※この作品はR-18です。

魔法少女まどか☆マギカ 未来   作:kuroto xanadu

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長くてすみません。


魔法少女と願い

「何…それ?」

 

未来はキュゥべえを見てそう言った。

 

「僕が見えているのかい?」

 

「…ああ、見える」

 

「おかしいな。鹿目まどかと美樹さやかはともかく君に見えるなんて」

 

「お前は…何だ?」

 

「僕はキュゥべえ!」

 

その答えに未来が何かを言おうとした時、マミが

 

「ちょっといいかしら?」

 

未来とキュゥべえの会話に割って入る。

 

「まずあなたが誰なのか教えてくれるかしら?その制服は鹿目さん達と同じ見滝原の生徒よね?」

 

「…見滝原中学校2年の明日川未来です。鹿目さんと美樹さんのクラスメートです」

 

マミがまどか達に視線を向ける。

2人は首を縦に振って肯定する。

そこでマミが気づく。

 

「ん?明日川未来って…ああ、あなたがあの噂の…」

 

「噂?」

 

「いえ!何でもないわ。気にしないで」

 

未来が訝しげな目をすると、マミは急に動揺を表した後、取り繕う。

 

「ところで1つ聞きたいことがあるんですが」

 

「ええ、何かしら?」

 

「…その格好はコスプレですか?」

 

未来はちょっと目を逸らしてそう言った。

 

「ち、違うわよ!」

 

マミが顔を赤くしてそう否定すると姿が元の制服姿に戻る。

 

「彼女は魔法少女だよ」

 

キュゥべえがマミを指してそう口にした。

 

「魔法少女?」

 

未来が目を細める。

一瞬、何かの詐欺にまどか達が巻き込まれているのではないかと思ったが、マミの姿が変わったところを見て、普通ではありえないことが起きている事態を理解し始める。

何より左手で感じ取った感覚が話を否定しきれないのだ。

 

「ね、ねえ?明日川君はどうしてここに来たの?」

 

まどかが一瞬の沈黙を破る。

 

「…本屋にいたら鹿目さんと美樹さんに関係者入口に入っていくのが見えた。最初は警備の人を呼ぼうと思ったけど、何と言うか嫌な予感がしたから追いかけた。まあ、もう終わっちゃったみたいだけど」

 

そう答えて、未来はマミに視線を向ける。

 

「コスプレ…はっ!取り乱しちゃってごめんなさい。とりあえず誰か来る前にここを離れましょう。」

マミに言われて一同はショッピングモールの外まで移動した。

外はすっかり夕暮れとなっていた。

 

「これからどうするんですか?」

 

未来の問いに、

 

「そうね。紅茶とケーキを食べながら話し合いたいし、私の家とか…」

 

とそこまで言いかけてマミが未来の顔を見て固まる。

さすがに知り合ったばかりの男を自宅に招くのは抵抗があるのだろう。

未来はその意図を察して、

 

「俺は帰ります。なので巴さんから聞いた話は鹿目さんが明日学校で教えてくれますか?」

 

未来はまどかに対して丁寧にお願いした。

 

「え、あ…うん。分かった。」

 

「ちょっと!何であたしには頼まないのよ!」

 

さやかは自分が選ばれなかったことに口を出す。

 

「えっと…何となくです」

 

「どういう目で私を見てんのよ!」

 

未来の答えにさやかは暗に自分が人の話を聞けない人物だと思われたことに腹が立った。

 

「まあまあ、さやかちゃん落ち着いて。それじゃ明日川君またね」

 

「はい。また」

 

まどかはさやかを宥めている内に未来は帰っていった。

 

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 マミの自宅。

マミに助けられたまどかとさやかは彼女の自宅に招かれていた。

 

「素敵なお部屋~」

 

「一人暮らしだから遠慮しないで。ろくにおもてなしの準備も無いんだけど」

 

マミはそう言いながらも紅茶とケーキを用意して2人に振るまった。

 

「魔女って何なの?魔法少女とは違うの?」

 

さやかがキュゥべえに質問する。

 

「願いから生まれるのが魔法少女だとすれば魔女は呪いから生まれた存在なんだ。魔法少女が希望を振り撒くように魔女は絶望を撒き散らす。しかもその姿は普通の人間には見えないから質が悪い。不安や猜疑心、過剰な怒りや憎しみ。そういう災いの種を世界にもたらしているんだ」

 

「理由のはっきりしない自殺や殺人事件はかなりの確率で魔女の呪いが原因なのよ。形の無い悪意となって人間の内側から蝕んでいくの」

 

キュゥべえの答えをマミが捕捉を加える。

 

「そんなヤバイ奴がいるのにどうして誰も気づかないの?」

 

「魔女は常に結界の奥に隠れ潜んで決して人前には姿を現さないからね。さっき君たちが迷いこんだ迷路のような場所がそうだよ」

 

「結構危ないところだったのよ。あれに飲み込まれた人間は普通は生きて帰れないから」

 

「マミさんはそんな怖いものと戦っているんですか?」

 

「そう、命懸けよ。だからあなた達も慎重に選んだ方がいい。キュゥべえに選ばれたあなた達にはどんな願いでも叶えられるチャンスがある。でもそれは死と隣り合わせなの」

 

「ふえ~」

 

「悩むな~」

 

まどかが目を見開き、さやかが天井を見上げる。

 

「そこで提案なんだけど2人ともしばらく私の魔女退治に付き合ってみない?」

 

「えっ!」

 

マミの突然の提案に2人が驚きの声を上げる。

 

「魔女との戦いがどういうものかその目で確かめてみればいいわ。その上で危険をおかしてでも叶えたい願いがあるのかどうかじっくり考えてみるべきだと思うの」

 

「あの転校生も…えっとその…魔法少女なの?マミさんと同じ」

 

さやかがそこで話題を変える。

 

「そうね、間違いないわ。かなり強い力を持ってるみたい」

 

「でもそれなら魔女をやっつける正義の味方なんだよね?それが何で急にまどかを襲ったりしたわけ?」

 

「彼女が狙ってたのは僕だよ。新しい魔法少女が生まれることを阻止しようとしてたんだろうね」

 

「えっ何で?同じ敵と戦ってるなら仲間は多い方がいいんじゃないの?」

 

「それがそうでもないの。むしろ競争になることの方が多いのよね」

 

「そんな…どうして?」

 

まどかが信じられないというような声をあげる。

 

「魔女を倒せばそれだけの見返りがあるの。だから時と場合によっては手柄の取り合いになってぶつかることもあるのよね」

 

「つまりあいつはキュゥべえがまどかに声をかけるって最初から目星をつけてて、それで朝からあんなに絡んでったわけ?」

 

さやかが顎に手を添えて推理する。

 

「多分そういうことでしょうね」

 

マミがそう結論付けた。

 

「ところであいつ…明日川は一体何者なの?」

 

さやかが未来について話題を変え、疑問を口にする。

 

「僕にも分からない。僕が見えるのは魔法少女か素質を持つ者だけのはずだ。しかし、彼には見えていたし会話も出来ていた」

 

「まさかあいつも魔法少女になれるとか……ぷっ!」

 

さやかは未来が魔法少女になる姿を想像して吹き出した。

 

「さやかちゃん、いくら何でも笑うのは…クスッ」

 

「まどかだって笑ってるじゃん!」

 

「さすがにそれはないと思うけど…」

 

そう言うマミも苦笑いである。

 

「彼の存在はあまりにもイレギュラーだね。恐らく何か隠していることがあるはずだ」

 

「それも含めて明日、彼に話を聞いてみるしかないわね」

 

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 翌日の昼休み。

未来は屋上で昼食を食べながら昨日のマミの話をまどか達から聞かされていた。

 

「魔法少女…魔女…願い…キュゥべえ…それと暁美ほむら…なるほどそんなことが…」

 

まどか達の話のキーワードを未来がつぶやく。

 

「信じてくれるの?」

 

「まあ、この世には常識では計り知れないことがあると思ってるから」

 

まどかの問いに未来は自身の左手を見る。

 

「それじゃ今度はこっちの話。あんたは一体何者?」

 

さやかが話に割り込んで警戒心を露わにして未来を睨む。

 

「それは僕も興味があるね」

 

キュゥべえも話に乗る。

 

「人間だよ。少なくとも俺自身はそう思っている。ただ、普通とはちょっと違うかもしれないけど…」

 

「どういうこと?」

 

「…笑わな…いや、やっぱこれはいいや」

 

未来が何かを言いかけてやめたことに、まどか達はまさか本当に未来が魔法少女なのではないかと疑う。

 

「…俺の左手は何かを感じ取ると震えるんだ。まるで痙攣するみたいに。しかも、それは何かに近づくほど感覚が強くなる。」

 

未来は左手を開いたり閉じたりしながら質問に答える。

 

「くっ…それ何て中二病?」

 

さやかが笑いを堪えながら返す。

 

「はあ、やっぱり笑われた。てか魔法少女に言われたくないな…俺が話したことは本当だよ。病院に行っても異常なしと言われた」

 

「ごめんね、明日川君。さやかちゃんも悪気はないと思うから…それで何だけど…」

 

「魔女退治の見学だっけ?うん。俺もついていくよ」

 

「いいの?」

 

まどかが心配そうに訊く。

 

「俺も知りたいんだ。自分が本当は何者なのか。多分、魔法少女や魔女に関わっていけばそれが分かる気がするんだ」

 

「うん、分かった。マミさんにも話してみる」

 

そこでまどかは未来が自分の顔をジッと見つめていることに気づいた。

 

「ふぇっ!どうしたの明日川君///」

 

思わず頬を赤く染めるまどか。

未来は普段、静かだがルックスがいいので照れるのだ。

 

「ちょっとちょっと!何まどかのこと見つめてるのさ!」

 

さやかがまどかの前に立ち塞がってガードする。

 

「ああ、ごめん。実は夢で見たことがあるんだ。6人の…魔法少女だと思うけど。鹿目さんと美樹さん、巴さんにそれから暁美さん、あと赤毛と緑の髪の女の子が2人…後ろ姿だけだったけど昨日と今日考えたけどやっぱり間違いない」

 

「…あんたってロマンチスト?」

 

さやかがジト目で未来の顔を見る。

まどかの頬はまだ赤い。

 

「そういうわけじゃないけど…」

 

未来は困ったような顔をする。

 

「明日川君も見たんだね。夢で暁美さんを」

 

まだ頬の赤いまどかが未来にシンパシーを感じる。

 

「そういえばまどかも暁美ほむらを夢で見たって言ってたね」

 

「明日川君と同じか…えへへ///」

 

まどかはそう小声で口にして嬉しそうに笑った。

 

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話が一段落したところでさやかが話を切り出す。

 

「ねえ、まどか。願い事、なんか考えた?」

 

「ううん、さやかちゃんは?」

 

まどかが首を横に振ってさやかに返す。

 

「私も全然!何だかな~いっくらでも思いつくと思ったんだけどな~欲しいものもやりたいこともいっぱいあるけどさ。命懸けってところでやっぱ引っかかちゃうよね。そうまでするほどのもんじゃねぇよって」

 

さやかがそう言ってフェンスに近づいていく。

 

「うん…」

 

まどかが頷く。

 

「意外だな。大抵の子は二つ返事なんだけど」

 

キュゥべえが意外そうに口を出す。

 

「まあきっと私達がバカなんだよ」

 

風がビューと吹く中、さやかがこちらに振り返って笑う。

 

「へえ、そうかな?」

 

「そう、幸せバカ。別に珍しくなんか無いはずだよ。命と引き換えにしても叶えたい望みって。そういうのを抱えている人は世の中に大勢いるんじゃないのかな」

 

さやかがフェンスをガシッと握り締める。

 

「だからそれが見つからない私達ってその程度の不幸しか知らないってことじゃん。恵まれすぎてバカになっちゃってるんだよ…何で私達なのかな…不公平だと思わない?こういうチャンス、本当に欲しいと思ってる人は他にいるはずなのにね」

 

「さやかちゃん…」

 

まどかはかける言葉を失う。

 

「…この世界はバランスで保っている」

 

未来の言葉に2人が振り向く。

 

「誰かが幸せになれば誰かが不幸になる。幸せと不幸のバランスは天秤のようになっている。例えば受験で合格する者がいれば不合格になる者もいる。恋が成就する者がいれば失恋する者もいる。そうすることで世界はバランスを保っている」

 

「くっ…でもそれじゃ!」

 

さやかが唇を噛みしめて反論しようとしたその時、屋上に上がってくる者がいた。

暁美ほむらだ。

さやかがまどかを庇うように立ち塞がり、未来も立ち上がる。

ほむらはまどか達の前に立って未来の顔を見た時、少し驚いたように目を見開いた。

 

「昨日の続きかよ」

 

さやかが喧嘩腰に言い放つ。

 

「いいえ、そのつもりは無いわ。そいつが鹿目まどかと接触する前にケリをつけたかったけど今更それも手遅れだし。…でどうするの?あなたも魔法少女になるつもり?」

 

「私は…」

 

「あんたにとやかく言われる筋合いはないわよ!」

 

さやかがそう言い放つ。

 

「…昨日の話、覚えてる?」

 

「うん…」

 

「ならいいわ。忠告が無駄にならないこと祈ってる」

 

ほむらはそう言って背を向けると屋上の出入り口に向かって歩き出す。

 

「ほむらちゃん!あの…あなたはどんな願い事をして魔法少女になったの?」

 

まどかがほむらを呼び止める。

その言葉にほむらは立ち止まり、こちらに振り返った。

しかし、結局は何も言わず去って行った。

未来は口を挟むことはなかったが、視界の端の遠くに緑の髪が僅かに見えたのに1人気づいたのだった。

 

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 放課後。

未来は校外でまどか達と待ち合わせた。

さすがに女子と一緒に下校することはまだメンタルが持たなかった。

 

「これが昨日の魔女が残していった魔力の痕跡。基本的に魔女探しは足頼みよ。こうしてソウルジェムが捉える魔女の気配を辿っていくわけ」

 

「意外と地味ですね」

 

マミの説明にさやかが身も蓋もないことを言う。

 

「明日川君の左手ってもしかして魔女の気配を感じ取れるんじゃないかな」

 

まどかが未来の左手を見て思ったことを口にする。

 

「…確かにそうですね。俺が何かを感じて向かった先では事故とかが起きていました。幸い誰も怪我していなかったみたいですけど」

 

「恐らく私や他の魔法少女が魔女を倒したから被害が最小限で済んだのかもしれないわね」

 

「それじゃマミさんがいない時はこいつの魔女センサーを使えばいいってことだね」

 

「魔女センサー…」

 

さやかのネーミングに未来は何とも言えない。

 

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 夕暮れの中、未来達は魔女を探していた。

 

「光、全然変わらないっすね」

 

さやかがマミのソウルジェムを見ながら言う。

 

「取り逃がしてから一晩経っちゃったからね。足跡も薄くなってるわ」

 

「あの時、すぐ追いかけていたら…」

 

まどかが自分のせいで迷惑をかけてしまったことに後悔する。

 

「仕留められたかもしれないけどあなた達を放っておいてまで優先することじゃなかったわ」

 

「…ごめんなさい」

 

「いいのよ」

 

マミの言葉にまどかは少し伏し目がちになりながら謝罪する。

 

「うん。やっぱりマミさんは正義の味方だ!それに比べてあの転校生!本当にムカつくな!」

 

さやかが思い出したように拳を握りしめて愚痴を溢す。

それに対してまどかはほむらの顔を頭に浮かべながら考える。

 

「本当に悪い子なのかな…」

 

しばらく探しているとさやかが話を変える。

 

「ねえマミさん、魔女のいそうな場所せめて目星くらいつけられないの?」

 

「魔女の影響で割と多いのは交通事故や傷害事件よね。だから大きな道路や喧嘩が起きそうな歓楽街は優先的にチェックしないと。後は自殺に向いていそうな人気の無い場所、それから病院とかに取り憑かれると最悪よ。ただでさえ弱っている人達から生命力が吸い上げられるから目も当てられないことになる」

 

マミが魔女探しのポイントをあげていくとソウルジェムの光が強くなっていった。

同時に未来の左手の痙攣も強くなる。

 

「かなり強い魔力の波動だわ。」

 

マミの言葉に3人の緊張が高まる。

 

「近いかも」

 

未来達が辿り着いたのは廃墟のような場所だった。

 

「間違いない、ここよ」

 

「マミさん、あれ!」

 

さやかが指差した先には今まさに屋上から飛び降りた人がいた。

まどかが悲鳴を上げるがマミは即座に魔法少女の姿に変身してリボンをまるでネットのように広げて飛び降りた女性を受け止めた。

女性を地面にゆっくり下ろすとその首元には刺青のような印があった。

 

「魔女の口づけ…やっぱりね」

 

「魔女の口づけ…」

 

未来が初めてみるものに呟く。

 

「この人は?」

 

「大丈夫、気を失っているだけ。行くわよ」

 

マミが気合いを入れて廃墟の中に進み、未来達が続く。

エントランスの階段の奥から空間の歪みのようなものが現れる。あれが魔女の結界の入り口なのだろう。

 

「今日こそ逃がさないわよ」

 

マミがさやかの持つバットに触れると見た目が変わりまるでゲームのアイテムのようになった。

 

「うわ、うわぁ!」

 

「凄い!」

 

「気休めだけどこれで身を守る程度には役に立つわ。絶対に私の傍を離れないでね」

 

マミの言葉はまさに頼れる先輩だった。

 

「「「はい!」」」

 

3人はそう応え、1人ずつマミの後に続いて魔女の結界に入っていく。まどかも少し躊躇したがすぐに入った。

それを見ていた人影があったことを未来達は知らなかった。

魔女の結界の中はまさに迷路でマミがいなければ迷って命はなかっただろう。

マミが魔女の使い魔と呼ばれる者を銃で倒し、さやかもバットで何とか追い払っている。

そんな中で未来は、

 

「(これが魔女の結界…一体どういう原理で出来ている?そもそも魔女とは何だ?災いをもたらすというがそれは自然発生するものなのか…それとも)」

 

「3人とも怖い?」

 

未来の思考をマミが止めた。

 

「何てことねぇって!」

 

さやかが強がるが少し声が震えていた。

さらに使い魔が現れ、マミが倒していく。

その時、3人の背後に使い魔が現れるとマミは飛び蹴りで倒す。それを見たまどかは、

 

「(怖いけど…でも…)」

 

さらに魔女の結界を進んで行く。

 

「頑張って!結界の最深部だ」

 

キュゥべえがエールを送り、進捗を教えてくれた。

さらに現れた使い魔をマミが瞬殺すると、奥の扉が連続で開き、その最奥にいたのは蝶のような羽を生やし、足元には植物のような根、胴体は内蔵のような色でキリンの首のように長く、頭はアメーバのようにドロッとしたものに赤い斑点が複数あった。

まさに化け物だ。

 

『薔薇園の魔女』

 

「見て。あれが魔女よ」

 

「うわぁ…グロい…」

 

「魔女というかモンスターですね」

 

「あんなのと戦うんですか?」

 

「大丈夫。負けるもんですか」

 

マミは頼もしい言葉と共にさやかのバットを床に突き刺すと3人の前に半透明の壁のようなものが現れる。

 

「下がってて」

 

 マミはそう言って魔女の前に降り立つ。

左足を床に踏みつけて、魔女の意識をこちらに向かせると

スカートの裾を少し上げるとその下からマスケット銃が2丁出てくる。

魔女が巨大な物体を投げつけ、マミがそれを躱して銃を撃って破壊する。

魔女が飛びかかってくると、マミは帽子を脱ぎマジシャンのように帽子からマスケット銃を多数取り出す。

床に突き刺さった銃をマミは1丁ずつ手にしては撃って投げ捨てる。

魔女は距離を取って逃げ、マミはそれを追う照準をつけて撃っていく。

その時、マミは気づいた。

足に小人のように群がっている使い魔を。

それはやがて大きなツルに変化し、マミを拘束し振り回す。

マミが銃を撃つが、魔女には当たらずツルによって壁に叩きつけられた後、逆さに吊り上げられた。

 

「マミさ~ん!」

 

さやかが悲痛の叫びを上げる。

だがマミは、

 

「大丈夫。未来の後輩にあんまりカッコ悪いところを見せられないものね!」

 

安心して言わんばかりに未来達に笑みを浮かべてきた。

すると、床から糸のようなものが伸び上がり魔女を拘束していった。

 

「惜しかったわね」

 

マミが首元のリボンを片手で外す。

リボンは空中を浮遊するとマミを拘束していたツルを切断する。

さらにそのリボンが巨大な銃に変わっていく。

マミは可愛らしいウインクと共に、

 

「ティロ…フィナーレ!」

 

放たれた砲撃は魔女を一撃で消し去った。

ショーのように床に降り立ったマミはいつの間にか持っていた紅茶を一口飲むとこちらに微笑みかけてきた。

 

「勝ったの…」

 

「凄い!」

 

「これが魔法少女の戦い…」

 

3人がそれぞれの感想を述べていると、結界が解け始め元の現実空間に戻っていく。

マミが床から拾い上げたものを3人に見せる。

 

「これがグリーフシード。魔女の卵よ」

 

「卵…」

 

「運が良ければ時々、魔女が持ち歩いていることがあるの」

 

「大丈夫、その状態では安全だよ。むしろ役に立つ貴重なものだ」

 

卵と聞き、孵化するのではないかと想像した未来の考えは杞憂だったようだ。

 

「私のソウルジェム、昨夜よりちょっと色が濁ってるでしょ」

 

「そういえば」

 

「でもグリーフシードを使えば…ほら」

 

マミがソウルジェムとグリーフシードを近づけるとソウルジェムの濁りがグリーフシードに流れていく。

その現象に未来は、

 

「あ…」

 

何か既視感を覚えた。

 

「あ、綺麗になった」

 

「ね、これで消耗した私の魔力も元通り。前に話した魔女退治の見返りっていうのがこれ」

 

マミがそう言って暗闇に向かってグリーフシードを投げる。それをキャッチする者がいた。

 

「あと一度くらいは使えるはずよ。あなたにあげるわ…暁美ほむらさん」

 

「あいつ…」

 

さやかがほむらに対して警戒心を露にする

 

「それとも人と分け合うのは不服かしら?」

 

「あなたの獲物よ。あなただけのものにすればいい」

 

そう言ってほむらがマミにグリーフシードを投げ返す。

 

「そう。それがあなたの答えね」

 

マミの言葉にほむらは無言で去って行く。

 

「く~やっぱり感じ悪い奴!」

 

「仲良く出来ればいいのに…」

 

「お互いにそう思えれば…ね」

 

その後、自殺未遂の女性が目を覚ましパニックになるがマミは抱き締めて安心させた。

 

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自宅に帰り、ベッドに横になりながら未来は今日のことを考えていた。

 

「あれが魔女…あれが魔法少女の戦い…そして、グリーフシード…」

 

未来は自身の左手を天井に伸ばす。

 

「グリーフシードに濁りが流れていった時の…あの感覚は一体…」

 

己の謎がさらに深まった1日だった。

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