魔法少女まどか☆マギカ 未来 作:kuroto xanadu
応援ありがとうございます。
朝になった。
長い夜が明け、未来は精を絞り尽くされ賢者タイムを超えた賢者タイム、大賢者タイムになってベッドに大の字で横たわっていた。
すぐ隣にはマミが静かな寝息を立てて眠っている。
ちなみに2人とも全裸である。
プルルルルルッ!
携帯の着信音が鳴り響く。
未来はダルい体を何とか動かしながら脱ぎ捨ててあるズボンのポケットから携帯を取り出す。
時刻を見ると8時を過ぎていた。
電話の相手はまどかだった。
「…はい…」
《あ、未来君?今起きたの?》
「ああ」
《何か辛そうだね…》
「ちょっと寝不足なんだ」
《大丈夫?》
「うん…」
《マミさんはどう?あれから》
「今はだいぶ落ち着いてきたよ…でもまだ見ておいた方が良さそうだから今日は俺も学校休むよ。先生には…」
《私から伝えとくよ。体調不良だって》
「ありがとう。それじゃまた」
《うん。またね》
2人はそう言って通話を切る。
未来は隣で眠っているマミの前髪を撫でる。
「んっ…んん…」
マミがくすぐったそうにする。
「(可愛いな…)」
「ん…うん?…未来…君?…」
「おはよう…マミ」
「おはよう…ふわぁ…」
マミが体を起こして欠伸をした。
「あ…もう…恥ずかしいから見ないで///」
欠伸を見られたことで恥ずかしがるマミ。
「昨日もっと恥ずかしいことしてましたけどね」
「未来君の意地悪!」
マミが頬を膨らまして抗議する。
「とりあえずシャワーを浴びてきて下さい。俺も後から浴びます。それから…部屋を掃除しましょう」
未来が寝室を見渡して口にする。
昨晩の情事のせいで服は脱ぎ散らかし、精液と愛液がそこら中に飛び散っているのでイカ臭い匂いが寝室に充満しているのだ。
「私は一緒に入ってもいいのだけど?」
「俺が我慢出来なくなるのでやめておきます」
マミの誘いを未来は断る。
これ以上、体力と精力を持っていかれる訳にはいかない。
「…そういえば忘れてましたけど俺達ゴムなしでやってました…」
未来は生でヤっていたことを今更少し後悔する。
「心配ないわ。魔法少女は魔力を子宮に集中すれば妊娠しないのよ」
「…何でそんなこと知ってるんですか?」
未来がジト目で訊ねる。
「キュゥべえに聞いたのよ。一応よ一応」
「…」
「何よ…そうよ!未来君のことを好きになってからいざという時の為に聞いたのよ!悪い!」
照れ隠しで逆ギレするマミ。
「いえ…俺も余計なことを考えずに済むのでありがたいです」
「もう少し大人になってから作りましょう…赤ちゃん」
「えっ」
「シャワー浴びてくるわね」
マミのカミングアウトに未来が動揺してる隙に浴室へ向かう。
その時、未来はプリプリ動くマミのお尻に目がいってしまった。
「…今、お尻見てたでしょ?」
マミがニヤッと笑みを浮かべる。
「なっ!///」
「未来君のエッチ~♥️」
マミは楽しそうに笑いながら浴室へと駆け出した。
「…はぁ…油断するとまた勃ちそうだ」
未来は自分の性欲の強さに呆れた。
寝室を見渡して、
「下手したら1日かかりそう…」
部屋の惨状にそう呟くのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
シーツと布団と服を洗濯に出し、床を消臭スプレーで洗浄したり、掃除機をかけたりして何とか午前中には片付けを終わらせた。
マミは昨日の制服から部屋着に着替えている。
未来も制服が乾いたので元の服に着替えている。
「マミ、提案があるんだ」
「何?」
「俺としてはもう少しマミと一緒にいたい。だから何日か泊まっていいかな?」
未来はマミがまだ魔女と戦える精神状態ではないことを考えてケアを続けた方がいいと思っての提案だった。
マミも口には出さないがそのことを察して、
「ええ、いいわよ。というかこちらこそお願いしたいぐらいだわ」
「ありがとう。それじゃあ一度家に戻って着替えとか持ってくる」
こうして僅かながら未来とマミの同棲生活がはじまるのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
午後4時頃。
見滝原中も授業が終わり放課後になった。
お昼の内に着替え等を持ってきていた未来はマミに対して『魔女』などワードを出さないように気を遣いながら話していた時。
ピンポーン。
インターホンが鳴った。
「俺が出ますね」
そう言って未来がインターホンの通話ボタンを押し、モニター画面を映す。
映っていたのは学校終わりに来たまどかだった。
さやかの姿はない。
「今、開けるよ」
未来が玄関に向かってドアを開ける。
「こんにちは、未来君。マミさんの調子はどう?」
「良くなってきたよ。あ、でも魔女とかのワードは禁止でお願い」
「分かった」
「さ、入って」
「お邪魔します」
リビングに向かう途中でまどかが、
「未来君、泊まってたの?」
「うん。そうだよ」
「っていうことは…その…同じ部屋で寝たりとか…」
「いや…マミ…マミさんはベッドで、俺はソファだったかな」
嘘である。
未来はマミと全裸で同じベッドに寝ていた。
「そうなんだ…良かった…」
罪悪感を覚えながら未来はリビングにまどかを連れてきた。
「いらっしゃい。鹿目さん」
「お邪魔します。マミさん」
「座ってて。今、紅茶を用意するわ」
「いや俺がやります。マミさんも座ってて下さい」
「え、でも…」
「大丈夫だから」
「未来君がそう言うなら…」
マミが未来の言葉に従い座り直す。
「ん?」
そこでまどかが疑念を抱く。
未来がキッチンに向かってマグカップを持ってくると、
手慣れた手際で紅茶を注いでまどかに渡す。
「どうぞ」
「ありがとう…ん……美味しい…」
「どういたしまして」
「未来君の淹れる紅茶は本当に美味しいわ」
「ありがとうございます」
「んん?」
一連のやり取りを見ていたまどかがさらに疑念を抱く。
「未来君、マグカップの位置なんて知ってたの?それに何か慣れてない?」
「え、まあ…昨日の夜と今日の昼間も紅茶飲んだし、淹れ方は前にレコンパンスっていうお店で見たことがあったから」
「レコンパンスってあのケーキ屋さん?」
「実は常連なんです、俺」
マミの確認に未来が答える。
「そ、そうなんだ…」
まどかはそう言うがまだ納得し切れない部分がある。
未来とマミの距離が何だか異様に近いのだ。
とはいえここで直接的に問えるはずもないので、
視線を横に移して、
「未来君、あの荷物って…」
「ああ、まだマミさんのことが心配だから何日か泊まることになったんだ」
「え…やっぱりそうなんだ…ねぇマミさん、私も泊まっていいですか?」
「え、構わないけど…未来君は一人暮らしだけど…鹿目さんは親御さんと暮らしてるのよね?まずは許可を取らないと…」
「分かりました!ちょっと待ってて下さい!」
そう言って立ち上がったまどかがリビングを離れて携帯で誰かに電話をかける。
「あ、ママ?あのね…今日友達の家に泊まりたいんだけど…誰と?えっと…学校の先輩とクラスメートの未来君…えっ…いや…未来君は男子だけど…そういうのじゃなくて…だから違うってば…うん…分かった…切るね…」
通話を切って戻ってきたまどかの肩はズーンと沈んでいた。
「ダメだった…」
「残念だったね」
「ママの分からず屋…」
「心配なんだよ。そう言ってくれる親は大切にしないと」
「うん。分かってる…それじゃ今日はお茶飲んだら帰るけど…未来君、マミさんに変なことしちゃダメだよ」
「う、うん…もちろんだよ」
嘘である。
既にこの男は夜通しでマミと致している。
当然、そんなことは知らないまどかは座り直して紅茶を飲み直す。
その後も他愛ない話をしているとあっという間に時間が過ぎてしまい時刻は7時を回った。
「いけない!そろそろ帰らないと…マミさん、お邪魔しました」
「こちらこそ今日は来てくれてありがとう」
「また来ます」
「ええ。待ってるわ」
「送るよ」
そう言う未来にまどかは首を横に振り、
「大丈夫。1人で帰れるよ」
そう言って未来の耳元に口を近づける。
「未来君はマミさんの傍にいてあげて」
「…分かった。気をつけて」
「うん」
そう頷いてまどかは玄関を出て、自宅に帰っていった。
「…マミ」
「なぁに?」
「危なかったよ」
「私は構わなかったけど?」
「…」
マミの言葉に未来は冷や汗が止まらなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
日も暮れ暗くなった帰り道をまどかは歩いていた。
「あれ…仁美ちゃん?」
その途中でクラスメートの仁美を見かけた。
「仁美ちゃ~ん!」
まどかは仁美に近づいていく。
「今日はお稽古ごと~?」
そこでまどかは仁美の首元にハコの形をした痣のような印に気づいた。
「(あれ、あの時の人と同じ…)仁美ちゃん!」
まどかは仁美の前に立ち塞がる。
「ねえ…仁美ちゃんってば!」
「あら~鹿目さん、ごきげんよう」
「どうしちゃったの?ねえ、どこ行こうとしてたの?」
「どこって…それは…クスッ…ここよりもずっといい場所…ですわ」
「仁美ちゃん…」
「そうだ…鹿目さんも是非ご一緒に…ええそうですわ…それが素晴らしいですわ!」
そう言って歩き出す仁美にまどかはついていく。
前を歩いていく仁美はまるでパイレ○ツ·オブ·カリビアンのジャック·スパロウのように陽気に歩いていた。
「(どうしよう…これってまさか…)」
まどかはどうすればいいか分からなかった。
しばらく歩いていくと虚ろな目をした人達が何人も一緒に歩いていた。
「(あ…ああ…マミさんは…ダメ…ほむらちゃんに連絡できたら…ああダメだ…携帯番号分かんない…そうだ未来君なら知ってるかも…)」
まどかは未来の携帯に電話をかける。
2回コール音が鳴った後に繋がった。
「未来君!あの…魔女の口づけをつけられてる人達がいて…ほむらちゃんの携帯番号分かんなくて…未来君なら知ってるかな?」
《いや俺も知らないけど…今どこにいるの?すぐに行くよ》
「でもマミさんが…」
《まどかは大切な友達だ。放っておける訳ないよ》
「ありがとう。場所は…」
まどかは未来に現在地を教える。
《分かった。すぐに向かうから》
「うん!」
そう言い合って通話を切った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「すみません。まどかのところに行ってきます」
「待って!私も…っ!」
未来についていこうとしたその時、マミの脳裏に『お菓子の魔女』との戦闘がフラッシュバックして膝から崩れ落ちる。
「マミはここにいて」
「でも私…」
「大丈夫。必ず帰ってきますから」
未来はマミを安心させるように優しい言葉をかける。
「…うん…待ってる…いってらっしゃい」
「いってきます」
そう言って未来がマミの唇に口づけをすると、玄関を飛び出してまどかの元へ走った。
未来のいなくなった場所でマミは、
「…私…このままじゃ…」
床についた拳を弱々しく握りしめたのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
まどかと魔女の口づけの被害者が辿り着いたのはどこかの廃工場のような場所だった。
男性が絶望したようなことを呟いて、女性がその横を通ってバケツを床に置いて2本のボトルの蓋を開けて中身をバケツに注いだ。
さらに男性が容器を持ってきた。
まどかは母の言葉を思い出した。
ーいいか?まどか、この手のものには使いようを間違えるととんでもないことになるものもある。あたしら家族全員あの世行きだ。絶対に間違えんなよー
「ダメ…それはダメ!」
止めようとするまどかを仁美が遮った。
「邪魔をしてはいけません。あれは神聖な儀式ですの」
「だって…あれ危ないんだよ!ここにいる人達みんな死んじゃうよ!」
「そう…私達はこれから皆で素晴らしい世界に旅に出ますの!それがどんなに素敵なことか分かりませんか!生きてる体なんて邪魔なだけですわ!鹿目さん、あなたもすぐに分かりますから」
仁美の演説に拍手が飛び交う。
「離して!」
まどかは仁美を振り切ってバケツを抱えると窓に向かって投げ込む。
パリンッと音を立ててバケツが外に放り出される。
「はぁ…はぁ…」
まどかが息をついていると背後でボトンッと容器が落ちる音が響く。
まどかが振り返るとそこにはゾンビのような目をした魔女の口づけの被害者がまどかを囲んでいた。
「あぁ…ああ…」
まどかがもうダメかと思ったその時、パリンッと音を立てて何者かがまどかの前に背を向けて立った。
「お待たせ」
「未来君!」
「安心するのはまだ早いよ…さすがに数が多いな…こっちだ!」
未来がまどかの手を取って横側のドアに向かって走り出すとドアを開けてまどかを先に行かせて未来は追っ手に後ろ蹴りをかまして距離を離してから部屋の中に入って鍵を閉める。
外からドンドンとドアを叩く音が響く。
「くそ…バイオハザードかよ…はっ!しまった!」
未来は自分の迂闊さに舌打ちした。
まどかを助けることを優先するあまり左手の感覚に意識がいってなかったのだ。
気づいた時にはもう遅く、魔女の結界に入ってしまっていた。
「まどか!…ぐっ!」
まどかを助けに行こうとするが使い魔によって押さえつけられてしまい身動きが封じられた。
「(罰なのかな…これって…きっと私が弱虫で嘘つきだったから…バチが当たっちゃったんだ…)」
マミと魔法少女として戦っていくと約束したのに死ぬことが怖くなって裏切ってしまったと思っているまどかは後悔していた。
そんなまどかの上からブラウン型テレビのような形をした魔女が笑い声を上げながら降りてきた。
『ハコの魔女』
使い魔がまどかの両手両足を引っ張る。
「まどか!くそ…俺は!」
未来が自分の無力さに悔しさを感じていたその時。
水色の光が走った。
その光はまどかを拘束していた使い魔を一瞬で倒した。
その光の正体は、
「さやかちゃん?」
美樹さやかだった。
しかし、その姿はいつもと違いマントをかけていた。
現れた使い魔を目に止まらぬ速さで斬り倒していく。
さらに彗星のように魔女にタックルして吹っ飛ばす。
「これでトドメだぁ!」
さやかは魔女に剣で強烈な一撃をお見舞いした。
床に叩きつけられた魔女は血のような液体を噴き出して倒された。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『ハコの魔女』が倒されたことで結界が消えていく。
「いや~ごめんごめん!危機一髪ってところだったね!」
「さやかちゃん…その格好…」
まどかと未来はさやかの姿を改めて見る。
全体的には青い印象の騎士のようで、胸の鎧とスカートは青、お腹の部分は白く、背中には白いマントをはためかせている。
右手には剣を持っている。
「ん?ああ!まぁなに…心境の変化って言うのかな~」
さやかの惚けた態度にまどかが心配そうな顔をする。
「大丈夫だって!初めてにしては上手くやったでしょ…私」
「でも…」
「さやか」
まどかの言葉を未来が遮った。
「ん?」
さやかが可愛らしく小首を傾げる。
「…カッコよかったよ」
未来の誉め言葉にさやかは一瞬キョトンとしたがニカッと笑顔に変わるとサムズアップした。
その時、誰かが現れた。
毎度、おなじみの暁美ほむらである。
今回は魔法少女の姿ではなく制服姿だ。
「あなたは…」
「ふん…遅かったじゃない転校生!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
とある鉄塔の上でパンにかじりつく少女がいた。
「ふぅ…まさか君が来るとはね」
「マミの野郎が使い物にならなくなったって聞いたからさ…わざわざ出向いてやったってのに…何なのよ!ちょっと話が違うんじゃない?」
その赤毛の少女は食べながらキュゥべえに文句を言う。
「悪いけど…この土地にはもう新しい魔法少女がいるんだ。ついさっき契約したばかりだけどね」
「何それ超ムカつく!…でもさ…こんな絶好のナワバリみすみすルーキーのひよっこにくれてやるってのも癪だよね~」
「どうするつもりだい?」
「決まってんじゃん…ぶっ潰しちゃえばいいんでしょ…その子」
そう言って赤毛の少女はニヤリと笑った。
まるで悪戯っ子のように。
さやかが魔法少女になりました。
次回はマミメインとなる予定です。