「……その、痛かったりしたら、言ってね」
「……ん」
この日。
二人が理性を取り繕えたのは、ここまでだった。
正常位で蒼の腰を少し持ち上げ、出流は熱り立った分身を蒼の腟内に埋めていき―――
「う、あ。あぁあ……っ!」
―――その時点で、一度目の経験が何の役にも立たないことを理解させられていた。
すんなり
それすらも後で思っただけ。このときの出流にそんなことを考えている余裕は欠片もない。
さっきとは段違いの快感を与えてくる蒼の蜜肉に、出流は暴発を堪えるので精一杯だったからだ。
一度目はただねじ込まれた肉棒を締め付けるだけの不慣れっぷり――それでも童貞の出流にとっては十分に強烈な刺激だったが――に対し、今は出流の男根を愛する牡のシンボルと認め、精液を搾り取ろうと膣全体が淫らな歓待で出流を饗していた。
燃え上がる蒼の情欲に釣られた雌膣は、ゴム越しでも陰茎が蕩けそうなほどに熱く。欲情のエキスに満ちた膣内は滑り、逸物を押し込むことになんら抵抗を与えない。蠕動する媚襞は出流の竿全体をもみくちゃにして、絶え間ない快悦を脳髄に送り込んでくる。
「っ、くうぅっ……!!」
女性経験の無い出流をして極上の名器であると本能で悟らせる蒼の熱烈膣奉仕。
出流は歯を食いしばって射精を堪えることしかできず、ゴム一枚を間に挟んで鈴口と子宮口をぴったりくっつけたまま身動きが取れなくなっていた。
「~~~~~~~~っ♡」
片やの蒼も、別物の挿入感に声にならない嬌声を奏でていた。
さっきは本当に痛いし、苦しかった。それ自体が嬉しかったから耐えられたが、今は前提からして違う。
痛みは殆どない。多少の息苦しさはあるが、呼吸すらままならなかった一回目に比べれば遥かにマシ。
そしてなによりそれ以上に、四肢の爪の先端まで行き渡ってまだあふれそうな悦びが、蒼の脳をどろどろに浸していた。
身体の中を占拠する出流の肉棒の存在が、一度目より鋭敏に感じ取れる。
腰を掴む手の感触も、口をぱくぱくさせた出流の表情も。蒼の知覚する全ての情報が、『出流と愛し合っている』事実を頭に叩き込んでくる。それが堪らなく嬉しくて心地よい。
愛される喜びで心が満たされているのが分かる。もっともっと、出流に染められて埋め尽くされたいと胸の内側で叫んでいる気さえした。
蒼は無意識の内に、腕を出流の背中に回す。
「イズル―――」
もう、恥とかプライドとか理性とか。全部どうでもよかった。
「う……?」
蒼の口をついて漏れた名前に、出流が反応する。
腰の裏あたりに力を込めて射精を堪えながら蒼の顔を見た出流に、蒼は。
「―――
―――状況に不釣り合いな無垢な瞳の上目遣いで、出流に続きを求めていた。
そんな目を向けられて、そんな台詞を吐かれて。
いたいけな男子高校生が
「う、ぐううっ―――アオイっ!」
「あぁあっ!」
出流は未知のエネルギーに全身を衝き動かされるままに腰を振りたくった。
突き入れれば熱く滑る粘膜に逸物全体が愛撫され、引き抜けばいかないでとばかりに膣口が吸い付き、二人の股間部で何本もの銀糸が伝って切れる。
腰を止められない。止める気もない。
ぼちゅっずちゅっと粘ついた淫音を部屋中に響かせながら、出流は蒼の蜜壺で己の逸物を一心不乱に扱き上げた。
「あんっ、やぁっ、イズルぅっ、もっと、もっとぉっ!」
「はあっ、ああっ! アオイ、アオイっアオイぃっ!!」
一番奥まで亀頭をねじ込む度に柔らかい尻肉が腿に当たって、飛び散った愛液が鼠径部を濡らしていく。抽送を繰り返すほどに鼓膜を震わせる蒼の涼やかな声に熱と媚と濁点が混じって、自分が蒼を善がらせている事実を認識させられる。
腰を甘美な電撃が突き抜けるたびに、頭が快楽物質でいっぱいになっていった。
「あ゛っ♡ んっ、イズル――んぅううっ!」
出流の肉棒が突きこまれる度に、肺の中の空気を喘ぎ声に変換させられる。引き抜かれる度にエグく反り上がった亀頭冠が腹側の膣襞をゾリゾリとこそぎ上げ、蒼の脳内で火花が連続して弾ける。
気がつけば蒼は誰に教わった訳でもないのに自ら腰を繰り、出流の逞しい長竿に雌穴を擦り付けていた。
ぐりぐりと膣口を押し付けて快楽を貪る。脳天までペニスで突かれているのかと錯覚する衝撃に視界がぱちぱちと明滅する。
いつの間にか蒼の雌穴は、出流の規格外の長刀を根本まで咥えこんでいた。普通では味わえないであろうストロークによる、腹の底にずっしり響く快感に背筋を震わせ、出流の腰に足を絡め少しでも深く肉槍を自らの秘所に迎え入れる。
「アオイ、アオイっ! 僕、もう……っ!」
「きて、イズルっ! 俺も、イくっイクからぁっ♡♡」
腰を掴んでいた出流の手が蒼の背と頭に回される。ぎゅううっと抱き合って身体の熱を分かち合うと、自分と出流が一つになっていくような気がした。
スパートをかけた腰の動きが早く小刻みになって、子宮口に何度も何度も剛棒が打ち付けられる。蒼は一度目とは異なるひたすらに幸せで気持ちいい絶頂の気配に、四肢で出流の身体にしがみつく。
その瞬間の強烈な雌粘膜の蠢きが、出流の限界をぶち壊した。
「あ―――っぐ!!」
どぐんっ、どぐんっ、どぐるるるっ。
「~~~~~~~~っ!!!♡♡♡」
渾身の力で抱き合いながら、蒼の肉壺の奥深くでさんざん溜め込んだ欲望の限りを撃ち放つ。ゴム越しの雄の飛沫を受け止めた蒼は、多幸感と快美感だけに満ち満ちた絶頂に、背中を反らせつま先を伸ばし太ももを痙攣させる。数時間前に見た夜空を彩る大輪の花火が頭の中で今一度弾けて、記憶が快楽の桃色に塗りつぶされていた。
肉棒が腟内で震える度にゴムの先端が膨れ、蒼の腹を内側から圧迫する。だが今の蒼には、その苦しさすら悦びのスパイスでしかなかった。
十数秒か、一分か。はたまたそれ以上だったのか。
やがて、男根の脈動がゆるやかに収まった後も、二人は抱き合ったままだった。
「はぁっ、あっ、はあぁっ……」
「はっ、はっ……はっ、ぁ……」
すぐ耳元で聞こえる恋人の荒い息遣いが、乱れた自分の呼吸が。二人の中で実感を強めさせていく。褥を共にし、熱を交わし、愛を重ね欲を貪りあったのだと。
そして、実感が強まる程に。
「はあっ……はあっ……」
蒼の肉穴の中で、出し終えたばかりの肉棒が力を取り戻し。
「はっ……。はっ……。」
二人の脳内で、再び欲望が膨れ上がる。
「はあっ、はっ」
「ん゛……っ♡ ぁ、はぁっ」
出流は肉棒を引き抜き、ずしりと竿を垂れ下がらせる程に膨らんだゴム風船を外す。
蒼は余韻に震える手で次のゴムを取り出し、苦戦しつつも封を切って出流に渡す。
「ふーっ、ふうぅーっ……!」
「んぐっ、はあぁっ……!」
呼吸を整える間も惜しいのか、息を切らせたまま。
完全復活した肉棒に再び樹脂の薄皮を被せて。
「フーッ、フーッ!」
「んっ、ぁ、はぁっ!」
出流はもう一度、蒼を押し倒す。
これが書きたかった。(約10ヶ月ぶり2度目)