ローランはマグマ星人から逃れるために俺の怪獣になったらしい。
マグマ星人も侵略連盟の一人であり、性格は残虐で傲慢。数々の悪逆を行ってきた極悪宇宙人だという。
また、マグマ星人は怪獣コレクターでもあり、珍しい怪獣の宇宙鶴を狙っているそうだ。
そんな奴の怪獣に使役されたくないと彼女はこの星まで逃げてきが、逃亡生活にも限界がある。よって善良な怪獣使いに庇護を求めた。
「で、その善良な怪獣使いが俺だと?」
ローランが座っていた雑木林。
そこで俺は何がったのかローランに事情を聴いた。
「ええ。貴方様は強き悪を挫き、弱き善を助ける最高のレイオニクスだと聞きました」
「誰だそりゃ。かすりもしてないぞ」
殺したかった奴が悪党ばっかりで、助けたかった奴が善良な奴だっただけだ。別に正義の味方を気取ったつもりはない。
「確かに聞いた話とは違いましたが、貴方は最高のレイオニクスです」
眼をハートにして、ローランは俺の腕に抱き着く。
その瞬間、ローランがいた雑木林に何かが不時着したのを察知した。
『貴様!よくも俺の宇宙鶴を奪ったな!?』
ソレはさっきまで話してたマグマ星人だった。
てか何で俺がローランをバトルナイザーに取り込んだこと知ってるんだ?
『ローランには他の誰かが手を出したらすぐ分かるようにしている!しらばっくれても無駄だぞ!』
・・・そういうことかよ。
「そうか、じゃあ仕方ないな」
ローランをバトルナイザーに戻し、ゴジラを召喚しようとする。。
途端、他の怪獣が反応した。
「やってみるか?」
『キシャー!』
『『バトルナイザー!モンスロード!』』
バトルナイザーが起動し、二体の怪獣が召喚された。
ゴモラとブラックキング。
二体の怪獣は向かい合い臨戦態勢に入る。
先に動いたのはマグマ星人のブラックキング。
ブラックキングは角を突き出して突進してきた。
遅れてゴモラも突進。
二体の怪獣がぶつかり合う。
「何!?こっちが先に動いたんだぞ!?」
勝ったのはゴモラ。
その結果にマグマ星人は驚く。
ブラックキングは角で30万tタンカーを放り投げるほどの怪力を誇る。
更に、動き出しで先に加速がついて突進の威力が増していた。
なのに何故ブラックキングが力負けしている!?
「クソ!ブラックキング!」
マグマ星人が攻撃命令を出す。
力負けしたと言っても少したたら踏んで下がっただけ。大したダメージはない。
指示通りブラックキングが攻撃を開始。
鋭い金色の爪が生えた剛腕を振り回す。
顔面を狙ったソレを、ゴモラは軽く下がって避けた。
回避と同時、首を振って三日月型の巨大な双角を叩きつけた。
「!?」
驚きとダメージで怯むブラックキング。
しかしすぐさま立ち直ってラリアットを繰り出す。
ゴモラは右腕を使ってソレをパーリング。
更にカウンタのー爪撃を叩き込み、相手が怯んだ隙にワンツーと爪撃を繰り出し、スリーで飛び上がって両手の爪撃を振り下ろした。
突進と頭突きのダメージも相まって、ブラックキングは堪えた様子を見せた。
だが、この程度でブラックキングは倒せない。
かつて、別個体ではあるがスペシウム光線やウルトラブレスレットを耐えきったのだ。
少しいい攻撃を貰った程度で倒せるような敵ではない。
口からマグマ光線ヘルマグマを吐く。
しかしゴモラはサイドステップでソレを回避。
着地と同時にその場で高速回転。強烈な尾の一撃を振るった。
「がぁ!?」
直撃。
巨岩がぶつかったような音を響かせる。
尾はブラックキングの腹に命中して吹っ飛ばした。
ブラックキングが尻尾を振り回す。
金色の棘が生え強力な尾撃。
ゴモラはソレを腕で受け止めた。
上から払い落として威力をある程度落とし、腹で受け止める。
そして止めた尾をがっちりとホールド。投げ飛ばそうと力を籠める。
「負けんなブラックキング!そのまま尻尾でぶっとばせ!」
マグマ星人の指示通り、負けじと力を籠めるブラックキング。
そのタイミングでゴモラは尾を離し、行き場を失った力が暴走してブラックキングは前のめりに倒れてしまった。
「今だゴモラ!尻尾を叩きつけろ!」
礼の指示に応えるかのように、ゴモラは咆哮をあげて尻尾を振ろ降ろした。
尾は立ち上がろうとして隙だらけだったブラックキングに命中。
また地面に叩きつけられ、中途半端に浮いていたせいで余計にダメージを食らった。
何度も尻尾を振り下ろすゴモラ。
うまい具合にブラックキングの背中や尾の棘が当たらないよう角度を調整し、確実にダメージを与えていく。
ブラックキングは反撃も出来ず、ただ叩き伏せられていた。
「(な…なんだこのゴモラ!?強さも動きも他のゴモラと全然違うじゃねえかよ!?)」
ゴモラの強さにマグマ星人は戦慄した。
確かにゴモラはそれなりに強い。
かつてはあのウルトラマンでさえ退けた。
だが、ブラックキング程ではない。
ブラックキングはウルトラマンを倒した怪獣なのだ。
ナックル星人と一緒だったとはいえ、ナックル星人の策略でウルトラマンが弱っていたとはいえ。一度はウルトラマンを倒したのだ。
明らかにブラックキングがゴモラより強い。だというのに、何故ブラックキングの方が追い詰められている!?
「いつまで寝てんだこの愚図が!さっさと立ち上がれ!」
「ぐ…ぐおおお!!」
マグマ星人の指示に従ったのか、それとも用心棒怪獣としての意地なのか。
ブラックキングは力を振り絞って立ち上がった。
立ったと同時にブラックキングは口から煙幕を吐く。
一か八かの逆転を狙って、煙幕に紛れて奇襲を仕掛けるつもりだ。
これが当たればこれまでの流れを持っていかれるかもしれない。だが、逆を言えば、相手を追い詰めているということ。よってここで一気に決める!
「そこだ!ゴモラ、超振動波だ!」
煙幕で何も見えない中、礼が指示した方角に向かって角を突き出す。
超振動波をチャージし、いつでも出せる状態にして。
「がギャア!?」
突き刺さるゴモラの角。
同時に角からブラックキングの体内へ、超振動波が直接叩き込まれた。
大爆発。
倒されたブラックキングはデータとなってマグマ星人のバトルナイザーではなく、礼のバトルナイザーに取り込まれた。
このレイオニクスバトルでは、敗者の怪獣は勝者のバトルナイザーに取り込まれる仕組みになっているようだ。
「(な…なんだあのゴモラ!?前戦った時はあんなんじゃなかっただろ!?)」
マグマ星人は戦慄した。
なんだあのゴモラは。以前よりも大分強くなっているではないか。
あのゴモラには見覚えがある。
間違いない、同じ侵略連盟のバルタン星人が使っていたゴモラだ。
以前戦った際はあんなに器用で効率的な戦い方をしなかった。
ならば何故急に強くなった?―――答えは既に出ている。
「(あのレイオニクスのせいか!?)」
使役怪獣の強化度合はレイオニクスの実力によって異なる。
優れたレイオニクスであるほど強化度合は当然大きくなる。
間違なくあのレイオニクスはバルタン星人よりも格上。
奴がゴモラを使うなら、当然以前より強くなる。
動きが違うのもそのせいだ。
優れたレイオニクスは怪獣とリンクする事で、怪獣そのものになっているかのように操る事が出来る。
人間がウルトラ戦士に変身するのと近い状態。
要は疑似的に変身して闘っているようなものだ。
あんな動きは怪獣には出来ない。
この男がリンクを通じて操ったからこそ出来る芸当だ。
「………強いな」
かなりのレベルのレイオニクス。
レイオニクスとしてのパワーも、怪獣操作の実力も。全てが他のレイオニクスを圧倒している。
真っ向勝負では勝てない。
ならば、堂々と正面からやらなければいい。
相手が実力を発揮できないよう妨害し、逆にこっちは最善の状況になるようにすればいいのだ。
「来い!レッドキング!エレキング!」
「? 二体同時操作だと?」
マグマ星人は二体の怪獣を同時に召喚する。
礼が言うような操作するつもりはない。
この怪獣はただ暴れてもらうだけだ。
トドメは自分でやる。
マグマ星人はバトルナイザーを捨て、代わりにダークリングを取り出した。
『メルバ!』
『ドラコ!』
『ヒュージョンアップ!スカイメルバ!』
マグマ星人は怪獣へと変貌した。
スカイメルバ。
ドラコをベースにメルバが合わさったかのような姿。
体形は以前よりスリムに、体表はより硬質的に、翼はより大きく変化。
嘴と両手の鎌は、より鋭く強い武器となっている。
「ふ~ん、アイツもダークリング持ってるのか。じゃ、俺も…ん?」
礼もダークリングを取り出して変身しようとする。
瞬間、礼のバトルナイザーにゴジラが映し出された。
俺も戦わせろ。そう言っているかのように吠えていた。
「そうか、分かった。じゃあ行くぞ…え、違う?」
要望通りゴジラを召喚しようとするが、ゴジラは拒否の意を見せた。
『アイツを戻せ!俺が全部まとめてぶっ飛ばす!』
『え!?』
・・・ああ、そういうことか。
『でも一人で大丈夫?相手三体もいるんだよ?』
『あ?あんな奴ら俺一人で十分だよ。いいから引っ込んでろ』
俺を通じてテレパシーで会話する怪獣二人。
しかし一人二人って、まあ擬人化したから怪獣でも一人ってカウントするのか。
『まあいいや。私も疲れたし。じゃあ休むね~』
『おう、後は俺に全部任せろ』
バトルナイザーにゴモラが戻る。
ソレと入れ替わる形でゴジラが召喚され、レッドキングとエレキングへ向かって突っ込んでいった。
「じゃ、俺もやるか」
『ウルトラマンダーク』
『シャア!』
『ウルトラマンティガダーク』
『ティア!』
「闇の力、奪わせてもらうぞ」
『フュージョンアップ! ウルトラマンオーブダーク!スペシウムツェペリオン!』
闇の奔流と共に、オーブダークとなった礼が現れる。
オーブダークはスカイメルバ目掛けてビームを放った。
しかし、スカイメルバはソレを回避。翼を広げて上空に逃げた。
「シャア!」
掛け声と共に上空へ飛行し、スカイメルバを追った。