※この作品はR-18です。

ペルソナ5R(レイプ)   作:しあっと

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72話

9/12

そんなこんなで修学旅行最終日。

当初の目的は結局果たせなかったが、佐倉の能力を測れる機会は手に入った。

割に合わないような気がするが、しょうがない。

 

9/13

修学旅行を終えてだるい体を引きずって学校に行く。

なんでも今日は緊急の全校集会があるらしい。

 

体育館に集まり、集会の始まりを待つ。

やがて教頭がステージに立ち、話し始めた。

 

「すでに知っている方も多いと思いますが、昨日、校長先生がお亡くなりになりました。鴨志田元教諭の事件後、校長先生は学園に平穏が戻るよう尽力されておいででした...」

 

教頭の話は続いていたが、それどころではなかった。

校長が死んだ。

周りからは自殺じゃないか、とか改心じゃないかと声が聞こえてくる。

消されたのか?

背後にいる人間に。

死んだ時の状況が分からないが、可能性は高そうだ。

だとしたら何故今になって消した。

怪盗団調査が進まないからか、いや学校のトップをいきなり消せば余計に進まなくなるだけだろう。

怪盗団へ疑いを向けるためか。

隠蔽が暴露され、怪盗団に狙われてもおかしくないと生徒が思うレベルの人物にはなった。

なんにせよ、校長が死んだ今、背後を探る事のできる人物がいなくなった。

今後のことを考えなければならない。

 

学校が終わり、家で今後の方針を考えていると新島からチャットが入った。

 

『次のターゲットはオクムラフーズの社長、奥村邦和になりそうです』

 

待て、奥村と言ったか。

という事は奥村春の父親だ。

本人の口からもオクムラフーズの社長令嬢と言っていた。

間違いなく、怪盗団は奥村春と接触することになるだろう。

その場合、ペルソナ能力に目覚める可能性が高い。

金城や佐倉を引き当てた怪盗団のリサーチ能力は侮れない。

校長に続き、奥村か。

どうする。

消すか。いや、明らかに関与を疑われる。

とにかく本格的に動かれるまでに何か対策をしなければ。

 

9/14

生徒会室に新島を呼び出し、経緯を聞き出す。

なんでも、お願いランキングの結果と姉のパソコンをハッキングして得た情報からターゲットは奥村邦和に半分決まったらしい。

半分というのは、廃人化事件を引き起こした人物を警戒してターゲットの選定には慎重になった方が良いんではないかという意見が出たためだった。

しかもその際にあの化け猫とも仲違いし、現在捜索中らしい。

これは少し時間が稼げるか?

 

他にも気になったことがあったので聞いておく。

 

「廃人化の犯人は掴めたのか?」

 

「いえ、全く。しかし、斑目や金城を改心した際、黒い仮面の男が関与しているのはわかっています」

 

黒い仮面。

ペルソナ使い共がつけているあの仮面のようなものだろうか。

おそらくその男が統制の神に選ばれた人間だろう。

 

情報は得れたので、新島を帰す。

折角、川上に聞き出した改心候補も無駄になってしまうかもしれない。

一応、話だけは付けておくとしよう。

 

昼休みに雨宮を見つけ、同じく生徒会室へと引っ張ってくる。

 

「何かようか」

 

「校長先生の事、怪盗団がやったんじゃないんだよね」

 

会話の掴みとして分かりきった事だが聞いておく。

 

「当たり前だ」

 

心外だと言うような顔で雨宮が答える。

 

「なら良かったよ。怪盗団に頼みたいことがあるんだ」

 

「お願いランキングや掲示板にでも書いたらどうだ」

 

「僕の知人が困ってるんだ。話だけでも聞いてくれないか。この通りだ」

 

頭を下げて、懇願する。

正義の味方を気取っている人間が頭を下げた弱者を見捨てられないよな。

そして、そんな正義の味方は話を聞いてしまったら手を差し伸べられずには居られない。

 

「わかった。聞くだけだ」

 

「ありがとう、恩にきる。僕の知人の話なんだが、その人は教師でね...」

 

川上から聴取した事をそのまま語ってやる。

話の内容に雨宮は少し顔を顰めながらも、黙って聞いていた。

 

「というわけだ。彼女は今も金を要求されている。放っておくとその内過労で倒れてしまう」

 

「そいつらの名前は」

 

掛かった。

やはり正義の味方は扱いやすい。

 

「義父の方が鷹瀬敏夫。義母の方が秀美だ」

 

「怪盗団は最近忙しいらしい。いつになるかは分からないぞ」

 

「あ、ああ。そこはしょうがない。頼むよ」

 

雨宮は教室から去っていった。

これで方針を組み立てる前に佐倉の能力がわかれば良いのだが。

 

9/15

奥村の方も確認してみるか。

まだ、接触はしていないと思うが念の為だ。

放課後、屋上の出入り口付近で張り込む。

奥村はいつも土いじりをしている筈だ。

しばらく待っていると、奥村が屋上へと入って行った。

 

『ペルソナに目覚めておるようだぞ、あの女』

 

なんだと。

まだ怪盗団とも接触していないはずだ。

そんな事を新島からは聞いていない。

それに目覚めているのなら、俺になんらかのアクションを起こすはずだ。

 

『完璧には目覚めていないのだろう』

 

自力で目覚めさせたのか?

そんな事ができるのか?

 

『あの先導役が原因かもしれん』

 

怪盗団全員ではなく、あの化け猫に接触したわけか。

辻褄は合う気がする。

これはマズイ。

対処しなければならない人間が二人に増えた。

それも奥村の方は確実に仕留めないとこちらがやられる。

佐倉の方も身の安全を担保するならば歯向かえないようにしなければならないタイプの人間だろう。

今までで一番の逆境だ。

どう対処したものか。

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