ポケダン世界でもできる! ポケモントレーナー生活のすゝめ 作:透孔
変な感じがします。
この村で……何かが変わっていくような……
それでいて、そこまで変わらないかもという雰囲気がある、奇妙な感覚です。
申し遅れました。
私はナヒラ。ヒラヒナのナヒラです。
学校では中くらいの年齢ですが、テストでは毎回100点を出させてもらっています。
どうやら私は他人から見れば優等生、らしいです。
よくわかりませんが。
話を戻しまして。
数日前からこの村に何か不思議な空気感がし始めました。
甘い甘い、スイーツみたいな匂い……それでいて何かギトギトした感じもある独特な空気です。
雄々しい空気。女々しい空気。その二つが混ざり合った空気。
それが渦を巻き始めていました。
最初にそれを感じた相手はルーちゃんでした。
その日のルーちゃんのお肌はすべすべのツルツルで、まるで卵のような触り心地でした。
どことなく、オレさんの匂いが強く感じられた気がしました。
それから数日後、デルルちゃんも同じ空気感を発しました。
彼女だけではなく、デルルちゃんの姉であるヘガールさんまで、です。
しかもヘガールさんの同僚曰く『なんか大胆になってないか?』『めっちゃドキドキしてきた……』とのことでした。
彼女たちの中で最も目に見えて変なことになっていたのはヘガールさんです。
同僚たちの話通りに、今までそういう話を聞くだけで顔を赤くして逃げてしまうような純粋なポケモンだったのに、その日以降はそういう話を聞けるだけではなく、自分から話題を作るまでに成長していたのです。
余りにも奇妙でしたので、実際に尋ねてみました。
『どうして猥談ができるようになったんですか?』と。
それに対し、ヘガールさんは紅い顔で恥ずかしげでしたが、きちんと答えてくださったんです。
『エッチでもいいって、わかっちゃったから……かな♡』
その言葉で理解しました。
ヘガールさんは、デルルちゃんは、ルーさんも……『性行為』をしたからあんな空気感をしていたのだと。
そして、彼女たちの身体から匂ったオレさんの匂いが、オレさんと『性行為』をしたのだと証明してくれました。
「……本当に、シたんですか?『性行為』を……彼女たちと。──オレさん」
「…………はい……っ」
──!
嘘をつくわけでもなく、正直に答えるとは……なんて勇気。
ですが、安心してください。
私は別にオレさんのことを咎めようと思ってたりはしませんから。
「ほ、ほんとう???」
本当です。
ポケモンにとって一夫多妻は普通のこと。
近年ではなぜか一夫一婦がブームとなりつつありますが、それでもみんなにとっておかしいことだとは思われません。
「そ、そうなんだ……にひきほどつまとしていっしょにすごそうとかんがえていないんだけどね……ありがとう、さすがむらいちばんのものしり。たすかるよ」
お役に立ててうれしいです。
……ところで、私からオレさんに一つ、お願いしたいことがございまして……
「うん? ナヒラちゃんがたのみたいことってなにかな? できるだけ、がんばってみるよ」
いえ、そこまで手間のかかることではないと思いますので。
……最近、世界の時空が歪み過去の地形や未来の建造物が時を超えて現れる現象が多発していますよね?
「うん、それがどうかしたの?」
それの影響か、世界各地の時間のバランスが歪んでしまい、進化できないポケモンが現れているという話があります。
「へえ、そうだったんだ。……あれ、ナヒラちゃんって──」
「お気づきになりましたか」
じつは私、もう進化してクエスパトラになっていてもおかしくないのです。
しかし、進化しないのは私に生じてしまった時空の歪みが原因のため、私だけの力ではどうすることもできなくて──
もはや頼れるのはオレさんだけとなってしまいました。
「いいたいことはわかったけど……オレがなにかてつだえるのかなあ……?」
「問題はありません。むしろ今までのことを考えたらオレさんが一番適任だと思っているほどです」
「そ、そんなに?? いったいどういうおねがいなの──」
「──オレさん。あなたの精液をください」
私のお願いを聞いた瞬間、オレさんが固まってしまいました。
どうしましょう。
「──え、ええっと? ききずてならないへんなことばがきこえたなあ???」
──そうですね。
言葉が少々欠けていましたか。
「ごめんなさい。言い直しますね」
「そ、そうだよな! ナヒラちゃんがそんなへんなこというはずが──」
「オレさん、私でセックスしませんか?」
「もっとダメないいかたになった……──どうしてなの???」
「いえ──そこまで難しい話ではなく、単純にセックスしてしまえば大人の階段を昇ったということで私の時空の歪みが直って、私は無事に進化できるのではないかなと思いまして」
「だからって、じぶんをなげうりするやりかたはよくないよ!」
それはそのとおりなんですけど……いえ、そうですね。
きっとオレさんの目には私が進化したいのにできないから無茶苦茶な方法で進化しようとしているように見えているのでしょう。
ですが私自身は進化にさほど興味はありません。
順当に進化できればいいなとは思いますが、時空の歪みなんかで進化が遅れたからと言って焦るつもりは最初の頃はありませんでした。
……ですが。
「……このままでは、私の命が危ないのです」
「い、いのちが???」
「はい。総排泄腔はご存じですか? 他のポケモンたちにとってのマンコであり、肛門である部位に当たりますが」
飛行型*1のポケモンは総じて総排泄腔を持っていると言っていい。
明らかにセンシティブな話題だったためにオレさんは顔を微かに紅く染めながらも話を聞く姿勢を崩さず、私の顔を見つめる。たまに目をそらすが。
そんなオレさんに、私はサイコパワーでグイっと近づいて、下腹部を見せた。
マンぐり返し……って言うんでしたっけ、この姿勢。オレさんは目をぎょっとしながらもちょっとだけ興奮しているみたいですね。感情分野へのエスパーは苦手ですが、感情の高ぶりを感じましたので、きっと興奮しています。
総排泄腔はマンコと同じ見た目みたいですから、外見ではあまり大差はないのでしょう。それがエロさと直結しているのですね。
グロさと直結してなくてよかったと、オレさんの目の毒ではない興奮できる見た目で良かったと、こういう時は嬉しく思います。誰に嬉しく思ったのかはわかりませんが。
「──触ってみてください」
「え、ええっ!?」
「総排泄腔の近くに、何か硬めな部分があるのが分かると思います。さあ、遠慮なさらずにどうぞ」
ずいずいっと私は総排泄腔をオレさんに近づけ──すぎると触れないですし、ばっちいですね。洗ってきましたけど人間でいう肛門と同じですし。
ちょっと離れてオレさんの指が振れやすい場所で待っていると、恐る恐るゆっくりとオレさんの指が私のお腹を触り始めました。
しかし……軽い。
柔らかフェザータッチすぎますねこれは。
熟したバナナよりも柔らかいですよ、この触り方は。
その癖してちょっとくすぐったいのがむかつきますね。
繊細な指使いで私の多感な部分をピンポイントで触っている感じです。
偶然にしてもだいぶ精度が良いです。誤差が35%未満です。
「…………あ、なんか……いしころ、があるのかな?」
「それ、タマゴです」
「はい?」
「ですから、タマゴです」
理解のできない顔をしてしまいました。
それはそうでしょう。私ですら全容の解明には至っていないのですから。
「安心してください。私は処女です」
「いや、そういうことはきいてなくてね?」
「おそらく──私の身体の時間が歪んでしまった結果、その一つだと思われます」
「タ、タマゴができちゃったんだね……じかんがゆがんじゃって」
「おそらくは。……これが私がルーちゃんやデルルちゃんのようなポケモンなら、こんな必死にならなくて済んだのですけどね」
私が進化しようと必死な理由。
それは──ヒラヒナとクエスパトラというポケモンのタマゴの大きさに問題があったのです。
「私の種族のタマゴは──私の5倍は大きいのです」
「えっ」
「本来、クエスパトラに進化したうえで産み落とすはずのタマゴが、ヒラヒナの姿でお腹の中にでき始めてしまった。──このままでは、私のお腹は大きくなりゆくタマゴによってはちきれてしまいます」
「かなりまっとうなりゆうだった……!」
とはいえ、バカげた理由だとは思いますけどね。
今現在のタマゴはできて数日しか経っていないためまだ小石ほどの大きさですが、数カ月もたてば私一匹分の大きさになるだろう。
今でさえこの小さな体にできたタマゴの異物感と重さに若干苦労しているのです。もしこれが本来の大きさになってしまったときは──ゾッとします。
「これを解決するには、この段階でタマゴを産むか、クエスパトラに進化するかの2択。ですが
「そ、そうだったんだね……――わかった、きょうりょくするよ」
「本当ですか? ダメもとでのお願いでしたので、断ってくれてもいいのですけど」
「ナヒラちゃんのいのちにかかわるもんだいだからな。オレにはほっとけないよ」
──不思議な感覚です。
言っていることは真っ当なのに、聞いているだけでなんだか胸の周りがポカポカします。
一体どうしてでしょうか。
オレさんがニンゲンだから?
ポケモンとは違う存在だからでしょうか。
その言葉を聞いて、安心できている私がいるのです。
不思議、と思わざるを得ませんが、不快感はありません。むしろ幸せだと感じているのです。
「ぽー……」
「え、えっと? ナヒラちゃん?」
「はっ。──失礼しました。それでは私の家でセックスを始めましょうか」
「いいかたね。もうちょっといいかたをかんがえてね!」
言い方なんて、エッチな行為をするのだからそれはもうセックスなのではないでしょうか。
──しかし、まあ。オレさんの懸念も分かります。
「確かに……私のようなデルルちゃんよりも小さいボディでオレさんのチンコなんて入れられるわけがありませんからね。セックスと呼んでいいのかどうかは議論の余地があるのでしょう」
「そういうことじゃなくて!!」
私の総排泄腔は2センチもあるかどうかのサイズ。
それにオレさんのチンコが入るかどうかと言われると──まあ、無理だと思いますね。
やっても綿棒ぐらいしか入りません。
「ですから、オレさんには申し訳ありませんがチンコをマンコにいれる形のセックスはご控え下さると嬉しいです。指で絶頂させる形のセックスでお願いすることになってしまいますが──」
「そういうセックスはナヒラちゃんにはさすがにするつもりはないからね!!!」
とはいえ、すでに3匹とエッチをしておいてからのコレとなるといささか物足りなさを感じることはあるでしょう。
私を助けるためだとは言え、ただ私の総排泄腔を指でクニクニするだけの時間なんて暇もいいところでしょう。
「代わりと言ってはあれですが、私が口でオレさんのチンコを慰めて差し上げますので」
「いやっ、そういうことはべつに──」
「ヤってみないとわかりませんからね。私、鳥系のポケモンではありますが嘴のないタイプですし、殿方を悦ばせるテクニックは覚えているつもりです。きっと満足……できるかどうかは解りませんけど、退屈はさせませんので」
そう言って私はペロリと舌なめずりをする。
こんな私ですが、技法はちゃんと学んでいるつもりです。
もちろん、口を使った技法も。
そのため口内・唇のケアは怠っていませんでした。
唇はクリームを使ってプニプニに。
口内は清潔に。舌は滑らかな石鹸のように。
知識以外に誇れるものの少ない私が、親からある程度心がけるようにと言われ実践してきたこと。
そんな私の口を認識したオレさんには──どうやらいい感じの印象を残せたようです。オレさんの感情が揺れ動いているのが分かります。
この退屈だった口のケアという時間も捨てたものではなかったのですね。オレさんを動揺できるぐらいにはエッチな口になっていたとは。
そうこうしているうちに、私の家までたどり着きました。
進化しそうだと感じた頃に増築してそのままの家。
「それでは──よろしくお願いします、オレさん」
「う、うん……あくまでセックスじゃない、からね……!」
「あまり緊張しないでください。無理を強いていますけれど、その分だけ私もご奉仕しますので」
プニプニの唇と舌で、オレさんのチンコを頑張ってご奉仕させていただきますね。