※この作品はR-18です。

ペルソナ5R(レイプ)   作:しあっと

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81話

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奥村社長が緊急の記者会見を行うようなので、ネット中継で閲覧することにする。

今日、奥村社長が話す事によっては立ち回りを変える必要がある。

怪盗団にとっても、俺にとっても重要な一日になるだろう。

 

しばらく待っていると、カメラに奥村父が映され会見が始まった。

 

『この度は、お忙しい中お集まりいただきありがとうございます。本日は弊社の労働実態につきまして、全てをお話しさせていただく所存です』

 

改心は上手くいっているようだが、黒幕についての言及はあるのだろうか。

 

『社員に過酷な労働を強要したこと、食材の衛生管理が杜撰であったこと...誠に申し訳ございませんでした』

 

奥村社長は深く頭を下げ、激しいフラッシュに晒された。

 

『御社の関係者で病気退職された人の数が数十名に上るとか。しかもこれ、御社が海外出店する事に、断固反対していた役員の方と、同じタイミングで出店を狙っていた競合他社の担当者ばかりなんですよ。まずは、ここまで間違いありませんよね?』

 

質疑応答の時間に移り、記者からの質問が飛び交い、奥村社長はそれに対して殊勝な態度で応答している。

その中で、怪盗団が今欲しているだろう情報を引き出せそうな質問が新聞記者から飛んだ。

 

『はい。それについては...重大な事実の発表があります』

 

ついに来た。

どこまでの情報が出てくるのだろうか。

 

『実は...ぐ...あぁ...あ...』

 

今か今かと待っていると、突然奥村社長が胸を抑え苦悶の声をあげながら苦しみ出した。

暫くたって糸が切れたように脱力すると、その後に下を向いていた顔を上げた。

カメラが奥村社長の顔をアップにすると、そこには白目を剥き顔中から赤黒い、おそらく血液を垂れ流している奥村社長の顔が映し出された。

 

何が起こった。

改心は生命までは奪わないモノだろう。

怪盗団が方針を変えたとは思えない。

 

『おそらく、黒幕とやらがパレスのシャドウを殺したのだろう』

 

クソッ、やられた!

初めから黒幕は怪盗団に注目を集めさせた上で、奥村社長を殺す計画だったのだろう。

怪盗団にはとんでもない痛手だろう。

そして、俺にとってもかなりまずい展開だ。

 

俺を黒幕だと思わせる計画の整合性が取れなくなる。

俺がペルソナを奪ったのは作戦決行日、そして奥村社長もそこでシャドウを殺されたのだろう。

でなければ、怪盗団が戦っていたシャドウについて説明がつかない。

俺が黒幕だったとするならば、わざわざ怪盗団のペルソナを奪う必要はない。

今回の件で怪盗団の権威は失墜する、それだけで十分のはずだ。

怪盗団の権威の失墜、直接的な戦力の漸減、これらを単独犯が危険を犯して両方同時に進めるとは考えにくいだろう。

目的も一致していない。

前者はこれからの行動を見据えての下準備の段階、後者は怪盗団の前に姿を現し攻撃を加え、一人を誘拐しており、拳を振り下ろした段階だ。

これで怪盗団は、黒幕は複数犯、もしくは怪盗団と同じ能力を持った敵対者が複数存在していると考えるだろう。

そして、一連の行動から敵対者同士は連携をとっていない事も分かるはずだ。

全てが無駄になった。

 

黒幕はおそらく、メジエドから仕込みを始めていた。

奥村社長もそうなるように仕向けたのだろう。

思えば奥村社長が、お願いランキングの上位にいるのもおかしな話だ。

黒い噂はあるにしてもたかだかブラック企業の社長、そんなやつごまんといるはずだ。

これまでの、画家の大家だの、マフィアのボスだの、サイバーテロ組織だのに比べれば一段劣る。

民衆からの意見といえど、大抵は政治家や、話題の炎上芸能人などに票が集まるはずだ。

気づくきっかけは幾らでもあった。

 

しかし、黒幕はおそらく俺のパレス内での行動を見ていたはずだ。

核が奪取されパレスが崩落する前に、パレス内に潜んでおかなければ奥深くにいるシャドウの殺害は、タイミング的に難しいはずだからだ。

俺というイレギュラーが入っておきながら、恐らくは当初の計画通りに事を運んだのだろう。

奥村社長がそこまで重大な情報を持っていたからか、それとも俺に対してのメッセージか。

 

俺もしてやられたが、向こうにしても俺の存在は気になる所だろう。

怪盗団へは敵対的だが、それがなぜなのかも不明で人相も割れてはいないはずだ。

怪盗団より先に不確定要素の俺を始末しにくるか、それとも友好的に接してくるか。

怪盗団は二つの敵対者に対処を強いられ、しばらくは動きにくいはずだ。

次に改心する相手がまた殺されないとも限らないし、またパレス内で襲われる可能性もある。

パレス内で黒幕に襲われる可能性は、俺もまた然りなため怪盗団にパレスで攻撃を加えるのはしばらく無理だろう。

その間は、俺はフリーハンドになる。

接触できるタイミングはここら辺りになるか。

 

『接触すると言っても、どうやって見つけ出すのだ』

 

どうやって?

そんなの、思いつく限りの、あらゆる方法を使って、だ。

 

答えになっていない答えをパレマクリアに返す。

今のところは、何も思いつかなかったからだ。

 

またしても苦境に立たされた。

今回は見えない相手だ

どうするべきか。

怪盗団のリサーチ能力に掛けるか?

しかし、放っておくと怪盗団側が負けそうだ。

俺が戦力を大幅に削ったからな。そのあたりは黒幕に感謝されてしかるべきだろう。

 

怪盗団が負けるのは構わないが、殺されてペルソナが奪えない状況になるのだけは駄目だ。

雨宮だけでも生きてもらわなければならない。

先に雨宮のペルソナを奪うか?

できるかもわからないし、結局黒い仮面の男の素顔は分からないままだ。

 

答えが出ないまま、夜はふけていった。

 

 

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