※この作品はR-18です。

ペルソナ5R(レイプ)   作:しあっと

51 / 105
51話

7/3

以前、川上を呼び出すための口実として、出掛ける約束をしてしまった為

品川駅で待ち合わせる。

行き先は品川の水族館。

水族館なら明るさ的に誰かに見つかることが少ないと思ったためだ。

うちの生徒に見られると面倒なことになる。

 

暫く待っていると、川上がやってくる。

 

「お待たせ、待たせちゃった?」

 

「いえ、じゃあ行きましょうか」

 

川上と並んで水族館に向かって歩く。

 

「水族館なんていつぶりかしら。君はよく行くの?」

 

「僕も小学生以来ですね」

 

何年生の頃だったか忘れたが、行った記憶がある、

どこの水族館だったかとか、なんの生き物を見たかなんて事は覚えていないが。

 

 

暫く歩いて行くと水族館が見えてくる。

入場し、中を川上と見て回る。

水槽には、イワシの大群であったり、名前のわからないカラフルな魚だったり、テレビで見たことあるような変わった姿の生き物だったりを展示していた。

 

「私もクラゲみたいになにも考えずプカプカしときたいなぁ。都合の良い時だけ若手扱いしてコキ使うような面倒な上司もいないんだろうなぁ」

 

川上は社会の苦しみを口から流しながら、展示された生き物を鑑賞していた。

アクアセラピーとか聞いたことがあったが、効果はあるんだろうか?

そんな事を思っていると、不意に川上から話しかけられる。

 

「あっ、ごめんね、愚痴みたいなことずっと言ってて」

 

「面白いですよ。学校の裏側みたいなのが聞けて」

 

そう言うと川上は幾分か安心した顔をして、

 

「それなら良いんだけど。いや、良くはないか」

 

教職者としては裏側を知られるのは微妙らしい。

 

「私が言ったこと、他の先生の前で言わないでね。ホントに...」

 

「言わないですよ」

 

そんな事を話していると、川上の電話が鳴る。

 

「あっ、ちょっと電話出てくるね」

 

そう言って川上は離れて行った。

前に釣り堀に行ったときもこんな事があったな。

少し興味が沸いた。

聞き耳を立てるために川上が去っていった方へ向かう。

 

「今日ですか?いや、無理ですよ。出掛けてますし」

 

「時給五十円アップ?、いやー、えっ百円?」

 

時給交渉?

俺が知らないだけで私立の教員というのは、時給制の雇用形態なのだろうか?

そんな事あるのか?

 

「うーん、はい、分かりました... 」

 

電話が終わりそうだ。

急いで、元の場所へ戻る。

 

「ごめん!急ぎの仕事が出来ちゃった。すぐ戻らないと」

 

「そうですか、じゃあしょうがないですね。今日はこれで」

 

急ぎの仕事、時給の交渉。

バイトでもやっているのか?

教員ってそんなに低収入なイメージがないが、何か事情があるのだろう。

 

「ホントにごめん!埋め合わせは必ずするから」

 

川上は申し訳なさそうな顔をしながら、早足で出入り口に向かって行った。

 

せっかくなので、水族館を周りながら今日あった事について考えてみる。

急ぎの仕事とは時給と言う単語から恐らくバイト。

そして、折角遊びに来ているのにそれをほっぽり出して時給アップに釣られ仕事に行くということは、金銭的な問題を抱えている。

教員の収入で足りないと言うことは何かしらの事情、例えば借金だとかが考えられる。

 

ふむ、秀尽の就業規則は知らんが、私立の教員には公立の教員と違って副業をする事は認められていたはずだ。

健全なバイトであれば、それを出汁に脅す事は出来ないだろう。

貧すれば鈍すると言うし、金に困っているのなら非合法なバイトや人に言えないバイトをやっていてもおかしくはない。

 

平日は教員、休日はバイトといった感じで働いているのか、それとも日中は教員、夜間はバイトといった感じて働いているのかによっても絞れそうだ。

キャバクラなどであれば合法であるが、教員としては隠しておきたいはずだ。

時給制のキャバクラとかなさそうだが、コンカフェとかならあるかもしれない。

 

問題は、川上の抱えている事情をどうやって聞き出すかだが、恋人と言う立場を使ってなんとかできるだろうか。

そもそも、川上にそこまでの価値はあるのか?

金に困っているんなら、引っ張れる金もたかが知れているだろうし。

学校内でも大きな権力を持っているわけでもない。

下手に首を突っ込むより、放っておいた方が良いか?

 

 

そんな事を考えているとチャットが入った。

 

『今日、いつもの場所に来てくれ。演説のあとに君についてきて欲しいところがある。これは業務命令だと捉えてもらっていい』

 

吉田からのチャットだった。

業務命令か、なんだろう。

それにしても、いきなりだな。

 

レイプしたのがバレて、最寄りの警察署に連れてかれるんじゃないだろうな。

いや、それなら演説の後とは言わないか。

なんにせよ返信しておこう。

 

『了解です。どこに行くんですか?』

 

『ありがとう。文字では説明しにくい、来た時に話そう』

 

怖いんだが、まあ行くしかないか。

悪い話ではなさそうな気がする。

誰かの会食とかに助手として同席しろとかそう言う話だろう。

面倒だがしょうがない。

時間まで水族館で暇つぶししておくか。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。