魔法少女まどか☆マギカ 未来 作:kuroto xanadu
翌日。
未来は今日、学校に登校していた。
体調不良ということにしてもらっていたので早乙女先生とかにやたら心配されていた。
仁美は昨日の出来事を夢遊病か何かと思い込んでいるようでさやかもそれを利用してとぼけた態度を取っている。
放課後。
未来は屋上のベンチに座りながら空を見上げてボーっとしていた。
「未来君」
そんな彼に声をかける者がいた。
未来が顔を下げると愛生まばゆがいた。
「まばゆさん、どうしたんですか?」
「いえ…その…巴さんの様子が気になって…どうですか?」
「良くなってるよ。良くなりすぎてるくらいかも…」
未来が視線を逸らす。
「え?」
「いや何でもない。それよりまばゆさんとはもっと違う話がしたいな。昨日観たエイ〇アン2なんだけど…」
「また2ですか~未来君は本当に2が好きですね」
2人はそれからしばらく映画の話をしていた。
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夕方。
さやかがキュゥべえに願い、事故で怪我をしてバイオリンを弾けなくなった幼馴染、上条恭介の腕を完治させたお祝いに病院の屋上でバイオリンを弾かせてあげていた頃。
そこから遠くの展望台で双眼鏡で観察している者がいた。
「ふ~ん…あれがこの町の新しい魔法少女ね~あむっ」
その人物…赤毛の少女はウエハースをかじる。
「本当に彼女と事を構える気かい?」
キュゥべえは問う。
「だってチョロそうじゃん。瞬殺っしょあんな奴。それとも何?文句あるってのあんた」
赤毛の少女は指輪を赤いソウルジェムに変える。
「全て君の思い通りにいくとは限らないよ。この町には巴マミを除いてもう1人魔法少女がいるからね」
「へぇ~何者なのそいつ?」
「僕にもよく分からない」
「はぁ?どういうことさ!そいつだってあんたと契約して魔法少女になったんでしょ?」
「そうとも言えるし違うとも言える。あの子は極めつけのイレギュラーだ。どういう行動に出るか僕にも予想できない。それにイレギュラーはもう1人…」
「明日川未来…グリーフシードみたいなことが出来る男だっけ…本当にそんな奴がいるのかよ。魔法少女でもないんだろ?」
「おまけにソウルジェムと同じように魔女を探知出来るみたいだ。彼の存在は僕もよく分からない」
「はっ!上等じゃないの。退屈過ぎてもなんだしさ~…あむっ…ちっとは面白味もないとね~」
赤毛の少女はウエハースを食べ尽くすとその場を去って行った。
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未だ日も暮れない夕方。
未来はマミの自宅に帰る前に夕飯の食材を買おうと商店街を歩いていた。
だがその予定は変えざるを得なくなった。
「魔女?いや…この感じは使い魔か!」
未来は魔女を探知する回数を重ねていく度に魔女か使い魔か感じ分けられるようになった。
彼は元来た道を引き返して走り出す。
現場に辿り着いた時、その場にいたのはまどか、キュゥべえ、魔法少女姿のさやか、さらに見たことのない赤毛の魔法少女がいた。
まどかとキュゥべえ、さやかと赤毛の魔法少女の間には赤黒い鎖の通行止めのようなものがあって分断されていた。
「まどか!」
「未来君!さやかちゃんが!」
「さやか…と誰だ?」
未来はさやかの前にいる赤毛の魔法少女を改めて見る。
「え…」
その少女を見た未来は固まる。
「あの子は…」
彼は思い出す。
夢で見た6人の魔法少女。
その中の1人の後ろ姿が目の前の少女と瓜二つなのだ。
未来は首を横に振る。
「今はそんなことより…」
目の前の鎖のようなものに手を伸ばす。
「ダメだよ!未来君、危ないよ!」
「未来?」
まどかの叫びに反応したのは赤毛の魔法少女だった。
「へぇ~あんたが人間グリーフシードってやつ?」
「に、人間グリーフシード?」
そのネーミングに未来が軽くショックを受けていると、
「余所見すんな!」
赤毛の魔法少女にさやかが斬りかかる。
「…ちょっとさ。やめてくれない?」
さやかの剣を赤毛の魔法少女は片手でその背丈より大きい槍を地面に立てたまま受け止めた。
さやかが両手で力を入れるが赤毛の魔法少女はたいやきをかじりながら汗1つかかず余裕な態度を取る。
「遊び半分で首突っ込まれるのってさ…ほんとムカつくんだわ」
赤毛の魔法少女が軽く槍を押すとさやかが吹っ飛ばされる。
さらに槍の持ち手部分が分離する。その間には鎖で繋がれていた。
「多節棍?」
未来が目を凝らして声を出す。
赤毛の魔法少女は分銅鎖をさやかに向けて放つ。
さやかは剣で受け止めるが赤毛の魔法少女のパワーの方が強く吹っ飛ばされる。
さやかの体が水道管に当たり、そこから中の水が流れる。
「ふん!トーシロが…ちっとは頭を冷やせっての」
赤毛の魔法少女はその場を去ろうと踵を返す。
「おっかしいな…全治3か月ってぐらいにはかましてやったはずなんだけど」
「さやかちゃん、平気なの?」
「彼女は癒しの祈りを契約にして魔法少女になったからね。ダメージの回復力は人一倍だ」
「誰があんたなんかに…あんたみたいな奴がいるからマミさんは!」
「うぜぇ…」
赤毛の魔法少女はたいやきの残りをパクッと口に放り込んでさやかを睨みつけて振り返る。
「超うぜぇ!…つ~か何?そもそも口の利き方がなってないよね!先輩に向かってさ」
「黙れ!」
さやかが斬りかかる。
「チャラチャラ踊ってんじゃねぇ!ウスノロ!」
赤毛の魔法少女が多節棍を開いたり閉じたりしてさやかを追い込む。
「さやかちゃん!」
「まどか!近づいたら危険だ!」
多節棍でさやかを拘束して壁に叩きつける。
「言って聞かせて分からねぇ…殴っても分からねぇバカとなりゃ…あとは殺しちゃうしかないよね!」
赤毛の魔法少女の槍の一突きをさやかは同じように突きでぶつけ合った。
赤毛の魔法少女の表情が一瞬、余裕から動揺に変わる。
「負けない…負けるもんか!」
そこから2人は槍と剣をガキンガキンと金属音が響かせて弾き合う。
「どうして…ねぇどうして…魔女じゃないのに…どうして味方同士で戦わなきゃならないの?」
「どうしようもない。お互い譲る気なんてまるで無いよ」
「お願いキュゥべえ!止めさせて!こんなのってないよ!」
「僕にはどうしようもない。でも…」
キュゥべえはそこまで言ってまどかの肩から下りる。
「どうしても力づくでも止めたいのなら方法が無いわけじゃないよ」
「え?」
「あの戦いには割り込むには同じ魔法少女でなきゃダメだ。でも君にならその資格がある。本当にそれを望むのならね」
それはこの状況を利用したある種の誘惑だった。
「(そうだ…私が契約すれば…)」
「まどか?」
未来が隣のまどかに訝しげな目をする。
心優しいまどかはキュゥべえの誘いに揺らぐ。
そんなことを考えているとさやかが剣と共に吹っ飛ばされる。
「終わりだよ!」
赤毛の魔法少女はとどめの一撃を放とうとしていた。
「(私…)」
まどかが契約を決めようとしたその時、赤毛の魔法少女の目の前に一発の銃弾が放たれた。
「何⁉」
赤毛の魔法少女は咄嗟に体を反らして躱し地面に着地する。
「誰だ!」
銃弾が放たれた方向に視線を向ける。
夕焼けをバックに現れたのは…
「お前…マミ?」
魔法少女の姿をした巴マミだった。
マミさん復活!
あの赤毛の少女はまだ明かしません。