※この作品はR-18です。

ペルソナ5R(レイプ)   作:しあっと

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61話

例の如く、流れる汗を拭きながら待っていると携帯から獲物が引っかかったことを知らせる、会話の声が聞こえてきた。

 

『先生!わたしやってやりましたよ!』

 

『どうしたんですか?』

 

おそらくあの平手打ちの事だろう。

 

『あの男の顔に思いっきりビンタしてやりました!』

 

『そ、そうですか。それは頑張りましたね』

 

芳澤は得意げだ。

しかも思い切りと言う割に特に痛くなかったし。

少し癪だが、今のうちぐらい楽しませてやろう。

 

『これも、先生が背中を押してくれたおかげです』

 

『ええ、私も力になれた様で嬉しいです』

 

別に御船は引っ叩けと言った訳じゃないんだがな。

きっと夏の魔物がそうさせたんだろう。

今年は暑いしな。

 

暫く芳澤と御船の雑談が続き、話題が占いへと流れて行く。

 

「適当に占って、出来るだけ明るい結果を伝えろ」

 

『良い方向に向かっていますね。このまま行けば貴方は幸福に生きる事ができるでしょう』

 

胡散臭いが、このくらい漠然とした事を言い切った方が人を信じ込ませ安いのかもしれない。

その後も芳澤のお悩み相談が続く。

 

「そろそろ、あの紙のことを切り出すぞ」

 

暑いし、早めに終わらせたい。

 

「頼み事があるとか言ってあの紙をかかせろ。そうだな、占い師は信用がないからカードが作れない。そこであなたに名前を貸してほしいとでも言っておけ」

 

『ところで、私からも少し相談があるのですが』

 

『はい。なんでしょう』

 

『実はですね、仕事柄なかなか、信用が無いのでクレジットカードを作れなくて困ってるんです』

 

芳澤の反応はどうだろうか?

 

『なるほど。大きい買い物するときはカードがないと不便ですもんね』

 

『ええ、そこで貴方の名義を借りれないでしょうか。勿論貴方には不便をかけさせません』

 

『名義ですか?具体的に何をすれば』

 

行けそうだな。

名義貸しは犯罪だが、知識がなければただ親切をしただけに思える。

芳澤もきっとそう思うだろう。

 

『貴方は学生でしたね、それじゃああなたの名前と学校の住所それさえ書いてもらえれば十分ですよ』

 

『そんな事であれば、協力します』

 

よし、成功だ。

 

「このお礼に明日良いものを売ってやる、とか適当なこと言って切り上げろ」

 

これで明日までの準備は整った。

通話で芳澤が帰って行ったのを確認し、御船の元へ向かう。

 

 

「明日の打ち合わせをするぞ」

 

「はい。あの、この書類は」

 

御船は芳澤に書かせた書類を差し出してくる。

そこには確かに芳澤の名前が記入されていた。

御船が書いた場所と筆跡が違うため間違いないだろう。

 

「まだお前が持っておけ。無くすなよ」

 

お前の犯罪の証拠でもあるんだからな。

御舟はその事には頭が回っていないのか、従順だ。

あの写真の事や芳澤に対する罪悪感でそれどころじゃないのかもしれない。

 

「はい」

 

「明日だが、お前にはこの石を売るフリをしてもらう。別に売りつけなくて良い」

 

「分かりました。」

 

明日の計画が失敗すれば全てがおじゃんだ。

俺の言葉にも熱が籠る。

 

「値段はそうだな。この世に五つとないレアなパワーストーンといって、通常百万のところをこの書類のお礼で五十万で売ろうとする。当然アイツはそんな金を持っていないはずだ」

 

流石に持ってないよな。

五十万の石なんて、大人でも中々手が出ないだろう。

 

「そこでお前は風俗の仕事を紹介する。割りの良い仕事って言ってな。そこであの石を持った俺が現れお前の詐欺を暴きアイツを連れ出す。ちゃんと面識のないフリをしろよ」

 

「それで私の仕事は終わりですか」

 

御船はやっと解放されると、希望が見えたのか少し明るい顔をして聞いてくる。

 

「写真はその後消してやるが、今後アイツと接触した際には、できるだけ邪険に扱え。間違っても同情なんてするなよ」

 

芳澤の中で騙されたことを印象付けなければならない。

もし、今まで優しいと思っていた人物が、自分に対する態度を急激に変えれば騙されていたと完全に思わせる事が出来るだろう。

優しくされた結果、やっぱりこの人は自分の味方なんだ...となってしまえば、俺の書いた絵図の通りには行かなくなってしまう。

それならそれでやりようは有るのだが。

 

「わ、分かりました」

 

「書類は写真消す際についでに受け取る。それまで肌身離さず持っておけ」

 

写真を消す際に、書類を受け取った方が御船も信頼できるだろう。

消さずに黙って俺の方が消える可能性もあるわけだし。

 

芳澤をどこかのファミレスにでも連れ込んだ後は、御舟の詐欺、名義貸しなどを追求して行く。

俺はあの石をカモが置いて行った分と御船に売りつけられた分を合わせて三個持っている。

通常百万円と聞いていた物を俺が三個も持っているとなれば、いよいよ詐欺の信憑性もます。

HTPCについて調べれば同じ様な石を持った人物がゴロゴロいる事を知るだろう。

 

そして名義貸しが犯罪と分かれば騙されたと気づくはずだ。

その書類を俺が取り返してきたと言えば、誰が信用に値する人物か理解する事だろう。

 

勝負は明日決する。

確実な成功を期すために御船に綿密な演技指導をした後、帰路についた。

 

 

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