ニンジャというのが社会的地位を持ち、多くの子どもたちから憧れの職業とされるのには理由がある。
犯罪者に対する逮捕権があること。常人とはかけ離れた身体能力や特殊な術を使えること。そして何よりも、ニンジャの中でも大成する者は心が輝いているからだ。
ニンジャの起源は滅私奉公の心だなどと言われるかもしれないが、英語のHERO(ヒーロー)が訛った結果ニンジャという言葉が生まれた……というのが大昔に大活躍していた当時の人気ニンジャたちの言葉である。
だから何もおかしくはないし、性別が変わってもぶれることなくボクの心には理想のニンジャ像がある。
誰もが心に抱く理想のヒーローとなるために、ボクは自分自身の望みとしてニンジャとして天下を目指すんだ!
◆ ◆ ◆
……とは言うものの、現実は厳しく、女体化により得ることが出来た(誇張表現)忍術“触手”と強化された身体能力の更なる向上のために、今ボクは厳しい修行を積んでいる最中だ。
「ほら、まだ100回もやっていないだろう?
目標は300回を3セットだ。
もしも途中で投げ出すようなら、私がお前たちをさらに厳しく責め立てるからな!」
イコル姉さんによる厳しい修行。全身にバネ仕掛けの大ニンジャ養成ギプスを身にまとい、イコル姉さんと40キロはある岩石でキャッチボールをしている最中だ。
大ニンジャ養成ギプスというのは筋肉を付けつつ、妖精のような可愛らしさを失わないため(姉さん曰く超重要)の訓練道具。一見ギャグのようにしか見えないけれど、会社の他の先輩たちもみんなこれを使ってきたそうなのでボクらも借りている。
「あ、あら? タピさんもだらしないわね!
わ、わわ私はエースだからこれ位何ともないですのよ(ぐふぅ)……」
一緒に横でトレーニングをしているレイチちゃんは真っ青な顔で岩石を受けては投げてと繰り返している。
何度かお腹で受け止めていたしチアノーゼかな?
「イコル姉さん。レイチちゃんはもう無理なのでは?」
「限界だと感じたならば休むといい。だが限界を超えるために修行をしているのだからもうちょっと頑張ってみろ!」
そう言ってイコル姉さんは、レイチちゃんの耳に細めの触手を挿入すると、息も絶え絶えだったレイチちゃんの気力を一瞬で回復させた。
「なに、ただの媚薬だ。
耳から脳に直接打ち込んだが副作用はないから安心するといい」
ただ性的感度が高まってしまうが、と後半ボカシて言ったけれど、ニンジャ聴力も強化されたボクは聞き逃したりはしない。
まぁ、レイチちゃんもニンジャなのだから大丈夫なのだろう。
「それよりも意外なのはタピの方だ。
てっきり私の修行に耐えられないかとおもったが、小柄な体格のわりには鍛えられているな」
「お、恐れ入ります……」
たぶん、ここ最近の妹の夜這いが原因だと思う。
毎日会社での仕事とトレーニングで肉体的にも精神的にもへとへとなのに、家に帰れば妹ととレズセックスに明け暮れているんだから。
触手の使い方も慣れてきたからか、太さや本数、それに硬度も自由自在で妹の全身に這わせ、快楽を与えまくるボク。何種類もの媚薬を体内で作り出して注入し合うことでお互いにパンツが乾く暇がない程に濡れている。
今日も出社直前まで妹とヤっていたもんだからお腹が膨らんでいたので、レイチちゃんに速攻で気付かれて笑われたのもいつもの事。
兄として、いや姉としてどうなのかとは思うけれどボク自身、そういう行為に抵抗が薄くなってきている。
これも女体化で精神的な部分が変わったのかな?
姉妹での性行為って道徳的にはどうなのかな? と思ったのも最初だけだし、実際問題、女性のみで構成されるニンジャ会社『ヘリオトロープ』はそうした“百合”の推奨に尽力して世間の声としても一般的になっているから問題はないのかもしれない。
ボク自身、妹のことを家族だからではなく、一人の女の子として、その~、純粋に可愛いと思うようになってしまったわけで、なんかこう、えっちすることで心も体も強くなっている気がするんだよね。うん、これはハイパー言い訳タイム。
「心の強さは肉体の強さに比例する。逆もまた然り!
まだまだ新人とはいえ、二人とも他の会社ならば上位に入れるだけの実力はあるんだ。
だったら、この会社でも上位に入れるくらいに強くならなきゃ、せっかくニンジャになったのにもったいないだろう?」
イコル姉さんの修行は厳しいが、決して無理なことはさせないというのも心が折れない理由でもある。
全身を触手で拘束されて組手をしたり、アフターファイブはラブホテルでえっちな修行をする。しかも退社後なのにそういうのも経費で落ちるうちの会社は本当にホワイト企業なんだと思う。
「うちの班はまだ緩い方だからな。
他の班なんて在宅勤務で日がな一日えっちばかりしてある意味で24時間勤務で年中無休というニンジャもいる。
ホワイトかどうかは微妙なところだな」
何でも他所の班では、丸一年間ベッドの上から降りることなくレズセックスのみでの生活というギネスに挑戦する企画をやっているらしい。
トイレもお風呂も相手の女性の舌と口で、そして運動不足になるはずもない激しすぎる運動。
お給料をもらったうえで愛し合う上司と部下がベッドでセックスするだけのお仕事……、ちょっとだけ、イコル姉さんに一年間好き放題にされる自分を妄想をして「良いな……」と思ってしまったのはだいぶ思考をえっちに侵されているけれど、ボクの理想は強いニンジャ! えっちするだけの仕事ってのも、ちょっと違うよね。
うちの会社は本人が望んでいれば、ニンジャなのだからある程度の融通は利くのだけれど、
他所の会社だとアダルトな依頼に応えるために社員に激しい調教をしたり欠損を伴う肉体改造を強要する会社もある。流石にうちの会社はそこまでではないし、表沙汰になれば問題となる。
それと比べればまだマシなのだろう。給料もいいし、アイドルみたいな部分も多い。テレビでよく見る先輩たちも多いし、イコル姉さんにもたまにテレビの依頼が来ていたりする。
そんな立派な会社ではあるのに、実際にボクが入社してからの仕事は迷い猫の捜索やグラビア撮影で、あとは会社で組手か筋トレ、ホテルでえっちなトレーニングばかりの日々。
ニンジャの道も一歩からとは言うけれど、流石にボクも日々が変わりなさ過ぎて退屈になってきているところだったりする。
「ねぇ、レイチちゃんはどう思う?」
「私の理想は歌って踊ってえっちしまくる最高のアイドルニンジャ!
そして大親友であるタピさんと、もっと肉体的に距離を縮めたいと思っていますのよ♪」
キャッチボールを続けながらも足元には汗以外の水たまりが大きくなっている。
先ほどの媚薬の影響からか、お腹に岩石を受けても絶頂して潮を吹きつつ笑顔で続けていることからイコル姉さんの触手液の効果が察せられた。
「ボクも、イコル姉さんくらいに触手の扱いと触手液の効果を強化したいな……」
ボクの幼い頃に抱いた理想のニンジャ像は記憶がぼんやりとしていて、はっきりとはしていないけれどイコル姉さんの強さとカッコ良さ、それにえっちの上手さには憧れるところがある。
幼かったボクの危機を笑顔で簡単に救ってくれたかつての理想のニンジャの女性はいまはどこで何をしているのか。名前を聞いておけば良かったとも思うけれど、ボクが立派なニンジャになればいつか会えると信じている。
それに今はトレーニング中。気合を入れないと!
ボケッとしていると酷い目にあうことを身を持って勉強することになるからね。
「んげぇッ!」
ズドン、とキャッチボールとは思えないような音がボクのお腹から広がって肉が潰れる音を体の内側から聞いてしまった。
「おい、タピ。
トレーニング中に気を抜いたら危ないぞ。大丈夫か?」
考え事をしていたら当然だけれど、岩石がボクのお腹に直撃した。
痛くて苦しくて堪らないのに、ちょうど子宮の上だったからかボクの敏感な身体は痛みさえも快楽として受け取ってしまう。
床に膝をついてしまったけれど、ちょっとだけ待ってほら得ればすぐに回復する。
ひっひっふー。ひっひっふー。
「そろそろ、おやつの時間だから休憩にしよう。
……よし、真面目モードは終わったから好きに甘えてくれていいぞ、妹たちよ♪」
「あ、ありがとうございますイコル姉さん」
「おやつ時間がお昼休憩とは別にあるの最高ですわね♪ イコルお姉様~♪」
すでにニンジャ百合力と脳内に注入された媚薬効果で回復しきっていたレイチちゃんはボクよりも元気だった。
そして蕩けそうなほどに嬉しそうな顔してボクらを撫でまわしてくる鬼教官……だった、姉。
「あぁ~、この会社にはノリで来たような私だが、こんなに可愛い妹が出来たんじゃ軍に戻れないな~♪
もういっそ、このまま私もニンジャになってしまおうか♪」
「そういや忘れがちですけれど、イコル姉さんってニンジャではなく軍人さんなんですよね」
改めてみるとイコル姉さんって本当にカッコいい美人さんなんだよね。
たまに軍人設定を忘れそうになるって言ったら次の日から迷彩柄のスーツを着たり迷彩ビキニで出勤することも増えたけれど。
「別に私がタピとレイチの“お姉ちゃん”なのには変わりないから気にしなくていい。
最近の漫画なんかだと軍人みたいなニンジャだって一人や二人いるだろう?」
「軍人ニンジャ……イコルお姉様が理想の私にとって、目指すべき道はそれかもしれないですわ!」
タオルで股間の汗を念入りに拭っていたレイチちゃんは、自分の使っていたタオルをこちらに投げ渡してくる。
「汗、拭いた方がいいですわよ?
タピさん、私たちは同期であると同時にライバル。
体調管理も大切でしてよ♪」
「あ、ありがとう……」
これはたぶん、真顔で誤魔化しているけれど、自分の汗とボクの汗をタオルに吸わせて「間接セックスですわ~♪」とか思っているんだろう。股間をぐりぐりと吹いていたし汗以外を多く吸っていそうだけれど。
でもボク自身、レイチちゃんのそういうストレートなバカっぽさに癒されているから素直に汗を拭いておく。
ついでにさっきのお腹への岩石直撃で噴き出した愛液も拭っておこう。うぅ、タオルでこするだけでも敏感になった身体は発情してしまう。
「ふふん! タピさんが何を考えているかわかりますわ!
でもね、愛液は百合にとっては心の汗ですのよ!」
「うむ! よく言ったぞレイチ!
汗なんだからタオルで拭って、そのタオルをみんなで交換し合っても何もおかしくはないからな。
どれ、タピ。そのタオルに私の“心の汗”も拭わせてくれないか?」
見ればイコル姉さんも汗以外で濡れている。ボクらの濡れ濡れキャッチボールをじっくりと観察したことで鼻血が出たみたいだね。
「何だか自分の常識が変えられていく気がするけれど、この会社にとっては普通なのかな?」
「「当然だ!(ですわ!)」」
こうして“汗”を拭ったタオルをイコル姉さんに投げ渡し、三人分の百合の心の汗を吸ったタオルは5000万円出しても欲しがる人が出そうな高級タオルへと生まれ変わる。
タオルとしての品質は勿論、香りも百合を発情させるものに。例えていうなら仏の御石の鉢?
社内でも幹部ニンジャの人たちにはファンクラブがあるけれど、イコル姉さんのファンもかなりのもの。
他の班の先輩方と会話した時もイコル姉さんの凛とした佇まいをべた褒めされたんだよね。
羨ましいとか、うちの上司もサイコーとか。それにレイチちゃんも乗ってイコル姉さん自慢が始まって、ボクは他の幹部ニンジャさんたちも好きだからどちらの言うことも分かる。
ただ、本質はシスコンなんだよね、イコル姉さんって。他の幹部の人たちだってそれぞれに欠点というか、一癖も二癖もある変わった人たちばかりだったりする。
「ねぇ、レイチちゃん。イコル姉さんの妹好きの部分をどう思う?」
「長所ですわ♪」
うん、やっぱそうだよね。満面の笑みで答える妹系の全体的に小さいレイチちゃん。
イコル姉さんは、たぶん自分の部下を捕まえるときに条件として妹属性とか社長に言っているのかも。
ボクは妹がいる立派なお姉ちゃんのはずだけれど……。うん、姉力なんて欠片もないや。
女体化して髪の毛が伸びたのは女の子らしくてかわいいとは思うけれど、背が低いままなのは変わりないし、筋力は付いているのに見た目も細くてぷよぷよだし。
でも髪は妹のシュシュでポニーテールやサイドテールに遊びで変える程度にはロングヘア―を気に入っている。
ボクの理想のニンジャ像は見た目じゃない。小さくて細くて妹系に見えても頼れるんだってところを、この会社で成長して世のニンジャたちに見せつけるんだ!
そんな話をしていると、会社のキッチンからイコル姉さんが本日のおやつを持ってきてくれた。
「さぁ、今日のおやつは可愛い妹たちのために私の手作り!
チーズレモンカスタードシフォンパイだぞ♪」
とても美味しそうなチーズレモンカスタードシフォンパイ。色々と混入していそうだけれど、イコル姉さんはこういうところは真面目だから問題ない。
本職のパティシエも顔負けの超絶美味しいチーズレモンカスタードシフォンパイを食べたあとはボクとレイチちゃんとイコル姉さんの三人で、トレーニングを再開するのだった。
いつか、イコル姉さんが苦しい時に助けられるようなニンジャに出世してみせる。おやつを食べながらボクは、改めてその決意を胸にするのだった。
「タピ、ほっぺに食べかすが付いているぞ。
これはお姉ちゃんがとってあげないとな♪」
ガッツリとしたキスをほっぺしてくるイコル姉さん。
「あ、ずるいですわイコルお姉様! 私も!」
食べかすはすでに舐め取られているので唇にガッツリとキスをしてくるレイチちゃん。
「……おやつの時間くらい、えっちは無しにしない?」
「断る!(ですわ!)」
やれやれ、この後のえっちのトレーニングも大変そうだな。
何だかんだでイコルへの周りの評価は主人公含めて高いです。
ニンジャではないのにニンジャ以上の身体能力と経験に裏打ちされた直感と戦闘力。そして妹っぽい女の子たちを愛でる姉としての百合力。
相性が良い会社というのも理由ですが、すっかり本人もニンジャ会社に馴染んでいます。