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今日は朝から緊急の朝礼があるらしい、恐らく自殺未遂を起こした生徒についての決着がついたのだろう。
どうせマスコミに勝手なことをしゃべるなとかそういうたぐいの話だろう。
体育館に学年別に集まり、校長の話が始まるのを待つ。
生徒たちはダルそうにしていたり、周りの友人と話していたりで、集会に関心がる生徒はほぼいない。
やがて校長が前に立ち話を始める。
「前校朝礼を始めます。先日痛ましい事件が起きたのは皆さんもご存じのとおりです。」
やはり朝礼の主題は自殺未遂のことらしい。
「幸い一命はとりとめたと聞いていますが、回復には時間がかかるということです。。君たち若者にもう一度考えてほしいのは、命の尊さ」
校長がどうでもいい説教を垂れていると、体育館の戸が開き、そこからずっと休んでいた鴨志田が入ってきた。
「鴨志田先生どうし...」
校長も鴨志田が来ることは予想外だったらしく、面食らっている。
「私は、生まれ変わったんです。だから皆さんにすべてを告白しようと思います。」
そういって鴨志田はステージのほうへと歩いて行った。
「私は教師としてあるまじきことを繰り返してまいりました。」
鴨志田は神妙な面持ちで語りだす。
「生徒への暴言、部員への体罰。そして...女子への性的な嫌がらせ。鈴井志帆さんが飛び降りたのは、私が原因です」
驚きの言葉が飛び出す。
鴨志田はあのパレスの主なのは確かだが、ただ部員のことをいたぶっているだけかと思っていた。
セクハラまでしているのは予想外だったし、自殺未遂を起こすほどとなるとやることをやってたのかもしれない。
「私はこの学校を自分の城のように思っていた」
鴨志田は膝をつきながら続ける。
「気に入らないという理由だけで退学を言い渡した生徒もいます。もちろんそれは撤回します」
「私は傲慢で、浅はかで... 恥ずべき人間、いや人間以下だ」
「死んでお詫びします」
鴨志田はステージ上で土下座をする。
これは、怪盗団がパレスからオタカラというものを盗み出したから起こったことなのだろうか?
それまで何も悪びれていなかった人間が、いきなり休みだし復帰したと思ったら罪の意識に耐えられなくなり、告白を始める。
明らかに不自然だ。
『怪盗団の仕業だろうな。パレスの核を盗み出すとこのようなことが起きるとは。我も初めてだ』
土下座をする鴨志田に事態の収拾をしようとする校長、ザワつく生徒とんでもない有様だったが、そこに声が響く。
「逃げるな!」
「志帆だって、死にたいほどの事件の続きをちゃんと生きてる!」
高巻がなにごとかを叫んでいる。
「あんただけ、逃げないで!」
「その通りだ、まったくその通りだ。私は、きちんと裁かれ罪を償うべきだ」
高巻の言葉が響いたのか、鴨志田は高巻についての余罪を告白し始めた。
「私は、高巻さんにもひどいことをしました。鈴井さんにポジションを与えることを条件に、高巻さんに関係までも迫りました。」
高巻も被害にあっていたらしい。
それが理由で怪盗団に入ったのかもしれない。
「私は今日限りで教師の職を辞して自首いたします。どなたか、警察を呼んでくれ」
怪盗団は降りかかる火の粉を払った結果かそれとも何か大きな目的があるのか、鴨志田の心を変えさせこの学校から排除した。
怪盗団はこの先どうするのだろうか。
パレマクリアは管理者と統制の神との勝負だと言っていた。
ならば、怪盗団はこの学校だけにとどまらず、外にも活動を広げることになるのだろうか。
『おそらくそうなる。管理者と統制の神は大衆の本意を見極めるために怪盗団たちを戦わせるはずだ。自ずと大衆の目に触れる場所へと導かれるだろう』
だとしたら次のターゲットは誰になるのだろうか。
『怪盗団の本領を発揮するにはパレスがなければならぬ。鴨志田と同様、裏で悪事を働いている輩になるだろう』
だとしたら、次は学校外の有名人になるのか、これは監視が難しくなりそうだ。
心配事が増えるばかりだ。
心配事といえば芳澤は集会の途中で確認したところ、今日学校に来ているようだ。
レイプされた後に学校に来ているのは、真面目さ故か、再び記憶を失ったのか。
確かめておかなければならない。
もし、記憶を失っているようなら、対策を立てないと不味い。
まあ、特に思い浮かばないんだが。
とりあえず、今日も芳澤を呼び出すことにしよう。