※この作品はR-18です。

ペルソナ5R(レイプ)   作:しあっと

103 / 105
103話

11/28

芳澤の情報はまだ上がっていない。

家に遺書もあることだし、自殺や家出として処理されるだろう。

丸喜の例が証明する通り遺体も出てこないはずだ。

俺に辿り着けはしない。

 

怪盗団は順調にパレスを攻略中のようで、このペースだとタイムリミットまでに問題なく予告状を出すところまで行けそうだ。

明智が死んだ今、黒幕に関しての優先度は低い。

パレスがあるという事はペルソナを持っていないのだろうし、どうとでもなる。

むしろ俺に有利に運ぶのなら協力してやっても良いぐらいだ。

 

残るは明智の力、精神の暴走だがパレマクリア曰く問題なく使えるが効果までは確かめない事にはわからない、らしい。

しかし、今の情勢で試す訳にもいかず、もし何かで使用する事になれば効能がよく分からないまま使用する事になる。

しばらく封印しておいた方が無難だろう。

 

 

12/4

怪盗団はパレスの攻略を完了し、残すは予告状を出して最終決戦へ臨むのみとなった。

肝心の予告状に関しては佐倉がビルなどに設置されている大型ディスプレイの映像をハッキングし人々の手によって拡散させる事で予告状の代わりとする策が取られた。

今更だが、佐倉の電子戦の能力は目を見張るものがあった。

佐倉を放置していた時の事を考えると背筋が冷える。

いままで俺にしては上手くやってきたと思うが、それでも過去の勝利は薄氷の上のものだったのだと改めて実感する。

 

 

12/5

怪盗団はいよいよ全ての黒幕、獅童正義と決着をつけにパレスへと向かった。

そこで怪盗団を襲っても良かったが、明智の乱入を警戒して気を張っているので今回は見逃す事にする。

獅童が改心するもしないも、俺にとっては詮無きこと。

俺の勝利はそこには無い。

 

奥村、佐倉からの連絡が入る。

改心は成功。

怪盗団の勝利。

またしても正義は勝ったらしい。

 

さあ、どうやって雨宮を仕留めるか。

 

 

12/18

タイムリミット、総選挙の開票日。

獅童は大方の予想通り、国民の支持を集め当選となった。

しかし、改心は間違いなく成功していた。

 

『奥村氏が他界したのは...。いや、氏を葬ったのは私です.......』

 

獅童は怪盗団の目論見通り全てを告白していった。

放送の途中で画面が切り替わり、中継は終わった。

政界は混乱に包まれることだろう。

廃人化事件に裏打ちされた絶大な権力を持っていた獅童は倒れた。

これから獅童を発端とする政界の汚泥が噴き出し、その波に乗れた人間が次の総理になるのだろう。

それがこの国の為になるのかは置いておいて、何はともあれ怪盗団の勝利でこの件は幕を閉じた。

雨宮も明日からは登校するらしい。

 

 

12/19

昼休みに雨宮を見つけ、生徒会室へと連れていく。

 

「怪盗団の勝利、おめでとう」

 

「ああ」

 

雨宮の顔は少し不安げだ。

獅童の件がメディアであまり取り沙汰されなかった事か、それとも。

 

「新島さんの手がかりは見つかった?」

 

「すまない、まだ何も。ただ、新島冴、真の姉が動いてくれている。きっと帰ってくる」

 

「確か検察の人なんだってね。獅童からの話も聞けるだろうし何か分かるといいんだけど」

 

新島真の情報はいまだにゼロ。

もう死んでいることも、俺が殺したことも、何も知られていない。

俺へと辿り着くことはなさそうだ。

最有力の候補として、もう一人の黒い仮面の男を疑っているのは確かだろうが、それに関しても奥村社長の一件から姿を現していない。

 

「獅童の逮捕に関しても新島冴が動いている。きっと逮捕までいけるはずだ」

 

「あの新島さんのお姉さんが動いているんだ、きっと獅童も簡単には逃げ切れないだろうね」

 

あえて冷静に返した。

ここで雨宮を糾弾するメリットは薄い。

 

「獅童は問題ない。その取り巻きが厄介だ。今も裏では検察の妨害をしているらしい」

 

「...そうか」

 

深刻そうな表情をつくる。

取り巻きにはそのまま邪魔をし続けて、新島冴を疲弊させてくれれば良い。

異世界の存在が認められなければ逮捕なんてそうそう出来はしないだろうし、獅童に喋られると困る連中は多いだろう。

 

「大丈夫だ。俺たちがどんなに時間が掛かろうと真実を掴んで、真を見つけてみせる」

 

雨宮の決意に満ちた目を見て、俺は心の中で冷たい笑みを浮かべた。

純粋だな。

きっとリーダーとして責任を感じているんだろう。

全ては無駄だ。

死体にだって会うことはない。

 

「期待してるよ。何か手伝えることがあったら言ってくれ」

 

「頼りにしている。昼休みも終わるし、俺はそろそろ戻る」

 

「そうだね。話に付き合ってくれてありがとう」

 

雨宮が去っていく背中を見送りながら深く息を吐いた。

雨宮が去り、生徒会室に静寂が戻る。

椅子に腰を下ろし、机に肘をつきながら視線を窓の外に向けた。

 

「さて、これからどうするか」

 

獅童が乱心した事件は裏で誰かが動いているのか不思議なほどメディアで取り沙汰されていない。

怪盗団はきっと、その原因を取り除こうとするだろう。

しかし、怪盗団がいくら動こうと、この世界の構造は変わることがない。

別の誰かがまた隠蔽に贈収賄に恫喝に、とあらゆる手管を使って収集を図る。

 

次に動くときはそう遠くない。

その時まで怪盗団の良き理解者として振る舞ってやろう。

全てが思惑通りに進むように。

 

 

 

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