともな質問からセクハラじみた質問まで、二問目の後のトイレ以外休憩無しでの尻文字の連続はただでさえ運動不足の朱音には堪えたのだろう。彼女はもうかなり息が上がってきていた。
《大丈夫?》
《そろそろやめる?》
《疲れてそう》
「まあ、疲れてるのもあるし、クソ恥ずいし……」
《動く度におっぱいが……》
《エロいを超えて可愛いしかない》
《無限に可愛い尻文字》
「可愛い可愛いって、いくら褒めたって……ふひひ」
おだてられて続けたいのはやまやまではあるものの、そろそろ体力の限界。カメラ映りも忘れて大股開きで座り込んで、汗や愛液で濡れた股間が堂々と映されている程だ。
「次最後にするけど……最後はサービスしよっかな。はい、質問よろしく」
これで最後の質問。サービスという意味ありげな言葉への疑問と共に、大量の質問が流れるが……。
「えっと……サービスって何? それは問題にならないからやり直し。はい」
これを尻文字で答えてしまったら意味がない。よってやり直し。再度質問を募集したところ、一つの書き込みがランダムで選ばれた。
「質問じゃないけど最後は名前を書いて欲しい? まあ尻文字のネタだと定番だよね。小学校の頃も時間なかったらクイズじゃなくてそうしてたし」
尻文字で名前を書く。確かに質問ではないが、罰ゲームの尻文字としては定番のお題。締めにはいいお題だなぁと感心しながら朱音は台に乗ってカメラへお尻を向け、前屈みになって足場に手をついた。
「そういうわけだから、最後はこの姿勢でやってくよ」
《うっはwwwwww》
《大胆過ぎるwwwwww》
それは、膝をつけずにお尻を突き上げる形の四つん這い。罰としてもあまりにも恥ずかし過ぎる、恥辱に満ちたポーズだ。
「もう六千人に見られてる時点でエロ漫画みたいなシチュだしさぁ……自分がエロ漫画のヒロインになってみてもいいかなーって」
恥ずかしくないわけではない。だが朱音はもう既に開き直っていた。今更包み隠すようなものなんてない。もう今の彼女は、エッチな漫画で辱めを受けるヒロインになりきるつもりでいた。
《あ、具が見えてる》
《おしりの穴丸見え笑》
《肛門開きも確かに罰ゲームの定番だけどこれはwww》
《人間卒業レベルの恥ずかしさじゃんwww》
《しつもーん! その穴ふたつは何するところー?》
「え、お尻の穴見えてる!? あそこも!?」
小水を垂れ流した股間の割れ目も、排泄物を出す為の今はすぼまった肛門も、全てを自分からさらけ出している。その姿には女性としても、人としての尊厳もない。ただひたすらに滑稽な「朱音」という生き物の姿がそこにあった。
リスナーからどう見えてるのかはわかっている。それを自覚して開き直った朱音は高々と掲げたお尻を左右に小刻みに振りながらいつもよりもわざとらしく、可愛らしく作った声色で叫んだ。
「上の穴からはうんこが、下の割れ目からはおしっこが出るよぉー!」
《wwwwwwwww》
《こwwwれwwwはwww》
《朱音ちゃんwwwwww》
《お腹痛いwwwwwwwww》
最後の尊厳も捨てた渾身の叫びに、コメント欄は笑いで埋め尽くされる。
もうこれより恥ずかしいことなんてない。朱音は突き上げたお尻をメトロノームさながらに大きく左右に揺らし、汗と愛液が混じった液を股間からぽたぽたと垂らしながら大きな声で歌い始めた。
「あっかねーのあーの字ーはどーうかーくのー?」
そしてお尻フリフリの次は、渾身の尻文字。
「こーうかいて、こーうかいて、こーうかーくのー!」
脚をひねってがに股にした上でお尻を左上へ。ぐいっと右へ目一杯動かす。そして手を下についたままつま先立ちでお尻を高く上げて、ぐっと下ろす!
次はお尻を右上へ。そこから円形のように時計回りに大きなカーブを全力で描き、一周と半周した後下でぴたっと止めた。これで「あ」の字の出来上がり。
「あっかねーのかーの字ーはどーうかーくのー?」
そして再びお尻を突き上げてお尻フリフリ。恥ずかしさで麻痺していた尿意が再び押し寄せてきたものの、今更やめられない。
「こーうかいて、こーうかいて、こーうかーくのー!」
お尻を左上に上げて、真ん中まで動かして止める。そこから一番下までぐっと下ろしてくいっと上へはねる!
つま先立ちでお尻を真上に上げて、ぷるんと揺らしながら左下へ。最後に右上に上げて、そこから右下へお尻を運んで「か」の字の出来上がり。
「あっかねーのねーの字ーはどーうかーくのー?」
そして最後のお尻フリフリ。めいっぱい左右にぷりんぷりんとお尻を振ったせいでいよいよ耐えられなくなり、何千人もの視線を浴びたそこが決壊した。
「こーうかいて、こーうかいて、こーうかーくのーっ! はいっ!」
それでも朱音は尻文字を続ける。ちょろちょろとおしっこを垂れ流しながらつま先立ちでお尻を突き上げ、がに股でぐっと下ろす!
次にお尻を左上に。そこから右、左下、と行って大きくアーチを描きながら右上へ。そして下に下ろしてカエルのポーズで小さくくるんと丸を描いて「ね」の字の完成。
尻文字の完成を誇るように、ぽたぽたと液を垂らしながらお尻を再び突き上げた瞬間。目で追いきれないほどのコメントがどっと押し寄せてきた。
《88888888》
《すごい、頑張った!》
《エロいとかいうより圧倒された》
《尻文字にここまでの迫力感じたの初めて!》
《漏らした時とか頑張れーって思ったもん》
《お疲れさま!》
さぞバカにされるのかと思いきや、コメント欄は称賛の嵐。目頭が熱くなるのを感じながら、朱音はカメラに向かって指差し叫んだ。
「私の名前は朱音です! お尻に釣られてきた人たちもみんな覚えてってください! あと私はゲーム配信者だからな! 以上、罰ゲーム配信終わり!」
そして捨て台詞のように言い残して突然の配信終了。半泣きで強がっているようにしか見えないその姿はこの一晩で、ここにいるリスナーに留まらず多くのお姉様たちを悶絶させる事になる……。
翌日。
「晴れててよかった……」
足場にしていたせいで汚れてしまった布団を洗って干し終わった朱音……もとい
《朱音》
《朱音ちゃん》
《尻文字配信》
《陰キャ美少女》
《おもらし》
「こんなに……ふひひ」
昨日の罰ゲーム配信に関するワードが、配信ジャンルとはいえトレンドにいくつも上がっていた。
流行りの罰ゲーム動画の類ではあるものの生配信という珍しさや中身のインパクトもあり、昨日にNEXの書き込みで許可を出したことで多くの切り抜きも作られて所謂「バズった」状態となっている。
中には驚くべき速さで朱音のエッチなイラストを描き上げて、彼女自身も「お世話になった」イラストレーターも現れていた。
そんなこともあり、一夜にして謎の美少女として話題になりチャンネル登録も激増した「朱音」こと月音は今はなんだかんだで満たされていた。
とはいえこれで配信を終わるわけではない。トレードマークとなったダサTシャツを着てヘッドセットをつけ、パソコンを立ち上げた月音は「朱音」として配信を開始した。
「はーい昨日の尻文字で筋肉痛の朱音でーす。今日はマジで疲れてるので雑談配信でお願いしまーす」
《尻文字から来たけどゲーム上手過ぎない?》
《普通にプロゲーマーレベル。昨日勝ったロリ巨乳こそ至高とかいう奴がおかしいだけ》
《あれ朱音ちゃんボロ負けに見えるけどめちゃくちゃ高度な戦いだからね》
「そう言われると……ふひひ」
《出たふひひ》
《いただきました》
意外だったのは、昨日の一件からゲーマーとしての朱音の名も広まったこと。きっかけこそ全裸尻文字配信だったものの、そこから過去動画を見た事でそのプレイングに魅了された者も少なくなかった。
現に過去のプレイ配信の多くも切り抜かれ、超絶プレイとして注目されている。
エロキャラとしてばかり有名になるというのを少し恐れていたものの、どうやら杞憂に終わったよう。
《罰ゲーム配信、もうやらないの?》
ただやっぱりこういうコメントも少なくなくて、それに対し朱音はカメラへ拳を向けながら告げた。
「私に勝ってから言えバーカ」