※この作品はR-18です。

ペルソナ5R(レイプ)   作:しあっと

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32話

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放課後、丸喜に怪盗団関連の進捗があったか聞きに行こうと思い、保健室へ向かう。

進捗など本当はどうでもいいのだが、行かなければそれはそれで不信感を与えることになるかもしれない

 

保健室の前まで到着すると、ちょうど誰かがカウンセリングを終え、部屋を出る所だった。

 

「あっ、副会長。副会長もカウンセリングを?」

 

部屋から出てきたのは芳澤だった。

マズイと思ったが、意外にも態度は普通であった。

 

「そ、そんな所だ」

 

「私、先生が秀尽に来られる前からお世話になってるんです」

 

むしろ、雑談を振ってくるくらいの好感度はあるようだ。

おかしい。

いくら先生の前とはいえ知らないふりをして帰るのが普通だ。

また記憶が消えている?

なぜ?

 

「確か芳澤さんが生徒会の広報記事でインタビューを受けたんだったね」

 

消えているというより、書き換わっている。

マズいぞ。

このまま雑談に応じると、芳澤と俺の記憶違いが発生するかもしれない。

その拍子に思い出されでもしたら目も当てられない。

 

「ええ、特待生について少しインタビューを」

 

「完成したら読ませてくださいね。では、私はこれで。失礼します」

 

芳澤は綺麗な礼をして去っていった。

危ない所だった。

 

「じゃあ、入ろっか」

 

丸喜に促され保健室の中へと入る。

一息つきたい所だったがしょうがない。

丸喜に勧められ、椅子に座る。

 

「怪盗団について何か分かりましたか?」

 

お互いが椅子に座った所でいきなり本題を切り出す。

今は色々と余裕がない。

早く会話を済ませて逃げ出したかった。

 

「うーん。僕の方でもカウンセリングに来た生徒に聞いてみたんだけど正体に近づける様なものは出なかったよ。申し訳ない」

 

流石に一週間かそこらで正体まで分かるわけがない。

いや、ペルソナ使いなら分かるのか?

 

「あれから一週間しかたっていないですし、しょうがないですよ。僕なんて丸喜先生より前から調査してるのに、からっきしです」

 

話は終わったと、椅子から立ちあがろうとした時、丸喜から声をかけられる。

 

「せっかく来てくれたんだ、雑談でもどうかな?」

 

なぜだか、丸喜には有無を言わせない雰囲気があった。

再び椅子に腰掛け、雑談に応じる。

 

「ええ、良いですよ。予定があるわけでもないので」

 

「それはよかった。じゃあなにを話そうかな」

 

丸喜は顎に手を当て悩む素振りを見せた後、話し始める。

 

「せっかくだし君の話を聞きたいな。僕から誘っておいてなんだけど」

 

「僕の話ですか?なにを話したらいいのか」

 

丸喜はこちらに話を振ってくる。

カウンセリングの一環だろうか?

 

「そうだなぁ、じゃあ君は進学を希望しているんだよね。大学で何を学びたいとかあるかい?将来の夢とかでもいいよ」

 

「それが、なにも決まってないんです。何かに興味があるわけでもないですし。だから選択肢を増やすために推薦が欲しいんです」

 

なにも決まっていないのは本当だ。

実際のところ惰性で進学を選んだだけで、最悪そのまま就職してもいいかと思っている。

どうせ愉快で素晴らしい人生なんて送れないだろうから。

 

「そうなんだ。早く決めないといけないって言うのもプレッシャーになるだろうね。僕は大学に入ってからその先のことを決めるっていうのも悪くないと思うよ」

 

「そうなんですかね。決まれば良いんですけど、自信ないなぁ」

 

周りの人間は結構な割合で目標があって大学や専門学校を選んでいる気がする。

新島もその一人だろうと思う。

 

「大丈夫さ、君はまだ若いし、取り返しのつかないこと以外ではやり直しは何度でもきくさ」

 

丸喜は微笑みながら語りかけてくる。

 

「君は、親御さんの元を離れて一人暮らしをしているんだってね」

 

誰から聞いたのだろうか?

話した覚えはないが。

 

「ごめんよ、校長先生から雑談で聞いちゃったんだ」

 

口が軽い校長だ。

体は重そうなくせに。

 

「いいえ、大丈夫です」

 

「君は、沢山の不安を抱えているんだね。校長からのプレッシャー、進路の不安、家庭環境。親から離れたいのに庇護なしでは生きていけない息苦しさ」

 

「前に、衝動的になったり自暴自棄になる事があるって話してたね。こんな状態なら無理もないことだと思うよ。君には頼れる人がいないんだから」

 

丸喜は優しげな眼差しで見つめてくる。

 

「だからって、君が芳澤さんにした事は許される事ではない」

 

体が凍りついた。

コイツは知っているのか。

疑問が頭に溢れる。

芳澤が喋ったのか?

記憶が改竄されているのはコイツの影響か?

しかし、そんな事がただのカウンセリング出てきるわけがない。

ペルソナか!

 

「なんのことだか」

 

「誤魔化さなくて良い、本人から直接は聞けなかったけど大体のことはわかってるつもりだ」

 

マズいぞ。

どうする。

パレマクリアの力を使って制圧するか?

しかし、ここは一階で保健室だ。

暴れればすぐに誰か気づくだろう。

 

「この世界はあまりにも残酷で不幸で溢れている。君もある意味この世界の被害者と言えるだろう」

 

なにを言っているんだ?

これからなにが起こる?

 

「俺は、この世界で強くありたいと思った、誰の力も借りず自分の力だけで生きていこうって」

 

考える時間を稼げ。

コイツが知っているのは芳澤のレイプだけか。

知っているのになぜ通報しない。

本人が望んでいないからなのか。

 

「こんな自分になりたいって思うことは悪いことではないよ。君の場合はそう迫られたのが大きいのかもしれないけど。でもね、時には誰かに頼ることも必要だ」

 

『来るぞ、契約者』

 

何がだ。

ペルソナの攻撃か?

 

「人間はね、自分に暗示をかけてその通りに自分を変えて行く力があるんだ。だから君は、一人でも強い自分じゃあなくて、誰かに頼ることのできる自分をになるんだ」

 

何をするつもりだ。

 

「これからは君の生き方を大きく変えていこう。今までの自分がなくなるとしてもね。それが君の芳澤さんにやったことに対してのせめてもの贖罪だ」

 

視界が歪む。

何かが自分の中を掻き乱していく。

 

「どうかな、これからやっていけそうかい?」

 

何故だかスッキリとした気分だった。

悩みから解放されたような感じだ。

 

「なんだか、生まれ変わった気分です」

 

「そうか、ならよかったよ。僕ならいつでも話を聞くし、できる限り手を借すよ」

 

世界観が変わった気がする。

インドに行った学生の気分だ。

これがカウンセリングか。すごいな。

 

「ありがとうございます」

 

去り際に丸喜に声をかけられる。

 

「君はもう少し人に頼っても良いんだ。誰か頼りになる友人を作ることから始めよう」

 

そう言って今日は解散になった。

 

 

帰り道、何か忘れたことがある様な気がして、何度も足が止まる。

大事なモノだった気がする。

自分を満たしてくれる、とても楽しかったモノ。

 

『正気に戻れ!契約者!』

 

頭の中から声が聞こえた。

最近知り合った者の声な気がする、

 

『なにをしている!あのレイプに興じた日々を早く思い出せ!』

 

最悪かよ。

なんだレイプに興じた日々って。

人を害すると思っただけで強い拒否感がでる。

 

あれっ。

俺ってそんな人間じゃなかったはずだろ。

他人なんてどうでも良かったはずだ。

 

『そうだ。汝は女をモノより酷い扱いをしていたではないか!最近奥村をレイプした時など最高だったぞ!』

 

そうだ、奥村の腹を蹴り上げて、裸に剥いて写真を撮った気がする。

それも無理矢理。

何かがおかしい。

 

『正気に戻れ!』

 

新島、奥村、御船、芳澤、川上、全員レイプした。

そうだ。

俺が殴って無理矢理に犯したんだ。

思い出す。

彼女たちの痛みに喘いだ声を。

無様な泣き顔を。

川上は例外だが。なんとかして欲しい。

 

『ようやく戻ったか』

 

俺は、なにをされたんだ。

 

『ヤツのペルソナ能力だろう。記憶の改竄、人格の矯正、強力な能力だ』

 

強すぎだろ。

芳澤の記憶が書き換わっていたのもアイツのせいか。

どうすりゃいいんだ。

 

『芳澤にした事がバレ、精神が不安定になっておった。図らずしもそこを突かれることになったのだろう』

 

丸喜、奴は危険だ。

早急になんとかする必要がある。

 

 

 

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