辺り一面が赤い世界。
本来ならヤプールの居住地である異空間でオーブダークとヒッポリト星人が戦闘を繰り広げていた。
ヒッポリト星人がノズル状の口から火炎放射する。
オーブダークはスペリオンシールドを展開してソレを防いだ。
ヒッポリト星人が腕からヒッポリトミサイルを発射。
スペリオンシールドを迂回してオーブダークに襲い掛かるが、命中するより早くオーブダークは上に飛んで回避。
スカイタイプの力を一時的に引き出して瞬発力を強化してソレを避けた。
同時、空中でスペリオンスラッシュを連続で放つ。
ヒッポリト星人が頭部の三つの突起からヒッポリトビームを放つ。
ビームは飛んできたスペリオンスラッシュを迎撃。
続けて目からヒッポリトアイライフルを放つも、既にオーブダークはそこにはいなかった。
「らあ!」
オーブダークの拳が命中。
一時的に怯むヒッポリト星人。
その隙にオーブダークは背後に回り込み、頭頂部の突起を掴んだ。
パワータイプの力を一時的に引き出して筋力を強化して拘束。
反対の手にスペリオン光輪を持ち、ソレで左の突起物を切り落としながら腕に切り込みを入れた。
「ぎゃあ!!?」
悲鳴をあげるヒッポリト星人。
血が噴き出し、皮と肉が裂ける。
即席で作った物のせいか、切れ味は本来のソレより悪かった。
そんなのお構いなしにオーブダークはスペリオン光輪をさらに食い込ませようとした。
「離せ!」
「が!?」
ノズル状の口を伸ばし、オーブダークに炎を浴びせるヒッポリト星人。
ソレによって手を離してしまい、ヒッポリト星人はその間に拘束から抜け出した。
「よくもやったな!」
腕を発熱させて接近戦を仕掛けてくるヒッポリト星人。
オーブダークも赤黒い光を両腕に纏って応戦。
数発殴り合いを繰り広げてぶつかり合い、そのまま取っ組み合いのような状態になった。
「(今だ!)」
この状況をヒッポリト星人はチャンスと捉えた。
ウルトラマンは腕で光線技を使う。
二つとも塞がれた今、使用出来る技は限られる。
ヒッポリト星人は目から光線を撃とうとした。
「らあ!」
瞬間、オーブダークはヒッポリト星人を投げ飛ばした。
パワータイプの力を使って筋力を一時的に上げる。
投げられたヒッポリト星人は上空から降って来た円柱形の何かに叩きつけられ、そのまま破壊した。
「やっぱ使って来るか、ヒッポリトカプセル」
その円柱形の物体はヒッポリトカプセルだった。
オーブダークを戦闘に集中させ、不意を突いてカプセルに入れる作戦。
あわよくば実力で倒し、倒せなくてもカプセルで無力化。この二段構えでオーブダークを倒す算段であった。
だが、ソレを看破されてしまった。
明らかに状況はヒッポリト星人が不利。
だというのに、その目には失意や落胆などは感じられなかった。
「(やはりここまでしても仕留められないか。なら、これはどうだ!?)」
突如、ワームホールがヒッポリト星人の背後から展開される。
そこから撃ち出される破壊光線。
ソレはオーブダークに命中…しなかった。
「な、なんだこれは!?」
光線はオーブダークの背後に現れた怪獣、エースキラーに命中した。
耐えようとするエースキラー。光線に突き飛ばされながらも踏ん張り、エネルギーを吸収しようとする。
『スペリオン光線』
熱線に合わせてオーブダークが必殺の光線を繰り出した。
二つの光線を同時に食らうエースキラー。
流石に耐えきれずクリスタルに罅が入り、やがてエースキラーは爆散した。
「………は?」
ヒッポリト星人はきょとんとした。
何だ?何が起こった?一体何が爆発したんだ?
エースキラーが爆発した?どこから光線が飛んできた?
「早かったな。もっとゆっくりしててもよかったんだぞ?」
『うっせえ!すぐ終わっちまったんだよ!』
ワームホールから怪獣が現れた。
礼の使役怪獣、ゴジラ。
ワームホールの中から光線を放った怪獣である。
「(一体……どうなっている?)」
終わった?超獣二体を相手に?たった三十秒ほどで?たかが田舎星の怪獣ごときが?
というかコイツはいったい何処から現れた?ここは異次元空間だぞ?普通入れないだろ?
「………あり得ん!」
認識を拒むヒッポリト星人。
しかし優秀な頭脳は嫌でも理解してしまった。
この怪獣は超獣を倒したのだ。
二体がかりを、たった三十秒ほどで。
その後、異次元を突破し、エースキラーを一撃で倒した。
無茶苦茶だ。
怪獣より強い超獣を、ウルトラマンより強いキラーを倒した。
ヤプールや超獣しか持ちえない異次元移動を行った。
こんな真似、ただの怪獣に出来るものではない!
否定したいが、それ以外考えられない。
あのレイオニクスの怪獣は無傷。超獣とのリンクは消え、現にこうしてエースキラーを倒した。
認めざるを得ない。この怪獣は圧倒的に強いと。
ヒッポリト星人の推測は正しいが一つ間違いがある。
異次元移動に関しては礼の能力だ。
ヤプールを絶滅寸前に追い詰めたレイオニクス
その力を引き継ぐ彼にも当然異次元移動の能力はある。
まあ、ソレは今際どうでもいいことだが。
「(これを使うしかない!)」
ヒッポリト星人がダークリングを翳す。
途端、体から黒い靄のようなものが掛かり、巨大化しながら姿を変えた。
究極超獣Uキラーザウルス。
エースキラーのような頭部に、青と金で構成された配色の刺々しい身体。
触手の先端、歪に大きな手、胸の発光体等、Uキラーザウルスは各所にエネルギーを集中させた。
『成る程、短時間しか維持出来ないから一発で仕留めるつもりか。だったら…』
オーブダークは変身を解き、礼に戻った。
「ゴジラ、一発でかいのをかませ!力比べだ!」
『へへっ!了解!』
ゴジラも巨大化する。
50m級から100m級へ。
このサイズがゴジラ本来の大きさ。
今まではウルトラ怪獣と戦う為サイズを合わせていたのだ。
尻尾をアンカーのように地面へ突き刺す。
背びれが青白い光を放ち、口内にエネルギーが集中。
溢れるエネルギーだけで周囲の温度が急上昇し、空気が歪んだ。
ビィィィィィ!!!
撃ち出される怪獣たちの光線。
勝った、Uキラーザウルスの中にいるヒッポリト星人は己の勝利を確信した。
Uキラーザウルスは全ての発射口から、ゴジラは口からビームを撃っている。
銃口の数、チャージ時間、そして光線の大きさ。それらはUキラーザウルスの方が上。
たとえあの怪獣がどれほど強くても、このアドバンテージは簡単には覆せなまい!
より多い方が勝つ。物量こそ最強。このまま潰してやる!
二つのビームはぶつかり合い………。
ゴジラの熱線が、Uキラーザウルスのビームを貫いた。
「…………は?」
ヒッポリト星人が気づいた瞬間には、ビームに貫かれていた。
何故だ、そんな疑問が浮かぶ前に結論が先に出た。
なんてことはない、ゴジラの方が強かった。ただソレだけである。
Uチャージ時間が長かろうが、銃口が多かろうが、光線が大きかろうが。
ソレを圧倒的に上回る程ゴジラの熱線の質と威力が強かった。ただソレだけだ。
「(強…すぎる!?)」
やっと、ヒッポリト星人は力の差が理解出来た。
しかしもう遅い。
熱線に焼かれ、礼のバトルナイザーに吸収された。