※この作品はR-18です。

怪獣娘隷属化計画   作:大枝豆もやし

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アイアントラ―

 

 次の怪獣が召喚された。

 エレキングと改造ベムスター。

 両者は召喚されたと同時、即座に攻撃へ移った。

 エレキングは口から三日月光線を、改造ベムスターは目、角、そして腹からベムスターベームを撃ち出す。

 光線の数は改造ベムスターが圧倒的に優位。だが、エレキングはそれらを避けながら的確に三日月光線を撃ち出していく。

 

「(何だあのエレキング!?異様に射撃と回避がうまいぞ!?)」

 

 エレキングの猛攻に戸惑うガッツ星人。

 手数はこちらが多いのにうまい具合に避け、対するむこうはいい感じに光線を撃っている。

 このままでは埒が明かないと判断したガッツ星人は、改造ベムスターに接近戦を命じた。

 命令通り接近しながら光線を出し、角で突進する改造ベムスター。

 エレキングはソレをサイドステップで回避。振り向き様に尻尾を振り回して迎撃しようとするが、改造ベムスターは着地して振り向き様に爪を振り回し、ソレを弾き飛ばした。

 ソコから繰り広げられる接近戦。エレキングは電撃ビンタを、改造ベムスターは爪で応戦。最初は互角だったが、電流によって改造ベムスターの動きが徐々に鈍り始めた。

 

「今だエレキング!大放電!」

 

 礼の指示通り、最大出力の電撃を浴びせるエレキング。

 だが、そこで思わぬ事態が発生した。

 

「改造ベムスター、その電撃を吸収して跳ね返せ!」

 

 改造ベムスターがエレキングの最大出力電撃を吸収し、吐き出した。

 吸引アトラクタースパウト。

 あらゆるエネルギーを吸収し、己の養分に変えるベムスターの特殊な消化器官。

 コレを応用する事で敵の必殺技を吸収して跳ね返すという必殺技殺しを改造ベムスターは行ったのだ。

 だが、礼はその上を行く。

 

「エレキング、その電撃を吸収しながら尻尾を巻きつけろ!」

 

 礼の指示通り、エレキングは改造ベムスターに自身の長い尾を巻きつける。

 電撃を吐きだす際中で動けない目標をあっさりと捕獲。

 吐き出された電流がエレキングの角に吸収され、全身を通って尻尾から改造ベムスターの身体へと流されていった。

 

 改造ベムスターが吸収出来る攻撃は、純粋なエネルギー攻撃のみ。

 物理攻撃、或いは物理攻撃を伴うエネルギーや物理属性のエネルギー攻撃などは吸収出来ない。

 そして何よりも、吸収攻撃は何もベムスターの特権ではないのだ。

 

「ぐぎゃあ!!?」

 

 最大出力…否、最大以上の電撃。

 敵の攻撃を跳ね返しながら自身の電撃を流す事で、普段以上の出力を可能とさせた。

 その一撃によって改造ベムスターは爆散。礼のバトルナイザーに吸収された。

 

 圧勝。

 三体全ての怪獣を礼は倒した。

 

 

 

「ば、馬鹿な…!?」

 

 ガッツ星人は目の前の出来事が信じられなかった。

 全敗。

 自身の操る最強の怪獣が、三回戦全て負けた。

 あり得ない。

 ブラックキングは兎も角、他の怪獣は明らかに自分が上。改造ベムスターに至っては超獣よりも強い筈。なのに何故!?

 

「(まさか…全て計算してたのか!?)」

 

 一つの仮説がガッツ星人の脳裏に浮かぶ。

 あのレイオニクスは全て計算の上でやっていたのだと。

 

 レッドキング。

 弱った演技で大技を誘い、得意な接近戦に持ち込んだ。

 レッドキングにそんな知能はない。あのレイオニクスのせいだ。

 

 ブラックキング。

 最初はブレス対決だと読んで煙幕を使い、光線を回避。

 同時に懐に潜り込んで得意の接近戦に持ち込み、最後はマッハで飛ぶベムラーを正確に撃ちぬいた。

 ブラックキングにここまでの知能と射撃の正確性はない。あのレイオニクスのせいだ。

 

 エレキング。

 飛行出来ない上に手数はベムスターが上。明らかに優位だったのに回避力と射撃の正確性で互角にやり合った。

 最後の反射された電撃をさらに反射したのも最初から計算の上。尻尾も予め巻きつけられるよう用意していたのであろう。

 エレキングにそんな知能と能力はない。あのレイオニクスのせいだ。

 

 全て計算の上。

 どう動くが予め予測し、その上でカウンターを合わせた。

 その上怪獣操作の腕もいい。でないと格上である改造ベムスターの攻撃を避けながら光線を当て、縦横無尽に飛ぶ青い球体に熱線を当てらえるわけがない。

 

 怪獣使いとして格上。

 プライドが高いガッツ星人にとって認めがたい話だが、いい加減に向き合わなくてはならない。

 

「(もう、これを使うしかない!)」

 

 ガッツ星人は使い捨てのダークリングと怪獣カードを取り出した。

 

「(ま、そう来るな)」

 

 礼もまた、本物のダークリングと悪トラマンカードを取り出す。

 

 

 

『アントラ―!』

 

『ガルラ!』

 

 

『フュージョンアップ!アイアントラー!』

 

 

 

 闇の奔流と共に、巨大な怪獣が現れた。

 アントラ―をよりシャープかつメタリックにしたようなデザイン。

 全身を頑強な鎧に覆われ、大顎はギラファクワガタのようになっている。

 

「へえ、やっぱお前も持ってたのか」

 

 対する礼もウルトラマンに変身。

 闇の奔流が巨人の姿となり、オーブダークスペシウムゼペリオンとなる。

 

「その姿はウルトラマン…いや、ウルトラマンを模した闇の力か」

「そういうこと。で、続けるか?」

「無論だ!」

 

 礼の挑発にガッツ星人―――アイアントラーは乗った。

 

「くらえ!」

 

 向かってくるアイアントラー。

 鋭く硬い三節棍のような尾をオーブダークに振るう。

 上半身を反らすだけでソレを避けるオーブダーク。

 避けきると同時、今度は大顎で挟もうと接近。

 瞬間、オーブダークは上半身を戻す勢いを乗せた拳をアイアントラーに叩きつけた。

 

「硬!?」

 

 カウンター気味の拳。だというのに、アイアントラーにダメージを受けた様子どころか、怯んだ様子すらなかった。

 むしろ殴ったオーブダークの方がダメージを受けている。

 

「この!」

 

 攻撃を続けるオーブダーク。

 パワータイプの力を発揮したラッシュ。。

 腕を振りまわしてフック気味の拳を数発叩きつけ、ヤクザキックをぶちかます。

 重く響くような拳と蹴り。

 しかし、その全ての攻撃にアイアントラ―は効いた様子を見せなかった。

 

「今度は私の番だ!」

 

 アイアントラーが角から虹色のビームを出す。

 ガルラの角からの熱線と、アントラ―の磁力光線が合わさった一撃。

 オーブダークはスカイタイプの能力でジャンプ力を強化し、光線を飛んで回避した。

 

「らあ!」

 

 アイアントラ―の背後に着地し、後ろから拘束。パワータイプの力を使ってバックドロップを繰り出した。

 派手な音と土煙を上けあげながら地面に叩きつけられるアイアントラ―。

 まっ逆さまで地面に突き刺さったというのに、アイアントラーは平然としていた。

 更に、逆さまの状態で光線を発射。追撃を掛けようとしていたオーブダークを牽制することに成功した。

 

「があ!?」

 

 光線を受けて怯むオーブダーク。

 対するアイアントラーは悠然とした様子で立ち上がる。

 

「ック!」

 

 物理がダメならビームはどうだ。

 そう言いたげにオーブダークは光線技を放つ。

 スペリオンスラッシュ。手裏剣型の光弾を連射した。

 だが、アイアントラ―は無反応。攻撃など無いかのように進んでいった。

 

「ッチ!」

 

 オーブダークの攻撃が一切効いてない。

 その事に焦りを感じたのか、オーブダークは次々と技を繰り出した。

 

 スペリオン光輪―――効いてない。

 直撃するも全く歯が立たず、パリンとガラスのように砕けた。

 

 スペリオン光線―――効いてない。

 直撃して爆発が起こるが、何事もなかったかのように現れた。

 

 スペリオンアタック光線―――効いてない。

 直撃して食らい続けるが、悠然と突っ切って進んでいった。

 

 全ての技が効かない。

 物理攻撃だけでなく、光線技にもアイアントラーは鉄壁であった。

 

 

 今度はアイアントラ―が攻勢に回す。

 

 角からの磁力光線―――躱す。

 攻撃直後で動けないオーブダークに光線を放つも、上体を捻ってそれから免れた。

 

 口からの火炎放射―――避ける。

 身体を捻って動けない状態のオーブダークだが、躱した際の勢いを利用して側転。炎から逃れた。

 

 鋏によるギロチントゥース―――捌く。

 接近してきたアイアントラ―が大顎で切断しよとするが、掌底をアッパーのように突き上げてソレを防いだ。

 

 

 どちらも攻撃が効かない。

 オーブダークの方がスピードもテクニックも上。アイアントラ―の攻撃を全て避け、全て捌いて対処する。

 アイアントラ―の方が圧倒的に防御力が高い。オーブダークの攻撃が一切効かない。

 千日手。このままでは埒が明かない。よって、次の手を考える必要がある。

 

「なら、これならどうだ!?」

『アクティブ発動!レッドキング!』

 

 レッドキングの能力を解放し、アイアントラ―の鋏を掴む。

 ミシミシと音を立てて罅が入り、豪快にへし折った。

 

「な、何だと!?」

 

 狼狽するアイアントラ―。

 先程まで一切攻撃が通じなかった。なのに何故一番堅いこの角を易々と折れるようになった!?

 ガッツ星人の脳裏に疑問が浮かぶが、そのことについて考える暇はない。何故なら、眼前の敵はソレを許してくれるような人間ではないのだから。

 

「ぎゃあ!?」

 

 オーブダークが折った角をアイアントラ―の目に突き刺さした。

 視力を奪われ、激痛に呻くガッツ星人。

 その間に礼は次の手に出る。

 

『アクティブ発動!ブラックキング!』

 

 オーブダークが掌底を繰り出す。

 砕くような拳ではなく、響くような掌。

 ソレは堅牢な外骨格を通り抜け、内部にダメージを蓄積させていった。

 

「(な、何だ?何なんだ!?)」

 

 闇の中で混乱するガッツ星人。

 無敵の防御力を誇るアイアントラ―の外殻。

 これによってさまざまな攻撃を防ぎ、敵を倒してきた。

 現に、さっきまであのウルトラマンの攻撃を防いだではないか。

 なのに何故今になって!?

 

『アビリティ発動!ゴモラ!』

 

 オーブダークが掌底と共にビームを叩き込む。

 ゴモラ超振動波。

 対象に直接ビームを含んだ衝撃波を叩き込み、内部から崩壊させる。

 岩盤を破砕して液状化させるという本来の用途に近い攻撃法である。

 

『ぐあああああああああああ!!?』

 

 爆散。

 内部から破裂したアイアントラ―は光となって礼のバトルナイザーに吸収された。

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