侵略連盟の情報が集まって来た。
奴らの武器はダークリングの複製品と通常品のバトルナイザー。
ダークリングの複製品は一回しか使えず、カードも使うとエネルギーとして消耗し、エネルギー切れになると消えるらしい。
バトルナイザーも怪獣を三体しか保存できず、怪獣を同時に出すことは出来るが一度に操れる怪獣は一体だけ。怪獣を倒されても補充は出来ないそうだ。
要は、俺の使ってるネオバトルナイザーとダークリングの劣化版だ。
俺のダークリングは何度も使えるし、バトルナイザーはその気になれば怪獣を数体同時に操作し、保存出来る怪獣に制限はない。
侵略連盟とはいっても所詮は烏合の集。
レイオニクスバトルから逃げた怪獣使いに、ダークリングのバッタもん使う宇宙人。
いきなり全員で来るのを懸念したが、相互不干渉の意味合いが強い以上その可能性は低い。
なんとかなりそうだな。
「(後はマグマ星人から貰った連盟メンバー個人の情報だな)」
連盟は烏合の衆だが、無視できない侵略者は存在する。
ウルトラ戦士を何人も倒したヒッポリト星人、ウルトラマンジャックを倒したナックル星人、ウルトラマン最強怪獣と名高いゼットンを使役するゼットン星人等、強力な侵略者は何人かいる。
コイツらが相手だと負ける事は無いが手古摺りそうだな。
「………面白い」
ウルトラマンを倒す程の強敵、ぜひ戦ってみたいな。
おそらくゴジラも同じ気持ちだ。
なにせ、前回では不完全燃焼だったからな。
今まで俺はゴジラにリミッターを掛けて戦わせていた。
そのままだとすぐ終わってつまらない。俺もゴジラもそう思っていた。
前回はゴモラが活躍しているのを見てゴジラもやる気を出し、リミッターを解除したが、やはり歯ごたえがあるとは言えなかった。
むしろゴジラ自身が戦い方を制限し、あえて敵の得意分野に合わせてやった。
ゴジラはそれなりに楽しんだが、どう見てもハンデ付きだ。
これじゃあ全力とはいえない。
敵が欲しい。
思いっきり暴れたい。
全力で思う存分戦いたい。
「………来たか」
そんなことを考えてると、空が割れた。
窓ガラスのようにひび割れ、割れた空の向こう側には赤い空間が広がっている。
見たことない現象だが、俺は知っている。
異次元移動能力。
ウルトラマンでプールや超獣が披露した能力だ。
「地球のレイオニクス!このヒッポリト星人が貴様を殺す!」
なんだ、ヤプールじゃないのか。
けどまあいい。むしろ僥倖だ。
ウルトラ兄弟とウルトラの父を倒した強豪宇宙人。
そんな奴と戦えるなんて光栄じゃないか。
バトルナイザーを取り出し、ゴジラを召喚する。
その瞬間、ヒッポリト星人が光線を放った。
「!?」
咄嗟にエネルギーシールドを展開して防御。
だが次の瞬間、今度は俺の背後にワームホールが形成され、ソレに飲み込まれてしまった。
「(ああ、そう言う事か)」
ヒッポリト星人の狙いが分かった。
俺とゴジラを分断して各個撃破するつもりだ。
いいだろう、ソッチのルールに付き合ってやる。
「行ってるぜ、ゴジラ。お前はお前で楽しんでくれ」
ゴジラは主を見送るように吠えた。
突如、2体の巨影が現れた。
ゴジラとミサイル超獣ベロクロン。
怪獣と超獣。怪獣は好戦的な視線を、対する超獣は気飽きのように無機質な目線を相手に向ける。
先に動き出したのはベロクロン。
手から光線を放ち、続けて全身の突起物からミサイルを一斉射撃。更に爪先から光弾を連射し、最後は口から炎を吐いた。
ゴジラに着弾したミサイルや光弾や炎が派手な音を立てて次々と爆発。爆煙や砂煙が起きてゴジラの姿を隠した。
敵の動きを止める金縛り光線、テリブルハンドリング。
爪先から撃ち出す光弾、テリブルスラッシュ。
全身の突起物はミサイルやロケット弾になっており、口からは一億度の炎を吐く。
正しく全身兵器。怪獣とは身体の構造が違う。
金縛り光線で敵を足止めし、集中砲火。
普段ベロクロンが指示されている必勝法である。
これで大抵の敵は屠れるのだが…。
「!?」
その大抵にゴジラは含まれなかった。
何も見えない煙幕の中から光線が撃ち出される。
光線はベロクロンに命中。頭部を貫通し、空まで続いた。
爆煙が光線の勢いによって晴れる。
そこには、ピンピンとした様子のゴジラが姿を現した。
対するベロクロンは頭部がない。
ゴジラの一撃によって吹っ飛ばされたのだ。
首を失ったベロクロンは力なく倒れ、光となってどっかへ消えた。
敵をあっさりと倒して不完全燃焼ながらも勝ちは勝ち。
ゴジラは勝利の雄叫びをあげようとする。
その瞬間、空が割れて新たな怪獣…いや、超獣が現れた。
一角超獣バキシム。
ガラスのように通常空間を破壊して異次元から奇襲を仕掛けた。
ベロクロンに勝って油断した瞬間を突いた不意打ち。
本来なら二体同時に掛かりたかったが、同士討ちを危惧して囮作戦を取った。
感情は無いが知能はある超獣だからこそ出来る芸当である。
鼻から小型ミサイル、両手先から7万度もの爆炎を放射。
しかしゴジラは怯まない。
バキシムを猛攻を受けながら熱線を吐き出した。
「!?」
バキシムは異空間を閉じようとするが遅かった。
空が戻る直前に光線がバキシムに命中。
大爆発を起こし、光となって消えた。
ここまでかかった時間は約三十秒。
怪獣より強く設計された筈の超獣、それを二体も。
ゴジラはたった一分もかけずに撃破してみせたのだ。
超獣の集中砲火をもろとしない耐久碌。
対して、超獣を一撃で屠る熱線。
正しく怪獣王である。
「~~~~~!」
しかしゴジラは納得出来なかった。
あっさりすぎる。
超獣は怪獣より強いというのにどういうことだ。
これではまだまだ不完全燃焼だ。
『ゴジラ、次の敵だ』
「!?」
礼のテレパシーと共に、ゴジラの前にワームホールが展開された。
この先に強敵がいるのか。
ゴジラはワクワクしながら通過した。