※この作品はR-18です。

ペルソナ5R(レイプ)   作:しあっと

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44話

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今日は、件の吉田が演説をする日だ。

チャットに連絡が来ていたので、渋谷の駅前に向かうことにする。

 

「やあ、待っていたよ」

 

以前、吉田が演説していた辺りに到着すると、手を振りながら吉田が迎えてくれる。

 

「どうも、今日はよろしくお願いします」

 

「いやいや、私の方こそよろしく頼む」

 

そう言って、吉田は俺の手を取って握手をしてきた。

手をがっしりと握られ、微笑みながら此方と目を合わせながら手を上下に振ってくる。

 

今だな。

パレマクリア頼むぞ。

握手をしている間に、目を見つめる。

吉田も此方を見つめ返し、視線が交差した。

数秒経ち、パレマクリアから完了の合図を貰う。

 

少し不自然だったか?

手をお互いに握りながら、数秒見つめ合うのはおかしな行動だったかもしれない。

 

「うむ、やはり君の目は良い。なにか特別なものを感じるよ」

 

取り敢えずは大丈夫のようだ。

ちょっとゲイみたいな事を言っているが好感度が高い故だろう。

 

「早速だが、演説を始めよう」

 

吉田から安っぽいプラカードを渡され、呼び込みを始める。

まばらに人が集まってきたところで、吉田が演説を始めた、

 

「豊かに見える日本社会ですが...たくさんの若者は恩恵を受けていません」

 

以前のように、集まった人間を見回しながら言葉を紡いでいく。

 

「仕事がない、保障がない、蓄えもできない...未来を担うはずの若者が未来を描けていないでいるのです」

 

「税金を使い込んだダメ寅が、なに言ってんだ!」

 

若者からヤジが飛ぶ。

ダメ寅とは、吉田のことだろうか。

 

「そ、それは、過去のことで...」

 

吉田は言葉に詰まる。

よほど痛いところをつかれたのだろう。

吉田はヤジを飛ばした若者から目を逸らし、此方に視線を送ってくる。

 

俺にどうしろと?

アイツをふんじばって何処かへ連れて行けと言うのか。

明らかに政治家として良くないだろう。

無理だが、と言う意味を込めて吉田に目線を返す。

そうすると、吉田は意を決した目付きで、コクリとうなづいた。

 

「...確かに私は、過去に傷を持っています。議員としては僅かなキャリアしか持たないかもしれない。私の事をダメ寅と言うのなら、それでも良い!」

 

吉田は先程の言葉に詰まっていた様子を感じられないような、イキイキとした素振りで演説を再開した。

 

「それが大切なのです!間違ったことにはNOをつきつける。その意見が今必要なのです!だから今一度、私の話を聞いてもらいたい!」

 

「聞いた上でダメ寅と思えば、馬鹿な事を言うな、と思うのなら、私に意見をぶつけて貰いたい。有権者の皆さんどうか!どうか今一度私の話に、耳を傾けては頂けませんか!」

 

吉田の演説は有権者の興味を惹いたのか、ヤジを飛ばした男も黙って吉田の演説を聞いていた。

何が起こったのか分からんが、取り敢えず成功したらしい。

 

 

 

演説が終わり、吉田が少し興奮した様子で話しかけてくる。

 

「ありがとう!君のおかげだよ。君のおかげでダメ寅のヤジに負けずに演説を続けることができた」

 

俺がなにをしたって言うんだ。

コイツが勝手に解決しただけだろう。

 

「君のあの目に助けられた。君の目を見るとなんだか政治家を志したあの時が思い出されて背中を押される気分になる。是非また私を助けてくれ」

 

そう言って、会った時の様にまた俺の手を取り、力強く握り握手をしてきた。

俺も取り敢えず握り返す。

 

「君はきっと、将来大物になる。その時は必ず私が力になろう!」

 

かなりの評価を得ているようだ。

レイプの手伝いとかしてくれるのだろうか?

 

「今日は遅い、気をつけて帰ってくれ」

 

 

 

吉田と別れ、今日の事について回想する。

吉田はなぜ、俺と目を合わせた時に雰囲気が変わったのか。

俺と目が合うことで、議員を志した時が思い出されると言っていた。

何故だろうか。

 

吉田は以前から、何故だか俺の目について高く評価していた。

そこに理由がありそうな気がする。

考えられる理由は、二つ。

一つは、俺が丸喜の能力の解釈について、何かを間違えている。

二つは、かけた能力についての理解不足で思った効果が出ていない。

 

個人的には、かけた能力の効果の理解が足りていない様な気がする。

もう少し、検証してから怪盗団に使うべきだったな。

勇足すぎた。

 

考えられるのは、なんとなく良い感じがする、と言うのは抽象的過ぎたのではないだろうか?

術者の解釈ではなく、かけられた本人の解釈によって変化したのではないか。

 

吉田は強い目や良い目を持つ若者に、好印象を感じる癖だったのか?

その説であれば、吉田がやたら俺の目を褒める事に説明がつく。

演説途中のアレも吉田の好印象を持つ対象がそう言うモノだったからこそ、俺の目に背中を押されたのだろう。

 

そうなると、坂本や高巻は俺の何に好印象を抱いているのだろうか?

不利益になる様な事では無いとはいえ、どこかで検証してみたい所だ。

まあ、俺の仮説が正しいとはまだ決まったことではないのだが。

しかし、これを確かめるすべを考えつかないしな。

効果は確実に出ているのだ、後回しにしよう。

これは問題の先送りではないな。仕方ないしな。ウン。

 

 

 

 

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